「YouTubeの「新東宝【公式】チャンネル」では、2月16日から3月1日までの2週間、映画『逆襲大蛇丸(おろちまる。以下、『大蛇丸』と略す)』(1955年)を無料配信中じゃ」
「『大蛇丸』は、前に紹介した映画『忍術児雷也(じらいや。以下、『児雷也』と略す)』の続編?」
「そのとおり。2作目のタイトルに『逆襲』とつくのは、『ゴジラの逆襲』(公開:1955年4月)と同じじゃが、公開は『大蛇丸』(公開:1955年1月)の方が先なんじゃの」
「おぉ、同じころに作られた映画なんじゃね」
「『児雷也』はイマイチ盛り上がりに欠けたが、『大蛇丸』は城攻めという大スペクタクルが楽しめるんじゃ」
↓映画『逆襲大蛇丸』については、こちら↓
「【2週間限定無料配信】逆襲大蛇丸(ぎゃくしゅうおろちまる)」新東宝【公式】チャンネル
「今日は、映画『逆襲大蛇丸』についての話でがんす」
「この映画は、どんなストーリーじゃろ?」
「まずは『児雷也』の話のおさらいから…。尾形弘澄は、盟友だった鯨波照忠と諏訪光明に裏切られて滅ぼされた。その尾形の忘れ形見である周馬は、お家の再興を果たそうとする」
「その周馬は、蝦蟇(がま)を助けたことから蝦蟇の妖術を授かって、児雷也になったと」
「周馬の許嫁(いいなずけ)である綱手姫は、蛞蝓(なめくじ)の妖術を、そして敵役である大蛇丸は、大蛇の妖術をそれぞれ授かる。最後は、蝦蟇(=児雷也)と蛞蝓(=綱手姫)、そして大蛇(=大蛇丸)の三すくみ」
「力を合わせた児雷也と綱姫の前に、大蛇丸が逃げ去ってしまう…で、『児雷也』は終わりじゃったね」
「『大蛇丸』の冒頭、鯨波照忠のところに尾形弘澄の亡霊があらわれる。その亡霊は、児雷也が見せる幻覚だった。今や復讐の鬼と化した児雷也は、妹・深雪や家臣たちの意見に耳を傾けようとしない」
「頑(かたく)なになっとるんじゃね」
「児雷也が鯨波を襲っていることを知った諏訪家では、その対応を協議していた。鯨波と諏訪は、互いの息子と娘を結婚させる約束を交わしていた」
「児雷也が、いつ諏訪家を襲ってくるかわからんけぇね」
「諏訪家の家老である高遠多聞之助の息子・弓之助が進言をした。時の将軍・足利家に願い出て、鯨波討伐の許可を受けてはいかがと。その願いは聞き入れられ、鯨波討伐の令状を手に入れた弓之助が戻ってくる」
「それを理由に、諏訪が鯨波を討つ?」
「ところが、そうは問屋が卸さない。大蛇丸が弓之助一行を襲って令状を奪い取り、その令状を手に鯨波へ売り込みに行く。諏訪が裏切った事を知った鯨波は、諏訪と一戦交えることを決意する」
「鯨波は大蛇丸と手を組むんじゃね」
「そこに、新キャラクターの女盗賊・朝雲が登場。彼女も鯨波に手を貸すことに」
「面白そうになってきた」
「鯨波は、軍勢を率いて諏訪へ攻め込む。人質となった多聞之助は城の前に引き出され、「おとなしく降参すれば、命だけは助けてやると言え」と命じらる。しかし、「一歩も退くな! わしの屍(しかばね)を越えて戦え!」と味方へ檄(げき)を飛ばしたので、その場で射殺されてしまう」
「おぉ、漢(おとこ)じゃねぇ」
「戦いの途中で、児雷也が城の前で磔(はりつけ)にされたり、綱手姫が塩蔵の中に吊るされたりする」
「綱手姫は蛞蝓(なめくじ)じゃけぇ、塩蔵の中に吊るされたら大変じゃん」
「最後は、城の天守閣の屋根で、児雷也と大蛇丸の一騎打ち。そこへ朝霧丸を手にした綱手姫があらわれる」
「朝霧丸?」
