格差是正が世界共通の課題となった

メルマガで毎号考察している格差是正問題について、一部紹介します。

11月6日に放送されたNHK・BSドキュメンタリー「エマニュエル・トッド 混迷の世界を読み解く」は、なかなかでした。トッド氏はフランスの人口学者・歴史学者ということですが、トマ・ピケティ氏と同様、明快でインパクトのある言葉が沢山ありました。

中でも私の印象に残ったのは、
「グローバリズムの理想は世界中の人々が皆平等になることでした。だが実際にグローバル化がもたらしたのは、社会の分断と格差の拡大でした/もっと国という枠組みを意識する必要があります。エリートと大衆の断絶をなくし、同じ国の仲間だという意識を持って、ひとつにまとまるべきです」。

トッド氏の言う通り、トランプ次期大統領の勝利と、クリントン氏の敗北・サンダース氏の善戦も、英国のEU離脱も、そしてトッド氏が予言するEUの崩壊・中国の崩壊も、グローバリズム=強欲資本主義がもたらした社会の分断と格差の拡大が原因だと思います。

今や格差の是正は世界共通の課題となりましたが、これを解決するには、国という枠組みの中で、民主主義の実現という方法で、格差を是正していくしかないと思います。そして、すべての国々が国内に格差の是正という課題を抱えていることを認識して、国民国家の連合としての国連(United Nations)を中心として、すべての国々がwinwinとなるような国際関係を構築していくべきだと思います。

私がTPPに強く反対して、一定の国境措置を認めて、消費者・市民も含めて参加各国すべてがwinwinの関係を構築できるRCEPを推進すべきだと主張する理由もここにあると思っています。

 

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財政投融資資金を格差是正政策に活用

10月11日に成立した平成28年度第2次補正予算でJR東海のリニア中央新幹線に、2年間で3兆円の財政投融資資金による低利融資が決まりましたが、もちろん私は、このJR東海の「有害無益」な事業に対する公的資金の投入には、大反対です。

私は、超低金利の財政投融資資金を格差是正政策に活用すべきだと思います。一定の利子補給金を予算化すれば、その数百倍の資金を政策実現に活用できます。

第一に行うべきは、有利子奨学金を全て無利子化することです。現在、(独)日本学生支援機構の奨学金の財源となっている約6兆円の財投債を、現在のマイナス金利の財投債に借り換えれば、平成28年度85万7千人の有利子奨学金貸与者を、即座に全員、所得連動型返済猶予・免除型無利子奨学金にすることができます。

さらに、生活困窮者自立支援策として、大学や専門学校で資格取得して就職するための特別奨学金も充実させるべきです。

第二に行うべきは、(独)都市再生機構(UR都市機構)及び地方公共団体による低家賃公営住宅の供給です。URについては、現在の有利子負債約12兆円を、全てマイナス金利財投債に借り換えて、低家賃公営住宅供給を最優先とする組織改革を行うべきです。

若いカップルが結婚して子育てをするためにも、十分な年金がない高齢者の生活保障のためにも、ワーキングプアと呼ばれる人たちの支援のためにも、月2~5万円程度の低家賃公営住宅の大量供給が必要です。さらに、URは、20年後には全国で2000万戸超になると推定される「空き家」対策・活用機関としても活動すべきだと思います。

第三は、非正規・派遣労働の人たちを短時間正職員として採用する、都道府県単位の「人材派遣公社」を設立することです。保育士さんを例にとると、現在は約6万人が、地方公務員の臨時・非常勤職員です。保育士さんの給与の基準は国家公務員福祉職1級の待遇で、週3日の短時間正社員となれば、東京23区の場合、短大卒30歳で年収259万円、40歳で年収302万円、50歳で年収323万円で、短時間2人で1人分の年収ということになり、一種のワークシェアリングです。

そして、この短時間正職員の人たちを都道府県単位で、人材派遣公社所属とし、フルタイムを希望する場合は、残りの2日を臨時・非常勤あるいは派遣で働くか、あるいは他の仕事と兼業するということになります。

財務省HP「平成28年度財政投融資計画のポイント」(H28.1.22)

 

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官製ワーキングプア問題をどう解決するか

官製ワーキングプアの問題を、保育士を例に考えてみたいと思います。

総務省の調査では、平成28年4月1日現在、地方公務員の臨時・非常勤職員は全国で64万4725人、女性が48万2438人(74.8%)、男性が16万2287人(25.2%)でした。職種別では、事務補助職員が約10万人、教員・講師が約9万人、保育所保育士が約6万人、給食調理員が約4万人、図書館職員1.7万人、看護師約1.6万人、となっています。

勤務時間別では、フルタイム約20万人(31.4%)、フルタイムの4分の3超約21万人(31.8%)、フルタイムの4分の3以下約24万人(36.7%)です。

給与については、この調査(速報版)にはありませんが、フルタイムでも、正規職員の1/2~1/3とも言われています。

そこで、私の提案ですが、短時間正社員制度を活用して、希望者全員を例えば週3日の短時間正社員として採用したらどうでしょうか。短時間正社員は、
1.期間の定めのない労働契約(無期労働契約)を締結している
2.時間当たりの基本給及び賞与・退職金等の算定方法等が同種のフルタイム正社員と同等の短時間正社員で、社会保険も適用となる、というものです。

例えば、保育士さんを例にとると、東京23区の場合、保育士さんの給与の基準は国家公務員福祉職1級の待遇で、短大卒20歳で年収323万円、30歳で年収431万円、40歳で年収504万円、50歳で年収538万円、54歳がピークで年収546万円、これが60歳定年まで続きます。

