冷える日韓関係 6月20日

「とても低いレベルの合意だった」、共同記者会見でのノムヒョン大統領のこの言葉を、通訳は訳さなかったそうだ。小泉総理の前向きな性格は悪くはないが、極めてしらけた雰囲気の中でも、にやけた表情で会談を評価する小泉総理の態度は、負け犬の遠吠えのようでむなしくうつる。

過去に一旦は歴史認識の溝を埋めたにもかかわらず、内政に行き詰まると再びそれを持ち出す韓国政府のやり方は、決してスマートとは言えないが、日本国民の多くが、外交軋轢を避けるために靖国参拝強行を良しとしていないのに、頑として聞かない小泉総理は、まるでだだっ子のようだ。後退してしまったかのような日韓関係を目の前にすると、韓流ブームに水をさす政治のベクトルは、明らかに間違った方向に向いている。誰が日本国総理大臣でも、同じ経過をたどっていただろうか。

ペ・ヨンジュンは今日、体調を崩して入院したそうだが、そりゃあ入院もしたくなるだろう。食・文化・芸能・スポーツの分野では、益々交流を深める日韓なのに、政治だけが右往左往している。日本人としての誇りを保ちつつ、しかし尚、相手を思いやる外交を目指すべきだ。相手は自分の鏡なのだ。おれがおれがのがを捨てる勇気こそが、必ず未来への懸け橋となるはずだ。小泉総理とノムヒョン大統領の二人だけが、両国の歴史をつくってはいけない。

シャトル外交は、まだまだ続く。次の会談までに、小泉総理は靖国神社を参拝しているだろうか。「外交カード」という言葉があるが、相手を出し抜くようでどうしても好きになれない。所詮は同じ人間同士。考えていることに大きな違いがあるわけではない。本来外交は、優れた人間力を持つ人物に、委ねなければならないものなのだとつくづく思う。
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