老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

496;上手な介護サービスの活用処方 第28話「認定調査の項目」 〔26〕 生年月日や年齢を言う

2017-10-29 05:03:16 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第28話「認定調査の項目」 〔26
3-3 生年月日や年齢を言う

ここでいう「生年月日や年齢を言う」とは、生年月日か年齢かのいずれか一方を答えることができることである

1.できる
2.できない

1.質問されたことについて、ほぼ正確な回答ができる場合をいう。
2.質問されたことについて正しく回答できない、あるいは、まったく回答できない場合をいう。
  回答の正誤が確認できない場合も含まれる。


・実際の生年月日と数日間のずれであれば、「できる」になる。
・年齢は、2歳までの誤差で答えることができれば、「できる」になる。


 認定調査をして実際に疑問に感じていることがある。
それは認知症が進んでいても、年齢を正しく答えることができないのに、生年月日は正しく答えられる。
そうすると認定調査の判断では、生年月日だけでも答えることができれば、「できる」を選択する。

自分の名前を忘れるような状態になったら、認知症の症状は重度になり、成年月日も答えることもできない、と思う。
その人ににとって生年月日は名前のようなものであり、
生年月日は何かにつけ書類に記入したり、聞かれたりすることが多いため、頭のなかに名前と同じく刷り込まれており忘れにくい。

しかし、年齢は変化し、70歳、80歳代の年齢であっても、自分はまだ30代、40代の年齢だと思っている調査対象者をよくみけかる。

長男は50歳の半ばを過ぎているのに、「息子がお腹を空かして学校から帰ってくる」、と思い、
ガスコンロに鍋をかけおかずをつくる。そのうち鍋をかけたことを忘れ、鍋を焦がし、大騒ぎになる。
長男から「火事になったらどうする!」とすごい剣幕で怒られてしまう。
当の本人は、息子のためにおかずを作ったのに、なぜ起こられたのかわからないでいる。
このような状態にあっても、生年月日だけは正しく答えられる。

認定調査では、生年月日か年齢かのいずれか一方を答えることができれば、3-3の認定調査項目では、認知症はない、と判断さえてしまう。
問題が残るところである。


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