生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

その場考学との徘徊(68)航空会社のマイレージサービス

2021年11月25日 10時31分54秒 | その場考学との徘徊
その場考学との徘徊(68)
題名;航空会社のマイレージサービス

場所;ワシントン 月日;198?
テーマ;グローバルクラブ 作成日;2021.11.24                                                

 AirbusA320やBoeing777用のジェットエンジンの国際共同開発で、英国と米国だけでも約100回の海外出張をさせられた。始まりは1978年で、当時は欧米への航空便は曜日によって異なるAirlineを選ばなければならなかった。つまりDailyという頻度のFlightは、JALでもUA(United)でもなかった。
 既に各社がマイレッジ・サービスをしていて、多くのAirline に登録をしたが、当時は日本の広告法のおかげで、JALは無料航空券サービスができなかった。そこで英国行きはBA(British Airline)、米国行きはUA(United Airline)が主になった。



JALでは、直ぐにGlobal Clubという会員になった。様々なサービスが受けられるのだが、一番はBusiness クラスから、Firstクラスへのアップグレードだった。当時の日英の経済状態は雲泥の差で、日本の高度成長期のJALのBusiness クラスは常に満席。Firstクラスに空席があると、Global Club会員を、チェックインの先着順でアップグレードしてくれた。だから、余裕のあるときは、早めに成田空港へ行ったものだった。一方のBAは、Firstクラスは常にガラガラで、こちらは空席が目立つというので、特にLondon発では、Business クラスが満席でなくても、頻繁にアップグレードしてくれた。

 Firstクラスでは、色々な面白い体験をした。ある月曜日のシカゴ行きで、有名なゴルファーが隣の席に来た。しかし、彼はTV中継には写っていなかったので、「Youは、何しに日本へ?」式の質問をした。すると、「初日のスコアーが悪かったので、わざと予選落ちをして、土日は日本企業の接待を受けた。その方が金になるし、楽しい。」といった。
 
 BAのFirst Classで日本酒を飲む人は稀であった。いつも金賞の大吟醸がメニューにあるのだが、飲むのは私だけ。するとLondonでの降機時に、「余っても仕方ないので、Hotelで飲んでくれ」といって、パーサーが開封済の4合瓶を渡してくれた。
 BAのFirst Classのパーサーは、JALとは正反対の執事風の老人が多い。彼らは、英国人にはワインの説明をするが、日本人には「赤か白か?」しか聞かない。当時の私は、Rolls Royceとの会食のホスト役が多かったので、ワインの知識は十二分にあった。そこで、「このXX年のボルドーは星一つだが、こちらのブルゴーニュは星3つだから、当然こちらだ」というと、以降の扱いが変わったのは面白かった。

 ある時、Unitedのマイレージが溜まり過ぎて失効されそうになった。夫婦そろっての世界一周を計画していたのだが、何故かUnitedはインドの支店を閉鎖して、南回りのヨーロッパ便を止めてしまった。再開を待っていたが、問いあわせても「未定です」と言うので、米国経由で英国へ行くことにした。往きはワシントン、帰路はサンフランシスコにそれぞれ2泊することにした。当時のUnitedは、インターコンチネンタルホテルを買収しており、世界中のインターコンチが半額で泊まれた。Londonのそれは、ハイドパークの片隅で、隣にWorld???Caféがあり、散歩と軽食には、痛く便利で多用していた。Washingtonのそれは、White Houseの並びで、勝海舟の咸臨丸一行が泊まった宿で、廊下と階段には、当時の写真が何枚も貼ってあった。
 翌朝、窓から眺めていると、目の前の公園に十数人の列ができていた。ホテルマンに聞くと「White House見学の当日券の配布です。もうすぐ始まりますよ」とのことで、慌てて着替えて、列に並んだ。幸い、その日の午後一の切符が2枚とれた。White Houseのツアーは、大統領執務室まで入れて面白かった。ちなみに、かつて友人が日本の首相執務室を案内してくれたが、広さも調度品もあまり変わりがなかったように思う。

 最近は、Global Clubの会員数が増えたようで、このようなサービスはあまり聞かなくなった。退職後の私は、欧米への長旅はこりごりで、国内旅行だけにしている。しかし、Global Clubの会員は止めたくないので、年に最低1回は有料で乗ることにしている。そうすると、ボーナスで年2回は夫婦で無料航空券の国内旅行を楽しむことができる。そのことは、次回に。
 


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