浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「御垂訓」

2021-11-16 00:54:32 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

         恩師のご著書「思いの中に生きる」より


               調和と中道

先の続き・・・

お釈迦様は、
あの優雅で栄耀栄華な王子様の生活の中に悟ることはできませんでした。
また、
自分の命が擦り切れてしまうほどの厳しい肉体行を通しても
悟ることはできませんでした。

だから、両極端を離れて、まず自分自身の肉体を健全にされ、
安らかな環境において自分自身の心を徹底的に追求されて、
あの偉大なる悟りに到達されたのですね。
肉体行では悟ることはできなかったお釈迦様は、
「この世が始まって以来、私ほど厳しい行をした者はないであろう。
そして、この世が終わるまで、
私が行ったほどの行をする者は現れないであろう」と言われた。
それほど厳しい肉体行をなさったのですね。

しかし、悟ることはできませんでした。
それは、人間の肉体は火の中に手を突っ込めば熱いし、
水の中へ入れば冷たい、
この感覚から逃れることはできないのですね。
冷たい中へ入れば冷たい。
「冷たい」その思いにとらわれるはずです。
もし、大きな護摩を焚いて、その中でどんなに九字を切っていましても、
肉体をもっていれば熱くて当たり前です。
「熱い、熱い」と思っていて、そんなことで悟れるはずがありません。
また栄耀栄華・安楽に陥っても、これも悟れません。
中道をいくことですね。



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