「安倍・トランプ」日米首脳会談について / 日米安保条約 第2条の「経済的協力」が必要!

2月10日の日米首脳会談・共同声明、2月11日のゴルフ会談・対北朝鮮共同声明と、2日間にわたる安倍・トランプ首脳外交は、世界の注目を集めました。

安倍総理としては、
トランプ大統領から、破格の「おもてなし」を受けた上に、
安全保障面では、従来通り、あるいはそれ以上の日米同盟関係を確認し、
経済面では、トランプ大統領からの様々な、貿易・投資・為替・金融政策についての対日要求に対して、
麻生副総理とペンス副大統領による、「日本及び米国の相互の経済的利益を促進する様々な分野にわたる協力を探求していく」、「経済対話」economic dialogueの枠組みをつくることで完全に合意できたことは、
今後、特に自動車産業を中心とする対日貿易赤字、為替・金融政策についての米側の強い要求にどう対応するかの大問題が残っているとしても、上々の成果だったと言えると思います(安倍総理としては)

トランプ大統領のイスラム7カ国民に対する一時入国禁止政策について、安倍総理が批判すべきだったという意見がありますが、そもそも日本の入国管理政策は世界でも厳しいものであり、安倍総理の思想・信条にも、そのようなものはなく、無理な注文だと思います。

トランプ大統領としては、
イスラム7カ国民の一時入国禁止政策について、国内外から批判が集中し、最初に首脳会談を行った盟友、英国のメイ首相からも批判され、メキシコ・カナダの首脳とは、NAFTA等で対立し、オーストラリアのターンブル首相とは難民問題で意見が合わず、トラブルが重なって、政権発足後の逆風状態の時に、世界第3位の経済力を持ち、アジア太平洋地域の最重要パートナーである日本と、日米同盟の完全な合意を内外にアピールできたことは、大きなメリットになりました。

さらに、トランプ大統領にとっては、もう一つ、重要なアクションがありました。
日米首脳会談の前日、2月9日eveningに、中国の習近平国家主席と電話会談をして、習主席の求めに応じて、従来からの米国の「一つの中国」政策を尊重し、その上で、相互の利益のために様々な議論や交渉を行うことで合意したのです。

トランプ大統領にとっては、日米首脳会談の開催が、米中電話首脳会談の最適のタイミングとなりました。中国に対しては、「一つの中国」、日本に対しては「尖閣・東シナ海・南シナ海」、ともに従来からの政策を確認するだけで、日中両国から、貿易・為替・投資・インフラ整備等の経済協力を競わせる形になりました。

私は、今後の日米経済関係については、日米安保条約 第2条の「経済的協力」と位置付けるべきだと思います。第2条の「経済的協力」と、第5条の「日本領域に対する武力攻撃への対処・行動」、第6条「米軍への基地提供」が一体となった日米同盟としたほうが、米側の第5条・6条についての過大な対日要求を、第2条の「経済的協力」でカバーできるのではないかと思うからです。

経済的協力では、4年後の大統領選で再選をめざすトランプ大統領にとっては、ラストベルト4州(ミシガン・オハイオ・ペンシルベニア・ウィスコンシン)での製造業再生・雇用創出が、最優先課題です。

既に、シャープ・ホンハイ(台湾)が、8000億円の規模の投資で、アメリカに液晶パネルの工場を建設する計画であると表明しましたが、立地についてはラストベルトが望ましいと思います。

私は、トヨタも、電気自動車EVや燃料電池車FCVの開発・生産を米国に集中し、世界市場を視野に、中国アリババのように、100万人の雇用創出宣言をしたらどうか、と思います。日米共同で、「水素社会」を実現する構想も、あるのではないかと思います。

年間3500億ドルの対中貿易赤字の縮小も、日本が協力できると思います。米国が国際競争力を失ってしまった鉄鋼、家電、繊維、衣料、日用品・雑貨等の製造業を、中小企業も含む日本企業が協力することで、再生できるかもしれません。

これらの製造業再生・雇用創出、インフラ整備等の投融資資金は、日本国内で批判の多いGPIF資金や政府系金融機関の資金ではなく、日本政府保有の米国債を活用すべき、というのが私の提案です。

こちらから積極的に、先手必勝で、トランプ大統領が最も強く求める分野で協力することで、日本が受け入れられない農畜産物、遺伝子組み換え作物、成長ホルモン使用畜産品、高額新薬、ワクチンなどの輸入、そして、集団的自衛権の行使、辺野古新基地建設(これは安倍総理から言ったと思うが)、防衛費増額などについて、「NO!」と言える交渉を行うことができるのだと思います。それこそが、日米winwinとなる「deal」になると、私は思います。


●はたともこPPPA~日本政府保有の米国債を担保に『ドルドル基金』創設で日米winwinに!

●はたともこPPPA~トランプ超スピード政治に対する、先手必勝の「はたともこ」プラン=「ドル・ドル基金」

●はたともこブログ~トランプ大統領に、日米安全保障条約 第2条の「経済的協力」の提案を!

