くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「5分後に意外な結末 赤い悪夢」

2016-03-05 08:42:19 | YA・児童書
 ……意外でした。こんなに肌に合わないとは。
 「30本の読み切りショートショート」「あっという間に読める! あっと驚くどんでん返し」「朝読にも最適」「ぞっとするラスト うるっとくる結末 奇妙な味わい」と帯にあります。
 書店では平積みになっていますね。
 図書館でも見かけないので、学校図書館に入れてみました。全国的に人気があるそうです。

 これをおもしろいと思えないのは、わたしがすれっからしの本読みだからでしょうか。中学時代に読めば、どこかでうるっときたりぞっとしたりしたのでしょうか。
 この前、星新一やO・ヘンリーでも「あれー?」と思うような短編があったので、わたし自身の見方が変わった可能性はあります。
 でも、やっぱり、小説は「語り」が勝負だと思いました。同じ骨子でも、語り方で変わる。
 この「5分後に意外な結末」(学研)には、外国の小咄の翻案がメインで収録されています。
 「箱のボタン」は、不況のため仕事を失った男が酒に溺れたせいで妻子が家を出たことから始まります。一発逆転を狙ってギャンブルに手を出しますが、やはりうまくいきません。
 ある夜、見知らぬ男が現れて、箱の中の特殊なボタンを渡されます。これを押すと寿命は十年縮む。その代償に百万ドルが貰える。三日間預けるから、その間に決断してほしい。
 妻子に会いたいと、ボタンを押す彼のところに、例の男がやってきて箱を回収。百万ドルを手渡されます。その箱はこれからどうなるのかと尋ねると、また別の人に届けると言われます。
「もし、その人がボタンを押さなかったら、その人が指定する方のところに届けることになります。今回、あなたのところへ参ったように」
 男が妻子から依頼されたことを暗示して終わりです。
 あらすじを書いてみて、やっと展開が理解できました。
 なぜ、そのボタンが届けられるのか、一読ではわからないのは、わたしに読解力がないのでしょうか。

 ああ、でも大概の話は展開の予想がつきましたよ。でも、サキの短編が出典という「無口なアン夫人」は、夫婦げんかした夫が何を話しかけても椅子に坐ったまま無反応。飼い犬が騒ぎを起こしても。実は夫人は、夫が帰宅する二時間前に死んでいた、という話。
 三分の一くらい読めば、オチは分かるのです。でも、なぜ死んだのか、夫がそれに気づいていないのはなぜかわからない。原作もそうなのですか? でも、「開いた窓」も「猿の手」も、もっと怖いイメージだったのですが……。

 自分のことを知らないのかと教授に問いかける「答案用紙」と、母親が登校拒否する息子を諭す「学校嫌い」はおもしろかったと思います。

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