老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1227;メトロノーム

2019-09-15 18:08:49 | メトロノーム
メトロノーム


なぜ、急に「メトロノーム」の言葉や曲を思い出したか、というと
我家の家族であるbeagle元気が
wifeの顏を見て 尻尾をメトロノームのように左右に振りだした

尻尾はメトロノームのように規則正しく振り続けていた

小学校の音楽のときに メトロノームを知った
学校のピアノの上 飾りのようにメトロノームが置かれてあった

メトロノームがあってもリズムがとれない自分
メトロノームのように
あなたとわたしの気持ちがひとつになって合わさっている
素敵だな

にんげんの気持ちがメトロノームになれば 平和 幸福 なのかもしれない

そしてメトロノームは止まることなく振り子のように振り続けている
時間は止まっても メトロノームは止まることなく降り続けている

なんだかメトロノームに魅かれ 素敵な存在に思えてしまう


話しは日常的であり個人的なことに変わる
今日wifeとドライブ

約1時間かけて道の駅喜連川に行ってきた
新鮮野菜とちょっとばかしの新米を買った
その後道の駅に併設している喜連川温泉に入った
美肌によい温泉である、と宣伝されていた

帰り路も東北道を走ったせいなのか
温泉上りの運転のせいか

睡魔が襲ってきたが
wifeに脇で「眠いの」と数度言われ
「眠くなんかないよ 眠かったら運転できないでしょ」と
意地を張り、ハンドルを握っていた自分

無事到着した

玄関をあけるとbeagle元気は飛びあがり 
メトロノームのように尻尾をちぎれるほど振りまくっていた
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1226;何もせずに過ごす

2019-09-12 04:32:07 | メトロノーム
何もせずに過ごす

大正13年生まれの美紗緒婆さん
長男夫婦と男孫の4人家族

いつも陽のあたる居間で両足を伸ばし
何もせずに過ごしている

時代劇を観るのが唯一の楽しみ
難聴でテレビの音はは聴こえず目で追っているにすぎない

なにもせずに過ごしているので
楽しみ事はないのかな
なにが楽しいのかな
、と判断したり思ってしまってはいけないのだが
本人に「デイサービスに行かないか」と尋ねると
即答「行かない」「人と話すことが嫌い」
断られた

歩行器につかまりあるくも
居間からトイレまではいざりで移動する

なにもせずに居ても
本人にとりそれはそれで倖せなのであろう
居間から庭を眺め
風を感じ過ごす

ぼ~と何もせずに過ごしたい、と思うときもあるが
自分は家にじっとすることは我慢ならず
車で何処かへ行きたい

美紗緒婆さん 陽をあたりながら
頭のなかで思い出巡りをしているのだろうか
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1225;人生にトキメキを・・・・

2019-09-10 22:31:02 | メトロノーム
人生にトキメキを・・・・

チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」の言葉に ハッとする自分

先日 スーパーでチコちゃんのふりかけを見つけ、買ってしまった妻と自分

ふりかけの袋にこんな言葉があった
大人になるとあっという間1年が過ぎるのはなぜ?」

人生にトキメキがなくなったから  チコちゃんの答え

生活の中にトキメキが多いか少ないかが、
時間がゆっくり過ぎるか早く過ぎるかの違いを生み出している

子どもは新しい体験など1年の中で感じとるトキメキが多く、
その一つ一つをしっかり認識するので過ぎた時間を長く感じる。

大人は毎日同じ作業に慣れてトキメキが少なくなる。
印象に残ることが少ないので過ぎた時間を短く感じる。

【ふりかけに記載されてあったチコちゃんの回答】

トキメキの瞬間(とき)を持つこと
恋はトキメキの一つだが
いまの自分には無理な話
ときめくような新しい体験にチャレンジすることなのかな


今日 余命3ヵ月と告知された熊爺さんの家を訪問した
腎臓と胃に癌があり、幸い痛みはなく 積極的な治療はせず
自宅のベッドで療養中
妻との二人暮らし

熊爺さんは農業一筋だった
ベッド上から畑や庭の風景を眺めながら
来年の種蒔きの準備を思案している
元気になり農作業をしなければ、と・・・・。

生きねば、と熊爺さんは思いながら
「病院にはいたくない、家に帰りたい」
「(家で)風呂に入りたい」

9月17日から訪問入浴のサービスを開始する
併せて訪問看護師も訪れることになった

「生きたい」「生きねば」と思うその気持ちは
余命3ヵ月の枠を越え生きていく熊爺さん

人生が速く過ぎるか 短く感じるかは
トキメキの体験や生きることへの希望があるかないかで違ってくるのかもしれない




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1224;見送る

2019-09-09 04:46:05 | メトロノーム
見送る

先日、92歳の登婆さんは病室で永眠され、二人の息子が見送った。

「見送る」という言葉からいろいろな情景が浮かぶ。

・出勤する夫を玄関先で見送る妻は何を思う
新婚当時は、手作りの夕飯を作り、夫の帰りを待った。
いまは、夫を見送った後で、外出し自由に時間を楽しむ妻

・集団就職列車をホームで見送る母親の不安な気持ち
中学の同級生が二人、蒸気機関車列車に乗り、東京の小さな会社に就職した。
いなりと海苔巻が入った包みを母親はそっと渡していた

