<金曜は本の紹介>
「刑務所なう。(堀江貴文)」の購入はコチラ
「刑務所なう。(堀江貴文)」という本は、ホリエモンこと堀江貴文氏が、長野刑務所等での体験を獄中日記として主に書いたものです。
そのほか本人の時事ネタ評論や書評、スタッフのコメント、獄中日記をマンガに表したものもあり、結構楽しめます。
とにかく500ページ以上あり、本の分厚さには驚きます!
これで1050円は安いかもしれませんね。
本人がボールペンで便せんに書いた原稿は、発信制限が厳しいなかスタッフや協力者に助けられてメールマガジンやTwitterで公開され、そしてそれらをこの本にまとめたようです。
特に以下についてはへ~と思いましたね。
・刑務所では丸坊主になり山下清みたいになってしまう・・・
・食事は、ご飯は麦飯だがおかずは意外と美味しく季節感あふれるメニュー(長野刑務所は特に美味しいらしい)
・一人当たりの1日の食費は400円程度らしい
・半年以上で20kg以上痩せる
・風呂は週2回、夏期は週3回
・睡眠時間は10時間ほどで寝るのが大変
・腎臓結石の血尿や痔で苦しむ
・刑事裁判で有罪時の訴訟費用は98,830円だった。
・刑務所内の仕事は真面目に前向きに取り組む
・1ヶ月の作業報奨金は当初1000円程度だった
・天突き体操をする
・テレビっ子になってしまう
・運動会もあるが観戦するだけだった
・慰問演芸会はつまらなかった(昨年と同じ内容だったらしい)
・手紙はNGワードがあると検閲と訂正で発信が2~3日遅れる
・年忘れのど自慢大会は盛り上がる
・エロ本の差し入れは可だがダメなのもある
・知人からの手紙や写真がうれしい
・ちり紙は上1個か並2個のどちらかを選択
「刑務所なう。(堀江貴文)」という本はオススメです!
以下はこの本のポイント等です。
・結局、分類では3種類に分けられてしまった。ひとつは部屋に持ち込み可能なもの。これはパンツ3枚、靴下3枚、歯ブラシ2本、切手だけだった。弁護士からは「切手の総額に制限あり」と聞いていたがそれはないらしい。Tシャツやタンクトップ、歯磨き粉、シャンプー、リンス、電気シェーバーなどはすべてダメ。どうやら、東京拘置所の売店で買える物しかダメらしい。それらは全て領置品とされ、出所するまで出すことはできない。差し入れは本の場合、平日に一人当たり、面会でも郵送でも3冊までしか入らない。
・分類が終わるとしばらく待たされる。時計がないのでどれだけかかったかわからないが、書類にサインしてから医務のチェック。まずはパンツ(官製のものを支給される)一丁にさせられて、チ●ポを上に挙げてタマのチェック。んで、パンツを膝まで下げてお尻の穴を見せる。「尻の穴は広げろ」と言われる。唇も開いて見せて、鼻の穴や耳の穴までチェックされる。んで、レントゲン、血圧チェック、尿タンパク検査。身長は173cm、体重は95.7kgだった。
・部屋に案内されるとすぐに、「髪を切る」と言われる。懲役の人がバリカンでカットしてくれる。1型と2型の髪型があり、2型は6mmぐらいのばせるみたいだけど1型は丸坊主。モヒカンにしていたこともあり、私のばあいは1型しか選択肢はなく中学生以来の丸刈りだ。まぁ、これはこれでいいか。
・ちなみに木曜と月曜は風呂の日(7月4日から夏季なのだが、それまで週2回オンリー。夏季でも週3回のみなのだ!!)なのだが、なんと運動の時間と前後することがあるらしい!!体洗った後に汗かくのかよ!?でも部屋に帰ってから2~3分体をタオルで拭くことは許された。でも、汗臭い・・・。
・16:00から配食開始。夕食は麦ごはん、中華丼の具だけ、瓜のカス漬け、野菜汁(豆腐、人参、たまねぎ、白菜、ほうれん草)に、みかんゼリーだ。ダッシュで食べないとすぐに「カラ下げ」って器を回収しに来るので大変。まぁ、私は食べるのが早い方なんで平気だが・・・。ということで、カラ下げまでに食器洗いとハミガキを済ませておく。
・夜寝る時間は21:00。消灯といっても自殺防止対策なのかうす暗くなるだけ。しかも、夏至近くなので朝も早い。さらに起床は7:00。いったい10時間もどうやって寝ろというのだ・・・。
