はたともこのPPPA「子宮頸がんは検診で予防できる~感染や前がん病変を発見する子宮頸がん検診は、『がん予防検診』です(1/3)

はたともこのPPPA「子宮頸がんは検診で予防できる~感染や前がん病変を発見する子宮頸がん検診は、『がん予防検診』です」  

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子宮頸がんは検診で予防できる~感染や前がん病変を発見する子宮頸がん検診は、「がん予防検診」です(1/3)

今回は、「子宮頸がんは検診で予防できる~感染や前がん病変を発見する子宮頸がん検診は、『がん予防検診』です」、と題してお送りします。

子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)には、様々な論点がありますが、今回は特に、「定期的な子宮頸がん検診は、いわゆるがん検診、つまり「がんを発見する」検診ということだけでなく、「がん予防検診」という位置づけがある、ということを、あらためてお話ししたいと思います。

そもそも、子宮頸がんになる人は、年間約1万人です。
国立がん研究センターの最新統計、子宮頸がん罹患数 2012年 10,908人。
これは、10万人あたり16.7人、5歳刻みで見ると、40歳から44歳で10万人あたり32.9人です。
グラフから、乳がん・大腸がん・胃がん・肺がんに比べると、子宮頸がんの罹患数は低いことがわかります。

子宮頸がんの死亡数は、国立がん研究センターの最新統計によると、2015年 2,813人です。
20代16人、30代177人、40代390人、50代482人、60代524人、70代545人、80代以上678人、年齢不詳1人、です。

ある年齢までに、ある病気で死亡する、おおよその確率、「累積死亡リスク」は、子宮頸がんの場合0.3%、312人に1人ですが、国立がん研究センターの「がん情報」でも、
子宮頸がんは
「早期発見・早期治療が可能ながん。死亡率・罹患率は低く、予後の良いがん」と説明されています。

私は、
子宮頸がん検診は、ほかのがん検診とは全く違って、
20歳から定期併用検診を行えば、誰も子宮頸がんにはならない、
20歳からの定期的な併用検診は、がん発見の「がん検診」ではなく、感染や前がん病変を発見して、生活習慣を改善したり、がんになる前に適切に治療して、がんを予防する、「がん予防検診」、
と認識すべきだと思います。今回は説明したいと思います。

子宮頸がんの原因ウイルスと言われているヒトパピローマウイルスは、主に性交渉で感染するので、ヒトパピローマウイルス感染症は性感染症の一種です。従って、性交渉開始以降であれば、ヒトパピローマウイルスに、誰でも感染するリスクがあり、
厚生労働省の「性感染症」予防啓発リーフレットには、
「性経験のある女性の半数以上が一度は感染するとされています。症状はほとんどありません。
様々なタイプがあり、一部のウイルスは、性器にいぼができる尖圭コンジローマの原因となったり、  
子宮頸がんや膣がんなどの原因になったりします。」
と記載されています。

美少女戦士「セーラームーン」をイメージキャラクターにして、「検査しないとおしおきよ」という予防啓発リーフレットを作って、若年層にも訴えています。

子宮頸がん検診には、細胞診という異常細胞を発見する検診と、HPV-DNA検査という、がんの原因とされるヒトパピローマウイルスの感染を発見しHPVのDNAの型を同定する検査と、2種類あります。
細胞診は見逃しもあり、これだけでは不十分です。
感度・特異度がともに高くなるこれらの「併用検査」を行えば、「感染」と「前がん病変」の有無を判定できます。

HPV-DNA検査で、15種類あると言われる、がん化しやすいハイリスクのHPVへの感染の有無を確認することは、仮にハイリスクHPVに感染していることがわかれば、禁煙など生活習慣の見直しや、まん延防止にもつながります。

厚生労働省が推進するがん検診は5つ、胃がん・肺がん・乳がん・大腸がん・子宮頸がん。
しかし、その中で子宮頸がん検診の細胞診は、
がんの早期発見・早期治療というより、前がん病変の異形成を発見するもので、
その上で、経過観察を行い、がんになる前の段階で、必要があれば適切な治療を行う、
というものです。

従って、この定期的な検診は、前がん病変の段階で治療する、がん予防の為の検診なので、いわゆる「がん検診」と言うよりも、「子宮頸がん予防検診」と呼ぶべきだと、私は思います。

現在では、このような一度に同時に検査できるキットがあり、
私は、性交渉開始以降は、20歳から、細胞診とHPV-DNA検査の両方を、二年に一度、定期的に行っていくことが合理的だと思います。そうすれば、全ての人が、がんになる前の段階で適切に処置することができるので、誰も子宮頸がんには、なりません。
20歳からの定期併用検診は、子宮頸がん撲滅検診なのです。
適切な経過観察・必要となれば適切な治療を行うことで、決して過剰診断・過剰治療になるものではありません。

子宮頸がん検診は、現在は、市区町村が実施主体となって、20歳から、2年に1回の割合で、細胞診が実施されていますが、20歳から細胞診だけでなく「HPV-DNA検査」も同時に行い、
他のがん検診のような、がんの早期発見という位置づけだけでなく、正確に「がんを予防するための検診」、というふうに明確に位置付けて、啓発していくべきだと思います。