「おぉ、説明するのを忘れとった。諏訪家には、大蛇丸の術をも退散させる、不動明王の秘刀・朝霧丸があった」
「そんなええ刀があるんなら、最初からそれを使えばええじゃん」
「朝霧丸は、女盗賊の朝雲が奪い去っていた。その朝雲を倒した綱手姫が、奪い返した朝霧丸を手に児雷也を助けにやってくる。朝霧丸の力の前に、大蛇丸は空へ逃げ去った」
「逃げ去った…で、今回も終わり…?」
「ほうじゃの。『大蛇丸』も、『児雷也』と同じように、なーんか、もやっとした終わり方じゃったの」
児雷也(大谷友右衛門)
綱手姫(利根はる恵)
大蛇丸(田崎潤)
「こうやって手で印(いん)を結ぶのを見ると、むかし懐かしの忍術使いという感じがして、なんかワクワクして、えかった」
「あんたも年を拾うたんじゃ」
「こういう映画を、どっかで作ってくれんかいの」
「以下、余談」
大蛇丸(田崎潤。左奥)と女盗賊・朝雲(朝雲照代。右手前)
「『大蛇丸』も『児雷也』も、悪役が生き生きと描かれとったの」
「田崎潤は、悪役をやっても、どこか人の良さが出てしまうね」
「『大蛇丸』で始めて知ったのが、朝雲を演じた朝雲照代。大蛇丸の前で、
♪一目でコロリと参っちゃったの
と歌い出すけぇ調べてみたら、宝塚出身の女優さんじゃった」
「これは、サンゴ?」
「ほうじゃの。朝雲が、盗みに入った鯨波家の宝物蔵から頂いた宝物といって取り出したのが、銭の入った袋と、これじゃった」
「そういや、むかしの日本では、サンゴは貴重な財宝じゃったね」
「『桃太郎』のおとぎ話で、鬼退治をした桃太郎が鬼ヶ島から持ち帰ったものの中にも、立派なサンゴが描かれとったりするよの」
「今日は、映画『逆襲大蛇丸』について話をさせてもろうたでがんす」
「ほいじゃあ、またの」
(文中、敬称略)
「『大蛇丸』は、前に紹介した映画『忍術児雷也(じらいや。以下、『児雷也』と略す)』の続編?」
「そのとおり。2作目のタイトルに『逆襲』とつくのは、『ゴジラの逆襲』(公開:1955年4月)と同じじゃが、公開は『大蛇丸』(公開:1955年1月)の方が先なんじゃの」
「おぉ、同じころに作られた映画なんじゃね」
「『児雷也』はイマイチ盛り上がりに欠けたが、『大蛇丸』は城攻めという大スペクタクルが楽しめるんじゃ」
↓映画『逆襲大蛇丸』については、こちら↓
「【2週間限定無料配信】逆襲大蛇丸(ぎゃくしゅうおろちまる)」新東宝【公式】チャンネル
「今日は、映画『逆襲大蛇丸』についての話でがんす」
「この映画は、どんなストーリーじゃろ?」
「まずは『児雷也』の話のおさらいから…。尾形弘澄は、盟友だった鯨波照忠と諏訪光明に裏切られて滅ぼされた。その尾形の忘れ形見である周馬は、お家の再興を果たそうとする」
「その周馬は、蝦蟇(がま)を助けたことから蝦蟇の妖術を授かって、児雷也になったと」
「周馬の許嫁(いいなずけ)である綱手姫は、蛞蝓(なめくじ)の妖術を、そして敵役である大蛇丸は、大蛇の妖術をそれぞれ授かる。最後は、蝦蟇(=児雷也)と蛞蝓(=綱手姫)、そして大蛇(=大蛇丸)の三すくみ」
「力を合わせた児雷也と綱姫の前に、大蛇丸が逃げ去ってしまう…で、『児雷也』は終わりじゃったね」
「『大蛇丸』の冒頭、鯨波照忠のところに尾形弘澄の亡霊があらわれる。その亡霊は、児雷也が見せる幻覚だった。今や復讐の鬼と化した児雷也は、妹・深雪や家臣たちの意見に耳を傾けようとしない」
「頑(かたく)なになっとるんじゃね」