・移送先は・・・長野刑務所だった。車に乗り込む直前に刑務官に「気をつけ」をされ、告げられた。3時間私語禁止のドライブの後、長野に着いた。着いたらすぐに荷物を下ろし、処遇首席の説明が始まる。最初は強い口調だったので正直怖かったのだがだんだん優しく語りかけてもらったように思う。刑務所の一日が始まったのだと感じた。どうやら、最初の頃は独房で一人作業らしい。その後、教育訓練工場に送られて、2~3WEEKS研修を受け、工場の配置が決まるらしい。とにかく頑張ってやるしかない。
・東京高検から手紙が届いていた。なにかと思えば「納付通知書」である。刑事裁判で有罪になると訴訟費用を払わなければならないのだ。その額、9万8830円。もっと多いかと思ったのだが、この積算根拠は何なのだろうか?刑務所で領置金により収入印紙を買って検察に書留で送らなければならないらしい。これだけで願箋3枚コース。面倒だなぁ・・・。
・午後もいつもの作業だが突然告知が。「何だ?」と思ったら、6月の作業報奨金の告知だった。その額、なんと267円。数日間であるが、予想通り安っ!てなわけで、事前告知したとおり倍の額にあたる2万6700円寄付することに。全国的にはあまり注目されていないけど長野では時折ニュースになる栄村の震災復興に役立ててほしい、ちょうど長野県にもいることもあるしね。やっと半分くらい仮設住宅が建ったそうである。
・午前中ラジオ体操(「刑務所アレンジ第一」)と有名な「天突き体操」というものをやった。刑務所バージョンは確かに手の動きがシャープな感じ。小学校の頃にやったのんびりバージョンとは全く異なる。どうやらこれを訓練中はハードトレーニングするようだ。天突き体操はスクワットをやりながら両手を天に突くような感じ。けっこう疲れるよ。
・刑務所というのは、全体予算の7割くらいが人件費で2割ぐらいが食事とかの予算になっているらしい。んで、食事は一日あたり400円/人くらいらしい。そりゃ、スポーツドリンクとか無理っぽいよね。
・今日は面会があった。2週間に1度、30分間と短いのだが、この時間のために頑張っているようなものだ。面会では自分からテレビの話題とか出しちゃって、なんか本当にテレビっ子みたいだよ。
・午後は地獄のトイレ床掃除。高齢者が多い我々の職場では、最後に汗だくになって床を拭かなければらなない。雑巾がチン毛まみれである。作業終了後に若干の拭身の時間はあるが、今日は告知等の雑務が多く、しかも右手を濡らせないので時間がなく、体中汗まみれで気持ち悪いまま週末を迎えることとなった。ウツである。まぁ、グチを言っても仕方ない。懲役なんだから汗ベトベトも我慢の内。月曜日の風呂を楽しみにすることにしよう!
・んで、運動会。大運動場に全員が集結。我々は隅っこで、さらに私は「奥にいろ」と言われたので目立たないように。我々の工場は応援のみ。ほかは段ボールに絵を描いて立て看板にしたり、メガホンやら扇子やらで、応援コール。我々は座って、ただただ観戦するだけ。行進もラジオ体操もなし。競技は160m走とかリレー、350m走、ホールインワンゲーム、一升瓶の水入れ競争など聞いたことのない競技も多々。年齢制限がある競技もあったりする(30歳未満とか40歳以上とか)
。1~4位のポイントを加算して順位が決まる方式で応援とか行進とかでもポイントが加算さえる仕組みらしい。参加している工場は一丸となっていて結構楽しそうだ。聞いたこともない「LAS COLA」というコーラだけは競技中にも飲めた。幸い天気は快晴で昼間は暑いくらいだったので久々の炭酸を堪能した。競技の中休みに(たぶん)近所の幼稚園のマーチングバンドが数曲踊りを交えて演奏してくれた。なんと、20年以上もアトラクションをやてくれているのだそうだ。こりゃ小さな子供を残して刑務所にいるお父さんたちには、グッと”クル”ものがあるだろうねぇ・・・。涙なしには観られないわ。まぁ、保母さんを見るのが目当ての邪心たっぷりの人々も大勢いるけどね(笑)。
