はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

クレタ島

2007年11月18日 | はなし
 「クレタ島」でおもいだすのが、加納クレタ。これは小説『ねじまき鳥クロニクル』(村上春樹著)の登場人物で、まず姉の加納マルタが登場し、それから妹の加納クレタが出てくる。つまり「加納姉妹」ってわけだが、TVに出ているあの姉妹のことではもちろんない。小説では、主人公の味方のような、でもどういう役にたつのかわからない謎の姉妹として現われる。
 ざっくり言うと『ねじまき鳥クロニクル』は、なぜか姿をくらました「妻」をさがす物語。消えた妻は夫(主人公)に「捜さないで」とメッセージを送ってくるのだが、それはつまり「捜してほしい」という裏メッセージでもある。男と女は、そういう具合にややこしい。裏メッセージを読んだはずが、ただの思い込みでストーカーになって転落人生というのもあるからねぇ。そういうわけでよくよく考えなきゃいけない。それでこの小説の主人公はどうしたか。井戸に潜った。家の近所に、どうしようもないほどの不吉な「井戸」があって、つまり『リング』の貞子のいる井戸のような、や~なかんじの井戸だ。「井戸」の底には「闇」がある。密度の濃い「闇」は、いろいろなものとつながっている。
 「井戸」の闇とつながる、古代エーゲ海のクレタ島。中央アジアのノモンハン…。

 ギリシャにアテネ等の都市国家が栄えたのはBC500年頃。それよりもずっと昔、BC2000~BC1500年頃に、クレタ島に文明があったというからすごい。宮殿があって、壁画には「牛」や、海を司どる蛇の女神などが描かれている。
 怪物ミノタウロスが迷宮に閉じ込められている、という伝説の島でもある。
 アチラのほうの伝説はよく「牛」が登場するねえ。なのに日本の昔話に「牛」が出てこないのはなぜだろう。


 アインシュタイン博士を乗せた北野丸は、そんなクレタ島の横を通り、エジプトのスエズ運河へむかっている…。1922年10月。

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