ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

清盛の娘としての、私の決意

2011-10-08 | 日記
日記を挟みます。
「もっ!おとん、また寝とるぅーーーッ!!!」
うちの父、風呂中湯船内で熟睡します、かなり頻繁に。
♪娘に嫌われたくないお父さんは絶対真似しないでね♪
夜のレッスン終了後、私は「ちょっとぉ!起こして来てッ!」母に命令します。
さすがの私も父の入浴シーンなんて、絶ッ対ッ見たくありませんッ。
脳裏に父の全裸が焼き付いたら、どうするんですか?
バーン、お風呂の戸を開けて、
早く起きてあげてッ!と母が父をどやします。
が!?
父「何をするかッ!人が折角気持ち良くなって寝ているのにッ!」怒ります。
はぁ?寝るんなら、布団引いて寝ろッ!危なっかしいッ!
ったくッ!ぶつぶつ言いながら、父の上がりを待ちます。
が!?
待てど暮らせど出て来ません。仕舞いには、ジャーと湯を足す音が聞こえるではないか!んにしとんねんッ!親父ッ!と心の中で父をどやします。
決して、このような品位を下げる言葉、父がいない所では発しません。
本人が出てからどやさないと、効果がないでしょ。
イライラ…イライラ…
カリカリ…カリカリ…
描き描き…描き描き…あまりにも父の出が遅いので、一つイラストを描いてしまった。
義経の顔…明日の日記で公開(リンク設定)します。
彼ね、宮中じゃ結構ひどい言われようで、
はい、想像しましょうッ!
出っ歯のお猿さんが、竜笛を吹いて静御前を口説くシーン!
はは…有り得んな。
ちなみに、宮中では容姿云々より品位が問われるので、素行言動が目に付くと槍玉に挙げられます。それに、真っ白な歯を見せて大笑いしないように…。扇を持って「おほほほっ」と、慎ましやかにね。この時代の位の高い方々は、みんなお歯黒ですから。
白い歯を見せて「ニッ」と笑っておっ良いなと思うのは、現代人と芸能人の歯のCMです。
この時代の身分制は、現代っ子たちには理解しにくい所が多々あるかな?
能子が被っている紫頭巾も身分を現す物として登場させました。これは、被衣(かずい)と呼ばれ、位の高い方々が外を出歩く際、素顔や素性を隠していました。
慎ましやかに、覆うという品が無いと、
宮中では「あの者、猿(野蛮)ね」ひそひそと噂されるのです。
ひそひそ話と噂を勝手に流布する方も品が無いと思うのですが…。
そんな身分格差、京の風習に苦しんだのが、義仲や義経の源氏方でした。
特に、この方の扱いには、苦しんだのではないでしょうか?
義経の妹であり、貴女(位の高い女性)で、清盛の娘…能子は、壇ノ浦で入水し、助かりました。熊手のような手で髪を掴まれ、一応、命は助かりました。
しかし、巷では生け捕られた。捕虜などと言われました。
真相はどうなのでしょうか?分かりません。ただ、兄の捕虜となった妹、それは不思議な言い方で…淋しく思いました。
壇ノ浦で救われた姫君の中には源氏方の妾となる者や、平家の残党に連れられ落人村で暮らす姫君もいました。
ただ、生き残った者たちの気持ちは、どうだったのでしょう。
私が生きて、良かったの?
私より、ほかの姫を助けた方が…と思うのではないでしょう。
なぜ、私が生かされたのか?
天の御落胤 清盛の血が流れる能子は、甥っ子の安徳天皇を思ったはずです。
「私を捕虜になさいッ」
これは、第二の安徳天皇(清盛の孫)を授かってはならない。
壇ノ浦の悪夢を二度と起こしてはならない、そういう清盛の娘としての決意です。

生き残った者たちは、大きな使命と宿命を背負って、乱世を生き抜いたのでしょうね。

気に触った、とか?

2011-10-08 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
だけど、公では敵対する源氏に匿われた捕虜、そういう形となってしまった。
俺は、彼女のお目付け役に指名され、
「あなた、目がお悪いのね」そう言って、手を取り「よく見えると、それはそれで不憫なの」
捕虜が、俺に暗闇の歩き方を教えてくれた。
静かな足運び、腕に掛かる吐息は細く小さく…時おり、彼女の声が、心に沁みて響いてくる。
高い身分を鼻にかけず、差し伸べる手が柔らかく、その手に引かれて、惹かれて…、
俺は闇の中を歩き始めた。視力薄れる中、定まらない視点に徐々に追い込まれる恐怖と闇の孤独から俺を救い出してくれた。こういう事を救うといんじゃないか?
ただ…夜になると、違っていた。
分からない、彼女が分からない。池田さんが気付いた息遣いとは、何だ?
俺には、彼女を救うことが出来ません。池田さん、分かりませんよッ。息遣いを、
「能子さん…」の顔に頭を近づけ、確かめた。やはり、小さな、小さな吐息で、
能子「も…、」サッと素早く「大丈夫よ」俺の手を遮った。
与一「ッ」いつも、そうだ「それの、」大丈夫じゃないのに「どこが大丈夫なんです?」
つい、口調が強くなって、
能子「ッ」ビクッと一層体が強張ったように思えた。
与一「すみません…つい」怒りを露にしてしまった。
ただ、彼女の大丈夫という言葉に何度騙されたか。大丈夫と言って、そうだった例がない。いつも、態度と言葉が裏腹で…夜になれば、俺を拒む。
シュル…
能子「あ…」彼女の結っていた髪を解いた。
パサ…髪が流れ、
与一「…」少し強引だったか?
今日完成したばかりの漆の櫛を出し、す…と櫛を入れ、髪を梳(す)いた。すると、
彼女の体が「え…?」さらに硬くなった。
あの時、髪を引っ張った…から?
「髪って、女の命なの」
命を鷲掴みにして、引っ張って…気に触った、とか?
彼女は一番上の兄上(重盛)様から頂いたという櫛を大切にしていた。
大切にして梳いて梳いて使い古したのか、途中、髪の櫛の流れが止まる。