週3日の短時間正社員となれば、30歳で年収259万円、40歳で年収302万円、50歳で年収323万円、ということになります。短時間2人で1人分の年収ということになり、一種のワークシェアリングです。

そして、この短時間正社員の人たちを都道府県単位で、人材派遣公社の所属とし、フルタイムを希望する人は、残りの2日を派遣で働くか、あるいは他の仕事と兼業するということになります。

総務省HP「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査」(速報版)H28.9.13

 

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ジェネリック医薬品(後発医薬品)と特許リンケージについて

先週のメルマガでも触れたTPP協定の「特許リンケージ」について、RCEPを踏まえ、考えてみたいと思います。

厚生労働省によると、ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に製造販売される、新薬と同一の有効成分を同一量含み、同一の効能・効果を持つ医薬品のことです。一般的に、開発費用が安く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっており、ジェネリック医薬品の普及は、患者負担の軽減、医療保険財政の改善に資するもので、政府がこれを積極的に推進し、2017年6月末に70%以上、2020年度末までのなるべく早い時期に80%以上を目標としています。

 TPP協定には、
第18章 知的財産・第53条特定の医薬品の販売を関する措置、という条文があります。(←54ページ目)

1.締約国は、医薬品の販売を承認する条件として、安全性及び有効性に関する情報を最初に提出した者以外の者が、以前に承認された製品の安全性または有効性に関する証拠又は情報(例えば、先行する販売承認であって、当該締約国によるもの又は他の国若しくは地域の領域におけるもの)に依拠することを認める場合には、次のものを定める。

(a)当該最初に提出した者以外の者が当該承認された製品又はその承認された使用の方法が請求の範囲に記載されている適用される特許の期間中に当該医薬品を販売しようとしていることについて、当該医薬品が販売される前に、特許権者に通知し、又は特許権者が通知を受けられるようにする制度

(b)特許権者が、侵害しているとされる製品の販売前に、(c)に規定する利用可能な救済手段を求めるための十分な期間及び機会

(c)承認された医薬品又はその承認された使用の方法が請求の範囲に記載されている適用される特許の有効性又は侵害に関する紛争を適時に解決するための手続(司法上又は行政上の手続き等)及び迅速な救済措置(予備的差止命令又はこれと同等の効果的な暫定措置等)

2.締約国は、1の規定の実施に代えて、特許権者若しくは販売承認の申請者により販売承認を行う当局に提出された特許に関連する情報に基づき又は販売承認を行う当局と特許官庁との間の直接の調整に基づき、当該特許権者の承諾又は黙認を得ない限り、請求の範囲に記載されている特許の対象である医薬品を販売しようとする第三者に販売承認を与えない司法上の手続以外の制度を採用し、又は維持する。
(引用終わり)

長い引用になりましたが、このTPP協定第18章第53条が、いわゆる「特許リンケージ(パテントリンケージ)」で、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を承認する際に、先発医薬品メーカーに通知したり、先発メーカーとの事前調整を求めるなど、先発医薬品の有効な特許期間を考慮して、訴訟等により製品の安定供給の問題が生じることがないようにする仕組みです。

つまり、新薬特許期間中にジェネリック医薬品が申請された場合、先発品メーカーが異議申し立てをすれば、係争中はジェネリック医薬品の製造承認は「保留」となるのです。

日本政府は、我が国では、この仕組みが既に導入されており、TPP協定によって、制度の変更を求められるものではない、と説明しています。

我が国では、平成21年6月5日の厚生労働省医政局経済課長・医薬食品局審査管理課長通知等に基づく指導によって、ジェネリック医薬品の販売後に、特許侵害訴訟などにより製品の安定供給の問題が生じることのないよう、「パテントリンケージ」として、先発医薬品メーカーから報告された先発医薬品の特許に関する情報(「医薬品特許情報報告票」)に基づき、先発医薬品の有効成分に特許が存続している場合には、ジェネリック医薬品の製造販売の承認がなされない、ことになっています。

特許法第67条で、新薬の特許の存続期間は「20年」+最大5年です。新薬の開発・審査には10年から15年を要するため、新薬には5年から10年の独占販売期間が認められ、さらに、5年を上限に特許延長が認められています。

日本の先発医薬品メーカーは、物質・製法・製剤等と特許を何段階にも分けて、特許を段階的に取得することによって独占販売期間の延長を図っています。

その上、近年では、先発品メーカーが関連の後発品メーカーなどに特許の使用権を与え、先発医薬品と全く同じ成分(原薬・添加物)と製造方法でつくるジェネリック、いわゆる「オーソライズド・ジェネリック」(AG)=先発メーカー公認ジェネリックが定着しつつあります(生物学的同等性など、本来、新薬の開発では必要な試験が不要となる)。

先発医薬品とほぼ同じもの(メーカー名などタブレットの刻印が異なる程度)を、先発医薬品の特許が切れる半年前から、他のジェネリックに先駆けて独占販売することができるためAGメーカーにとって有利であることは勿論ですが、特許が切れた後もロイヤリティを期待できることから、先発品メーカーにとっても、一粒で二度おいしい、極めて戦略的価値の高い商品になり得るものです。

サノフィ社の抗アレルギー剤「アレグラ」や第一三共の抗菌剤「クラビット」のAGは、ジェネリックとはいえ、先発品と「全く同じ」という安心感を、消費者に与えています。

一方で、データねつ造・利益相反で刑事事件となったノバルティス社の降圧剤「ディオバン」は、東京地検がノバルティス元社員を薬事法の誇大広告違反で逮捕した2014年6月、ノバルティス社のジェネリック医薬品事業部門である「サンド」社から、AG「バルサルタン」を発売しました。名前を代えての新たな船出とも言えるでしょう。

