なにまた尖閣問題?……と言われそうなのでサッカーの話から入りますか。
10月25日に東京で行われた日本代表と中国代表の親善マッチ。どちらもU21(21歳以下)代表チームです。ところが2004年に北京で開催されたサッカーアジアカップ同様、今回の試合を「抗日の絶好の機会」と意気込んでしまう中国の糞青(自称愛国者の反日信者)はじめネットユーザーのイタさをどうしたらいいのでしょう。
たかがサッカーの国際親善試合まで「政治」しかも反日活動に昇華させてしまうのは、江沢民による反日風味満点のヒステリックな「愛国主義教育」をたっぷり浴びて育った「亡国の世代」だからでしょう。ざっくりとした言い方なら30歳以下は汚染されています。
先日紹介したように胡錦涛はこの「愛国主義教育」から反日色を薄めつつある気配がするのですが、「亡国の世代」が社会の中軸を担うこれから約20年間は当然ながら「亡国の時代」ということになるでしょう。
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現実を現実と割り切る事の得意な中国人であっても、刷り込まれてしまった生理的嫌悪感、そして中国人特有の病的に高すぎるプライド&病的に強すぎるコンプレックスが作用してしまうこともあるでしょう。
経済的にダメダメだった20年前はそれが危機感として表に現れ民主化運動などに発展しました。歪んだ構造ながら経済発展を実現している現在は危機感の裏返しで増長・慢心モードといったところです。
いま現在ですでに「中華の復興だ」という言い方をニュース記事や評論で散見することができます。過去に世界四大古代文明(でしたっけ?)の一角を担ったという栄光に浴したばかりに、それが逆に重荷になってしまって何だか可哀想でもあります。
何事も常に極端から極端へふれてしまう「何をやっても大躍進」病もこの過去の栄光という重荷、それに重荷を背負っているがゆえの病的なプライド&コンプレックス、そして数千年の伝統を持つ愚民教育あたりが根っこなのかも知れません。
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ああサッカーの話でした。敵地に堂々と乗り込んで小日本に快勝してホームチームたる日本側の面子を潰し、それによって「抗日」の達成感に酔う。……というこれまた病的な発想です。でもそれが糞青クオリティ。試合当日まで大手ポータル掲示板のサッカー板などは期待感にあふれて反日板のようになっていました。
そしてワクテカの試合結果は……。
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●サッカーU21:日本が2-0で中国破る 8月に続き連勝(毎日新聞 2006/10/26/00:06)
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/soccer/news/20061026k0000m050091000c.html
08年北京五輪を目指すサッカーの21歳以下(U21)日本代表とU21中国代表の国際親善試合が25日、東京・国立競技場で行われ、日本が2-0で勝った。前半17分に梶山のゴールで先制。後半37分に平山が追加点を挙げた。
自国開催の五輪に向けて強化を進める中国は、来日メンバー20人の半数以上がフル代表経験者(日本は3人)だが、8月に中国で行われた試合に続いて日本が連勝した。(中略)
○日本2-0中国●
日本がほぼ一貫してペースを握った。前半17分、中盤でルーズボールを得た苔口が、左サイドのオープンスペースへパス。走りこんだ増田がクロスを上げ、梶山が頭でゴール左すみにたたきこんで先制した。その後はチャンスで決めきれなかったが、後半37分、右からの中村のクロスを相手GKがはじいたところを平山が押し込んだ。中国は中盤でのパスミスが目立った。シュートこそ10本を放ったが、終盤にはゴール前での決定機を逃し、無得点に終わった。(後略)
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ということで、糞青のたまり場もサッカー板もどんよりしてしまいました。