●はたともこブログ~ドル・ドル基金について

●はたともこメールマガジンのご登録はこちら

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

食料安全保障に関するピウラ宣言~「食料自給原則」「食の安全・安心原則」を国際原則とすべきです

私がTPPに強く反対する理由の中に、「日本農業の自給率・自給力の著しい低下」と「GMO遺伝子組み換え食品・成長ホルモン畜産品等の流通拡大」がありますが、これらは日本だけの問題ではなく、「食料自給原則」と「食の安全・安心原則」は国際原則にすべきだと思います。

外務省のHPの、「日本と世界の食料安全保障」の項では、
「食料安全保障は、すべての人々が、いかなる時にも、活動的で健康的な生活に必要な食生活上のニーズと嗜好を満たすために、十分で安全かつ栄養ある食料を、物理的にも経済的にも入手可能であるときに達成される/all people,at all times, have physical and economic access to sufficient, safe and nutritious food」
と書かれています。

また、同じく、「日本における総合的な食料安全保障」の項では、
「国民に対して、食料の安定供給を確保することは、国の基本的な責務です」

「国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせ、食料の安定的な供給を確保することとしています」

「世界的な人口増加等による食料需要の増大、気候変動による生産減少など、国内外の様々な要因によって食料供給に影響を及ぼす可能性があり、食料の安定供給に対する国民の不安も高まっています」
と書かれています。

外務省HP「食料安全保障」には、2016年9月にペルーで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力)の第4回食料安全保障担当大臣会合で、APEC食料安全保障に関するピウラ宣言が掲載されています。

ピウラ宣言には、
「我々は/小規模農家、小規模漁業者、零細・中小企業を含む食料生産者をエコノミー内またはグローバルなフードサプライ・バリューチェーンに組み入れること/APECがこれらの課題への対処に貢献できると確信する

「我々は、エコノミー間またはその中の地域間で食品安全のためのアプローチや要求が異なる可能性があることを認識し、ヒト、動物及び植物の生命並びに健康を守る正当な目的を満たす強固な科学的根拠に基づく食品安全システム増進のための共通の土台の追求及び開発に引き続きコミットする。一方、その適用は、貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)及び衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)のような協定の下で、WTOの権利と義務に則り可能な限り最小限に貿易制限的なものとする」

「家族農業者や小規模農家は、フードシステムにおいて中心的な役割を果たし、農地や漁業の大部分を管理し、食料のかなりの部分を生産している/我々は、小規模農家の地方、地域及びグローバルな市場との連結は、貧困削減、所得増加、食料安全保障の改善及び生計手段の選択肢の拡大に関する潜在力を持つことを認識する」
等々の記述があります。

私は、TPPが漂流した今、RCEP(東アジア包括的経済連携/ASEAN+6(日中韓印豪NZ)が当面の重要経済連携ですが、多くがAPEC参加国でもあるので、このピウラ宣言に示された食料安全保障、小規模農家等への配慮、食品安全システム等が十分に反映され、「食料自給原則」「食の安全・安心原則」が今後の国際経済システムにおける国際原則となるように、日本政府は全力投球すべきだと思います。

●外務省HP「食料安全保障」「日本と世界の食料安全保障」

ピウラ宣言

●はたともこメールマガジンのご登録はこちら

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

MSD社・肺炎球菌ワクチン「ニューモバックスNP」~トンデモ審議結果報告書について

はたともこPPPAで、NHKガッテン!の肺炎球菌ワクチン大宣伝を取り上げましたが、この高齢者肺炎球菌ワクチン「ニューモバックスNP」は、子宮頸がんワクチン「ガーダシル」の製造販売元であるMSD社(米国メルクの日本法人)が製造販売するワクチンです。

このワクチンは、2006年10月20日に、萬有製薬株式会社(MSD社の前身)に対して、製造販売承認されました。この承認のためのPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の審査結果(2006年7月12日付)には、驚くほど、トンデモない内容が書かれています。

審査結果の冒頭の文章は、以下の通りです。

本剤はニューモバックスの製造方法、規格及び試験方法等が変更された製剤であり、本剤とニューモバックスとの同等性を主張して申請された。提出された資料及び回答からは、本剤の有効性は十分明確に示されていないが、否定されるものではないと考える。

本剤が肺炎球菌による感染症を予防する効果をどの程度有するのか明らかではないが、ニューモバックスは既に生産が終了しており、今秋以降供給できないこと、他に本剤と同様の効能・効果を有する予防薬が無いことから、社会的必要性に鑑みて、以下の対応が適切にされれば本剤をニューモバックスの代替品として臨床現場に供給することが妥当と考える。

すなわち、本剤の有効性について臨床現場に適切な情報提供が行われること、本剤の有効性・安全性を確認する市販後調査が迅速かつ適切に実施されること、追加提出予定の品質に関する情報及びGMP(註:製造管理・品質管理)調査において問題がないことが確認されることが必要と考える。
(引用終)


予防効果は明らかではないが、他に予防薬が無く、社会的必要性があるので、ニューモバックスの代替品として臨床現場に供給することが妥当と考える、とは支離滅裂ですが、いったい、どういうことでしょうか。

更に、トンデモ事実のオンパレードの記述があります。呆れる他はありません。一部、紹介します。

(P.5)「2.品質に関する資料」
申請時に提出された資料は、審査する上で必要な情報が十分記載されておらず、全篇において本文と図表の不整合、翻訳間違い、誤字・脱字等の不備が多数認められ、米国メルク社の資料を単に機械翻訳したままと思われる記載も散見された。

著しく内容の理解が困難であったことから、資料の修正に関して150項目を超える指摘/照会事項を作成し、平成17年6月24日、資料の全面的な修正及び再提出を要求した。

