朝、おばあちゃんが桟橋から帰って来ました。
手には金属のボールを持っています。
中にはなんだかにゅるにゅる動く魚が入っています。
それは、“ハモ”という魚のようでした。
“ハモ”は、ボールの中でヘビのようにカーブを描いて動きます。
おばあちゃんは、木のまな板と千枚通しを用意すると、“ハモ”の頭を
千枚通しで固定しました。
包丁で頭の方からしっぽにかけてまっすぐに切り込みを入れます。
そして頭から尻尾にかけて、骨だけを切り落としました。
ちいチャンは、おばあちゃんの技はすごいなと思います。
夕方、おばあちゃんは朝にさばいたハモを、砂糖と醤油で煮ました。
この日の夕ご飯は、ハモ丼です。
ちいチャンは、ハモ丼が大好きです。
大きくなってウナギ丼を初めて食べた時、ちいチャンは、ハモ丼を思い
出したのでした。