土木のしごと - (有)礒部組現場情報

地域のためにはたらき、ふつうの暮らしを支える人たち。(有)礒部組とその仲間たちのたのしくゆかいな面々。日々是土木。

加領郷橋のお地蔵さん

2011年04月03日 | 施工完了(2010年度)

 

ひのです。

工事が終わってもまだ、加領郷橋の話が続くのは、

私が奈半利町加領郷という土地が大好きなことにかてて加えて、

私たちに地元の人たちが接してくれたその姿勢に、

なんだか「昭和のにおい」を感じてしまったからかもしれません。

 

 

さて、ボンズ9号くんが「お礼」に磨いていたくだんの祠のなかには、なぜかお地蔵さんが2体、鎮座ましていらっしゃいます。

とはいえ普段から、自他ともに認める信心浅いこの私のことですから、そのことについて特別なんにも思ってはいなかったのですが、

地元のオジサンが教えてくれた逸話がちょっと不思議な話だったので、紹介します。

 

いつごろやったかよう覚えてないけんど、

そりゃふとい台風がきたがよ。

ほんでこの橋のうえにも水がのって、

いやそのころは、このへんが波をかぶることは珍しゅうなかったけんどねえ、

そのときの波は、そりゃけっこうなもんじゃった。

ほんで、お地蔵さんが、どこへ行ってしもうたかわからんなったがよ。

皆んなあで、「そのへんに埋まっちゃあせんろうか」、というて探しまわったけんど、どういてもよう見つけざって、

「おおのバッサリ(残念)やにゃあ」、と話をしよったある日、

西のほうからひとりのお婆さんが、重そうに何かを背負うて歩いてきて、

ようよう見るとお地蔵さんじゃいか。

「この前の台風でアタシのところへ流れ着いてきちょったがは、人に聴いたらどうもここのお地蔵さんみたいぞね」、

「へんしも(すぐに)、もとへ戻しちゃらないかんと思うて連れてきたがよ」。

喜んだ加領郷の人らあは、お地蔵さんの住まいとして祠をつくり、手厚く祭ったがやと。

それから、どればあ、たったころやったろうか。

ほれほんのそこよ、その先に、もとおったお地蔵さんが埋まっちょったがが見つかったがよ。

それもまた喜んだ加領郷の人らあは、「どうせやったら、お二方とも一緒におってもろうたらえいが」と、

それからこのかた、2体のお地蔵さんを、今までずっとお世話させてもらいゆうがよ。

 

それにしても、「西のほう」から来たそのお婆さん、

オジサンに何度か確かめるのですが、「西のほう」としか答えません。

どこそこの誰々とは伝わっていない。

それがまたこの話を、「なんだかちょっと不思議な話」にさせるんですよねえ。

 

  ※ちょっと(昔話ふうに)脚色してみましたが、大筋はくずしていません。念のため。

 

 

 

 

 

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お礼の気持ち

2011年03月31日 | 施工完了(2010年度)


ひのです。

加領郷橋架替工事、完成検査が無事終わりました。

検査後、「ちょっと現場へ行ってきます」と担当のボンズ9号くん。

不審に思った私がしばらくして追いかけてみると、




モニュメントとして残した旧橋の欄柱(らんちゅう)を、せっせと磨いておりました。




並んで建つお地蔵さんの祠も、



ちょっとわざとらしいのは、すでに磨き終わっていたのに、私がポーズを強要したからです。

「こっちも掃除したがか?」という私の問いかけに、彼は、

「工事中、汚して申し訳なかったので・・・・・・」。

うん、その気持ちが大事。

汚れちまった心の持ち主であるオジさんは、心のなかで拍手を送ったのでした。



橋の高欄には、(町役場の許可を得て)地元のかたがさっそく花をおいてくれていました。

じつは、「殺風景な高欄をもう少し違うものに」、

発注者に向けてそんな提案をするべきだったなと、終わってから反省しきりだった私。

一見、なにげないことのように見えますが、こうやって、地元のかたが案を出して、より良い「場所」にしてくれるのを見て、

私たちが営む「土木のしごと」というやつは、発注者と受注者という2項対立での発想には、やはり限界があるなと改めて感じました。

そして私たちがつくっているのは、(単なる)「物」=(単なる)構造物ではなく、「モノ」=場所なのだと、

これもまた改めて、実感したのです。


  工事目標をしっかりとすり合わせをして

  住民の安全・安心のために

  みんなの知恵を使って工程表をつくり

  責任感を共有し

  発注者と施工業者がチームワークで

  早めに手を打つ先手管理で

  お互いに助け合いながら

  良いモノをより早くつくる


     岸良裕司『三方良しの公共事業改革』(中経出版)より

 