・衛生係は何でも屋。故に慣れない針仕事もやる必要がある。ボタン付けは自分の分であれば多少醜くてもよいのだが、他人の分はちゃんとやらねばならぬ。小学校の家庭科以来だよなぁ・・・。出所することにはうまくなている気がするね。
・9月の作業報償金はやっと1ランクUPして9等工になり、1296円であった。一緒に働いている仲間たちの分も含め、この金額の10倍を長野県は栄村の震災募金にあてる。
・どうもTwitterとかでも「刑務所のメシを旨い」と言っている私が変である風に言う人がいるが、マジ旨いんだって。今日のチキンカツなんか肉は柔らかいし、ジューシーでカリッと揚げたてだ。ファミチキなんか油ギトギトなのに、たぶん刑務所のチキンカツより値段も高いはずだよ。願わくばもっと味付けを濃くして欲しいけどね。
・んで、誕生日お祝いの写真だけじゃなく、数日の検閲を経てたくさんの友人たちのメッセージが書かれたバースデイカードが届いた。数十枚にもわたるそのレターは、最初は写真が貼りつけられたり、きらびやかなシールが貼られていたのだけれども、刑務所にはそのままでは入らないのでコピーを取ってもらい、それを郵便差し入れで入れてもらったのだ。写真と一緒に眺めているとみんなと一緒に誕生日パーティをしているような気分になってきた。3畳間でたった独りのバースデイパーティ。でも、これまでの誕生日祝いのなかでもこんなに心に染み入るバースデイパーティは初めてだ・・・。なんて、こんなことを書いていたら泣けてきちゃったよ。これから面会回数が増えてみんなと面会できるようになったらいいなって思う。みんなの優しさにありがとう。
・午後は慰問園芸会。総集(全員参加)行事だが、受刑者数百人の後ろが我々の定位置。演者ははるか向こうである。いやぁ、レーシックしておいてよかったよ(笑)。青木音楽事務所というところの歌手5人が出演。妙齢の女性歌手が演歌や津軽三味線、果てはエレキギターまで演奏し、司会はオカマキャラの男性ものまね歌手。微妙な芸にどこで笑っていいか戸惑う受刑者たち。デビューしたばかりという新人女性歌手は一人でAKBの「ヘビーローテーション」を歌いながら登場。物悲しさに拍車をかけた。〆は、美空ひばりさんの「川の流れのように」。昨年の慰問演芸会も同じ青木事務所だった模様で、先輩は演目もほぼ前年と一緒だったと嘆息。施設側は我々を楽しませるためにやっているのか?それとも・・・、老人ホームの慰問と同じノリなんだろうか?私たちは社会の底辺の存在なんだから来てもらっているだけで満足せい!ということなんだろうなぁ・・・。
・作業報償金は毎月報告している通り、1000円ちょっと/月の微々たる額で、やっと最近まとまった買い物ができるようになった程度で、実質的に領置金での月1回の購入しかチャンスがないわけだ。しかも、注文して手元に届くのは約3週間後(日用品の場合)。書籍に至っては1ヶ月以上かかるので、面会の時に差し入れてもらうのが一番早いので、お願いしているのだ。しかも面会差し入れなら次の日には入るからね(まぁ、在庫があればだけど)。刑務所というのは面倒臭いところなのだよ。毎日、細心の注意を払いながら生活しないと、ものすごく不便や不利益を強いられることになる。手紙だってNGワードがあったら検閲と訂正で発信が2~3日遅れてしまうからね。
・午後は「年忘れのど自慢大会」。全員集合の行事だ。運良くストーブの近くの席だったので寒い思いをせずにすんだ。所長や歌謡クラブの先生など審査員4名に加え、ゲストの演歌歌手の3名に司会までいる。しかも、篤志面接委員の方々が用意してくれたらしいドハデな衣装に丸刈りの各工場代表が身を包み、カラオケを熱唱する姿は微笑ましいものがあります。最初に刑務官が、私語禁止、かけ声(特に大声での)の禁止、応援は手拍子のみとアナウンスしたので、司会の人が「こんにちは」と、その後にあいさつしても「こんにちは」と返せないのが悲しい囚人の性なのです。一言でも喋ろうものなら注意指導をされてしまうのではないかとビビってしまうから。