くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

角川文庫編集長になってみる(妄想)

2009-02-10 05:20:07 | 〈企画〉
千羽鶴を見ると、
「あっ、これ『ひでおと素子の愛の交換日記』を読んだ人が作ったんだ!」
と思うことがあります。折り紙を十六等分して折って、百羽ずつグラデーションにするの。わたしも作りましたヨー。文化祭で飾ったら「NO MORE ヒロシマ」みたいと言われました(笑)。
この本、復刊されましたね。(吾妻ひでお・新井素子 角川文庫)
中三からかなり長い間新井さんの本に熱中していたわたしとしては、とても懐かしい感じがしました。買わないけど。読み倒したので。
復刊は毎月選ばれる文庫編集長のリクエストなんですね。結構懐かしい作品が書店に帰ってきました。恩田陸やあさのあつこが選ぶ文庫とあっては、ファンも気にかかるでしょう。
わたしだったらどんな六冊にしようかなーと、絶対ありえないのに本気で想像してみたり。
やっぱり、この機会に三浦哲郎さんの「赤裸の人々」を復刊してもらわねばっ! あ、自分では持っているのですよ。もともとの題名は「おりえんたる・ぱらだいす」。なんか、想像力を刺激するでしょう? 教科書に載っていた著者紹介に出ていて、読んでみたかったのです。
実は、「おりえんたる・ぱらだいす」というのは、ダンスホールの名前なんですけどね。
あとは、今邑 彩「蛇神」。ホラー文庫に入っていたんだけど、最近は見かけないのですー。続きも四冊くらいあるけど、とりあえずこれだけでもいいですよ。一人の娘がどんどん変わっていくのが、なんとも。
今邑さんの作品はとてもおもしろいのに、今本屋に並んでいるのは少ないように思います。「そして誰もいなくなる」(中公文庫)とか「七人の中にいる」(上同) とか復活してほしい……。
あとは、坂東真砂子「狗神」。こういう伝奇小説が大好きなのです。友達に勧められて読みました。
金田一構助シリーズから「悪魔が来たりて笛を吹く」(横溝正史)。名作! 友人みえっちさんが横溝を全巻持っていて、遊びに行くと本棚の一角が真っ黒だったことを思い出します。
その影響で読むようになったのですが、これは古本で買いました。読み終わったときの衝撃たるや忘れられません。
二年くらい前にドラマ化していましたが、曲を聞いて感激しました! あの指定に忠実に作曲されてイメージも合っています。何より、横溝の頭なかだけに存在した音楽が、実際に現れるということに。

あと二冊。高村文彦「火花」。ハンセン病患者としての思いを文学に燃やし尽くした北條民雄の生涯。
わたしは高校生のころ、一時川端を読み漁ったので、こういう文章を読んだことがあるような、ないような。
もともと横光に傾倒していて、とくに川端を好きでもなかった北條が、なんとか文章を世に出そうと懸命になる様子がよくわかります。「河端先生」という手紙を出していたというエピソードはちょっと可笑しい。
しかし、出版社を訪ねたとき、表面では仲良くやっているつもりなのに、彼が泊まった部屋を慌てて消毒しようとしてやけどを負う編集者のことが、やっぱりちりちりと胸に残ります。あとからそのことを知って、北條はたいへんショックを受けるのです。
多摩全生園が描かれているので、松木信「生まれたのは何のために」と重なる部分もあり、分厚かったけと頑張って読みました。北條自身の作品集「いのちの初夜」(角川文庫)はまだ表題作しか読んでいませんが……。
そして、宮部みゆき「あやし」かな。宮部さんはこういう時代短編がほんとうに上手いので、もっと書いてほしいのですが。
宮部さんに限らず、長編のほうがよく出版されている気がするので、短編好きのわたしはちょっと残念です。
と言いつつ、ここに挙げたのもほとんど長編ですけどね。

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1 コメント

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Unknown (ミリオン)
2024-05-18 22:22:21
こんばんは。
嬉しいです。頑張って下さい。今日の朝は、1週間分の「虎に翼」を見ました。

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