ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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教育の広場、第 105号、ノーベル賞授賞式に思う

2005年12月04日 | その他
教育の広場、第 105号、ノーベル賞授賞式に思う

 今年のノーベル賞は田中耕一さんが受賞者の一人となったために
わが日本では特別の大フィーバーになりました。しかし、それも12
月10日(現地時間)の授賞式でそろそろ終息に向かっていくと思い
ます。

現地での日本のマスコミの過熱取材については14日の朝日新聞に
ストックホルムに住んでいるジャーナリストのビヤネール多美子さ
んという人が苦言を呈しています。

その趣旨は、今回の取材の過剰ぶりと、他の国際問題の無視との
落差があまりにも大きいということだと思います。氏は、ストック
ホルムで1996年に開かれた「子供の性的搾取に反対する世界会議」
には世界のジャーナリストが約 500人集まったが日本からは女性記
者がたった1人、ロンドンから1人きただけだったといった例を挙
げています。

日本のマスコミの見識の無さは本当にひどいものだと思います。
今回のいわゆる拉致事件についてもそうですが、これは述べました
。今日は赤穂浪士の討ち入りの記念日ですが、そしてこの日は毎年
大々的に報じられますが、今年は特にその 300周年だそうで、一段
と大きく報道されています。

しかし、昨13日の南京大虐殺の記念日にはそれに関する報道はほ
とんどなかったと思います。1997年には60周年だということで少し
報道がありましたが、それ以外の年は無視しています。NHKラジ
オに「今日は何の日」という番組があり、毎朝2回放送しています
が、それも同じです。

しかし、今回はそれは論じません。舞踏会のことを考えたいと思
います。

ノーベル賞授賞式にはそれに続いてノーベル財団主催の晩餐会が
あり、その後には(多分、その晩餐会の一部としての)舞踏会が開
かれるそうです。その舞踏会のことを気にして「(参加を)勘弁し
てほしいです」と言っていた田中耕一さんは、その参加が義務では
ないことを知って以来「それなら踊りません」と言っていたそうで
すが、実際にも参加しないで宿舎に帰ったそうです。小柴昌俊さん
もやはり舞踏会には参加しなかったそうです。

何となく残念に思いました。小柴さんはアメリカに10年以上留学
していたそうですし、田中さんも島津製作所の英国子会社に何年か
出向していたそうです。その時にこういう舞踏会なりダンスパーテ
ィーなりの経験をしなかったのでしょうか。イギリスは社交ダンス
の本場だというのに。

その経験があれば、ノーベル賞の晩餐会の舞踏会などというもの
はうまく踊る必要はなくただ礼儀だけ守っていれば済むもののはず
ですから、それほど苦にする必要がなっかたし、楽しめたと思いま
す。そうすれば我が日本の女性田中ファンの喝采を博したと思いま
す。

少し大げさに聞こえるかもしれませんが、日本人が欧米の文化を
学ぼうとする場合、何か根本のものが落ちていて、結果だけを学ぼ
うとする傾向があるのではないでしょうか。特に顕著なのはキリス
ト教を知ろうとしないで欧米の文化を知ろうとする態度ですが、向
こうに留学してもあるいは滞在しても教会に一度も行かない人が多
いようです。

私の狭い知識によりますと、ドイツでは子供は14歳前後になると
特定の異性との交際を始めます。これは異性との交際の勉強をする
ためですが、ダンス学校に通うために相手が必要だということもあ
ります。そこで子供たちは礼儀などを学ぶのです。

日本ではダンススタジオは風俗営業法の対象になっているそうで
すが、ドイツのダンス学校は社交場のような感じです。青年も大人
もみなカップルで習いにきます。従ってレッスンは集団講習です。

 日本人のノーベル賞受賞者はこれまでも10人いたそうですが、こ
れまでの人たちは舞踏会に参加したのでしょうか。

(2002年12月14日発行)