「あいさつには、あいさつで返すのだよ」と諭され、刑務官達から「返していいよ」っぽいアイコンタクトをされて、やっと皆安心して「こんにちは」のあいさつをするという感じ。”年忘れ”には程遠い雰囲気だったものの、数人がパフォーマンスをして、歌のうまい人が何人か出てくると自然と手拍子も弾んでいい雰囲気になってきていた。途中、「イヨッ、大将!」みたいな感じのかけ声をかけた人がいて、刑務官が怒って犯人を躍起になって探していたが、結局見つからず。そんなハプニングもありましたが、1/3くらいの人がNHKのど自慢でも合格レベルで意外に高いレベルであると思いました。ゲストの方々も審査中にそれぞれ持ち歌を歌っていましたが、これも先日の慰問よりはるかにレベルが高く、さすが「のど自慢」というだけのイベントであったなぁと。入所以来一番楽しめたイベントだったかもしれない。ダンスパフォーマンスする人とかいたし。
・長野刑務所には様々な所から受刑者がやってくる。静岡、東拘、川越、新潟、横浜などなど。飯の話になると長野のレベルはどうやら高いとわかる。味付けはどうかというと、長野や東拘はちょうどいい感じらしい。川越は少年刑務所だからか、味が濃い目なのだそうだ。静岡は薄味らしい。いろいろと個性があるのだね。
・12月22日(木)の昼メシは、麦メシ、スパゲッティナポリタン、厚焼き卵、ほうれん草ごま和え、ミルクコーヒー、ショートケーキ。ケーキは1ピースであるがチョコレートのプレートと砂糖で出来たサンタさん付きという豪華版。ちゃんと一人一人にサンタが付いているとは芸が細かい。イベント事に対して、妙に力が入るのは官の特徴である。このケーキはクリスマスのケーキなのだろうか?それとも天皇誕生日のケーキ?頑なに「平成」の元号を書類に使う(西暦は絶対に使わない)官のメンタリティを考えると、天皇誕生日説が有力である。余談になるが食後の皆の感想は「楽しいことは一瞬で終わるね」と異口同音に。たぶんだが、ケーキは一年に一度のお祭りなのだろうな。
<目次>
堀の中から皆さんへ
モヒカン頭で報道陣にもみくちゃにされて出頭!
マンガ刑務所入門①収監準備篇
1週目 東京拘置所で丸刈りに。山下清みたいだよ・・・。
2週目 長野刑務所へ!いろいろ切ない夢を見た・・・。
3週目 ずっと一人で独房。ウツになってきた感じ・・・。
マンガ刑務所入門②しきたり篇
4週目 作業報奨金267円。安っ。100倍を寄付!
5週目 天突き体操はキツイ!体重10キロ減目前だ。
6週目 介護衛生係に配役。鈴木宗男さんと同じ!
マンガ刑務所入門③刑務作業篇
7週目 忙しいのはいいことだ。休日返上で働きたい。
8週目 なんだか今日は下の世話が多かったな・・・。
9週目 刑務所も夏休み。羽アリが大量で寝苦しい!
マンガ刑務所入門④差し入れ篇
10週目 尿検査に引っかかった!一難去ってまた一難。
11週目 ルーティンワークが苦手な私の”集中”の極意。
12週目 腎臓結石が見つかった!結構デカイらしい・・・。
マンガ刑務所入門⑤獄中メシ篇
13週目 地獄のトイレ床掃除。雑巾がチン毛まみれ・・・。
14週目 茂木健一郎さんが面会に!「修行僧のようだ」って。
15週目 グラウンド10周!久しぶりに走ってサワヤカ。
マンガ刑務所入門⑥情報収集篇
16週目 やる気が湧いてきた。出所したら事業がんばるよ。
17週目 ジョブズ死去を独房で聞いた。残念すぎる!
18週目 痔が痛い。「上」のちり紙にしようかな?
19週目 うぅっ・・・刑務所で初めての挿入体験!
マンガ刑務所入門⑦病気篇
20週目 3畳間でたった独りの誕生日パーティ。
21週目 ロシアロケットの父に倣って気合を入れねば!
22週目 慰問演芸会の”一人AKB”が物悲しい・・・。
マンガ刑務所入門⑧行事篇
23週目 オリンパス事件、あまり不平等だと心がザワつく!
24週目 イチオシメニューのメンチカツはやっぱ最高!
25週目 「金の亡者」みたいに言うのはやめてほしい。
マンガ刑務所入門⑨面会篇
26週目 受刑者の「年忘れのど自慢大会」は高レベル!
27週目 精神的豊かさのために「虚業」こそ必要になる!