平成18年1月12日に修正版が提出されたが、修正された資料においても上記の問題が解決されていなかったことから、再度、100項目を超える指摘/照会事項を作成し、資料の再修正を要求した。

また、照会事項に対する回答についても同様の問題が認められ、審査に多大な支障を来した。

このような事態を招いた原因は、申請者の日本法人である萬有製薬株式会社において品質に関する資料の内容を正確に把握することなく、米国メルク社が作成する資料及び回答を単に翻訳して提出していたこと、また、申請資料の信頼性に対する社内監査体制が機能していなかったことにあると推察される。
(引用終)

点数をつけるなら0点で、カンニングもあったが、合格させたみたいな話で、これでは、萬有製薬(現MSD)や米国メルクに、PMDAが甘く見られても仕方ありません。現に、2007年11月に承認申請された、子宮頸がんワクチン「ガーダシル」の申請資料にも不祥事が続出し、製造販売承認をいったん取り下げる事態になりました。再度、承認申請されたガーダシルの審査結果にも、社内体制の整備の必要性が指摘されています。

もちろん、サーバリックスとガーダシルの勧奨が中止されている時の承認などあり得ませんが、PMDAは、現在審査中のガーダシル9の審査を厳正に行っているのでしょうか。

ガーダシルの審議結果報告書で指摘されたことを、MSD社はきちんと実行しているのか。特に、ガーダシルの「国内臨床試験は不十分」と指摘したのですから、ガーダシル9の国内臨床試験が十分に行われて、有効性と安全性が確認できたのか。それらが確認されない限り、PMDAはガーダシル9の承認をしてはならないと思います。

9~15歳女子100例の免疫原性臨床試験論文は、岩田敏慶応大感染症学教授(感染症・小児科が専門)以外は、全てMSD社員。study concept and designはMSD担当。慶応ブランドの名義貸し?!これでは、納得できません。

●「ニューモバックスNP」審議結果報告書

●ガーダシル9「9~15歳女子100例の免疫原性臨床試験」論文

●はたともこPPPA「NHK ガッテン!肺炎球菌ワクチンは、ガッテンできません! 」

●はたともこメールマガジンの登録はこちら

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

トランプ大統領に、日米安全保障条約 第2条の「経済的協力」の提案を!

トランプ大統領就任から大統領令が連発され、就任演説を始めとする数々の発言から、トランプ大統領が目指すもの、何を狙っているのかが、見えてきました。

日本については、安全保障の分野では重要なパートナーではあるが、経済的・軍事的負担増を求める一方、通商分野では、二国間交渉で、市場開放、貿易不均衡是正、米国内での工場建設・雇用創出を求める、ということのようです。

通商問題では、日本は、明らかにターゲット・標的になっています。

安倍総理は、2月10日頃に訪米して、日米首脳会談に臨む意向のようですが、現在の安倍総理のスタンスでは、安全保障面では、経済的負担増を何らかの形で受け入れる、高額な武器・装備品を買い入れる、集団的自衛権に踏み込む軍事的負担増には積極的に応ずる、日米FTAなど二国間貿易交渉に応じて、TPP協定以上に日本に不利な条件を受け入れる、ことになりそうです。

私は、トランプ大統領の不当な要求までも受け入れてしまうような安倍総理の交渉は、全くお話しならないし、トランプ大統領も冷笑する、ダメダメ交渉になってしまうと思います。

むしろ、日本にとって不当な要求は受け入れずに、トランプ大統領が歓迎せざるを得ないような提案を、積極的に仕掛けていくことが重要だと思います。

日米安全保障条約第2条の規定は、
「締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎を成す原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによって、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する」
とあります。

私は、この日米安保条約第2条の「経済的協力」として、トランプ大統領に積極的な提案をすべきだと思います。

トランプ大統領の最大関心事は、4年後の大統領選挙で再選を果たして、2期8年の任期を確保することだと思います。そのためには、昨年の勝利を決定したラストベルトの4州(ミシガン・オハイオ・ペンシルベニア・ウィスコンシン)の勝利が、4年後も必要不可欠です。それを実現するためには、就任演説(これは明らかに4年後の再選をめざした最初の選挙演説でした)で、何度も強調した、米製造業の再生・雇用創出、インフラ整備などの公約を実現しなければなりません。

私は、日米安保条約第2条の「経済的協力」として、トランプ大統領の公約実現に直結する「日本政府保有の米国シアを担保に『ドル・ドル基金』創設で、日米winwinに!」を提案したいと思います。一方的にトランプ大統領の不当な要求を受け入れるより、はるかに日米winwinとなる提案だと思います。

PPPA(power point policy account)で説明しました。是非、ご覧ください!!


●はたともこPPPA「日本政府保有の米国債を担保に『ドルドル基金』創設で日米winwinに!

