ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

教育の広場、第 100号、いわゆる拉致事件に思う(その4)

2005年12月09日 | ヤ行、ラ行、ワ行
 拉致事件についての「その3」(2002年10月10日発行)で私は、多くの人と共に、北朝鮮による日本人の拉致の謝罪と補償などは、日本による朝鮮人への犯罪の謝罪と補償とで「相殺」すべき事柄ではなく、それぞれ別個にしかるべく処理すべきだ、と述べました。

 では、日本は朝鮮人に対する犯罪(植民地化、徴用つまり強制連行、従軍慰安婦など)をしかるべく謝罪し、被害者に補償してきたでしょうか。

日朝交渉の行われた(2002年)09月17日以降の新聞だけにでも以下のようなことが出ていました。

1、10月02日の朝日新聞「声」欄には、岐阜県朝鮮人強制連行真相調査団の事務局長という肩書の加藤明さんが、1998年10月、岐阜県内の事業所に強制連行されて就労させられた朝鮮人の名簿をもって訪韓したことについて投稿しています。そして、過去の苦い経験を生かして日朝交渉を進めるべきだと論じています。

ついでに。最近のノーベル賞で話題になっていますスーパーカミオカンデは神岡鉱山の跡地に作られたものですが、この鉱山でも2千数百人の朝鮮人が働いていたそうです。

2、10月24日の同紙の静岡版は、静岡平和資料館をつくる会が主催して、シベリア抑留の悲惨な事実を伝える展覧会が開かれた、と報じています。しかし、ここでは、日本が捕虜をどう扱ったかについての資料は展示されていなかったようです。

3、10月26日、東京で市民団体が主催して討論集会を開いたそうです。その席で、在日朝鮮人の金石範さんは、北朝鮮の犯した犯罪を謝ると同時に、反朝鮮の感情をあおるメディア報道は在日への暴力だとし、関東大震災での朝鮮人虐殺や植民地支配に関する責任を日本はずっと放置してきた、と追及しています。

4、10月30日の朝日新聞は、鹿児島県議会が高校生の修学旅行先から南京虐殺記念館をはずすように求めた議決をしたことについて、その記念館から抗議文がきたことがわかった、と報じています。

 韓国のソウルには独立記念館があって、日本が朝鮮人の独立運動をいかに残虐に弾圧したかをロウ人形を使って展示してあるそうです。ソウルは今や旅行先としてとても人気があるそうですが、どれだけの日本人がここを訪問しているのでしょうか。

5、APECの首脳会議の際の会談で、江沢民中国国家首席は小泉首相に対して3度にわたって「靖国神社参拝を止めるように」求めたそうです。

 以上、朝鮮と直接は関係しないことまで書きましたが、本質的には同じ事だと思ったからです。

これらの事を手掛かりにして考えると、日本が朝鮮人に対して行った犯罪を謝罪し補償するということは、以下の事になると思います。

1、総理大臣は靖国神社参拝を止めること。

2、日本と外国との関係の歴史を、特に両国間で戦争や植民地支配によって起きた犯罪関係の歴史を一緒に調べ、学校で教えること。そして、これに反対する動きを許さないこと。

3、被害を受けた人に対しては個人補償をすること。

4、在日の外国人、特に朝鮮人を始めとするアジア人に対する迫害や嫌がらせを政府が止めさせること。

 北朝鮮による拉致事件を追及をする我々日本人は最低限、これらの事を同時に考えていくべきだと思います。そうすれば、日本は世界で尊敬される国になると思います。

(2002年11月03日発行)