通でがんす

いろんな広島を知って、ひろしま通になりましょう!
(旧ブログタイトル:通じゃのう)

広島の酒どころといえば?

2010年10月09日 | 広島の話題

♪酒が飲める 酒が飲める 酒が飲めるぞ
酒が飲める 飲めるぞ 酒が飲めるぞ~
(「日本全国酒飲み音頭」作詞:岡本圭司)

わしゃ、銘柄にはこだわらんが、酒が好きじゃ。
日本酒は、きゅっと冷やしたのが、うまいよのう。
ただ、ちょびっと飲み過ぎると、翌日がつらいんじゃ…。



【問題】

10月9日(土)、10日(日)の2日間、酒蔵の見学や全国の酒の飲み比べなどができる祭りが開かれます。
この祭りが開かれる広島の酒どころは、次のうちどこでしょうか?

1.呉市
2.竹原市
3.廿日市市
4.東広島市









【正解】
4.東広島市



【解説】
酒どころ東広島市の一大イベント、酒まつり(市観光協会主催)が9、10の両日、JR西条(さいじょ う)駅前一帯などである。
酒蔵の見学や全国の酒の飲み比べなどがある。
東広島署は両日、交通規制をする。

市内の酒造9社が、限定酒や酒を使った食品を販売。
酒蔵を開放し見学会やコンサートを開く。
西条中央公園西側の酒ひろば(当日券1800円)では、全国920銘柄の酒の飲み比べを楽しめる。

メーン会場は同公園東側。
郷土芸能やお笑いタレントのステージがある。
10日午後3時半から、歌手の原田真二さんが無料ライブでまつりのイメージソングを初披露する。

東広島署は一定の規制時間を設け、西条駅南東の旧山陽道約460メートルと中央公民館南の市道約280メートルを歩行者専用とする。
朝日町通り交差点から南約190メートルの市道は一方通行とする。

(「酒まつりで飲み比べいかが」中国新聞 2010年10月8日)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201010080161.html




当たり前のことじゃが、飲みに来られる方は、自動車やバイクを運転せんようにしてくださいの。



↓酒まつりについては、こちら↓

2010酒まつり公式サイト
http://sakematsuri.com/




今日は、「酒まつり」「三浦仙三郎」「百試千改」について調べてみようかの。



1.酒まつり



酒まつりは、毎年10月第2土・日曜の2日間にわたって、東広島市西条町で行われる祭りじゃ。
お酒が好きな方はもちろん、酒が飲めない人や家族連れなども楽しめるようになっとります。

酒造イベントは、次のところで行なわれるそうじゃ。


■賀茂輝酒造(かもきしゅぞう)
  東広島市西条西本町11-3
  お問合せ/082-422-2537


■山陽鶴酒造(さんようつるしゅぞう)
  西条岡町6-9
  お問合せ/082-423-2055
  ホームページ/www.sanyotsuru.jp


■白牡丹酒造(はくぼたんしゅぞう)
  西条本町15-5
  お問合せ/082-423-2202
  ホームページ/www.hakubotan.co.jp


■金光酒造(かねみつしゅぞう)
  東広島市黒瀬町乃美尾1364-2
  お問合せ/0823-82-2206
  ホームページ/www.kamokin.com


■西條鶴醸造(さいじょうつるしゅぞう)
  東広島市西条本町9-17
  お問合せ/082-423-2345
  ホームページ/www.saijoutsuru.co.jp


■賀茂鶴酒造(かもつるしゅぞう)
  西条本町4-31
  お問合せ/082-422-2121
  ホームページ/www.kamotsuru.jp


■亀齢酒造(きれいしゅぞう)
  西条本町8-18
  お問合せ/082-422-2171


■福美人酒造(ふくびじんしゅぞう)
  西条本町6-21
  お問合せ/082-423-3148
  ホームページ/www.fukubijin.co.jp


■賀茂泉酒造(かもいずみしゅぞう)
  西条上市町2-4
  お問合せ/082-423-2118
  ホームページ/www.kamoizumi.co.jp



酒まつりも、かつては「飲み放題」という、夢のような時代もあったそうじゃ。



1979(昭和54)年、1980(昭和55)年は、1000円の会費で飲み放題。
特に1980年は、カープがV3を決めた翌日に開かれ、西条中央通り商店街などでも鏡割りがあり、ふるまい酒を受けたカープファンで大にぎわい。
まさに酔っぱらい天国で、道路でごろ寝したり、けんか騒ぎも-。
その筋からの注意もあって、1981(昭和56)年からは飲み放題を中止、それなりの料金をもらうことにした。

(「西条酒まつり」広島県文化百選2 まつり・行事編 中国新聞社)



ほうか、カープが優勝すりゃ、ただ酒、もとい、祝い酒が飲めるんじゃ。
最後にリーグ優勝をしたのが、1991(平成3)年じゃけぇ、もう19年も祝い酒を飲んどらんことになるんじゃのう。



2.三浦仙三郎

広島は、灘(なだ)、伏見(ふしみ)と並ぶ日本三大酩醸地なんじゃ。

灘には「宮水(みやみず)」、伏見には「伏水(ふしみず)」と呼ばれる、酒造りに適した水があった。
「宮水」では酵母が活発に発酵を行うので、辛口の酒ができる。
「伏水」は「宮水」より硬度が低いので、比較的長い期間をかけて発酵させると、なめらかできめの細かい酒になる。
こんなところから、「灘の男酒、伏見の女酒」という言葉が生まれたそうじゃ。