●はたともこブログ~「ドル・ドル基金について

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

トランプ大統領の就任演説について~次の選挙がもう始まっている

1月20日、ついに、トランプ氏が第45代アメリカ大統領に就任しました。世界史的な転換になるかもしれません。

フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド氏は、1月12日付の日本経済新聞で、「新たな保護主義の時代」というタイトルの記事で、以下のように述べています。

「ドナルド・トランプ氏の米大統領選での勝利に驚きはない。2000年以降、自由貿易によって雇用が奪われ、白人有権者の心に耐えがたい痛みが生まれたからだ。トランプ氏の勝利は、労働者階級だけでなく、中間層の怒りでもあったのだ」。

「これはポピュリズムではなく民主主義が正常に機能した結果だ。ポピュリズムから民主主義を守ると言っていたエスタブリッシュメントの人々は、実際は少数の権力者の代表としてみられるようになった」。

「今始まろうとしているのは一つの時代だ。グローバル化、つまり新自由主義は1980年ごろに始まった。そこから35年後、我々はまた35年の周期の初期段階にいる」。

「世界経済は悪化している。成長率は低く一部はマイナス成長だ。行き過ぎた自由貿易は経済を停滞させる」。

「自由貿易は忘れねばならない。我々の前にあるのは良い保護主義と悪い保護主義の議論だ。給与水準を守ったり、内需を刺激したりする合理的な保護主義は貿易を活発にする。保護主義が国家間紛争になるというのは嘘だ。保護主義は協力的で敵対を意味しない」。
(引用終わり)


「良い保護主義」とは、「民主主義の経済」ということではないか、と私は思います。国内では格差是正を実現し、国際的な経済連携では、一定の国境措置(食料自給、食の安全・安心、原産地規則等)を認め、各国の国民・市民も含めて、民主主義の原則に基づいたwinwinの関係を構築することだと思います。

利害関係者である企業等には情報公開するが、国民や議会には公開しないTPP協定などは、まさに民主主義に反するもので、断固認めることはできません。

トランプ新大統領の就任演説は、大統領選の選挙演説と同じで、2年後・4年後の選挙を見据えた戦略的な演説でした。

トランプ大統領は、既に2期8年をめざすと明言しています。2期8年間で、オバマレガシーを全否定し、グローバリズムを否定し、「アメリカ第一」を原則に、

「貿易、税金、移民、外交問題におけるすべての決定は、アメリカ人労働者、アメリカ人家族に恩恵をもたらすために下される」。

「我々の製品を作り、我々の会社を盗み、我々の職を破壊する他国の略奪から、我々の国境を守らなければならない」。

「我々はこの素晴らしい国の至る所に、新しい道を、高速道路を、橋を、空港を、トンネルを、鉄道を作るだろう」

「私たちはアメリカを再び強くします/私たちはアメリカを再び豊かにします/私たちはアメリカを再び誇り高い国にします/私たちはアメリカを再び安全な国にします」


トランプ氏は、就任演説を4年後の大統領選挙へ向けての選挙演説とした、初めての大統領ではないでしょうか。

トランプ新大統領の反グローバリズム・理念なき国益第一主義に対して、オバマレガシーを全否定されたオバマ前大統領は、ワシントンに居を構え、事務所も開設して、トランプ大統領の行動を監視する、と伝えられています。

これから4年間、グローバリズムと反グローバリズムが、経済理論・経済政策と選挙で、英国・EU、日本・中国・ロシア・アジア太平洋も巻き込んで、対決していくことになります。

私は、日本には世界に通用する(英語の「正文」がある)日本国憲法9条の理念があるので、これを世界に発信し、日米安保条約第2条の「経済的協力」として、米国の製造業再生とインフラ整備に貢献し、一定の国境措置を認める、各国の国民・市民も含めてwinwinの関係を構築する経済連携をアジアで構築して、「民主主義の経済システム」として世界標準にしていくことに、日本が役割を果たすべきだと思います。


●はたともこPPPA「日本政府保有の米国債を担保に『ドルドル基金』創設で日米winwinに!

●はたともこブログ「ドル・ドル基金」

 

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

トランプ新政権誕生~安倍総理では対応できない

1.トランプ次期大統領が言う「国境税」とは何か

トヨタ自動車の米国輸出用カローラのメキシコ工場建設について、トランプ次期大統領の1月5日のツイート、
”NO WAY ! Build plant in U.S. or pay big border tax.”
のborder tax「国境税」の内容が明らかになってきました。 

一つは共和党の議会指導部で検討されている税制改革案の中にある「国境税調整」border tax adjustmentです。たとえば輸出品・輸入品に20%の国境税をかけて、米国内の輸出企業にはその分を法人税から免除し、輸入企業の法人税負担を軽くする、ということのようです。

日本やEUでは、消費税・付加価値税があって、「最終消費地課税の原則」に基づいて、輸出企業には、消費税・付加価値税が還付されます。いわゆる「輸出戻し税」です。しかし、アメリカには、消費税・付加価値税にあたるものがなく、従って米企業は輸出戻し税がなく、相手国の輸入時には、消費税・付加価値税が課税されるという不公平感がありました。そこで考案されたのが、最終消費地課税の原則に基づいた法人税の導入です。

あるいは、国境税という名の間接税20%を米国内における生産・販売で得た利益と輸入品に課税し、輸出品への課税は免除される、付加価値税のような案も検討されている、との報道もあります。

これに対して、トランプ次期大統領は、これらは非常にわかりにくいと言って、難色を示しています。トランプ氏は、1977年の「国際緊急経済権限法」の「国家の緊急時」や「特別の脅威」、あるいは通商法の「著しい貿易不均衡」に対して、大統領権限で発動が認められている高関税をかけるつもりのようです。

いずれにしても、対メキシコの場合はNAFTA・WTO違反、その他の国の場合は、WTO違反となる可能性があるわけですが、トランプ氏にとっては、そんなことは問題にならないようです。