また、武田の降圧剤「ブロプレス」は、データねつ造の不正が発覚した直後の2014年9月、関連会社のあすか製薬が、プロプレスのAG「カンデサルタン」を発売しました。

先発医薬品メーカーは、何段階にも特許を分けて取得し、特許リンケージによって保護され、場合によっては戦略的に「オーソライズド・ジェネリック(AG)」を販売することによって、利益を追求しています。

しかし、国民・消費者の立場に立てば、我が国の青天井の医療費を抑制していくための方策の一つとして、ジェネリック医薬品の更なる普及は欠かせません。

かつて日本では、医療従事者らは「ゾロ」と呼び、後発医薬品を蔑んでいました。先発品と比べ明らかに効き目が劣るなど、品質の信頼性に欠けることから、後発医薬品の普及は遅々として進みませんでした。ところが、厚生労働省が一般名を表す「ジェネリック」という表現を積極的に用いるようになり、徐々に、ゾロならぬジェネリック医薬品は、認知されるようになりました。

特許リンケージについて、「国境なき医師団(MSF)」などは、新興国でのジェネリック医薬品の製造販売の大きな制約となる可能性があるとして、強く反対しています。

トランプ次期大統領のTPP離脱宣言で、日本は、成長市場であるアジアを中心とするRCEP(東アジア地域経済連携協=ASEAN+6)を、参加国winwinの関係で発展させる方向に舵を切るべき時がきています。中国も含めて、経済連携と地域的集団安全保障の枠組みを構築して、中国がルール違反をすれば経済制裁を受ける仕組みをつくるのです。

多国籍メジャーの利益のための協定であるTPPは断固反対すべきですが、RCEPも反対という議論は行き過ぎです。ASEAN+6はそもそも日本の提案ですし、それぞれの国がwinwinとなり、同時に市民・消費者の利益に資するような議論を日本が提案し、まとめていく必要があると思います。

RCEPはインドを含みます。インドでは、特有の不特許事由が存在し、日本で行われているような特許取得はできません。低所得者層の医薬品アクセスの確保を目的とした政府の政策的観点、と考えられています。不特許事由が存在する模倣品大国・インドを含むRCEPでは、特許リンケージは新たな議論の一つになるでしょう。偽薬は排除しなければなりませんが、winwinの関係をつくるために慎重な議論が必要です。

 

●内閣官房 TPP「Q&A」(全体版)~Q.14(特許リンケージについて)

●平成21年6月5日・厚生労働省医政局経済課長・医薬食品局審査管理課長通知
「医療用後発医薬品の薬事法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱について」
こちら

●特許庁技術懇話会HPより
インドにおける医薬分野の特許の審査について

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日米外交交渉とワクチン・医薬品ビジネスについて

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)問題は、日米関係のかなり本質的かつ重大な構造的問題の象徴です。メルマガで言及していますが、ブログで一部紹介します。

GSK(グラクソ・スミスクライン)社の子宮頸がんワクチン「サーバリックス」の承認申請から、製造販売承認までの過程は以下の通りです。

①厚生労働省の指導により、国内臨床試験の終了を待たずに2007年9月26日に承認申請

②2008年10月末、HPV-046試験(10-15歳の女性の100例対象)総括報告書提出

③2008年12月、HPV-032試験(20-25歳の女性1040例対象)中間解析結果提出

④2009年7月17日、HPV-032試験最終総括報告書提出

⑤2009年8月20日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)審査結果(承認)

⑥2009年8月31日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会・薬事分科会・医薬品第二部会、承認

⑦2009年9月29日、同薬事分科会、承認(強引な「異議なし議決」)

⑧2009年10月16日、長妻厚生労働大臣が製造販売承認

2009年9月16日に民主党政権が成立したので、⑦⑧は長妻昭厚生労働大臣の時でしたが、①~⑥までの過程は全て、舛添要一厚生労働大臣の在職期間です。舛添氏は2007年8月27日に、第1次安倍改造内閣で厚生労働大臣に任命されました。そして、1ケ月後の福田内閣、1年後の麻生内閣で留任し、ちょうど2年間、厚生労働大臣でしたが、それが①~⑥の期間です。そして、これらを語る時、その背景に「日米年次改革要望書」の存在があったことを、無視することはできません。

日米年次改革要望書の合意事項に、初めて「ワクチン」が登場するのが、2007年6月6日の「日米間の『規制改革及び競争政策イニシアティブ』に関する日米両首脳への第6回報告書」です。

「ワクチン:2007年3月、厚生労働省は、国内で必要とされるワクチンの開発と供給を促進するため、ワクチン産業ビジョンを発表し、同ビジョン及びそのアクションプランをフォローアップするワクチン産業ビジョン推進委員会を設置したところである。当委員会の委員には、日本及び外国産業界の代表が含まれている。厚生労働省は、同委員会において米国業界を含む関係者との見解の交換を進めながら、公衆衛生上必要なワクチンの開発の支援に継続的に取り組む。厚生労働省は、ワクチンの規制について、米国業界を含む業界と意見交換を行う。」とあります。

この米国からの要求にこたえる形で、厚生労働省の指導によって、国内臨床試験が終了していないのに、優先審査として、2007年9月にサーバリックスが、2007年11月にガーダシルが、承認申請されたのです。この時の「日米両首脳」とは、安倍総理とブッシュ大統領のことです。

2008年7月5日の第7回報告書には、
「ワクチン審査の改善と推進:厚生労働省はワクチンのガイドラインを作成し、ワクチン使用を推進するため、勉強会を設置した。日本国政府は米国業界を含む業界と、ワクチン審査の改善について引き続き意見交換する。」とあります。

このような、米国業界を含む業界と、ワクチン審査の改善について引き続き意見交換することを、外交交渉で約束する厚生労働省の対応は、異常と言うしかありませんが、結局、2009年9月29日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会・薬事分科会で、複数の委員の反対・慎重論などの異論を制して、分科会長によって「異議なし議決」が強行され、HPVワクチン「サーバリックス」を日本で承認することが決まりました。さらに、2010年10月11日からは、HPVワクチンの公費助成がスタートしました。米国政府と多国籍製薬メジャーとが一体となって、日本政府に強力に要求した結果です。

「日米年次改革要望書」は2009年に鳩山内閣によって廃止されましたが、代わって「日米経済調和対話」として菅内閣の時、復活しました。

2011年2月の「日米経済調和対話」の米国側関心事項「ワクチン」の項目には、「『日米ワクチン政策意見交換会』を開催し、2010年に採用されたHib、肺炎球菌、HPVワクチンについての措置を拡充する」とあり、その要求通り、同年5月30日、MSD(メルク)の「ガーダシル」の承認議決が行われました。

2012年1月の「日米経済調和対話協議記録・概要」の「ワクチン」の項目には、「日本国政府は予防接種制度の改正を進めているが、厚生労働省は、Hib、肺炎球菌、HPVワクチンを定期接種の対象に含めることについて十分考慮しつつ、2010年以降実施し、これら3つのワクチンへのアクセスを改善した緊急促進事業を踏まえ、対応」とあります。

その結果、米国の要求通り、2013年3月29日「改正予防接種法」が成立し、Hib、小児用肺炎球菌、HPVワクチンが定期接種となりました。私の反対もむなしく(全国会議員722名中、反対は私1人)、HPVワクチンは定期接種となってしまったのです。2014年10月には、高齢者に対しても肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。米国の要求通り、事は着々と進んでいます。


日米経済調和対話で毎年行うことが決まった「日米ワクチン政策意見交換会」の一環として、2014年6月18日、「PhRMA米国研究製薬工業協会」が大きく関与する形で、HPVワクチン推進の記者説明会が東京で行われました。ブルース・ゲリン氏(米国保健社会福祉省保健次官補 兼 国家ワクチンプログラムオフィス所長)と、メリンダ・ウォートン氏(米国公衆衛生局大佐 CDC国立予防接種・呼吸器疾患センター所長)が、日本で勧奨中止の状態が続く子宮頸がんワクチンについて、推進を強く呼びかけました。

米国政府と多国籍製薬メジャーとは、人事交流が盛んで、利益相反の関係です。彼らは自分たちの利益のために、日本の少女たちが犠牲になっても平気です。たとえ、重篤な副反応発現率が、インフルエンザワクチンのサーバリックスが52倍、ガーダシルが24倍であっても、また、重篤な副反応の治療方法を見出せなくても、副反応被害者らが集団訴訟を提訴しても、訴訟慣れしている多国籍製薬メジャーは、全く動揺しません。

HPV、Hib、肺炎球菌、ロタウイルスといった、近年の外資ワクチンは、健康維持のためというよりも、多国籍製薬メジャーの利益のために誕生したワクチンと言っても過言ではありません。今やワクチンは人間の安全保障の問題としてとらえる必要があり、もはやTPPは崩壊の一途をたどっていますが、多国籍製薬メジャーは日米二国間FTAとなっても、恐るべき重大な存在となるのです。

去る11月16日、中央社会保険医療協議会(中医協)が、超高額薬価で問題となっていた抗悪性腫瘍剤(ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体)「オプジーボ」の薬価を、2017年2月から50%引き下げることを決定しました。製造販売元の小野薬品は薬価引き下げを了承しましたが、共同開発し米国での販売元である米製薬企業「ブリストル・マイヤーズスクイブ」は、PhRMA米国研究製薬工業協会を通して、11月21日、抗議の声明を発表しました。

現在、PhRMAの在日執行委員会委員長は、日本イーライリリー代表執行役社長パトリック・ジョンソン氏です。イーライリリーについては、今夏、乾癬治療の新薬「トルツ」(ヒト化抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤)の高額薬価が問題になり、結果的に24万5873円(80mg1mL1筒)の薬価が14万6244円に、「約10万円」引き下げられることになりました。

11月21日の抗議声明は、PhRMA米国研究製薬工業協会とEFPIA欧州製薬団体連合会との連名で発出されました。

このように、多国籍製薬メジャーは、日本市場を標的に、次から次へと圧力をかけてきます。健康な人をターゲットにしたワクチンビジネスはもちろん、超高額薬価の新薬を「開発」し、まさに世界最高評価を受ける日本の健康保険制度につけ込み、強欲に利益を上げようと企んでいるのです。子宮頸がんワクチン問題は、その象徴なのです。

分子標的薬やがん免疫薬などに代表される高額な新薬は、費用対効果の評価が不可欠です。オプジーボは、既存薬「タキソテール」(タキソイド系抗悪性腫瘍剤/1994国際誕生、2009薬価収載67,304円(80mg)・ジェネリック43,164円)と比較すると、扁平上皮癌で約3ケ月の延命効果(全生存期間)です。オプジーボのような高額の医薬品は、ジェネリックが承認された段階で保険適用とし、健康保険制度を圧迫しないような仕組みが必要ではないかと、私は思います。

はたともこメールマガジンではTPP協定の「特許リンケージ」についても言及しています。ぜひ、メルマガもお読みください。

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日米間の「規制改革及び競争政策イニシアティブ」に関する
日米首脳への第6回報告書(2007.6.6)

日米間の「規制改革及び競争政策イニシアティブ」に関する
日米首脳への第7回報告書(2008.7.5)

TPPのための米国企業連合

 

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「小泉進次郎・大田弘子」ラインの農協解体論に断固反対

政府の規制改革推進会議(大田弘子議長)の農業ワーキング・グループは、11月11日、「農協改革に関する意見」を発表しました。強烈な農協解体論で、特に信用事業(金融事業)を行う地域農協を3年後を目途に半減させるという、農協の信用事業解体論となっています。

規制改革推進会議意見・抜粋)
農協が生産資材購買事業や農産物販売事業の改革を推進することを強く期待するが、
「着実な進展が見られない場合には、真に農業者のためになる新組織(本意見に基づく機能を担う『第二全農』等)の設立の推進など、国は更なる措置を講ずるべきである。」
「地域農協の信用事業の農林中金等への譲渡を積極的に推進し、自らの名義で信用事業を営む地域農協を、3年後を目途に半減させるべきである。」
「農林水産省は准組合員の利用規制の在り方についての実態調査・研究を加速すべきである。」
「今後の農協の自己改革の進捗状況によっては、国として、その改革の実現を確実にするためのあらゆる措置を講ずるべきである。」(抜粋ここまで)

これに対して、11月17日付の農協新聞「電子版」JAcomが、
「改革の狙いはJA『解体』/農業者の自主的な協同組織の在り方まで踏み込んだ内容で断じて容認できない」と反論し、「真に農業者の立場に立った改革」の必要性を訴えています。

自民党の小泉進次郎農林部会長も、この規制改革推進会議と並行して、農業改革・農協改革を主張しています。世界的に、グローバリズム=強欲資本主義は否定されているのに、アベノミクスは、周回遅れの新自由主義・グローバリズムを推進しようとしています。その先頭に立っているのが、CSIS(戦略国際問題研究所)副理事長マイケル・グリーン氏の代理人である小泉進次郎議員と、竹中平蔵氏の代理人である大田弘子議長なのです。

このアベノミクス=新自由主義(強欲資本主義)による農協解体論に、私は大反対です。農協は信用事業をむしろ強化して、農協全体をパワーアップさせて、農協が地方創生と日本の食料自給率と自給力を向上させる歴史的使命を担う組織になってほしいと思います。

農林水産省の資料「農協について」(平成28年11月)によると、
平成27年度末の農協数は691
組合員数は1026.8万人(平成26事業年度/正組合員449.5万人、准組合員577.3万人)、
農協職員数は20.7万人(平成26事業年度/信用・共済事業が約46%を占める)です。
正組合員の5割近くが、70歳以上となっています。

農協の部門別損益は(平成26事業年度)、1組合当たり、
信用事業が3.83億円の黒字
共済事業は2.02億円の黒字
経済事業等は2.38億円の赤字
合計すると3.47億円の黒字で、信用・共済事業の黒字で、経済事業等(購買・販売・営農指導・その他)の赤字を補っていることになります。

信用事業の
預貯金残高は95兆円平成27年度/比較:ゆうちょ銀行177兆円・三菱東京UFJ138兆円・三井住友113兆円・みずほ111兆円)、
共済事業のうち生命保険保有契約高131兆円平成27年度/比較:日本生命167兆円)、
総資産56兆円平成27年度/比較:日本生命63兆円)、
さらに損害保険の収入保険料2.37兆円平成27年度/比較:損保ジャパン2.22兆円)。
いずれも日本トップクラスの巨大金融事業で、それが強欲資本の標的となっている理由でもあります。

信用・共済事業なしでは、20万人の職員を持つ農協組織は成り立ちません。逆に言えば、信用・共済部門がバックアップして、購買・販売・営農指導等の事業を支えているのです。

私はむしろ、信用・共済事業を強化して、購買事業などは無理に収益を上げようとせず、組合員農家のために奉仕する姿勢が必要なのではないかと思います。販売事業については、農業の6次産業化を進め、安全・安心で品質の高いJAPANブランドの農畜産品を日本と世界に全面展開することによって、組合員と農協が共に収益を上げ、winwinの関係をつくるべきだと思います。

日本の農業、特に中山間地域の農業には大きな発展性があり、そのための重要インフラとして、農協の存在は非常に重要です。地域の農協の職員・組合員のみなさんとともに、「真の農業者の立場に立った改革」を目指していくべきだと思います。

規制改革推進会議HP「農協改革に関する意見」(H28.11.11)

農業協同組合新聞「電子版」JAcom
2016.11.17「規制改革推進会議 農協改革の「意見」 改革の狙いはJA「解体」(上)(下)

農林水産省HP「農協改革について(H28.11.18)の資料5「農協について」

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トランプ大統領誕生で、日本はどうするか

(1)日米関係のリバランス
米大統領選挙で、11月8日、ドナルド・トランプ氏が勝利しました。来年1月20日には、トランプ大統領が誕生します。今年6月にEU離脱を決めた英国の国民投票と同様に、グローバリズム=強欲資本主義に反対する民主主義の投票結果だと思います。これをポピュリズム(大衆迎合主義)と言う人もいますが、グローバリズムの終焉は歴史的必然です。

トランプ氏のスローガン「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」は、1980年のレーガン大統領と同じで、トランプ氏はレーガン大統領を目標にしているようです。

トランプ氏のもう一つのスローガン「アメリカファースト」(アメリカ第一主義、アメリカの利益が最優先)が、これまでの日米同盟・日米関係を直撃しています。「日米安保条約は不公平だ/日本が駐留米軍経費を全額負担しなければ在日米軍は撤退する/日本が核武装してもよい」「日本が牛肉に38%の関税をかけるなら、日本の自動車に38%の関税をかける」などと、選挙中に発言しました。トランプ流の「アメリカファースト」は建前なしの実利のみ、氏の人生哲学そのものを表す発言です。

トランプ氏は、オバマ大統領が推進してきたTPPからの撤退を公約しています。トランプ政権では、TPPによって新たな段階に入ろうとした安全保障と経済の日米同盟・日米関係が、見直されることは必至です。日米関係のリバランス(再均衡)が必要となるのです。

安全保障では、米ロ関係・日ロ関係の進展が予想されるので、対北朝鮮・対中国が問題となりますが、対北朝鮮では、6ケ国協議の枠組みで、日米韓中ロで、北朝鮮の暴発を抑止していくしかないと思います。日本の原発即ゼロも、安全保障政策の1つになります。

中国に対しては、TPPの考え方に表れているように、日米同盟を基軸に中国包囲網を形成するのではなく、RCEP(アールセップ。東アジア地域包括的経済連携/ASEAN+6(日中韓印豪NZ))の考え方で、中国を含めた地域的集団安全保障体制を構想すべきです。その枠組みで、航行の自由など国際法のルールを遵守し、中国がこれに違反したら、全体で経済制裁する仕組みです。その上で、アメリカ、ロシア等も加わったAPECに枠組みを拡大していくことについて、日米間で合意すべきです。

トランプ氏は、実業家として波乱万丈とはいえ成功した人物です。その行動原理は「ディール(取り引き)」ということのようです。日本がトランプ次期大統領の公約である、米国内のインフラ整備、製造業の回復に、積極的に協力することで、日本の主張への理解も求めて、まさにwinwinの関係をつくりあげていくことが、日米関係のリバランスではないでしょうか。


(2)「ドル・ドル基金」で、トランプ公約「アメリカ製造業回復」に協力を
トランプ次期大統領の勝因と指摘されているのが、ラストベルト(Rust Belt)と呼ばれる中西部地域、ミシガン・オハイオ・ペンシルベニア・ウィスコンシン各州等の白人労働者の支持です。ラストとは金属のさびのことで、使われなくなった工場や機械を指し、国外移転や国際競争によって衰退した自動車・鉄鋼などの重工業・製造業の中心だったこれらの地域が、ラストベルトと呼ばれる地域です。

さらに、この地域は、鉄鋼業や鉄道を発達させた豊富な石炭産出地帯ですが、オバマ大統領の環境政策(米国内のCO2削減の具体策=クリーンパワープラン)による厳しい石炭火力規制で、大きなダメージを受ける地域でもあるのです。

私は、トランプ次期大統領の公約である、ラストベルト地域の「製造業回復」に、日本が協力すべきだと思います。TPP撤退後は、トランプ大統領が、日本に対して、厳しい二国間交渉(日米FTAを含む)を仕掛けてくることが予想されますが、従来の対日要求に対応するのではなく、積極的に日本から、winwinの原則で仕掛けていくべきだと思います。

トヨタや新日鉄住金などが、ラストベルトに工場を建設したり、最新型高効率火力発電所(トランプ流ならIGCC・IGFC・CCSなど)や新幹線の建設等を、日本の民間企業の投資だけで実行することは、難しいと思います。そこで、国際財政投融資のアメリカ版として、私が以前から主張している「ドル・ドル基金」を提案したいと思います。

現在、日本政府が保有している米国債は約120兆円ですが、毎年米国から2兆円超の利息収入を上げるだけでは、もったいないし、持続可能性にも問題があると思います。そこで、日本政府保有の米国債を担保として、ニューヨーク連銀からドル資金を借り入れて、50兆円規模の「ドル・ドル基金」をつくり、米国内での財政投融資資金に充当するのです。塩漬け状態にあるNY連銀の日本国保有の米国債の有効活用にもなり、日米winwinのシナリオではないでしょうか。

日米安全保障条約は、第2条で、日米の「経済的協力を促進する」と明記しています。日本が、アメリカの製造業回復に全面的に協力することによって、日本の食料自給率・自給力の向上、食と健康の安全・安心、著作権法の現状維持・戦時加算撤廃等については、アメリカの協力・譲歩を求めるのが、winwinであり、「ディール(取り引き)」だと思います。


(3)沖縄基地問題、トランプ次期大統領と「ディール」を
トランプ次期大統領は、選挙期間中に、日本が駐留米軍経費負担を全額負担しなければ、在日米軍の撤退もあり得ると発言しました。大統領就任後に、どういう方針となるか不明ですが、少なくともこれまでの日米両政府のように、普天間基地移設問題について、「辺野古新基地建設が唯一の解決策」ということにはならないのではないでしょうか。

翁長沖縄県知事は、トランプ次期大統領に祝電を送り、その中で「大統領就任後はアメリカと沖縄との関係について話し合う機会をつくっていただき、双方にとって良い結果となるよう、強力なリーダーシップを発揮されることを期待しております」と訴えたそうです。

米国の安全保障の専門家の中にも、沖縄は北朝鮮や中国から近すぎてミサイルの標的となりやすい、重要なのは嘉手納基地であって、普天間や辺野古の重要性は低い、海兵隊の訓練基地としては沖縄や日本は使い勝手が悪い等の意見が、既に出ています。

沖縄には、海兵隊のローテーション基地のみ残して(キャンプ・ハンセン)、残りはグアム、ハワイ、本土に引き上げる構想にも、合理性があります。その際、グアムに近いテニアン島に、辺野古新基地建設と同程度の費用(数千億円)を日本政府が負担して、海兵隊の新訓練基地を建設する構想をトランプ次期大統領に伝えるべきだと思います。それがアメリカにとって利益になると判断すれば、トランプ次期大統領は方針転換を決断するかもしれません。もちろん、先の見えない安倍政権は、そんな提案はしないでしょうから、次期衆議院総選挙で政権交代することが非常に重要です。現状では自身の任期中に何も前進しない沖縄の現状よりも「マシ」だとトランプ大統領は判断するかもしれません。

「アメリカファースト」のトランプ次期大統領は、今後は、バイの交渉でTPP以上の高いハードルを日本に突き付けてくるかもしれません。日本が「ディール(取り引き)」の材料をそろえておくことは重要です。日本が積極的に互いがwinwinとなる方策を提示できなければ、いつまでも日本は米国追従路線から脱却することはできません。そんなことを、私は望みません。

 

外務省HP「日米安全保障条約」

はたともこブログ「WEBB上院議員への手紙」

 

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憲法改悪~「緊急事態条項」は必要ありません

国民主権、平和主義、基本的人権の尊重の三大原則が貫かれた、リベラルな「日本国憲法」を、何としても破壊したいアベ改憲派(日本会議派)は、憲法改悪の突破口として「緊急事態条項」の新設を考えています。

自民党のHPにある「日本国憲法改正草案」では、第9章緊急事態が新設され、第98条(緊急事態の宣言)、第99条(緊急事態の宣言の効果)の新条項が2つ並んで、特に目立っています。
第98条(緊急事態の宣言)
内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。

2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。

3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は、事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。

4 第2項及び前項後段の国会の承認については、第60条第2項の規定を準用する。この場合において、同項中「30日以内」とあるのは、「5日以内」と読み替えるものとする。

第99条(緊急事態の宣言の効果)
緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。

2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。

3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第14条、第18条、第19条、第21条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。

4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。
(以上)

はっきり言って、こんな憲法改悪案は、全く必要ありません。
緊急事態法制としては、既に災害対策基本法原子力災害対策特別措置法国民保護法事態対処法等が揃っており、不備があるなら、法改正か新法制定で対応すれば、何の問題もありません。

国会議員の任期については、憲法第54条に、「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ」とあって、参議院の緊急集会が、日本国憲法に用意されており、これも全く問題ありません。

むしろ、内閣不信任決議案が可決されてもいないのに、むやみに解散権を振り回す安倍総理こそが問題で、万が一の緊急事態に備えるためにも、安易に解散権を行使すべきではありません。

要するに、この「緊急事態条項」は、緊急事態宣言をすれば、国会の議決なしに、内閣が法律と同一の効力を有する政令を乱発し、財政支出もいくらでもできるようにしたいという、ナチスドイツ、アドルフ・ヒトラーまがいの反民主主義的憲法改悪で、国民主権・平和主義・基本的人権の尊重の憲法三大原則を破壊しようとするアベ改憲派(日本会議派)の悪辣な挑戦で、断固反対するしかありません。

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RCEPは日本主導、中国主導ではありません。TPPではなくRCEPを!

トランプ大統領の誕生で、米国がTPPから撤退する方向となり、今、RCEP(アールセップRegional Comprehensive Economic Partnership東アジア地域包括的経済連携/ASEAN+6(日中韓印豪NZ)に注目が集まるようになりました。

私は2011年10月15日の「はたともこブログ」で表明して以来、一貫して、TPPに反対し、RCEPを推進すべきだと主張してきました。

2011年10月15日「はたともこブログ」
註:ブログでリンクをはっている「経済産業省・対外経済政策総合サイト」は、盛りだくさんの詳しい内容でお勧めのページだったのですが、いつのまにか消えてしまっていました。TPP推進派による圧力でもあったのでしょうか。

日本の大手メディアや安倍政権は、RCEPは中国主導だと言いますが、それは違います。
もともとは、2005年4月に中国が提案した東アジア自由貿易圏構想(EAFTAイーフタ/ASEAN+3(日中韓))と、2007年6月に日本が提案した東アジア包括的経済連携構想(CEPEAセピア/ASEAN+6(日中韓印豪NZ))とを統合して、2012年11月ASEAN側からの提案としてRCEP(ACEAN+6)交渉の立ち上げが宣言されたのです。

※外務省HP 
2012.11 共同宣言文  交渉の基本指針及び目的

RCEPは、ASEAN10ケ国に、日本・中国・韓国・インド・オーストラリア・ニュージーランドが参加する、人口約34億人(世界全体の約半分)の、世界で最も成長力のある巨大市場です。

日本、インド、オーストラリア、フィリピン、ベトナム等々も有力メンバーなので、中国の独断専行やルール違反は許されません。TPPのように、安全保障も含めて中国包囲網をつくるのではなく、中国も含めて、経済連携と地域的集団安全保障の枠組みを構築して、中国がルール違反をすれば経済制裁を受ける仕組みをつくればよいのです。

RCEPは、TPPのような多国籍巨大資本の利益のためのグローバリズム=強欲資本主義ではなく、一定の国境措置を認め、全ての参加国がwinwinとなるルール作りができると思います。それを基準に、次の段階で、アメリカ、ロシア等も含めた、APEC参加国によるFTAAP(エフタープ。アジア太平洋自由貿易圏)を構築すべきだと思います。

 

外務省HP 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)

経済産業省HP 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)

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TPPを御破算にするトランプ大統領誕生を機に、日本を狙う巨大ワクチンビジネスの検証とワクチン政策の抜本的見直しを!

