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プエルトリコがデフォルト宣言…金融市場影響も

2015-06-30 16:47:25 | Weblog
プエルトリコがデフォルト宣言…金融市場影響も 2015年06月30日 読売夕刊



 ん。ギリシャ騒動でマスコミ報道は大騒ぎですが、その影でひっそりと米自治領プエルトリコでデフォルト騒ぎですか…(吃驚
 保有者の大半が米国の投資信託ということもあり日本ではなじみが薄いのですが、昨年頃から懸念を伝える記事がぽつぽつと出てはいたようですし、プエルトリコ債の利回りは実はアルゼンチンとギリシャの国債を上回っているのだとか。
 1年ほど前に発表された野村証券のレポートにも、『プエルトリコの場合、地方債発行残高がデトロイト市の残高の約16倍に達していて、特殊な税制の恩恵を受けていることから、地方債ファンドの約7割が保有』と警告を促すような記事も見られ、ギリシャ危機の顕在化までにどれだけの地方債ファンドが逃げ切れているか…なのですが、出資者は地方債米ドルの低金利に業を煮やしているからこそ少しでも利回りの高い&税制も緩いこういった金融商品に投資(*)していた可能性が高いものと思われ、ファンドへの組み入れ比率次第ではファンドそのものの元本割れのシナリオも出てくるわけで…。

*プエルトリコは2014年03月11日に2037年7月1日に償還する一般財源保証債を発行していますが、表面利率8%&応募者利回り8.727%(額面の93%)。 参考までに米国債30年物のクーポンは3%。

 米国が正式に利上げをすれば、いずれこういった金融商品のデフォルトリスクは顕在化してきたと思われますが、ギリシャの騒動でその時期が早まってしまったのかもしれません。