国境税創設なのか、報復関税なのか、いずれにせよ、強権発動の可能性は高く、日本経済、世界経済、米国経済への影響も大きく、目が離せない展開になりそうです。


2.トランプ次期大統領の標的は、中国・日本・メキシコなのか
1月11日、ニューヨークのトランプタワー1階ロビーで、昨年11月の大統領選後初めて、トランプ次期大統領の記者会見が行われました。トランプ氏のビジネスと大統領職の利益相反、ロシアのサイバー攻撃、トランプ氏のロシアでの「不名誉な情報」、CNNとのバトル等々、話題は多かったのですが、注目すべきは、トランプ次期大統領の発言の中に、「日本」が2回出てきたことです。

1回目は、米国の貿易赤字についてです。

「最近われわれの貿易交渉は全くうまくいっていない。毎年毎年何千億ドルも損ばかりしている。中国との貿易で年間数千億ドルもの損失を出し、日本やメキシコなどとの間に貿易不均衡がある。だから、政府にはビジネス界の成功者が必要なのだ。」という趣旨の発言をしました。

2015年の米国の国別貿易赤字は、中国3672億ドル、ドイツ748億ドル、日本689億ドル、メキシコ606億ドルの順ですが、トランプ氏が何故ドイツを口にしなかったか不思議ですが、日本については、中国・メキシコからの日本企業分も含めているのかもしれません。

2回目は、「中国は経済的にも軍事的にも現政権の弱腰につけ込んできた。私が政権を握ったあとは、中国、ロシア、日本、メキシコなどの全ての国が、米国に対してより敬意を払った態度を取るようになる」との発言です。

同盟国か否かに関係なく、日本が中国・ロシア・メキシコなどと並んで、トランプ次期大統領の主要な交渉相手=標的であることは間違いなさそうです。

ドイツについては、1月15日付のドイツの新聞のインタビューで、BMWのメキシコ工場で生産され、米国に輸出される車に35%の税を課す、と述べています。

また、同じく1月15日付の英紙タイムズと独紙ビルトとの共同インタビューで、ドイツのメルケル首相の100万人の移民受け入れは「破滅的な過ち」で、英国のEU離脱は賢明で、EUはドイツの乗り物(vehicle)となっており、今後ほかの国もEUから離脱する、と予想しました。

また、メルケル首相は、群を抜いて重要な人物だと評価し、就任当初は、ロシアのプーチン大統領とメルケル氏の両方をまず信用する、とした上で、それがどのくらい続くかわからない、と述べました。

1月20日に、大統領に就任するトランプ氏、トランプ政権は任期途中で倒れるか、1期4年で終了するのか、2期8年継続するのか、わかりませんが、その任期中は、トランプ政権と無用な対立をせず、先手を打って、winwinの関係を構築していくしかないと思います。

トランプ氏は政治の経験がなく、知識も十分でないので、きちんと説明すれば、TPPの重要性も理解するだろう、と安倍総理は考えているようですが、全く見当違いです。恥ずかしいくらいに、世界に「無能」をアピールしています。

トランプ氏の当選直後から、私が提案しているように、

トランプ氏の公約である雇用創出・インフラ整備のために、
●特にラストベルト(ミシガン、オハイオ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)の米国製造業を、日本が協力して再生させることで雇用を創出する
●新幹線などのインフラ投資
●それらを日本政府保有の米国債を担保にして調達したドル資金(ドル・ドル基金)を活用して投融資する
などの計画を、オールジャパンで、トランプ大統領に提案していくしかない、と思います。

日米首脳間の利益相反問題になりかねないカジノ誘致などは、
NO WAY ! 
あり得ないことだと思います。


●NHK「トランプ大統領の記者会見」(要旨)

●はたともこメールマガジンのご登録はこちら

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

安倍総理の年頭所感について

2017年1月1日、安倍総理は年頭所感を発表しました。

天皇陛下は、即位後の平成2年以降、毎年、新年にあたり「ご感想」を発表してこられましたが、今年は取りやめとなりました。その事情について、12月26日の時事通信は、次のように伝えています。


(時事)
宮内庁の西村康彦次長は26日の記者会見で、天皇陛下が新年にあたって公表される所感を取りやめると発表した。23日に83歳の誕生日を迎えられた陛下の負担軽減の一環という。

西村次長は「ご年齢を考え、陛下の了解も得て見直した」としている。

陛下は即位以来、新年の所感を宮内庁を通じて毎年文書で公表されてきた。

年末年始は、公務や行事が立て込んでいるほか、誕生日会見や新年の一般参賀などがあり、新年の所感をやめても気持ちを国民に伝える場があるのも理由の一つという。

新年の所感とともに恒例となっている陛下と皇后さまが前年に詠まれた歌については、宮内庁が例年通り発表する。

宮内庁は陛下の公務について「大幅に減らすのは難しい」と説明してきた。西村次長は今後の公務の見直しは「ケース・バイ・ケースで考えていきたい」と話した。
(以上)


記事の内容から、年頭の「ご感想」の取りやめは、陛下の了解を得て、宮内庁が決めた、ということです。首相官邸、安倍総理が決めたと言ってよいと思います。陛下のお言葉を封じ込めたとしか思えません。

