Justice! 社会正義の実現!所得充実政策!ワクチンより検査を積極的に推奨! / 薬剤師・元参議院議員・消防団
ひらがな5文字の「はたともこ」ブログ
〈検証Ⅸ-2〉宮崎口蹄疫:宮崎県当局の違法行為が口蹄疫感染拡大の最大要因
茶色字:県検証委報告書からの引用 青色字:ブログからの引用
@宮崎県の家伝法違反(13条・14条)は明白 水牛農家での対応と同様に家畜保健衛生所の家畜防疫員(公務員獣医師)の通報の遅れが疑われるのが1例目である。国検証委報告書には「出来れば口蹄疫であってほしくないという心情が強く働いた」と明記され、2010年12月8日の衆院農水委員会参考人質疑では、国検証委座長・山根義久日本獣医師会会長が、4/7に異常に気付き4/9に民間獣医師が口蹄疫を疑って家保に通報したのに「何ゆえそれが20日まで延びたのか」被害拡大を懸念して(市場閉鎖・移動禁止)「それで躊躇したということはヒアリングの中で述べていた」と、家保の通報の遅れを厳しく指摘した。
1例目の経緯は次の通りである。 民間獣医師は4月9日、口蹄疫の可能性が否定できないと判断し家保に通報した。しかし家保は口蹄疫の検査は行わず、経過観察とした。1週間後の4月16日、獣医師が流涎等を確認し再び家保に通報。翌4月17日、口蹄疫以外の検査を行うために家保が検体採取。最初の通報から10日後の4月19日、口蹄疫検査のために検体を採取し動衛研へ送付した。
この1例目農家と水牛農家とは同じ都農町で350mしか離れていない。3/31・4/14に水牛農家を訪問した家保と4/9・4/16・4/17・4/19に1例目農家を訪問した家保とは同一(宮崎家畜保健衛生所)である(家保の記録を見れば誰が訪問したかも明らか)。同時期に民間獣医師が口蹄疫の可能性を疑って通報しているのだから、家保が為すべきは防疫指針及び家伝法に基づき、口蹄疫に感染しているのかいないのかを検査することである(検体を動衛研に送付すること)。このとき家保(家畜防疫員)が口蹄疫を全く想起しなかったということは絶対に考えられないし、あり得ない。1月22日に隣国での口蹄疫発生を受け、県庁で防疫会議を開いているではないか。
国検証委座長・山根義久日本獣医師会会長が厳しく指摘したように、6例目水牛農家だけでなく1例目においても家畜防疫員の通報の遅れは明白であり、宮崎家畜保健衛生所は水牛農家と1例目農家とにまたがって、口蹄疫感染の疑いを隠蔽(操作)しようとしたのだ。3/31の水牛農家への家保立入調査から4/19に1例目農家の検体を動衛研に送付するまでに20日を要しており、この長期にわたる県の隠蔽こそが今回の口蹄疫感染拡大の最大の要因であることは明らかである。このように極めて重大な犯罪的行為(防疫指針完全無視および家畜伝染病予防法第13条「通報義務」・14条「隔離義務」違反)に至った県の責任は、当然問われなければならない。前述の家保(宮崎家畜保健衛生所)副所長の岩崎充祐氏は、その間4/1付で県の家畜防疫対策監に異動、それまで家畜防疫対策監だった児玉州男氏は畜産課長に異動したが、いずれも責任は重大である。
国疫学調査も県検証委報告書も、繰返し、水牛農家と1例目農家について、口蹄疫を疑う症状ではなく意図的な見落としではないと家畜防疫員を擁護する趣旨の記述をしているが、1/7付で口蹄疫注意喚起の農水省通知が発出されたのを受け開催された1/22県家畜防疫会議の議論を踏まえた家畜防疫員が、防疫指針を完全無視し任務である口蹄疫であるか否かの検査(検体送付)を怠るなど言語道断である。当該家畜防疫員が家伝法違反を問われず、また安愚楽牧場も同法違反に問われないのであれば、宮崎県における家畜防疫員は何の為に、誰の為に存在するのか。
@県は防疫体制において最も重要な家伝法13条・14条を繰返し違反している 県の隠蔽体質を顕著に示す、もう一つの事例を紹介する。
