ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

松の木、第1号、2003年09月03日発行

2007年01月05日 | 教科通信「松の木」
松の木、第1号、2003年09月03日発行

  浜松市積志公民館  哲学講習会の教科通信

 まず、「講座要綱」として、こういう講座を目指しますというこ
とをお話します。

1、この講座の目的

哲学とは筋道をつけて考えることとします。従って、その練習を
します。

 つまり「自分で考えること」が目的です。各自が「自分の考えを
自分にはっきりさせ、更に発展させること」が目的です。特定の考
えを聞いて理解して覚えることが目的ではありません。又、自分の
考えを他人に主張したり宣伝したり押しつけたりすることが目的で
もありません。自分の考えを主張したい人は行動によって主張する
べきでしょう。

 従って、話し合いでは互いの考えの異同を確認して自己反省を深
めることを目指します。相手を言い負かしたり、説得したりするこ
とが目的ではありません。そもそも議論で勝つのは、大抵の場合、
口がうまくて押しの強い人だと思います。相手を黙らせた方が正し
いとは言えないと思います。

2、この講座の方法

 (1) 講師の方で問題を出し、考えを広げ深めるのに役立つであろ
う参考資料を出す。

 (2) 受講生同士で話し合う。

 (3) 休憩を入れる。

 (4) 自分の考えをレポートにまとめる。

 (5) 教科通信を発行する。

つまり、話し言葉と書き言葉を混合して使い、視聴覚資料も適宜
使うようにします。休憩は気分を転換し、視野を広げるために、何
かのVTRを見たり、何かを読んだりします。テーマと関係がある
かないかはどうでもいいと思います。

3、各回の講座の進め方

 (1) 教科通信を読む(約10分)

 (2) テーマについての説明、解説、教材の視聴など(約30分)

 (3) グループでの話し合い(約20分)

 (4) 休憩(20~30分)

 (5) レポート執筆(約30分)

4、今回予定しているテーマ

 (1) 自己紹介とは何か。

 (2) 小柴さんは「どんな偉い人の言うことでも、間違っていた
  ら、その場で言え」と言うけれど。

 (3) 話し合えば何でも分かり合えるのか。

 (4) 論理的に考えるとはどういうことか。

 (5) 浜松を活性化させる秘策。

「一応」このような「予定」を立てましたが、講座としては、結
論をあせらず、出てきた問題を丁寧に考えていくようにします。そ
もそも結論が決まっていたら「考える」ことにならないと思います


 ですから(1) から(4) のテーマは必ずしも取り上げるとは限りま
せんし、順序が変わるかもしれません。

 (5) のテーマは必ず第09~10回で、それ以前とは一応独立して
(関連が出来ればそれもよし)、「卒業論文」として取り上げます
。今から準備しておいてください。

5、講座に臨む態度ないし心構えについて

 (1) つねに自分の経験と結び付けて考える。

 (2) 自分の言いたい事を全部分かりやすく言うように努力する。

 (3) 相手の言う事を最後まで聞くように努力する。

 (4) 感情的にならないように努力する。根拠をあげて客観的に冷
静に意見を言う。

(5) 講師は先を急がないようにする。受講生のレポートなどで問
題に気づいたとき、自分の意見を言う前に、受講生に問題を提起し
て考えてもらうように努力する。

6、考えを広げ深めるために

 (1) レポートはメモをとって3分は考えてから書く。日付を入れ
ること。

 (2) 「その他」としてテーマとは無関係な事、私生活上のことと
か、講座の感想とかを書いてよい。書いて欲しい。

 (3) 全員、筆名を決め、それを使っていただきます(途中で筆名
を変えない)。

 (4) 「教科通信」に載せられては困ることは、その旨記して下さ
い。

 (5) 「教科通信」を家族に見せたり、講座の事を家族や友人・知
人に話したりすることを歓迎します。そこで聞いた意見をレポート
で報告するのも大いに歓迎します。

 (6) 講師はレポートには感想を書いて返すように努力します。

(7) レポートは何に書いても構いません。講座中はメモ用紙に書
き、後で原稿用紙やワープロで清書するのもよし、初めから原稿用
紙に書いてもよし。それを、最後にまとめて綴じて文集にします。

 (8) 文集は同じものを2部作り、2部共提出していただきます。
講師は1部を自分に取り、1部に感想を書いて返すように努力しま
す。

   文集の提出期限は最終回の1週間後とします。

7、講座のあり方の反省

 この講座が根本的に間違っていると考えた場合は公民館に相談し
て下さい。

 以下は、「この講座は根本的には適当だが、部分的に改善して欲
しい点がある」という立場で考えるものとします。

 (1) レポートの際いつでも「その他」として講座の感想・提案を
書いて結構です。

 (2) アンケート「より良い講座のために」を中間と最後の2回取
ります。

 (3) 講座のあり方の最後的決定権は講師にあります。

8、その他

 (1) 配付する資料等は A4 に統一しますので、 A4 のファイルを
用意して下さい。

 (2) 講座中、気持ち悪くなったり、トイレ等の用のある人は、断
らないで、黙って出ていって下さい。

 (3) 毎回札を配って別の席に座るようにします。

 (4) 3~4人で1つの班に成るようにしてください。5人以上は
拙い。

 (5) 希望。内容のある楽しい講座にしたい。

9、今日のテーマ

 ・・この「講座要領」を聞いて考えたこと

 最低でも3つの点について自分の考えをまとめて下さい。

 話し合いではその全部について話し合わなくても結構です。

 レポートにはなるべくその3点をみな書いてください。

10、講師の自己紹介

 1939年、東京に生まれる。

 1960年の安保闘争の中で直面した問題と取り組み、ヘーゲル哲学
を介して考える中で、生活を哲学する方法を確立した。

 ドイツ語教師としての活動の中で、関口存男(つぎお)氏のドイ
ツ語学を受け継ぐ。言葉を科学するということを提唱している。

 主たる著訳書

 『生活のなかの哲学』(鶏鳴出版)
 『哲学の授業』(未知谷)
 『辞書で読むドイツ語』(未知谷)
 ヘーゲル『精神現象学』(未知谷)