・逢っているときは愉しいが恋人が乗った終電をホームで見送る切なさ

・「雨がやんだらお別れね」と2階の窓から後姿を見送る女性の泪

・長い間、病を患い、闘い終えた穏やかな母の顏を見送る悲哀(かなしさ)と安堵の気持ちが複雑に混じり合う
眠っているような死に顔。言葉をかけたらいまにも目を覚まし起きてきそうな顔。
多くの死に顔を見てきた。
ほんとうに最期は穏やかな安らかな表情で逝きたい、と願う。
静かに眠るご遺体(老いびと)に向かい合掌したあと、頭髪を撫でながら「お疲れ様」「がんばったね」などと言葉をかける。
ケアマネジャーの仕事は、「見送り」で終わりとなる。
亡くなった老いびとから何を学んだのか、何を感じとったのか、もう一人の自分に向き合う。
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1223;言葉を紡ぐ

2019-09-08 09:14:32 | メトロノーム
言葉を紡ぐ



昔は、くず繭(まゆ)を紡いだ糸で織った絹織物を紬と呼び、
江戸時代までは庶民の普段着であった。
くず繭であっても、出来上がり上品で素晴らしい着物になった。
紬は、太さがバラバラで均一でない紬糸を複雑に絡めて織っていくことで丈夫な着物が出来上がる。

デイサービスに集う老人たちも同様、
生活歴や躰の状態や性格は、ばらばらであり同じ人はない。
90歳を越えた人生の達人が多く、それぞれがマイペースであり、我が道を行く、といった感じである。

「紬」は、繭を紡ぐことから、「紡ぐ」という言葉を考えてみた。
「言葉を紡ぐ(想いを紡ぐ)」。
介護相談や介護のなかで、老人の想いや言葉に傾け、どう紡いでいるのだろうか、
「紡ぐ」という言葉から、ふと立ち止まった。
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1222;タイトルを変えてみた

2019-09-03 16:39:15 | 阿呆者
「老い楽の詩」から「老いびとの詩」に変えてみた

気分一新のつもりでタイトルを変えてみた

タイトルより中味が問題なのだが

老いびと(老人の意味)の言葉が気になりだした
恋人 の言葉のほうがときめく

老いてはもう恋の季節はやって来ないかな

気がつけば
いつもまにか
老いびとの時代

浦島太郎も
玉手箱を開けたばっかりに
またたくまに時間は早く通り過ぎ
白髪の老いびとになってしまった

浦島太郎を可哀想に思うことがある
子どもたちが苛めていた亀を助け
竜宮城に招待され
歌えや飲めや踊れやと遊び呆けていた
愉しい時間はあっという間に過ぎてゆく
なんだかキリギリスの物語を連想してしまう

愉しいこと続かない
愉しいことはいいことだが
何も残らない

もういちど浦島太郎物語を読んでみるとしようか

老いびとが読む「浦島太郎」から
なにを感じ なにを想うか
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1221;立ち並び待ち

2019-09-02 18:10:15 | 阿呆者
立ち並び待ち

9月最初の外来受診日。
自治医科大学附属病院 本日の外来予約は約2700人。

健康保険証確認のため200人を超える病人が
一列になり確認待ち状態
それだけで疲れる

確認のカウンターには5台のパソコンがあるのに
3台しか動いていない
2台はお眠り状態
待ち列にならないよう
5台のパソコンが稼働していたら、と思いながらも
無言に保険証を出す自分

自分は循環器科予約受診
両下肢のふくらはぎのところが
血栓の診断を受け
ただいま血液サラサラの薬を服用(ワーファリン2.5㎎)

右下肢と目の「くま」部分に浮腫があり 利尿剤も服用

病と生きる

さくらさくらデイサービスを利用している婆さんは
「死ななければ病気は治らない」、と話す

隣りにいた自分
「死んで病気は治るけど、死んだら生きて帰っては来れない」、と言葉を返す




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1220;北国では初秋の気配

2019-09-01 20:51:52 | 阿呆者
北国では初秋の気配

冬よりも短い夏は、蝉の生命の如し。
北国はお盆が過ぎると、
朝夕涼しくなり初秋の気配を感じさせる。
芒の穂先には翅を休ませた赤蜻蛉が停まっている。
彼岸は間近に迫り、
影は日増しに長く伸びゆくが
生命は短くなる。


コメント (6)
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