終息に向かいつつあった6月25日、新富町のワクチン接種農家(牛500頭)の殺処分の際、口蹄疫が疑われる症状の牛1頭を発見しながら、県は検査や国への通報をしないまま作業を続行した。現場で作業していた獣医師のうち約10人が牛の周囲に集まり、「教科書で見たような典型的な症状だ」として「血液を採って、検査すべき」と相次いで主張したにもかかわらず、現場の家保・家畜防疫員は「疑わしい牛がいたが、殺処分は続ける」と命じた。
この事実は7月1日に非常事態宣言を一部解除した後の7月14日発覚(報道)した。翌15日、複数の獣医師らの所見を聞き入れなかった家畜防疫員の判断について、県の児玉州男畜産課長(前家畜防疫対策監。4/1付異動)は、「県知事から委嘱を受けた家畜防疫員の現場での権限は大きい。その判断は絶対だ」と述べた。また県畜産課は「報告を受けたのは処分4日後の6月29日。検査や国への報告をしないで殺処分したのは、現場の責任者である家畜防疫員の判断だった」と読売新聞の取材に答えた。
ところが、この家畜防疫員は、処分前に「(県の現地対策)本部に確認する」として携帯電話で判断を仰いでいたことが、農水省による現場に居合わせた獣医師への聞き取り調査で判明した。約20分間にわたり携帯電話で話し、電話を切った後「疑わしい症状の牛がいたが、上の指示で殺処分を続ける」と話したということだ。(読売記事 2010/7/15① 2010/7/15② )この事例については、国検証委報告書も指摘した。
3/31・4/9から4/19・4/22までの約3週間、感染の疑いを隠蔽した時と同様、県による「隠蔽」と「嘘」であり、明白な家伝法違反である。県という立場にありながら、当局には法律を守るという意識が全くないのである。
@東国原知事の嘘 以上のような県当局の嘘に加えて、東国原知事本人も真っ赤な嘘をついている。
報告書でも再三指摘されているが、そもそも宮崎県は2010年1月7日付の「韓国における口蹄疫の発生について」という農水省動物衛生課長通知に対して、まともに対応していない。1/7付通知を受けての県の対応は以下の県検証委報告書記述の通りである。
(県内各地域の状況) 1月22日に県内の市町村家畜防疫担当者、農業関係団体の担当者等を集め、「家畜防疫会議」を開催した。中略。「家畜防疫会議」での情報が各農家に十分に伝達されたケースは少なく、大半の農家は韓国で口蹄疫が発生していた事実は知っていたものの、これが身近に起りうるものとして、危機感・緊迫感を持っていた状況では無かった。
(検証結果) 市町村及びJA等に調査を行った結果、当会議(はた註:1/22家畜防疫会議)において、各農家への指導徹底について一定の要請があったことは事実であるが、参加者・機関の口蹄疫に関する危機意識を高めるまでには至っておらず、また、各農家への指導の徹底を強力に呼びかけるものではなかった。さらに、会議後に各農家に伝達されたかについての調査等も行われていなかった。
家畜防疫会議での情報が各農家に伝わっていなかったことを示す文章は、県検証委報告書の随所に出てくる。農家への情報伝達の不徹底は、明らかに感染拡大を招いた大きな要因である。しかし、東国原知事はこの点について、ブログで過去に完全虚偽の発言をしている。以下その事実を示す。
2010年6月22日付 東国原英夫オフィシャルブログ 政治家(公人)の発言・発信の影響は小さく無いと思う。県民や国民の皆様に間違った認識が敷衍されると困るので、例えばここで、はたともこ氏のブログ発言に対して少しだけ僕の所感を述べさせて頂いておこう。「1月7日付の『韓国における口蹄疫の発生について』との農水省動物衛生課長通知を受けて、一部の県ではHP上でも地元農家に対して注意喚起を行っていますが、宮崎県ではHP上で情報提供・注意喚起を行った形跡がありません。1月7日の農水省通知が宮崎県でも徹底されていたら、感染の拡大を防ぐことが出来たのではないかと今更ながらに強く思います」という指摘。
