(夕方。居室で土本がくつろいでいるとノックする音。)
土本。だあれ。
イチ。イチだよ。レイもいっしょ。入っていいかな。
土本。ちょっとだけ待って。
(ドアの向こうを確認してから、開ける。イチとレイが入る。)
土本。何の用?。
イチ。いっしょに探索してくれないかな。
土本。これか。自動人形の探索行動。でも、親しみを覚えた人にしか誘いをかけない。私でいいの?。
レイ。お話しもしたいし。
土本。お話って、あんたたち、意味が分からないでしょうが。
イチ。うん。でも、雰囲気は分かるし、事実の説明ならできる。
土本。亜有さんに派遣されたの?。
イチ。どう説明しても、その結論になる。
土本。これからの長いお付き合い。挨拶みたいなものか。
レイ。それでいい。
土本。支度する。
(土本は、外出着を着る。レイが通信機を手渡す。)
土本。これなに?。ケータイなら持っている。
レイ。ID社の専用回線に繋がる通信機。持っていてください。ケータイは地下では使えない。
土本。ここでは使える。
レイ。わざわざ使えるようにした。でもケータイの中継器から少し離れると使えない。
土本。そうなのか。気付かなかった。うん、持っておく。
(居住区から整備場に向かう。ちょっとシュールな廊下を行く。薄明かりの状態。普段は暗いはずだから、自動で明かりが点灯するようだ。)
土本。ここは地下。地震とか大丈夫かな。
イチ。ここは海岸に近くて、周りは水分を含んだ土。浮かんでいるようなもの。
土本。水槽の中にいる感じ。
イチ。適度に柔軟性があって、しかも比重をあわせてある。そのとおり。
土本。うまく作ってある。おもちゃじゃないんだ。
イチ。そうしないと、次々に壊れて、収拾がつかなくなる。
(地下整備場に付いた。ここも薄明かり。虎之介は警備室に居るはずだ。通信機を使ってみる。)
土本。虎之介、聞こえる?。
芦屋(通信機)。うわっ、なんだ。土本、何かあったのか。すぐ行く。
土本。来ないでいい。ちょっと通信したかっただけ。整備場に居るのよ。警備室の明かりが見える。
芦屋。何だ。そう言うことか。うん、ここから見えるぞ。そっちから見えるか。
(虎之介は手を振っている。)
土本。あなたって、面白い人。うん、こっちからも見える。ありがと、付き合ってくれて。
芦屋。自動人形の探索だな。付き合ってくれてありがとう。
イチ。これから原子炉経由で地上に出る。
芦屋。そうか。気をつけてな。
土本。さよなら。
(ヘリポートのエレベータはクレータに上がった状態。地下の該当部分には、柵が迫り上がっていて、入りにくくなっている。土本たちは、原子炉に向かう廊下に入る。原子炉近くから、エレベータで外に出る。対岸の明かりが見える。振り返ると、月が出ている。)
土本。月は同じだけど、対岸の明かりはまぶしい。
イチ。東京湾の夜景。はじめての経験?。
土本。いいえ。でも、しばらくここで暮らすのかと思って。
レイ。家族と別れて、寂しいの?。
土本。いいえ。ここで仕事しなきゃ。私のできる限りの。
イチ。張り切っているんだ。
土本。うふふ。それくらいは分かる。
イチ。分かるよ。
(あたりは暗い。イチとレイはLS砲を取り出して行く道を照らす。)
土本。ロボットに案内されて、道無き道を進む。これからずっとこんなのかな。
イチ。いっしょにいたい。
レイ。私も。
土本。だあれ。
イチ。イチだよ。レイもいっしょ。入っていいかな。
土本。ちょっとだけ待って。
(ドアの向こうを確認してから、開ける。イチとレイが入る。)
土本。何の用?。
イチ。いっしょに探索してくれないかな。
土本。これか。自動人形の探索行動。でも、親しみを覚えた人にしか誘いをかけない。私でいいの?。
レイ。お話しもしたいし。
土本。お話って、あんたたち、意味が分からないでしょうが。
イチ。うん。でも、雰囲気は分かるし、事実の説明ならできる。
土本。亜有さんに派遣されたの?。
イチ。どう説明しても、その結論になる。
土本。これからの長いお付き合い。挨拶みたいなものか。
レイ。それでいい。
土本。支度する。
(土本は、外出着を着る。レイが通信機を手渡す。)
土本。これなに?。ケータイなら持っている。
レイ。ID社の専用回線に繋がる通信機。持っていてください。ケータイは地下では使えない。
土本。ここでは使える。
レイ。わざわざ使えるようにした。でもケータイの中継器から少し離れると使えない。
土本。そうなのか。気付かなかった。うん、持っておく。
(居住区から整備場に向かう。ちょっとシュールな廊下を行く。薄明かりの状態。普段は暗いはずだから、自動で明かりが点灯するようだ。)
土本。ここは地下。地震とか大丈夫かな。
イチ。ここは海岸に近くて、周りは水分を含んだ土。浮かんでいるようなもの。
土本。水槽の中にいる感じ。
イチ。適度に柔軟性があって、しかも比重をあわせてある。そのとおり。
土本。うまく作ってある。おもちゃじゃないんだ。
イチ。そうしないと、次々に壊れて、収拾がつかなくなる。
(地下整備場に付いた。ここも薄明かり。虎之介は警備室に居るはずだ。通信機を使ってみる。)
土本。虎之介、聞こえる?。
芦屋(通信機)。うわっ、なんだ。土本、何かあったのか。すぐ行く。
土本。来ないでいい。ちょっと通信したかっただけ。整備場に居るのよ。警備室の明かりが見える。
芦屋。何だ。そう言うことか。うん、ここから見えるぞ。そっちから見えるか。
(虎之介は手を振っている。)
土本。あなたって、面白い人。うん、こっちからも見える。ありがと、付き合ってくれて。
芦屋。自動人形の探索だな。付き合ってくれてありがとう。
イチ。これから原子炉経由で地上に出る。
芦屋。そうか。気をつけてな。
土本。さよなら。
(ヘリポートのエレベータはクレータに上がった状態。地下の該当部分には、柵が迫り上がっていて、入りにくくなっている。土本たちは、原子炉に向かう廊下に入る。原子炉近くから、エレベータで外に出る。対岸の明かりが見える。振り返ると、月が出ている。)
土本。月は同じだけど、対岸の明かりはまぶしい。
イチ。東京湾の夜景。はじめての経験?。
土本。いいえ。でも、しばらくここで暮らすのかと思って。
レイ。家族と別れて、寂しいの?。
土本。いいえ。ここで仕事しなきゃ。私のできる限りの。
イチ。張り切っているんだ。
土本。うふふ。それくらいは分かる。
イチ。分かるよ。
(あたりは暗い。イチとレイはLS砲を取り出して行く道を照らす。)
土本。ロボットに案内されて、道無き道を進む。これからずっとこんなのかな。
イチ。いっしょにいたい。
レイ。私も。