                                  

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橋を架ける

2011年03月24日 | 施工完了(2010年度)


ひのです。

加領郷橋架替工事が完成しました。



手前が「もたみばし」、上が「加領郷大橋」、右奥が今回架け替えた「加領郷橋」。




橋といっても、私たちが携わるようなレベルでは、そんなに大きな橋はないのですが、

なぜか「橋を架ける」という仕事が私は好きです。

ドイツの哲学者ゲオルク・ジンメルは、

「道づくりはいわば人間固有の作業のひとつである」としたあと、

「動物は道の奇跡、すなわち、運動を凝結させてその開始と終結とをふたつながらに含む固定像をかたちづくる、という奇跡を生み出さない。

橋をかける行為にいたってあの人間特有の作業はその頂点に達する」(※)

と結論づけています。

だから血が騒ぐのでしょうか。



昭和11年当時の欄柱(らんちゅう)。

今回は、モニュメントとして鎮座していただきました。

 

 

(※)『ジンメル著作集12巻』(酒田健一・熊沢義宣・杉野正・居安正、白水社)

 

 

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現場にカモの卵が

2011年03月22日 | 施工完了(2010年度)


ひのです。

今日の加領郷漁港です。



雨は朝あがり、現場はアスファルト舗装をしています。



そんな今日、作業員さんに言われて気がついたもの。



橋の下に卵が6つ。

合計8つあったらしいのですが、あとの2つは落ちて割れているということです。

どうやら、橋の下流に住む鴨が産み落としてるようなのですが、そのままにしていいもんやらどうやら。


なんだかノン気にかまえているようにしか見えない鴨たち。

いいのでしょうか?


 

 

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雨が降る前に防水工事をすませました

2011年03月20日 | 施工完了(2010年度)

 

ひのです。

 

 

きのうの加領郷漁港。

土曜日なので釣り人の姿がちらほら。

加領郷橋架替の現場では、防水工事がすみました。

 

 

 

 

導水管です。

 

あしたはアスファルト舗装の予定なのですが、どうやら昼から雨の模様。

雨が上がり次第、舗設作業、ということになりそうです。

 

 

 

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もう少しで完成です

2011年03月18日 | 施工完了(2010年度)


ひのです。

加領郷漁港です。



震災の被災地からは遠く離れたこの地ですが、

津波の映像は、海辺に暮らす人たちにとってはことのほかショッキングなものだったようです。



明日は、雨が降り出す前に、橋面の防水工事をします。

もう少しで完成ですね。


 

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格納庫

2011年03月07日 | 施工完了(2010年度)

 

ひのです。

 

 

バックホウの格納庫。

といっても加領郷漁協さんのご好意で置かせてもらっているだけなのですが、すごく助かっています。

ことほどさように、地元の皆さんにお世話になっている加領郷橋架替工事。

来週半ばまでは、コンクリート養生のため作業はありません。

 

 

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シームレスジョイント

2011年03月05日 | 施工完了(2010年度)

 

 

 

風が強い加領郷漁港。

伸縮装置の施工が終わったというので見に行ってみたら、

こんなんで、ちょっとガッカリです。


 

そして、「ああ、そうやったがよ」と納得。

シームレスジョイントというものなので、伸縮継手が見えなくなるのです。

このうえにアスファルト舗装がかかってしまえば、どこが継ぎ目かまったくわからなくなる、そうです。

ひの@加領郷橋架替工事でした。

 

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結束線

2011年03月01日 | 施工完了(2010年度)

 

ひのです。

加領郷橋架替工事です。

床版の生コンは打ち終わり、しばらくは養生期間です。

そのあいだに壁高欄と伸縮装置を施工します。

 

 

鉄筋と鉄筋を結んでいるのが結束線。

一つひとつ、きれいに折りたたまれています。

こうやってするのが本職にとっては当たり前のことで、決して外向きにしてはいけないのですが、

この職人さんたちは、特に丁寧なような気がするのです。

 

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世界のタダノ

2011年02月25日 | 施工完了(2010年度)

 

 

ひのです。

加領郷橋架替工事です。

今日は床版の生コン打ちをしています。

四国が誇る「世界のタダノ」の、25tラフタークレーン(礒部カラー)を使っています。

このあとは、伸縮装置の設置、壁高欄の型枠生コンと続きます。

 

 

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床版の鉄筋組み立て

2011年02月23日 | 施工完了(2010年度)


ひのです。

今日の加領郷港です。

 

 

 

加領郷橋架替工事です。


 

 

床版(しょうばん)の鉄筋組み立てが8割がた出来あがっています。

 

 

