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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 548 ドラフトネタ ロッテオリオンズ編

2018年09月12日 | 1985 年 



去年のドラ❶ 笠原栄一:体がプロになった時、150㌔ 男は本物の大物だ
佐波農高1年生の秋に西邑楽高と対戦して21奪三振を記録。ロッテ始まって以来の大物として入団し、背番号はロッテの監督も務めた事のある往年の大投手・金田正一氏と同じ「34」。その言動はキャンプが始まっても大物ぶりを発揮していた。腹筋100回を命じられても20回くらいで「ハイ、終わりました」と平然と言ってのけたり、バント処理の投内練習で一塁ベースカバーに入るのだが笠原投手は一塁ベースを踏まずに跨いて通り過ぎる。木樽投手コーチに注意されると「え?ベースを踏むんですか」と周囲を呆れさせた。「高校時代はバント処理は内野陣に任せっきりで僕はマウンドから動かなかったから…」と。

「僕は練習嫌いなんすよ。練習すると逆に力を発揮できないタイプなんです。高校の時にまともに練習なんかしなかったのに、こんなプロの練習なんか無理っスよ」の発言にはコーチ陣は唖然茫然。「とにかく笠原の場合は高校時代に何もやっていなかったので先ずは基礎体力作りから始める。ゼロからのスタートなので実戦登板の目途は立っていない」と木樽コーチも苦笑い。腹筋も背筋も50回が限度で直ぐにギブアップ。ならばと走り込みをさせると、あそこが痛い、ここが痛いと言ってリタイアしてしまう。それでいて球を握らせると時速145km を軽く超えるストレートを投げる規格外の怪物なのだ。

そんな笠原に与えられたメニューは8月まで筋力アップとランニングのみ。そして「メニューを全部こなしたらピッチングするのを許す(木樽コーチ)」といったニンジン作戦。投げたくてウズウズしていた笠原は木樽コーチの狙い通りメニューをこなすようになった。9月に入ると投球練習の他にフリー打撃に登板するようになる。本人は「調子が良い時は150km 近く出るんじゃないかな」と有頂天だが徳武二軍監督によると「まだ基礎体力を作っている段階なのでスピードに波がある」そうだ。が、何はともあれようやくプロの練習についていけるようになってきた。「プロの身体になれば150km なんて軽く出すんじゃないの」と木樽コーチは笠原の成長を楽しみにしている。



【 運命のドラフト当日:横田真之 】
昨年のドラフト会議で4位指名されて入団し、今季のベストナインに輝いた横田選手。ドラフト会議当日は「ドキドキしっぱなし。受験の合格発表とは比べものにならないくらい緊張してました」そうで駒大野球部の合宿所で同じくドラフト指名候補だった河野投手(日ハム)らと息を殺して結果を待っていた。「ドラフト会議が始まる前は指名されなかったらどうしよう、始まったらもし1位指名だったら何を言おうかとか色々考えていました(横田)」と。卒業後の進路はプロ一本で他の就職活動はしていなかった。だが3位指名までに名前が呼ばれず「こりゃヤバイと焦りました。ロッテが4位に指名してくれた時は心底ホッとしました」と当時を振り返る。

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