産経新聞の報道では、11月中旬から検討していた、ということです。

安倍総理の「年頭所感」は、即位以来27年間続けてこられた天皇陛下の年頭の「ご感想」が取りやめとなったことを前提に発表されました。

「年頭所感」の冒頭で、安倍総理は30年前の昭和62年の歌会始における昭和天皇御製の歌を掲げます。安倍総理の「年頭所感」は6回目ですが、過去にそんなことは一度もありませんでした。天皇陛下の年頭の「ご感想」取りやめを強く意識していると思われます。

そして、この年、「日本は、そして世界はすでに大きな転換期に差し掛かっていました」として、
「出生数が戦後最低を記録します。経済はバブル景気に沸きましたが、それは、長いデフレの序章となりました。世界では、米ソが中距離核戦力の全廃に合意し、冷戦が終わりを告げようとしていました」
「あれから四半世紀の時を経て、急速に進む少子高齢化、こびりついたデフレマンド、厳しさを増す安全保障環境。わが国が直面する、こうした課題に、安倍内閣は、この4年間、全力を挙げて取り組んでまいりました」
と、続けています。

30年前の昭和62年に「出生数が戦後最低を記録します」と言っていますが、この年の出生数は134万6658人でした。2016年は、ついに100万人を割って、98万1千人となりました。安倍内閣が全力を挙げて取り組んだ成果は、全く上がっていません。それどころか、この少子化・人口減少が日本社会の危機である、という認識も全くありません。

「年頭所感」の後段では、「私たちの未来は、他人から与えられるものではありません。私たち日本人が、自らの手で、自らの未来を切り拓いていく。その気概が、今こそ、求められています」と記しています。産経新聞によれば、憲法改正の国民的議論を喚起する姿勢を強調したということですが、日本国憲法を遵守し、立憲主義に立つ天皇陛下に対して、対抗する考えのようです。

「驕れる者久しからず」と言うよりほかない、と思います。


首相官邸HP「年頭所感」(平成29.1.1)

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

米国・多国籍製薬メジャーが、ワクチンと高額新薬で、日本の公費・健康保険市場を狙っている!

11月16日、中央社会保険医療協議会(中医協)は、

平成28年度緊急薬価改定の基準
ア 平成27年10月から平成28年3月までに効能・効果又は用法・用量の一部変更が承認された既収載品で、

イ 平成28年度の企業予想年間販売額(薬価ベース)が、1000億円を超え、かつ、薬価収載された時点における予想年間販売額に対して10倍以上となる既収載品、

に該当する薬剤として、平成29年2月1日から、

小野薬品工業が製造販売するオプジーボ点滴静注20mg150,200円を50%引き下げて75,100円に、同100mg729,849円を50%引き下げて364,925円にすると、決定、発表しました。


オプジーボ(一般名ニボルマブ)は、夢の新薬と言われた抗がん剤・分子標的薬です。
免疫チェックポイント阻害剤とも言われ、がん細胞を攻撃する免疫細胞の働きを抑制する分子(免疫チェックポイント)に結合し、その作用をブロックして、免疫細胞の本来の力を発揮させ、がん細胞を攻撃できるようにする薬剤です。

当初は根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)が適用対象だったので、対象数が少なく超高額となってしまいましたが、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんにも適用されることになり、対象患者が増えました。

オプジーボは、体重60kgの患者の場合、1回あたり約133万円、1ケ月あたり約300万円、1年あたり約3500万円かかります(薬価換算)。日本の健康保険の場合、患者3割負担ですが、高額療養費の自己負担限度額の制度があり、患者負担は最大でも年間100万~200万円です。残りの年間3300万円~3400万円は健康保険の負担となります。

進行性非小細胞肺がんへの適用拡大で、新規使用患者数が、メーカー推定で15000人となり、薬剤費だけで年間、3500万円×15000人=5250億円という膨大な負担(増)となってしまうのです。

日赤医療センター化学療法科の國頭(くにとう)英夫医師による、「仮に、対象となる肺がん患者の半分の5万人が、1年間オプジーボを使えば、総額1兆7,500億円のコスト増」という試算もあります。

また、オプジーボには、日本では100mg約73万円だが、米国では約29.6万円、英国では約14.4万円と、日本が異常に高いという指摘もあります。既存の抗がん剤と比較して、延命効果は、例えば約3ケ月との指摘もあり、費用対効果の問題もあります。


中医協のオプジーボ薬価50%引き下げ決定(11/16)に対して、5日後の11月21日、米国研究製薬工業協会(PhRMA)(日本に事務所があり、オプジーボを共同開発した米国ブリストルマイヤーズスクイブも加盟/日米ワクチン政策意見交換会の事実上の仕切り役))と欧州製薬団体連合会(EFPIA)は連名で、
「日本における最近の薬価に関する動向がイノベーションを評価する方向から外れてきていると感じており、日本の医薬品をめぐる制度に安定性と予見可能性を取り戻すために私ども業界団体も日本政府と共同して取り組むことを提案します」
との声明を発表しました。非常に素早い行動です。
※「PhRMA」HP 2016.11.21プレスリリース参照


続いて日本政府は、オプジーボの半額値下げを契機に、これまで二年に一度だった薬価改定を、全品を対象に毎年調査し、価格改定に反映するという、薬価制度改革の基本方針を、12月20日の財務大臣、厚生労働大臣、官房長官、経済財政担当大臣の四大臣会合で決定しました。11月25日の経済財政諮問会議の民間議員4名の提言がきっかけでした。