28週目 田原総一朗さんが面会に。ものすごい質問攻め。
29週目 一人ぼっちの大晦日。暗黒の一年が幕を開けた・・・。
マンガ刑務所入門⑩年越し篇
刑務所図書館 堀の中の書評ベスト150
面白かった本まとめ(2012年上半期)
<今日の独り言>
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とにかく500ページ以上あり、本の分厚さには驚きます!
これで1050円は安いかもしれませんね。
本人がボールペンで便せんに書いた原稿は、発信制限が厳しいなかスタッフや協力者に助けられてメールマガジンやTwitterで公開され、そしてそれらをこの本にまとめたようです。
特に以下についてはへ~と思いましたね。
・刑務所では丸坊主になり山下清みたいになってしまう・・・
・食事は、ご飯は麦飯だがおかずは意外と美味しく季節感あふれるメニュー(長野刑務所は特に美味しいらしい)
・一人当たりの1日の食費は400円程度らしい
・半年以上で20kg以上痩せる
・風呂は週2回、夏期は週3回
・睡眠時間は10時間ほどで寝るのが大変
・腎臓結石の血尿や痔で苦しむ
・刑事裁判で有罪時の訴訟費用は98,830円だった。
・刑務所内の仕事は真面目に前向きに取り組む
・1ヶ月の作業報奨金は当初1000円程度だった
・天突き体操をする
・テレビっ子になってしまう
・運動会もあるが観戦するだけだった
・慰問演芸会はつまらなかった(昨年と同じ内容だったらしい)
・手紙はNGワードがあると検閲と訂正で発信が2~3日遅れる
・年忘れのど自慢大会は盛り上がる
・エロ本の差し入れは可だがダメなのもある
・知人からの手紙や写真がうれしい
・ちり紙は上1個か並2個のどちらかを選択
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以下はこの本のポイント等です。
・結局、分類では3種類に分けられてしまった。ひとつは部屋に持ち込み可能なもの。これはパンツ3枚、靴下3枚、歯ブラシ2本、切手だけだった。弁護士からは「切手の総額に制限あり」と聞いていたがそれはないらしい。Tシャツやタンクトップ、歯磨き粉、シャンプー、リンス、電気シェーバーなどはすべてダメ。どうやら、東京拘置所の売店で買える物しかダメらしい。それらは全て領置品とされ、出所するまで出すことはできない。差し入れは本の場合、平日に一人当たり、面会でも郵送でも3冊までしか入らない。
・分類が終わるとしばらく待たされる。時計がないのでどれだけかかったかわからないが、書類にサインしてから医務のチェック。まずはパンツ(官製のものを支給される)一丁にさせられて、チ●ポを上に挙げてタマのチェック。んで、パンツを膝まで下げてお尻の穴を見せる。「尻の穴は広げろ」と言われる。唇も開いて見せて、鼻の穴や耳の穴までチェックされる。んで、レントゲン、血圧チェック、尿タンパク検査。身長は173cm、体重は95.7kgだった。
・部屋に案内されるとすぐに、「髪を切る」と言われる。懲役の人がバリカンでカットしてくれる。1型と2型の髪型があり、2型は6mmぐらいのばせるみたいだけど1型は丸坊主。モヒカンにしていたこともあり、私のばあいは1型しか選択肢はなく中学生以来の丸刈りだ。まぁ、これはこれでいいか。
・ちなみに木曜と月曜は風呂の日(7月4日から夏季なのだが、それまで週2回オンリー。夏季でも週3回のみなのだ!!)なのだが、なんと運動の時間と前後することがあるらしい!!体洗った後に汗かくのかよ!?でも部屋に帰ってから2~3分体をタオルで拭くことは許された。でも、汗臭い・・・。
・16:00から配食開始。夕食は麦ごはん、中華丼の具だけ、瓜のカス漬け、野菜汁(豆腐、人参、たまねぎ、白菜、ほうれん草)に、みかんゼリーだ。ダッシュで食べないとすぐに「カラ下げ」って器を回収しに来るので大変。まぁ、私は食べるのが早い方なんで平気だが・・・。ということで、カラ下げまでに食器洗いとハミガキを済ませておく。
・夜寝る時間は21:00。消灯といっても自殺防止対策なのかうす暗くなるだけ。しかも、夏至近くなので朝も早い。さらに起床は7:00。いったい10時間もどうやって寝ろというのだ・・・。