検診の開始年齢は別にして、併用検診については、専門家も推奨しています。
2012年5月には、日本産婦人科医会が、厚生労働大臣あてに要望書を提出しています。
「子宮頸がん検診における細胞診とHPV検査併用検診の普及に関する要望書」

また、現在は、新百合ヶ丘総合病院がんセンターセンター長である元自治医大教授の鈴木光明氏の2012年の資料には、
●併用によりお互いの欠点を補い精度の高い検診が可能となる
●前がん病変(中等度異形成以上)をほぼ確実に発見できる。
●細胞診・HPV-DNA検査共に陰性ならば3年間は安心!
と明記されています。

同じ資料で、鈴木光明氏は、
感度100%、
細胞診、HPV-DNA検査併用により、感度が上がり、ほとんど見逃しがなくなる、と明記しています。

さらに、ワクチン推進の司令塔・子宮頸がん征圧をめざす専門家会議のホームページにある「子宮頸がんワクチンQ&A」には、
「細胞診にHPV検査を併用した検診を実施すると、ほとんど見落とし・見逃しがなくなります」とあり、
ジャパンワクチン株式会社(GSK関連会社)のHP「よくある質問Q&A)」でも、
「子宮頸がんを完全に防ぐためには、予防ワクチンの接種だけでなく、定期的な検診を受けることが大切です」とあります。

ワクチンの有効可能性があるのは、16型と18型だけですが、検診は全ての型に対応できるので、この文章は、定期的な検診で子宮頸がんは完全に予防できると言っているのと同じです。

また、研究代表者が慶応大学医学部の青木大輔産婦人科教授である「子宮頸がん検診における細胞診とHPV検査併用の有用性に関する研究」のH27年度研究進捗報告会資料には、
「細胞診による子宮頸がん検診は、死亡率・罹患率の減少が既に証明されている。
80%減少効果があるとして、HPV検査を用いれば、細胞診よりも死亡率・罹患率が減少する可能性がある」、と記しています。

従って、早い段階、私は20歳からがよいと思いますが、細胞診とHPV-DNA検査両方の併用検診を行えば、予防効果はバッチリ、ということになると思います。

これは、子宮頸がんワクチン超推進派である今野良自治医大教授が、2012年に、現代性教育研究ジャーナルに寄稿した文章の一部です。
●子宮頸がん予防:一次予防であるワクチンと、二次予防である検診によって完全に予防できる
●がんに進行する可能性 : 軽度異形成 1%・中等度異形成 10%・高度異形成 20~30%
●中等度異形成までは自然治癒することが多いので経過観察
●高度異形成・上皮内がん(最も初期のがん)は、円錐切除術(子宮頸部の一部を切取る小さな手術)で、100%治癒、妊娠・出産も可能、
と記されており、

これは、つまり、
ワクチンはHPV16型・18型のみが対象なので、それ以外の型にワクチンは関係ないのですから、16型も18型も含めて、「定期的な併用検診で、完全に予防できる」と言っているに等しいということになるのです。

極めつけは、HPVワクチン・子宮頸がんワクチンの承認のための臨床試験です。
この臨床試験それ自体が、検診でがんが予防できることを示しています。
サーバリックス・ガーダシル国内外の臨床試験の合計42,142例中、誰1人、がんになった人はいません。
なぜならば、
臨床試験の間は、常に検査・経過観察を行っており、前がん病変になったとしても、全て、がんになる前に、適切な治療を行い、治癒するので、誰も「がん」にならないのです。

ワクチン承認のための臨床試験で、併用検診で完全に予防できること、すなわち、子宮頸がん予防のためには、ワクチンが必要ないことを、証明しています。

従って、
厚生労働省が子宮頸がんの予防と、HPV感染症の公衆衛生上のまん延防止の観点に立つのであれば、
性交渉開始以降の10代の性感染症検査と、
20歳からの定期的な併用検診(細胞診+HPV-DNA検査)を推奨すべきなのです。

これは、いわゆる、「がん検診」とは、意味が異なります。

たとえば、検診で、
ハイリスクHPV型への感染、あるいは軽度異形成が発見されれば、
禁煙やパートナーに感染させないなど生活習慣改善や子宮頸がんリスク要因の排除などの取組ができます。

厚生労働省も性感染症リーフレットには、「パートナーと一緒に検査・治療を受けましょう。」と記載しています。

国立がん研究センターによる、子宮頸がんのリスク要因です
●低年齢での性体験
●性的パートナーが多い
●多産
●HPV以外の性感染症に感染していること
●喫煙などです。

リスク要因のない中学1年生の少女全員に、リスクのあるワクチンを定期接種と位置づけて接種を勧奨するのはやめて、
これらのリスク要因を性教育し、性交渉開始以降、10代の性感染症検査、20歳から定期的な検診を受けることを啓発・周知徹底すべきだと、私は思います。

20歳からの定期的な併用検診で、子宮頸がんは完全に予防できるのに、重大な副反応のあるHPVワクチンを、少女全員に接種し、重篤な副反応被害者を続出させている現在の厚生労働省のやり方は、本末転倒です。

2/3へつづく

●はたともこのPPPA「子宮頸がんは検診で予防できる~感染や前がん病変を発見する子宮頸がん検診は、『がん予防検診』です

●はたともこブログ「ワクチンビジネス!子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は必要ありません~定期的な併用検診(細胞診+HPV-DNA検査)で子宮頸がんは予防できます

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