日本医師会や薬剤師会、製薬業界から強い反対意見が示されましたが、12月5日には、米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)、そして在日米国商工会議所(ACCJ)、先進医療技術工業会(AdvaMed)、米国医療機器・IVD工業会(AMDD)、バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)、欧州ビジネス協会(EBC)医療機器委員会などが連名で、
「薬価の毎年改定に反対する共同声明」
を発表しました。
※「PhRMA」HP 2016.12.5プレスリリース参照

なかでも米国は、業界だけでなく、政府も反応しました。
12月6日付のウォール・ストリート・ジャーナルは、次のように報道しました。

●米国政府は、見直しを求める書簡を、菅義偉官房長官に送付。
米国のプリツカー商務長官は12月2日付の書簡で、いかに「失望している」か、を説明。「医療関連製品のインセンティブ構造だけでなく、市場の予測可能性と透明性に対する深刻な懸念を引き起こす」と伝えた。

●全米商工会議所は、同様の内容の書簡を、安倍晋三首相にも送付。

●米国研究製薬工業協会・広報担当者・マーク・グレイソン氏
「プリツカー商務長官とトム・ドナヒュー全米商工会議所会頭の書簡は、日本の患者にとって良好なイノベーション環境がいかに重要かを強調するものだ」と述べた。

●プリツカー商務長官は書簡でオプジーボの名前を挙げなかったが、「医薬品の保険償還価格を引き下げるためのその場しのぎの制度変更」に落胆していると伝えた。
※「PhRMA」HP 2016.12.9プレスリリース参照


このように、相次いで、米国政府、米国研究製薬工業協会(PhRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)、在日米国商工会議所などから反対声明が出される中、
政府は、反対意見にも一定の配慮をして、12月20日の四大臣会合で、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」を決定し、翌21日の経済財政諮問会議で報告しました。

その内容は、「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」を両立し、国民が恩恵を受ける「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」を実現する観点から、薬価制度の抜本改革に取り組むとし、状況の変化に対応できるよう、新薬収載の機会を最大限活用して、年4回薬価を見直し、全品を対象に毎年薬価調査を行い、価格乖離の大きい品目について薬価改定を行う、というものです。

具体的な内容については、来年中に結論を得るということなので、議論はこれからですが、米国政府をも巻き込んだ米欧製薬業界・多国籍製薬メジャーの薬価引き下げへの抵抗は強力で、彼らが、高額新薬の分野で、日本の健康保険市場を標的としていることは、間違いありません。

TPPの初期の議論では、米国の民間保険会社が日本の国民皆保険制度を破壊するという懸念がありましたが、今は、明らかに、米製薬巨大企業(多国籍製薬メジャー)は、高額な新薬で、日本の皆保険「健康保険市場」を狙っています。

新ワクチンを開発し、日本で承認・定期接種化させ公費負担とし、健康な人すべてをターゲットにワクチンビジネスを展開し、さらに、高額な新薬ビジネスで、皆保険の健康保険制度を通して日本マネーを搾り取る、これが、多国籍製薬メジャーの、利益追求のストラテジーです。

日本では小野薬品が製造販売しているオプジーボの類似薬を、このほど、米国メルク(日本法人MSD)が日本でも販売します。新薬の名前は「KEYTRUDA(キートルーダ)」。このほかにも来年以降、多国籍製薬メジャーの高額新薬が、日本で続々と上梓される見込みです。

超高齢社会を迎え、平成27年度の国民医療費は41兆5千億円。そのうち薬剤費は8.85兆円(H25年度医療機関・保健薬局合計)で、医療費に占める割合は約22%です(中医協発表)。日本の健康保険制度を維持していくためには、合理的かつ正しい方策が必要です。

私は、健康保険ではジェネリック医薬品と漢方薬を中心とし、「まちかど・かかりつけ薬局」を活用したセルフメディケーションを推進していく方向に政策転換することが、医療の質を向上させ、医療制度の抜本的改革につながっていくと思います。


中医協「平成 28 年度緊急薬価改定について」(オプジーボ)(H28.11.16)

●中医協「薬価に係る緊急的な対応について」(H28.11.16)

●中医協「薬価改定の経緯と薬剤費及び推定乖離率の年次推移」(H28.8.24)

●経済財政諮問会議「薬価制度の抜本改革に向けて」(H28.11.25会議資料4-1)

●経済財政諮問会議「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」(H28.12.21資料1)

●はたともこのPPPA(Power Point Policy Account)(60分)
ワクチンビジネス/新薬ビジネス

●はたともこメールマガジンのご登録はこちら

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

子宮頸がんワクチン被接種者340万人全員の追跡調査を!~全国疫学調査(祖父江班)に異議あり

12月26日、厚生労働省で、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が合同開催され、私も傍聴しました。

議題は、
(1)HPVワクチンの安全性について
(2)全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学調査)について
です。

全国疫学調査については、研究代表者の祖父江友孝大阪大学大学院教授が、報告しました。
結論は

1.HPVワクチン接種歴のない者においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を呈する者が、一定数存在した。
2.本調査によって、HPVワクチン接種と接種後に生じた症状との因果関係は言及できない。

というものでしたが、祖父江教授の説明は全く説得力がなく、祖父江教授ご本人も確信・自信が持てない、という印象を受けました。


調査内容も、全国の病院の18,302診療科に調査票を送付して報告を依頼した大掛かりな調査の割には、分析対象となる、発症時年齢が12歳以上で、うち多様な症状に相当する女子が365名しか発見できず、そのうちHPVワクチン接種歴なしが110名、ありが103名、接種歴不明が137名で、結局110名と103名とを比較するだけの貧弱な調査になりました


