早起きの皆さん、
さなさんを読んでくださりありがとうございました。
舞台は、私が二十歳まで過ごした能美島でした。
広島市宇品港から約18Kmの離島です。
今でこそこの島の魅力が理解できますが、
当時はコンプレックスの塊でした。
何か他にあるはずだと40年間走り続けて来ました。
私の今を育んでくれた「原風景」は、この島にありました。
この島で過ごした幼少年期を面白可笑しく書いているうちに
一つの小説になりました。
私小説でありながら、誰もが共感できる一般性を持たせようと
しました。一般性は、この島を出てからの体験に基づくものです。
主人公のさなさんと伊藤も、時代の波に洗われて力強く生きていきます。
どのように生きたかという足跡を追うような小説ではなく、
一生懸命生きるのは何故か、こういうことだったのかと振り返るような
物語が書けるようになりたいと思います。
「さなさん」を一生懸命書いていたのは、前の会社をリストラされて、
「さてこれからどうやって生きていこうか。」と模索していた時でした。
捨てる神あれば、拾う神ありです。
「生きる」ことは、楽しいことです。苦しいことでもあります。
皆さんの「こういうことだったのか」に気づき、拾えたら幸せです。
次回作をご期待ください。
2014年12月27日
「さなさん」作者
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