鉄筋がエポキシ樹脂塗装鉄筋ですから、当然、結束線はステンレスです。


あした、伸縮装置部の型枠を組み立てて、明後日に生コンを打つ予定。

段取りが良く、順調に作業が進んでいますね。

 

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沓(しゅー)

2011年02月21日 | 施工完了(2010年度)

 

ウィキペディアより。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%AF%E6%89%BF

支承(ししょう)とは、橋梁において、上部構造(主桁・主構)と下部構造(橋台や橋脚)の間に設置する部材のことである。沓(くつ・シュー・shoe)とも呼ばれる。


Yahoo辞書より。

http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0ss/105449200000/

くつ【靴・沓・履】

履物の一種。主に足の甲をおおい、指分かれしない形のもの。現在では革・ゴム・布・合成皮革などで作り、短靴・長靴、ヒールの高いもの・低いものなど種々のものがある。古くは、革・木・布・絹糸・藁(わら)などで作り、烏皮(くりかわ)の沓・浅沓(あさぐつ)・半靴(ほうか)・糸鞋(しがい)などある。

 

ひのです。

ようは、橋にとっての靴みたいなものだからShoeと呼ばれていて、それを沓と書いたものの「くつ」とは読まずに「しゅー」と読んだのだと私は推測するのですが、

この呼称から明治の技術者たちの姿を思い浮かべるのは私だけでしょうか。

さて、ここ加領郷橋架替工事は小さな床版橋ですから、簡易な支承構造となっています。

 

補強鉄筋

 

 

 

無収縮モルタルを充填します。

 

 

 

防蝕アンカーを決められた位置にセットし、

 

 

こんなキャップをかぶせます。

右が可動側で、左は固定側です。

 

 

そしてその回りに、このスパイラル状の補強筋を入れます。

ですが、沓(しゅー)は、このアンカーのことではありません。

 

 

はい、簡易支承ですから、無収縮モルタルを敷均したうえにこのゴムを敷くだけです。

ゴム沓です。

ところがしかし、土木業界でゴムシューというと、これ、

 

 

 

そうです。わかりやすく言えば、ゴム製キャタピラです。

こいつには沓という字は当てはめられません。

従って、明治の土木技術者の香りは漂ってこないのですね。

 

 

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光ケーブル

2011年02月12日 | 施工完了(2010年度)

 

 

ひのです。

加領郷橋です。

これはなんでしょうか?

 

 

 

 

この防炎カバーに囲まれているのは、NTTさんのケーブルが5本。

なかには、光ケーブルも入っています。

うっかりこれを切ってしまうと、損害はざっと1000万円超だとか。

これまでなんとか、無傷で工事が進んでいます。

これからも「ご安全に」、ですネ。

 

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かうえいばし

2011年02月10日 | 施工完了(2010年度)

 

ひのです。


 

捕獲されているのは、加領郷橋の古い欄干です。

「かうえいばし」という文字が読み取れます。

おそらく、昭和11年に最初の橋を架けたときのものだと思われます。

 

 

橋を取り壊す前は、こんな感じで鎮座していました。

戦後、度重なる高潮被害対策として橋をかさあげしたときに、モニュメントとして残したようです。

ということで今回も、新しく出来る橋の横に移設する予定です。

「かうえいばし」、

名前の由来も、いつから加領郷橋に名義変更したのかも、不明なのですが・・・・・・。

 

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エポキシ樹脂塗装鉄筋

2011年02月08日 | 施工完了(2010年度)

 

 

ひのです。

加領郷橋A2橋台の鉄筋組立が終わっています。

青い鉄筋です。

鉄筋は鉄の色をしているのが普通でして、青い鉄筋を見るのは私、初めてです。

じつはこれ、塩害対策のために、エポキシ樹脂塗装を施した鉄筋なのです。

少し専門的になりますが、説明します。

『道路橋示方書(コンクリート橋編)』P.172によると、

海上部及び海岸線から20mまで(C地域)を、S区分(影響が激しい)とする。

この場合、上部工(橋そのもの)は、「かぶり70mm以上+塗装鉄筋」で、

下部工(橋台)は、「かぶり90mm以上+塗装鉄筋」をもって対策とする。

ということが書かれており、つまり、それを根拠としてエポキシ樹脂塗装鉄筋を使っているのです。

ことほどさように、「土木のしごと」というやつは多岐にわたっており、何十年やっても、知らないことが次から次へと出てきます。

たとえば、主たる生業(なりわい)の場所が、海であるか山であるか、都市であるか田舎であるか、これによってもずい分と知識が違ってきたりするのですネ。

うん、勉強、勉強、一生勉強。

だからドカタはやめられない。

 

 

 

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