日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 いま中国では全国各地の党組織で会議が開かれ、

「『十七大』路線を貫徹しよう!」

 との声明を発表することがブームです。といってもこれは自発的な行動ではなく、5年に1度開かれる党大会直後に行われる上意下達式のしきたりというべきものです。声明も「賛同する!」なんて偉そうなものではもちろんなくて、そこは上意下達ですから「ちゃんと学習します!」調。民主集中制とはそういうものです。

 もちろんその全てがニュースになっている訳ではありませんけど、「××省党委員会」とか「××部党委員会」ぐらいレベルの高い部署のものはひとつひとつちゃんと記事になっているので、「新華網」(国営通信社・新華社の電子版)などで記事を漁っている私にとってはうざったくて仕方ありません。

 うざったいのですけど邪険に扱えないのでいよいよ面倒です。とは、こうした会議はその部門のトップが演説して締めくくることが多いのですが、新指導部人事が始動したところですから、そのトップひとりひとりの肩書きに目配りする必要があります。

 例えば広東省党委員会もさきごろ同様のしきたりを行っていますが、会議を主宰し演説したのは張徳江・省党委書記。中央転出とか来春副首相に昇格するかもといった情報が流れる一方、政治局委員入りした汪洋・重慶市党委書記が広東省党委書記になるというニュースも流れており、張徳江の動静が注目されているところです。……が、とりあえずこの会議の時点ではその地位に変動のないことが記事に出てくる肩書きでわかります。

 仕事ではなく、娯楽としてこういうちまちまとした作業に悦楽を感じつつ、そこになにごとかを見出して暮夜ひそやかに独り笑みを浮かべる、というのは我ながら不健康で一種のヲタなのだろうと思います(笑)。

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 で、以下は「『十七大』路線を貫徹しよう!」を体現したものなのかどうかはわかりませんけど、10月27~28日に南京軍区で軍事演習が実施されています。図上演習をやってから兵隊を動かして実戦さながらの対抗演習。水陸両用の装甲車両による突破、低空をキーブした戦闘ヘリによる上空掩護、といったこの演習のテーマはどうやら強襲上陸。

 まあ南京軍区といえば台湾侵攻を担当する軍区ですし、以前紹介したように、胡錦涛人事によって同軍区参謀長から司令員(軍区司令官)へと昇格して間もない趙克石・中将は対台湾作戦のエキスパートだそうですから、何のために強襲上陸作戦の腕を磨くのかは言わずもがなのことです。

 「十七大」の総書記報告では台湾問題についてアメとムチのうち「対話」というアメを強調してみせた胡錦涛ですが、ムチがあることも忘れるなよ、という台湾向けのメッセージなのかどうか。あるいはこれは台湾だけでなく、尖閣諸島や先島諸島あたりをも念頭に置いた、日米同盟への牽制球なのかも知れません。

 個人的には日米との軍事衝突になる以上、まず尖閣諸島を占領してみせるということはないように思います。どうせやるのなら主作戦はあくまでも台湾侵攻でその中に尖閣占領を含ませるか、あるいは台湾占領後に熟柿が落ちるのを待つようにして尖閣を支配下に収めるかのいずれかではないかと。……あくまでも軍事のことはわからない素人考えですけど。

 ただ尖閣問題を中国が軽視していないことは、「台湾の統一と領土の保全」を現段階における歴史的かつ神聖なる使命と事あるごとに強調していることでもわかります。

 で、以下は「『十七大』路線を貫徹しよう!」を体現したものなのかどうかはわかりませんけど、……と繰り返しになりますが、上述した南京軍区の演習に呼応するが如く(実際には単なる偶然だと思いますが)、「保釣運動」(「保衛釣魚台運動」=尖閣防衛運動)の連中がまたぞろボロ漁船を進発せしめました。という訳でようやく本題です。

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 この件、日本でも報じられています。第一報は共同通信で香港メディアの情報も主にこれに頼っているのですが、何やらこの記事、事態を勘違いしている気配が濃厚です。

 ●中国の抗議船、尖閣諸島へ 領海付近到着、上陸目的か(共同通信 2007/10/28/19:56)
 http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007102801000421.html


 同じ共同電でも『産経新聞』(電子版)の方がやや詳しい内容になっています。



 (1)中国の抗議船、尖閣諸島へ 上陸目的か(MSN産経ニュース 2007/10/28/18:45)
 http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007102801000421.html