「児雷也が鯨波を襲っていることを知った諏訪家では、その対応を協議していた。鯨波と諏訪は、互いの息子と娘を結婚させる約束を交わしていた」
「児雷也が、いつ諏訪家を襲ってくるかわからんけぇね」
「諏訪家の家老である高遠多聞之助の息子・弓之助が進言をした。時の将軍・足利家に願い出て、鯨波討伐の許可を受けてはいかがと。その願いは聞き入れられ、鯨波討伐の令状を手に入れた弓之助が戻ってくる」
「それを理由に、諏訪が鯨波を討つ?」
「ところが、そうは問屋が卸さない。大蛇丸が弓之助一行を襲って令状を奪い取り、その令状を手に鯨波へ売り込みに行く。諏訪が裏切った事を知った鯨波は、諏訪と一戦交えることを決意する」
「鯨波は大蛇丸と手を組むんじゃね」
「そこに、新キャラクターの女盗賊・朝雲が登場。彼女も鯨波に手を貸すことに」
「面白そうになってきた」
「鯨波は、軍勢を率いて諏訪へ攻め込む。人質となった多聞之助は城の前に引き出され、「おとなしく降参すれば、命だけは助けてやると言え」と命じらる。しかし、「一歩も退くな! わしの屍(しかばね)を越えて戦え!」と味方へ檄(げき)を飛ばしたので、その場で射殺されてしまう」
「おぉ、漢(おとこ)じゃねぇ」
「戦いの途中で、児雷也が城の前で磔(はりつけ)にされたり、綱手姫が塩蔵の中に吊るされたりする」
「綱手姫は蛞蝓(なめくじ)じゃけぇ、塩蔵の中に吊るされたら大変じゃん」
「最後は、城の天守閣の屋根で、児雷也と大蛇丸の一騎打ち。そこへ朝霧丸を手にした綱手姫があらわれる」
「朝霧丸?」
「おぉ、説明するのを忘れとった。諏訪家には、大蛇丸の術をも退散させる、不動明王の秘刀・朝霧丸があった」
「そんなええ刀があるんなら、最初からそれを使えばええじゃん」
「朝霧丸は、女盗賊の朝雲が奪い去っていた。その朝雲を倒した綱手姫が、奪い返した朝霧丸を手に児雷也を助けにやってくる。朝霧丸の力の前に、大蛇丸は空へ逃げ去った」
「逃げ去った…で、今回も終わり…?」
「ほうじゃの。『大蛇丸』も、『児雷也』と同じように、なーんか、もやっとした終わり方じゃったの」
児雷也(大谷友右衛門)
綱手姫(利根はる恵)
大蛇丸(田崎潤)
「こうやって手で印(いん)を結ぶのを見ると、むかし懐かしの忍術使いという感じがして、なんかワクワクして、えかった」
「あんたも年を拾うたんじゃ」
「こういう映画を、どっかで作ってくれんかいの」
「以下、余談」
大蛇丸(田崎潤。左奥)と女盗賊・朝雲(朝雲照代。右手前)
「『大蛇丸』も『児雷也』も、悪役が生き生きと描かれとったの」
「田崎潤は、悪役をやっても、どこか人の良さが出てしまうね」
「『大蛇丸』で始めて知ったのが、朝雲を演じた朝雲照代。大蛇丸の前で、
♪一目でコロリと参っちゃったの
と歌い出すけぇ調べてみたら、宝塚出身の女優さんじゃった」
「これは、サンゴ?」
「ほうじゃの。朝雲が、盗みに入った鯨波家の宝物蔵から頂いた宝物といって取り出したのが、銭の入った袋と、これじゃった」
「そういや、むかしの日本では、サンゴは貴重な財宝じゃったね」
「『桃太郎』のおとぎ話で、鬼退治をした桃太郎が鬼ヶ島から持ち帰ったものの中にも、立派なサンゴが描かれとったりするよの」
「今日は、映画『逆襲大蛇丸』について話をさせてもろうたでがんす」
「ほいじゃあ、またの」
(文中、敬称略)
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