→本県では、確かにHP上での記載はしていないが、市町村や農業団体を通じて、FAXや電話等で農家一軒一軒に注意喚起を徹底している(農家はパソコン等をお持ちでない方が多く、電話やFAXの方が有効である場合が多い。また、HPに載せただけでお終いでいいのか?)。本県では、加えて、1月22日には、広く防疫会議も開いている。
2010年6月12日付はたともこブログ 1月7日付の「韓国における口蹄疫の発生について」との農水省動物衛生課長通知を受けて、一部の県ではホームページ上でも地元農家に対して注意喚起を行っていますが、宮崎県ではホームページで情報提供・注意喚起を行った形跡はありません。1月7日の農水省通知が宮崎県でも徹底されていたなら、感染の拡大を防ぐことが出来たのではないかと今更ながらに強く思います。
東国原氏は、報告書が指摘するように殆どの農家に情報が伝達されていない状況であったにもかかわらず、「市町村や農業団体を通じて農家一軒一軒に注意喚起を徹底している」とわざわざ私のブログに反論したのである。全くの嘘八百である。宮崎県は、宮崎家畜保健衛生所といい畜産課といい東国原知事といい、嘘ばかりついているのである。このようないい加減な県の対応・体制・体質が、今回の大惨事の最大の要因となったことは間違いない。
@県の家伝法・防疫指針違反は山積 県検証委報告書は「4章(6)-②現地対策本部は十分に機能したか」の検証結果に、次のように記した。 発生現場で作業に従事した者がエリア外に出る場合の消毒の不徹底、現地対策本部内での作業従事後の者(未消毒)とそうでない者との接触など、防疫上の問題があったことが指摘されている。 これは家伝法28条違反行為である。県検証委報告で目を引いたのは、感染拡大期には「特に、風(飛沫)によって大量のウイルスが運ばれたことによるものが多かったのではないかと推測される」の一文であるが、対策にあたっていた県職員の家伝法28条(病原体に触れた者の消毒の義務)違反を逃れるための言い訳ではないのか。
県検証委報告書は「第4章(7)-⑤他県との関係で問題はなかったか」で次のように記した。 (周辺各県は)感染拡大についても宮崎県からの情報提供は少なく、各県とも国の発表やHP等を通じて情報を入手する状況であった。 これも明らかな家伝法違反である。(第13条の4:都道府県知事は、遅滞なく、関係都道府県知事に通報)
@東国原知事の傲岸不遜な態度 東国原知事は2011年1月14日、地元農家らで構成する口蹄疫被害者協議会に所属する農家約20人と意見交換し、被害拡大の原因や初動態勢の遅れに対する県の責任について、「怠慢、過失があったとは認識していない」と回答、農家から県の初動対応を厳しく追及されると、「マニュアルに書いてないんだよ、そんなん」と声を荒げる場面もあり、憮然とした表情でその場を後にしたという。県民の幸福を預かる県知事の言葉とはとても思えない、品性を欠く発言である。(西日本新聞記事 読売記事)
@東国原知事は補助金適正化法の処罰対象となり得る 以上のように、県は、防疫指針を完全無視し家伝法(13条・14条ほか)に明らかに違反したと認められる。家伝法違反のものが交付金等を受取ることは家伝法違反(第58条)・補助金適正化法違反であり、手当金等の返還はもちろんのこと、補助金適正化法により刑事罰に処される(知事、その他の職員。五年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金、又はこれを併科)。知事を退任したからといって東国原氏がその責任追及を免れるものではない。東国原氏が責任を負うことは、当時の知事としての義務である。
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