 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を主張する香港の団体「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」は28日、中国本土を出発した抗議船が現在、尖閣諸島に向かっていることを明らかにした。船には中国人4人が乗り込んでおり、上陸を目指しているとみられている。

 日本政府は28日夕、首相官邸の危機管理センターに官邸連絡室を設置した。

 保釣行動委などによると、抗議船は25日に出発。28日午後5時40分(日本時間同日午後6時40分)ごろ、日本の領海付近に到達した。日本の海上保安庁の巡視船とみられる複数の船が、航路をふさいでいるという。出発地は明らかにしていないが、福建省アモイとみられる。

 尖閣諸島は沖縄県石垣市に属しているが、台湾と中国が領有権を主張。保釣行動委などがたびたび抗議船を出しており、2004年3月には活動家7人が上陸、沖縄県警が入管難民法違反の現行犯で逮捕した。06年10月には保釣行動委が台湾の活動家らとともに船を出して上陸を目指したが、日本側に阻止された。

 保釣行動委は今年8月にも出港を計画していたが、香港政府が直前になって船の船舶登録証を取り消したため中止に。背景には日中関係に悪影響を及ぼすことを懸念した中国政府の意向が働いたとの見方が強い。(共同)




 香港の「保釣行動委員会」は実在する組織ですし、昨年のちょうど今頃には実際に尖閣諸島に向けて船を出しドタバタ劇を演じています。

 ●はいはい保釣保釣。(2006/10/23)
 ●尖閣近海に中国海軍展開!なのに主役は台湾沖でヨタヨタ。(2006/10/25)
 ●【本番】保釣漁船が尖閣近海に到達、海保巡視船が接敵行動へ。(2006/10/27)
 ●【尖閣】予定調和の公開処刑で中共もホッとひと安心?(2006/10/28)

 今年の計画が流れたのは上の記事の通り。実は船出した昨年も元々8月15日に尖閣諸島海域到達の計画でボロ漁船改たる「保釣二号」のメンテを広東省で行っていたら、地元当局から難癖をつけられて出港を差し止められ、出発が約2カ月遅れています。

 この記事のポイントはメンバーが香港人ではなく「中国人4人」となっていること、そして出発地が福建省アモイ市と推測されていることです。どうやら中国本土側の自発的行動めいていて、また「中国サイドも寝耳に水」という状況(後述)から、香港の「保釣行動委員会」は一切関与していないように思えます。

 先に今回の事件の展開を示しておきます。ボロ漁船は例によって海上保安庁の艦艇による巧みな操船技術によって行く手を阻まれ引き返した模様。



 (2)中国活動家の船、一時領海内に=尖閣諸島の領有権主張-海保巡視船が警告・沖縄(時事通信 2007/10/29/01:46)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2007102800207

 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張する中国の活動家が乗り込んだ船が28日夕、同諸島・魚釣島沖の領海に入った。第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船が退去するよう警告し、約1時間20分ほどで領海外に出た。船は同日夜から西に向けて航行し、巡視船が追尾。船は29日未明に日中中間線を越え、中国側に引き返した。

 11管によると、中国船は青色で、船名とみられる「※龍漁F839」(※=門ガマエに虫)との文字が書かれている。船体には、尖閣諸島の中国領有権を主張する内容の横断幕が掲げられていた。

 11管の巡視船が午後5時35分ごろ、魚釣島の西約27キロの海上を、同島に向かって航行している中国船を発見。同船は中国の国旗を掲げ、6時22分ごろに領海に入った。

 巡視船が領海から出るよう警告。中国船は約1時間後、魚釣島西約20キロ付近で反転し、同7時35分ごろには領海を出た。同船はしばらく近くの公海上でとどまったが、スピードを上げて中国の方向に航行を続けた。




 海上保安庁のみなさん、毎度毎度のことで本当にお疲れさまです。日本の海を護って下さったことに心から感謝致します。

 本当なら領海侵犯時点で漁船を拿捕して、手続き通り乗員は逮捕して日本に連行。続いて起訴そして判決と司法の場でサクサクと裁くべきであり、それが筋であり道理というものです。でもきっと上から「そこまではやるな」との指示が出ているのでしょう。あーあ。


「下」に続く)




コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
ディープすぎw (ハメ次郎)
2008-04-09 20:58:56
喉の奥まで咥えられるってあんなに気持ちいいんすねww
てか、反り具合がいいからって+2○○○○してくれたよ。。
イミフなんすけどwwwww( ´,_ゝ`)プッ
http://web-cafe.net/room/doldol/57zpmPhA.html
 
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