・移送先は・・・長野刑務所だった。車に乗り込む直前に刑務官に「気をつけ」をされ、告げられた。3時間私語禁止のドライブの後、長野に着いた。着いたらすぐに荷物を下ろし、処遇首席の説明が始まる。最初は強い口調だったので正直怖かったのだがだんだん優しく語りかけてもらったように思う。刑務所の一日が始まったのだと感じた。どうやら、最初の頃は独房で一人作業らしい。その後、教育訓練工場に送られて、2~3WEEKS研修を受け、工場の配置が決まるらしい。とにかく頑張ってやるしかない。
・東京高検から手紙が届いていた。なにかと思えば「納付通知書」である。刑事裁判で有罪になると訴訟費用を払わなければならないのだ。その額、9万8830円。もっと多いかと思ったのだが、この積算根拠は何なのだろうか?刑務所で領置金により収入印紙を買って検察に書留で送らなければならないらしい。これだけで願箋3枚コース。面倒だなぁ・・・。
・午後もいつもの作業だが突然告知が。「何だ?」と思ったら、6月の作業報奨金の告知だった。その額、なんと267円。数日間であるが、予想通り安っ!てなわけで、事前告知したとおり倍の額にあたる2万6700円寄付することに。全国的にはあまり注目されていないけど長野では時折ニュースになる栄村の震災復興に役立ててほしい、ちょうど長野県にもいることもあるしね。やっと半分くらい仮設住宅が建ったそうである。
・午前中ラジオ体操(「刑務所アレンジ第一」)と有名な「天突き体操」というものをやった。刑務所バージョンは確かに手の動きがシャープな感じ。小学校の頃にやったのんびりバージョンとは全く異なる。どうやらこれを訓練中はハードトレーニングするようだ。天突き体操はスクワットをやりながら両手を天に突くような感じ。けっこう疲れるよ。
・刑務所というのは、全体予算の7割くらいが人件費で2割ぐらいが食事とかの予算になっているらしい。んで、食事は一日あたり400円/人くらいらしい。そりゃ、スポーツドリンクとか無理っぽいよね。
・今日は面会があった。2週間に1度、30分間と短いのだが、この時間のために頑張っているようなものだ。面会では自分からテレビの話題とか出しちゃって、なんか本当にテレビっ子みたいだよ。
・午後は地獄のトイレ床掃除。高齢者が多い我々の職場では、最後に汗だくになって床を拭かなければらなない。雑巾がチン毛まみれである。作業終了後に若干の拭身の時間はあるが、今日は告知等の雑務が多く、しかも右手を濡らせないので時間がなく、体中汗まみれで気持ち悪いまま週末を迎えることとなった。ウツである。まぁ、グチを言っても仕方ない。懲役なんだから汗ベトベトも我慢の内。月曜日の風呂を楽しみにすることにしよう!
・んで、運動会。大運動場に全員が集結。我々は隅っこで、さらに私は「奥にいろ」と言われたので目立たないように。我々の工場は応援のみ。ほかは段ボールに絵を描いて立て看板にしたり、メガホンやら扇子やらで、応援コール。我々は座って、ただただ観戦するだけ。行進もラジオ体操もなし。競技は160m走とかリレー、350m走、ホールインワンゲーム、一升瓶の水入れ競争など聞いたことのない競技も多々。年齢制限がある競技もあったりする(30歳未満とか40歳以上とか)
。1~4位のポイントを加算して順位が決まる方式で応援とか行進とかでもポイントが加算さえる仕組みらしい。参加している工場は一丸となっていて結構楽しそうだ。聞いたこともない「LAS COLA」というコーラだけは競技中にも飲めた。幸い天気は快晴で昼間は暑いくらいだったので久々の炭酸を堪能した。競技の中休みに(たぶん)近所の幼稚園のマーチングバンドが数曲踊りを交えて演奏してくれた。なんと、20年以上もアトラクションをやてくれているのだそうだ。こりゃ小さな子供を残して刑務所にいるお父さんたちには、グッと”クル”ものがあるだろうねぇ・・・。涙なしには観られないわ。まぁ、保母さんを見るのが目当ての邪心たっぷりの人々も大勢いるけどね(笑)。
・衛生係は何でも屋。故に慣れない針仕事もやる必要がある。ボタン付けは自分の分であれば多少醜くてもよいのだが、他人の分はちゃんとやらねばならぬ。小学校の家庭科以来だよなぁ・・・。出所することにはうまくなている気がするね。
