ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

源氏の兄貴

2011-04-04 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
鞍馬「…」
義経「親父…って、思い出すのは、清盛のツラ。本当の親父の顔なんて見たことない。それに、ガキの頃から、何かにつけて俺の後ろに隠れる平家の妹とツラ拝んだことねぇ源氏の兄貴…出来る事なら丸く治めたかった。だが、俺には出来なかった」
鞍馬「出来なかった…?そういう泣き言と後悔は、死んでから吐くんだな」
義経「ン…」目に充てた布を取って…鞍馬をキッと睨んだ。
鞍馬「自分に、何が、出来るか探せ。今、弟がやってるように」
義経「え?」
鞍馬「漆の、つげ櫛の作り方を教えてくれって、童ちゃんに弟子入り志願したってよ」
義経「与一…」
鞍馬「兄貴がこれじゃ、弟が可愛そうだな」と湯船から上がって、出て行こうとしたから、
義経「8時…」
鞍馬「あん?」
義経「与一と能子…以外、使えそうな連中、集めろ。バイトだ」
鞍馬「おいおい、オイボレをこき使う気か?」
義経「使えるもんは、使えるうちに使いきる」
鞍馬「ふぅ…」と肩をすくめて、ガラガラ…ピシャと風呂から上がっていった。
朝食済ませ8時ちょい前、大荷物を持ってコンコンと繭子の借りている部屋をノックした。
繭子「はい…」
義経「入っていいか?」と言ったと同時に、スーッと戸が開いて「うぉっ!」ビックリした。
森乃・熊世が戸をスッと開けて、繭子「どうぞ…」と招き、入ったら、二人がパタンと戸を閉めた。この三人、いつからこんな連携プレーが取れるようになったんだ?と首を傾げつつ、部屋の中を見たら、和菓子ちゃんをあやす能面便女「…(小枝御前)」もいた。
繭子「何?」
義経「頼みがある」大荷物をドンと降ろし「これ、織って欲しいんだ」と繭玉を見せた。
繭子「ムリ…」
義経「へ?…即答かよ」とヤな顔したら、
繭子「繭玉を紡ぐ道具が無いの」
義経「ふぅん。そう…か」と残念そうな顔をしたら、
繭子「…水車小屋でもあれば、紡げるんだけど…」と呟いた。


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