はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

おもしろいものがたり

2006年08月27日 | はなし
 河合隼雄さんが先週、脳梗塞で倒れられたそうです。河合隼雄さん、最近はフルート奏者でもあったんですね。(奈良県在住というのも知らなかった。あっ、古墳があるからなのか?)
 僕にとっては、たくさんのいい本をおしえてくれた先生のようなひとです。
 カニグスバーグもピアスも『ゲド戦記』もユングも『のんちゃん雲に乗る』も『とりかえばや物語』もM・マーヒーも明恵もグリム『忠臣ヨハネス』も、みんな河合隼雄がおしえてくれた。それらの「ものがたり」が僕にとってどんなに役に立ったことか…。

 ひとはそれぞれの中に「ファンタジー」を持っているのだと思います。それは自分の世界なのに、みんなその世界の「歩き方」を知らない。まるで暗闇だ。この現実世界の法則が役に立たない世界。いっしょに歩いてくれるひとはいないし、地図がないのです。(自分の中なのに!)
 そんなときに参考になるのが「おもしろいものがたり」だと河合隼雄はおしえてくれた。そのために「ものがたり」はあるのだと。自分がいまその本を「おもしろい」と感じるのは、そこに自分の「ファンタジーの謎」を解くヒントがあるからなのだと。
 なんのために自分はいまここにいて立ち止まっているのか? 自分の身体は苦しくてしかたないが、身体は僕になにを伝えたいのか? 僕はアレがとても気になるのだけど、それはなぜなのか?
 そのヒントが「ものがたり」にあるよ、と。
 ああ、そうか。僕はそうやって自分で「地図」をつくって暗闇をあかるく照らして歩いたんだ。「おもしろいものがたり」は「あかり」だったんだな。

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