・9月の作業報償金はやっと1ランクUPして9等工になり、1296円であった。一緒に働いている仲間たちの分も含め、この金額の10倍を長野県は栄村の震災募金にあてる。
・どうもTwitterとかでも「刑務所のメシを旨い」と言っている私が変である風に言う人がいるが、マジ旨いんだって。今日のチキンカツなんか肉は柔らかいし、ジューシーでカリッと揚げたてだ。ファミチキなんか油ギトギトなのに、たぶん刑務所のチキンカツより値段も高いはずだよ。願わくばもっと味付けを濃くして欲しいけどね。
・んで、誕生日お祝いの写真だけじゃなく、数日の検閲を経てたくさんの友人たちのメッセージが書かれたバースデイカードが届いた。数十枚にもわたるそのレターは、最初は写真が貼りつけられたり、きらびやかなシールが貼られていたのだけれども、刑務所にはそのままでは入らないのでコピーを取ってもらい、それを郵便差し入れで入れてもらったのだ。写真と一緒に眺めているとみんなと一緒に誕生日パーティをしているような気分になってきた。3畳間でたった独りのバースデイパーティ。でも、これまでの誕生日祝いのなかでもこんなに心に染み入るバースデイパーティは初めてだ・・・。なんて、こんなことを書いていたら泣けてきちゃったよ。これから面会回数が増えてみんなと面会できるようになったらいいなって思う。みんなの優しさにありがとう。
・午後は慰問園芸会。総集(全員参加)行事だが、受刑者数百人の後ろが我々の定位置。演者ははるか向こうである。いやぁ、レーシックしておいてよかったよ(笑)。青木音楽事務所というところの歌手5人が出演。妙齢の女性歌手が演歌や津軽三味線、果てはエレキギターまで演奏し、司会はオカマキャラの男性ものまね歌手。微妙な芸にどこで笑っていいか戸惑う受刑者たち。デビューしたばかりという新人女性歌手は一人でAKBの「ヘビーローテーション」を歌いながら登場。物悲しさに拍車をかけた。〆は、美空ひばりさんの「川の流れのように」。昨年の慰問演芸会も同じ青木事務所だった模様で、先輩は演目もほぼ前年と一緒だったと嘆息。施設側は我々を楽しませるためにやっているのか?それとも・・・、老人ホームの慰問と同じノリなんだろうか?私たちは社会の底辺の存在なんだから来てもらっているだけで満足せい!ということなんだろうなぁ・・・。
・作業報償金は毎月報告している通り、1000円ちょっと/月の微々たる額で、やっと最近まとまった買い物ができるようになった程度で、実質的に領置金での月1回の購入しかチャンスがないわけだ。しかも、注文して手元に届くのは約3週間後(日用品の場合)。書籍に至っては1ヶ月以上かかるので、面会の時に差し入れてもらうのが一番早いので、お願いしているのだ。しかも面会差し入れなら次の日には入るからね(まぁ、在庫があればだけど)。刑務所というのは面倒臭いところなのだよ。毎日、細心の注意を払いながら生活しないと、ものすごく不便や不利益を強いられることになる。手紙だってNGワードがあったら検閲と訂正で発信が2~3日遅れてしまうからね。
・午後は「年忘れのど自慢大会」。全員集合の行事だ。運良くストーブの近くの席だったので寒い思いをせずにすんだ。所長や歌謡クラブの先生など審査員4名に加え、ゲストの演歌歌手の3名に司会までいる。しかも、篤志面接委員の方々が用意してくれたらしいドハデな衣装に丸刈りの各工場代表が身を包み、カラオケを熱唱する姿は微笑ましいものがあります。最初に刑務官が、私語禁止、かけ声(特に大声での)の禁止、応援は手拍子のみとアナウンスしたので、司会の人が「こんにちは」と、その後にあいさつしても「こんにちは」と返せないのが悲しい囚人の性なのです。一言でも喋ろうものなら注意指導をされてしまうのではないかとビビってしまうから。「あいさつには、あいさつで返すのだよ」と諭され、刑務官達から「返していいよ」っぽいアイコンタクトをされて、やっと皆安心して「こんにちは」のあいさつをするという感じ。”年忘れ”には程遠い雰囲気だったものの、数人がパフォーマンスをして、歌のうまい人が何人か出てくると自然と手拍子も弾んでいい雰囲気になってきていた。途中、「イヨッ、大将!」みたいな感じのかけ声をかけた人がいて、刑務官が怒って犯人を躍起になって探していたが、結局見つからず。そんなハプニングもありましたが、1/3くらいの人がNHKのど自慢でも合格レベルで意外に高いレベルであると思いました。ゲストの方々も審査中にそれぞれ持ち歌を歌っていましたが、これも先日の慰問よりはるかにレベルが高く、さすが「のど自慢」というだけのイベントであったなぁと。入所以来一番楽しめたイベントだったかもしれない。ダンスパフォーマンスする人とかいたし。