灘も伏見も、水の硬度が高い「硬水(こうすい)」。
これに対して、広島は水の硬度が低い「軟水(なんすい)」。

そこで、広島の水にあった「軟水醸造法」を生み出したのが、三浦仙三郎という人じゃ。



明治20年代半ば、瀬戸内海に面した小さなまち、三津(みつ。現在の東広島市安芸津(あきつ))で酒造業を営んでいた仙三郎は、銘醸地・灘との違いが「水」にあることを発見。
温度や湿度を管理するなど合理的に実験を重ねて数年後、ついに酒造りに不利と考えられていた軟水の特質を生かした、やわらかで芳醇(ほうじゅん)な酒造りに成功した。
それは、例えば米をしっかり精米し、麹菌(こうじきん)が米の内部まで行き渡るよう麹をしっかり育て、醪(もろみ)は低温でゆっくり発酵させるといったもの。
これは「軟水醸造法」と呼ばれた。

酒造家・三浦仙三郎が今もなお慕われているのは、彼がこの醸造法を書物にこと細かくまとめるなど、技術を惜しみなく公開し、実際に他の酒蔵の杜氏も指導して、技術を積極的に広めたからだ。
仙三郎に学んだ杜氏たちは地名から「三津杜氏」と呼ばれ、自らの蔵でさらに独自の技術を磨いた。
こうしてこの時期、広島の酒造りは格段に進歩。
技術の高さで酒造界から注目を集めた三津杜氏たちは請われて全国に散らばった。
彼らはやがて「広島杜氏」と呼ばれ、軟水の地方の酒蔵で技術を伝播(でんぱ)させた。

さらに仙三郎が開発した軟水醸造法は、近年の日本酒をリードする吟醸酒づくりへと発展していく。
つまり、吟醸酒づくりは軟水醸造法の延長線上にある。
広島が「吟醸酒発祥の地」と言われるのは、このためだ。
安芸津の港を見下ろす小高い山に榊山神社があり、境内に三浦仙三郎の銅像が建つ。
傍らに立つ建立寄進の酒蔵を示した石碑には県内全域はもとより、中国、四国の酒蔵名も多く刻まれている。

(「地酒の国「吟醸酒のふるさと,広島」」広島県のホームページ)
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/page/1203414617191/index.html



三浦仙三郎が「軟水醸造法」を生み出した後の1907(明治40)年、大蔵省醸造試験所で醸造協会主催第1回清酒品評会褒章授与式が開催されたそうじゃ。



全国の酒を一堂に介し、その品質だけを純粋に競い合うという画期的な試みであった。

出品数は2138点、優等5点、1等48点、2等120点、3等528点。
優等賞の金牌を受けたのは、次の5人だった。

優等1位「龍勢」(広島) 藤井善七(現・藤井酒造株式会社)
優等2位「三谷春」(広島) 林森蔵(現・林酒造株式会社)
優等3位「富の壽」(福岡) 富安猪三郎(現・富安合名会社)
優等4位「高賞」(兵庫) 高岡源七(廃業)
優等5位「ロ印 三角正宗」(岡山) 牧佳三郎(廃業)

(池田明子著「吟醸酒を創った男―「百試千改」の記録」時事通信社)




上位5位までに、広島の酒が2つも選ばれとるのは、三浦仙三郎のおかげじゃろうの。



↓藤井酒造については、こちら↓

藤井酒造
http://www.fujiishuzou.com/



3.百試千改(ひゃくしせんかい)

その三浦仙三郎の座右の銘が、「百試千改」。
文字どおり、「100回試して、1000回改める」という意味じゃそうな。



♪忘れないでいよう/あきらめない 生き方/百試千改 夢に向かおう―。
東広島市安芸津町の三津小の子どもたちがオリジナルの歌でたたえた郷土の先輩がいる。
明治期に名をはせた酒造家、三浦仙三郎だ。
酒造りにはあまり向かないといわれたこの地の軟水。
それに合う独自の造り方を編み出した。
低温でじっくり発酵させる吟醸酒である。広島の酒を灘、伏見と並ぶ全国ブランドに高めた恩人といってもいい。

29歳の時、家業の雑貨商を弟に任せ、あこがれていた酒造りの道に足を踏み入れた。
ところが、せっかく仕込んでもすべて腐ってしまう。
自ら蔵人として灘に潜り込み、手だてを探ったという。
仕込みの度にあれこれ改良しながら、温度計を手にデータを調べ上げた。

百回試みて千回改める地道な努力の果てにたどり着いた製法。
それを惜しげもなく地元の同業者に明かした。
ついには第1回の全国清酒品評会で、広島勢が上位独占の快挙を果たす。
自らの利はさしおいても全体が良くなれば、との思いは人一倍強かったようだ。

そんな生き方に、子どもたちは動かされたのだろう。
みんなで振り付けを考え、何度も練習を重ねた。
酒まつりの10日、広島大のホールでお披露目する。
百試千改の負けじ魂もしっかり胸に刻んだに違いない。

(「百試千改~天風録」中国新聞 2010年10月4日)
http://www.chugoku-np.co.jp/Tenpu/Te201010040074.html



三津小学校は、10月10日(日)15時10分から、酒まつりの広島大学会場で、「杜氏の里」を発表されるそうじゃ。



今日は、「酒まつり」「三浦仙三郎」「百試千改」について勉強をさせてもらいました。
今日もひとつ勉強になったでがんす。



ほいじゃあ、またの。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする