古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『88の祈り』(四国歩き遍路1400キロの旅)を読みました。

2014年08月24日 01時48分33秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 1997年は、ぼくが退職し、米寿を祝った父が100日ほど入院して亡くなった年です。父が亡くなってから四国88カ所にお参りしようと思い立ち、道子さんと二人で車でまわりました。60歳のときです。ぼくがまわったのはその一回のみです。
 しかし「四国遍路のビデオ(NHK)」を何度も見たり、「遍路体験記」を読むのは好きになりました。図書館で「歩き遍路日記」を見かけるとよく借りて読みました。
「いつかは自分も歩き遍路で88ヵ所をまわりたい」という熱意はありませんが、遍路日記を読むのはいまも好きです。
 きのう読んだ本は、秋元海十さんの書いた『88の祈り』という歩き遍路日記でした。
 彼は当時33歳の若い俳優で「インターネットで四国遍路をライブ中継しながら歩いてみよう」と思い立ったのです。それが一部のマスコミにのってサポートを受けたりして、無事に歩き通すことができました。その体験記です。
 お寺の故事来歴とか印象を書いてある本は読む気がしません。ガイドブックを読めば十分です。「歩き遍路という困難にどんな風に挑んだか」を読みたいのです。「歩き遍路」は大変困難です。「人」が歩き通すと必ず「こころのドラマ」が起こる。それを覗きたい。野次馬です。
 この本は「読んでもいいかな」という本でした。
 読みかけてやめた本があります。一冊は文庫本になっている「外国人(ガイジン)の歩き遍路日記」です。それなりの読者を得たのでしょうが、ぼくは駄目でした。「長いコンパスを生かして超スピードでまわろう」と自負するスタンプ・ラリー気分。何でも見聞・体験しようという好奇心。自分が人生の壁にぶつかり、のり越えようとする〈祈り〉が底に流れていない。「生きる」がテーマになってない。
 もう一冊は「定年退職した4人の男が歩き遍路をした」本です。はじめの数ページでやめました。仲間うちの人間関係にふれており、何の興味もありません。
 ちょっとネットで調べたら、佐藤光代さんの『私のお遍路日記』がいまも好評で、多くの読者に支持されており、うれしくなりました。佐藤さんは遍路をした当時は31歳のフリー・ディレクターですが、日記は自分のしたこと感じたことを、素直に、正直に、書いています。自分も歩き遍路をしようという人には「とてもためになる」本です。この本のことはぼくもブログに書いたことがあります。(2012年12月19日のブログ)
 彼女は「遍路を終えて足下に分厚い土台ができた気がする(10センチくらいだけど)」と書いています。実感が伝わります。「これからの人生がちがってくるだろうな」と若い人の成長をまぶしく想います。
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