しかも、調査対象症例基準が

1.年齢12~18歳
2.以下の症状が少なくとも1つ以上ある
疼痛および感覚(光・音・におい)の障害、運動障害、自律神経症状、認知機能の障害
3.2の症状が3カ月以上持続している
4.2及び3のため、通学・就労に影響がある


この1~4を全て満たすことが基準ですが、被害者連絡会や訴訟の原告となっている重篤・深刻な副反応被害者の皆さんの症状を少しは承知している私としては、2の症状について、どれほど深刻なものなのか、これだけではピンと来ない、という印象です。

調査対象が「12~18歳の男女」というのも、理解できません。子宮頸がんワクチンの副反応調査に、400万人以上の男子を対象にする意味は、何なのか。ワクチン接種率0.1%の12歳・0.7%の13歳を対象にして、接種率81.1%の19歳、54.2%の20歳、42.2%の21歳、合計100万人以上の被接種者がいる19~21歳の女子を、何故、調査対象にしないのか。全く意味不明です。


私は、こんな調査をするのではなく、厚生労働省は、340万人の被接種者全員の追跡調査を行うべきだと思います。既に神奈川県鎌倉市、茅ヶ崎市、大和市、秦野市、愛知県碧南市、名古屋市、熊本県合志市、玉名市、北海道美唄市、山梨県身延町などの、先行自治体の事例があります。

神奈川県下の自治体の調査では、ワクチン接種後発症し、現在も症状が続いている人が、
鎌倉市0.6%、秦野市2.3%、茅ヶ崎市1.0%、大和市0.7%います。
これを、全国の被接種者340万人にあてはめれば、少なく見積もっても(0.6%)、約2万人に症状が続いていることになります。


祖父江教授は、ワクチン接種歴あり群と接種歴なし群とに差があると、「バイアス」という言葉を持ち出し、ワクチン副反応を否定するような発言を繰り返し、WHO声明にもあるように「接種者と非接種者に有意差なし」の結論に導くための布石を随所で打っていた、と思います。それが、「接種していない人にも症状があると示すことに意味がある」という氏の発言にあらわれていると思います。

この調査の最大の「バイアス」は、ワクチン超推進派の医師(榎本隆之新潟大学産婦人科教授)も加わった研究班が統括し、データを医師からとっている、ということです。

厚生労働省が自治体に依頼して全員の追跡調査をすれば、祖父江班の貧弱な疫学調査とは比較にならないデータが、得られると思います。




●厚生労働省HP「H28.12.26副反応検討部会

全国疫学調査(研究代表者:祖父江友孝 大阪大学大学院医学系研究科教授) 

 

 #子宮頸がんワクチン #HPVワクチン #疫学調査 #祖父江班

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

TPP関連法案(著作権法改悪に注目)は、TPP協定発効まで施行されない

今週号のメルマガの一部を紹介します。

12月9日、参議院本会議で、TPP協定の承認案件とTPP関連法案(「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案」)が可決成立しました。しかし、TPP協定は、11月21日のトランプ次期大統領のTPP撤退宣言によって、発効の可能性がなくなり、TPPは漂流状態となりました。

安倍総理は、それでもアメリカ以外の11ケ国が批准手続きをとって、最後はアメリカを説得してTPP協定を発効させると言い張っています。言い換えれば、アメリカ抜きの11ケ国によるTPP協定や、日米FTA or EPAなどは行わない、ということになります。

TPP関連法案は、独占禁止法、特許法、商標法、関税暫定措置法、薬機法(旧薬事法)、畜産物価格安定法、砂糖及びでん粉価格調整法、著作権法、(独)農畜産業振興機構法、特定農林水産物等名称保護法(地理的表示法)、日豪協定情報提供法など11本の関係法律の改定がパッケージとなって一本の法律になったものですが、この法律の附則第1条<施行期日>に、「この法律は、環太平洋パートナーシップ協定が日本国について効力を生ずる日(「発効日」)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する」とあるので、地理的表示法以外は、TPP協定が発効しない限り、施行されないことになりました。

まさに「大山鳴動して子鼠一匹」状態です。

なかでも、著作権改悪法(保護期間を50年から70年に延長・非親告罪化・法定損害賠償等)については、特に強く反対してきたので、日米二国間交渉で改悪法が踏襲されることのないよう、監視していきたいと思います。

一方、TPP漂流で注目度が高まったRCEP〈アールセップ/東アジア地域包括的経済連携/ASEAN+6(日中韓印豪NZ)〉は、15の交渉分野(TPPの21の交渉分野から、概ね、国有企業・政府調達、労働、環境分野を除いたもの)のうち、「経済技術協力」「中小企業」の二分野で合意し、次回以降「サービス貿易」「知的財産権」の交渉が行われるようですが、今のところ著作権法改悪の議論は出ていないようです。

RCEPは、関税撤廃率(自由化率)を協定発効時65%、発効後10年で80%とすることで合意しており、16ケ国全てでwinwinの関係を構築するためには適切な目標だと思います。

日本は漂流したTPPの基準をRCEPに決して持ち込んではならない、と思います。

●内閣官房HP「TPP関連法案概要

●外務省HP「RCEP

●経済産業省「RCEP

●はたともこメールマガジンのご登録はこちら

 

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