2009年、鳩山内閣によって廃止されたいわゆる「日米年次改革要望書」(規制改革及び競争政策イニシアティブ)は、次の菅内閣によって「日米経済調和対話」として復活し、その中で米国は、2011年12年と二年連続で、2013年に日本で法定接種となったHib・肺炎球菌・HPVの3種のワクチンを、日本政府に強力にプッシュしています。 

明らかに、米国政府が具体的に多国籍製薬メジャーのワクチンを挙げて、日本政府に強く要求し、その結果、これらのワクチンは日本で法定接種となり、公費助成となったのです。 

2011年・12年の「日米経済調和対話」で、このように、具体的に3種のワクチンが提示されましたが、実は、年次改革要望書の時代から、米国はワクチンの売り込みに積極的でした。 

2007年6月6日付の「第6回/規制改革及び競争政策イニシアティブ」報告書には、「ワクチン産業ビジョン推進委員会を設置し、米国業界を含む関係者との見解の交換を進め」、さらに、「厚生労働省はワクチンの規制について、米国業界を含む業界と意見交換を行う」と記されています。

2008年7月5日付の第7回報告書には、「日本国政府は米国業界を含む業界と、ワクチン審査の改善について引き続き意見交換する」と記しています。「ワクチンギャップ」という言葉で日本国民をあおり、日本でのスピード承認を是とする機運を、彼らはこうして高めていきました。

2009年7月6日付の第8回報告書にも、「厚生労働省は医療保険制度におけるワクチンに関する事項について、米国業界を含む業界と引き続き議論を行う」と記しています。

そして、オバマ大統領は、日本にTPP協定を迫り、TPP協定発効後は、ISDS条項やラチェット条項、またパテントリンケージなどで、多国籍製薬メジャーが、日本市場の席けんを狙っています。

このように、米国政府が多国籍製薬メジャーの代理人として、日本に強力な圧力を加えてきた背景には、米国政府(CDC米国疾病予防管理センター、FDA米国食品医薬品局など)と多国籍製薬メジャーとの人事交流、いわゆる「回転ドア」の、露骨な利益相反があります。例えば、2002年から2009年までCDC長官だったジュリー・ガーバーディング博士が、2009年に米メルク社・ワクチン事務部門の最高責任者に就任しています。新薬の承認、販路の拡大などを、米国政府と多国籍製薬メジャーが一体となって強力に推し進め、巨万の富を獲得しているのです。

そして、彼らはWHOをもコントロールしています。「健康の増進と保護/感染症対策」を大義名分として、様々な声明をWHOの名で発出しています。彼らは、WHOを総本山・司令塔として、人類全てをターゲットにして、ワクチンビジネスを展開しているのです。日本政府に対しても、HPVワクチンの勧奨再開・超推進を求める声明を、再三にわたり発出しています。

WHO総予算の中で突出しているのは、総予算の約10%を「使途指定」で寄附するビル&メリンダゲイツ財団です。2014年WHO総予算26.3億円のうち、ビル&メリンダゲイツ財団は2.6億ドルを寄附しています。ビル&メリンダゲイツ財団が、グローバルヘルス、特にワクチン・感染症対策に非常に熱心であることは大変有名ですが、ビル・ゲイツ氏は2010年TEDカンファレンスで、次のような発言をしています。彼は「ゼロへのイノベーション」と題する講演の中で、CO2排出量をゼロにするためにはまずは人口だと述べ、「新ワクチンや保健医療、生殖関連で十分な成果を収めれば、おそらく10%から15%抑えることができるかもしれません」と述べているのです。ビル・ゲイツ氏にとって「ワクチン」とは、単純に「命を救うもの」、という位置づけだけではなさそうです。

すなわち、米国にとって、ワクチンは世界をコントロールする戦略商品です。TPP推進の米国企業連合の中心は、多国籍製薬メジャーです。ISDS条項によって、既に法定接種となっているHPVワクチン、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、更にいずれは法定接種を狙っている現在は任意のロタウイルスワクチンなど、多国籍製薬メジャーが日本国民の生命と健康をコントロールできるのです。

多国籍製薬メジャーの利益追求活動に、日本の赤ちゃんの生命をあずけることはできません。日本国の責任で、ワクチンの安全性・有効性・必要性、費用対効果を全面的に再検証して、日本のワクチン政策を抜本的に見直すことが必要なのではないでしょうか。

いまや、ワクチンは感染症予防という概念ではなく、「人間の安全保障」の問題としてとらえるべきです。トランプ大統領誕生を機に、TPPは御破算にして、世界の巨大ワクチン利権についても、あらためて検証する必要があると思います。

 
(これらの時期のHPVワクチンの国内での動き)
・2007年11月 「ガーダシル」日本で承認申請
・2007年9月 「サーバリックス」日本で承認申請
 ※厚生労働省の指導で、臨床試験終了前に、承認申請
・2009年9月 厚生労働省/薬事食品衛生審議会/薬事分科会「サーバリックス」承認を「異議なし」議決
・2009年10月 「サーバリックス」日本で承認
・2010年7月 「ガーダシル」承認「再」申請
 ※不適切な臨床試験で、承認申請をいったん取り下げている)
・2010年11月 HPVワクチン公費助成開始
・2011年7月 「ガーダシル」日本で承認
・2013年3月 「Hibワクチン・肺炎球菌ワクチン・HPVワクチン」法定接種化となる改正予防接種法が成立


TPP・ISDS条項と多国籍製薬メジャーワクチンについて

TPP・ISDS条項と子宮頸がんワクチンについて

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