・長野刑務所には様々な所から受刑者がやってくる。静岡、東拘、川越、新潟、横浜などなど。飯の話になると長野のレベルはどうやら高いとわかる。味付けはどうかというと、長野や東拘はちょうどいい感じらしい。川越は少年刑務所だからか、味が濃い目なのだそうだ。静岡は薄味らしい。いろいろと個性があるのだね。
・12月22日(木)の昼メシは、麦メシ、スパゲッティナポリタン、厚焼き卵、ほうれん草ごま和え、ミルクコーヒー、ショートケーキ。ケーキは1ピースであるがチョコレートのプレートと砂糖で出来たサンタさん付きという豪華版。ちゃんと一人一人にサンタが付いているとは芸が細かい。イベント事に対して、妙に力が入るのは官の特徴である。このケーキはクリスマスのケーキなのだろうか?それとも天皇誕生日のケーキ?頑なに「平成」の元号を書類に使う(西暦は絶対に使わない)官のメンタリティを考えると、天皇誕生日説が有力である。余談になるが食後の皆の感想は「楽しいことは一瞬で終わるね」と異口同音に。たぶんだが、ケーキは一年に一度のお祭りなのだろうな。
<目次>
堀の中から皆さんへ
モヒカン頭で報道陣にもみくちゃにされて出頭!
マンガ刑務所入門①収監準備篇
1週目 東京拘置所で丸刈りに。山下清みたいだよ・・・。
2週目 長野刑務所へ!いろいろ切ない夢を見た・・・。
3週目 ずっと一人で独房。ウツになってきた感じ・・・。
マンガ刑務所入門②しきたり篇
4週目 作業報奨金267円。安っ。100倍を寄付!
5週目 天突き体操はキツイ!体重10キロ減目前だ。
6週目 介護衛生係に配役。鈴木宗男さんと同じ!
マンガ刑務所入門③刑務作業篇
7週目 忙しいのはいいことだ。休日返上で働きたい。
8週目 なんだか今日は下の世話が多かったな・・・。
9週目 刑務所も夏休み。羽アリが大量で寝苦しい!
マンガ刑務所入門④差し入れ篇
10週目 尿検査に引っかかった!一難去ってまた一難。
11週目 ルーティンワークが苦手な私の”集中”の極意。
12週目 腎臓結石が見つかった!結構デカイらしい・・・。
マンガ刑務所入門⑤獄中メシ篇
13週目 地獄のトイレ床掃除。雑巾がチン毛まみれ・・・。
14週目 茂木健一郎さんが面会に!「修行僧のようだ」って。
15週目 グラウンド10周!久しぶりに走ってサワヤカ。
マンガ刑務所入門⑥情報収集篇
16週目 やる気が湧いてきた。出所したら事業がんばるよ。
17週目 ジョブズ死去を独房で聞いた。残念すぎる!
18週目 痔が痛い。「上」のちり紙にしようかな?
19週目 うぅっ・・・刑務所で初めての挿入体験!
マンガ刑務所入門⑦病気篇
20週目 3畳間でたった独りの誕生日パーティ。
21週目 ロシアロケットの父に倣って気合を入れねば!
22週目 慰問演芸会の”一人AKB”が物悲しい・・・。
マンガ刑務所入門⑧行事篇
23週目 オリンパス事件、あまり不平等だと心がザワつく!
24週目 イチオシメニューのメンチカツはやっぱ最高!
25週目 「金の亡者」みたいに言うのはやめてほしい。
マンガ刑務所入門⑨面会篇
26週目 受刑者の「年忘れのど自慢大会」は高レベル!
27週目 精神的豊かさのために「虚業」こそ必要になる!
28週目 田原総一朗さんが面会に。ものすごい質問攻め。
29週目 一人ぼっちの大晦日。暗黒の一年が幕を開けた・・・。
マンガ刑務所入門⑩年越し篇
刑務所図書館 堀の中の書評ベスト150
面白かった本まとめ(2012年上半期)
<今日の独り言>
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