しまちゃんの愛し糸島ブログ

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「あなたが世界を変える日」というイベント2 大牟田智子さんと古野隆雄さんのトーク

2011年11月07日 23時45分24秒 | 農業・環境関係

「あなたが世界を変える日」というイベントの1部のセヴァンの映画の後、産院の大牟田智子院長と合鴨農家の古野隆雄さんのトークショーがあった。

古野さんは合鴨農法でNHKのプロフェッショナルとか情熱大陸などの有名番組に紹介された日本を代表するプロの農家だ。合鴨農法で農薬を使わず、稲を育て、水田になまずやドジョウを放す。合鴨は害虫をえさとし、糞は有機肥料となり合鴨が水田を動き回ることで水を攪拌して酸素を水田に取り込む。そして、秋に高級食肉として出荷される。ドジョウも大きくして夏出荷され、畦にイチジクなどの果樹を植え秋に実りをもたらす。地味豊かな水田は秋、稲を収穫後多種の野菜を作る畑となる。そういうよく考えられた、そしてよく働く有機農法は経営もうまくいっているし、息子さんが後継者としていっしょに働いている。

古野さんはセヴァンの映画にも出ているので、監督のジャンポール・ジョンとの出逢いや撮影や山口での宴会のことなどを語られていた。

古野さんは生物多様性と安全で持続可能な農業が社会にとって大切であることを強調されていた。

春日助産院の大牟田智子さんはお母さんも助産師さんで産院は45年の歴史があり自然分娩を希望して産院にやってこられる妊婦さんと向き合っていらっしゃる。特に「命のこと」「食べること」の繋がりと大事さを強調されていた。

大牟田さんは妊婦さんに食事ノートをつけてもらい、毎回の食事の内容を調べてみたそうだ。すると、妊婦さんたちの食事が、自分で栄養を考えて作ったものでなく、買ってきたもので済ましていることの多さに気付いたそうです。妊婦さんが腰がちょっと痛いとか足がいたいとかちょっと出血するとか、「ちょっとだけおかしい」という自覚症状のある妊婦さんが近年増えている。子宮の筋肉の持久力が無い人とか(出産の時間がとてもかかかる原因になることが多い)、20歳の女子大生くらいの人に聞くと、同級生で子宮筋腫とか子宮の病気の人が10人に1人くらいいるとのことなど現代の女子が出産力(そういう言葉は使われていなかったかもしれないが)が弱くなっていること、男子も精子の量が極端に減ってきていることなど、日本人の少子化の一つの原因としての生殖能力の低下があると思われるとのこと。

その原因が食事に対する知識があまりにも無く、食事の価値を認識していないことにあるととのこと。

「食べ物」は全て「命あるもの」であるという基本的な話から、1960年代に日本経済が高度成長するときに農薬は大量に使われるようになり、自然分娩から病院出産の時代になっていったこと。また1960年当時の野菜は今のスーパーの野菜に比べ栄養価が3倍あり、カロリーベースで90%の食糧自給率を誇っていた。

日本が子供が生まれなくなってきたこと、気持ちよく死ねなくなってきたこと、ストレスが多くて気持ちよく生きれる社会でなくなってきたこと等が語られ、トークはまたセヴァンの映画のことに戻っていった。

「私たちの行動が持続できる世界を作れるか?経済優先の社会でいいか?科学やテクノロジーとの付き合い方を考える必要があるのでは?」といった、セヴァンが10歳のときに演説したことを映画の中でセヴァンの父がセヴァンに「表現方法を変えても同じことを語り続けるしかない」と語ったシーンを取り上げて、お二人のトークが進む。

あらゆる生きものが子孫繁栄のために生きているという生物学的側面を持っているが、人類は持続できなくなってきている。今転換期に来ている。

農業には一人ではできない。家族や仲間が必要で人の絆が必要で「人が生きる原型」がある。

アメリカの医学界で「心臓発作の原因が愛の不足(孤独)がである」という発表があったり、家族がいない人が、家族がいる人に比べ病気の治りが悪い(遅い)といこと、日本の自殺者が年間3万人以上いる自殺大国であることなどを見ると、農業の「人が生きる原型」にもっと注目してもいい時代なんじゃないかと語られていた。


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