記事にもありますが、何せ8月にも中国のホームで2-0で日本に負けている上に、意趣返しとばかりにA代表組を大量に送り込んだのにまた2-0で完封負け。サッカー板には、
「もうサッカーに抗日を託すという妄想はやめよう」
なんてスレッドが立っていましたが、これは、
「日本と試合をしてもどうせ負けるから期待するのはやめよう」
という趣旨で、そもそも「サッカーで抗日」という発想に問題があることには誰も気付いていない様子でした(笑)。愛国主義教育の発露ですね。
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そうやってヘコんでいた糞青どもがにわかに活気づいたのが尖閣問題、例の「保釣運動」です。
香港の活動家などを乗せた小型漁船「保釣二号」が10月22日に香港を出港。ところが外洋を甘くみて悪天候下の台湾海峡を強行突破しようとしたために高波に散々がぶられて機関が故障したり船体が揺れた弾みで頭を打って脳震盪を起こす奴が出たり。もちろん船酔い続出で甲板は麻婆豆腐。
香港紙『明報』電子版によると、台湾沿岸に達した「保釣二号」は台湾当局の妨害もあって入港することができず、きのう(10月26日)夜の時点では何とか船をチャーターした台湾の活動家たちと台湾沖にてようやく合流、故障及び損傷部の修理を終えて、出撃態勢が整った模様です。これが日本時間の午後9時ごろ。
http://hk.news.yahoo.com/061026/12/1vbfp.html
もっとも、中国本土の糞青どもは外交部から出た関連声明で保釣漁船の突撃計画があることは知っていたものの、報道管制?のためここまでのドタバタぶりを詳しく知りませんでした。
それが一転、歓声に変わったのが前回お伝えした「中国海軍が東シナ海で実弾射撃演習、尖閣諸島からわずか300km」というニュース。この演習通告が出るとともに、中国本土からもアクセスできるシンガポールの親中紙電子版に演習の詳細を報じた『明報』からの転載記事が載ったりして糞青どもが湧き立っています。
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湧き立たせちゃっていいのかなー、と思うのですけど。まあ苦渋の選択ではあるでしょう。これまでは護衛をつける訳にもいかないから尖閣漁船はいつも日本の海上保安庁に包囲されたうえ公開処刑。そのたびに政府は弱腰だとか海軍は何をやっているかなんて怒りのコメントがネット上に寄せられるのです。
これ以上同じケースを繰り返していたらネット世論も海軍もキレかねない。だからこの2年ばかりは保釣漁船出動の気配があれば事前に芽を摘んできたのですが、今回はとうとう香港から「保釣二号」が出撃してしまいました。
そこで苦渋の選択、近海での実弾射撃演習ということになったのでしょう。演習実施について胡錦涛のOKが出ているなら日本側にも耳打ちしてある筈です。そうして日本側にアドバンテージを与えてしまうのと、演習実施という威嚇行為が日本のマスコミに報じられて日本の対中世論がまた硬化するかも知れない、というリスクを踏んでいるところが「苦渋」なのです。
なお、この演習の実施期間について前回は抜け落ちていた部分があったので訂正します。正しくは10月24日12時~10月26日18時、さらに27日と28日がいずれも8時から18時、ということで「保釣二号」のドタバタを予測していたかのように幅を持たせたスケジュールになっています(笑)。
ともあれ、いままで何もしなかった中国政府が今回は海軍に花火大会をやらせる、ということで糞青どもが拍手喝采していますし、海軍も隠忍自重を強いられてきた以前に比べれば、花火大会でも一種のフラストレーションを発散させることができるでしょう。
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でも結局は今までと同じ結果なんですけどね。いかに300km先で実弾射撃演習が行われていても、尖閣諸島付近に展開している海上保安庁の巡視船に中国海軍が手を出す訳にはいきません。
万一現場が小競り合いから本格的な戦闘に発展すれば安保発動、経済制裁も行われて対外依存度の高い中国経済は失血死。もちろんオリンピックも吹っ飛んで五輪景気が不況へと暗転。皆さんお待ちかねのあらえっさっさーです。
ですから中国海軍にできることといえば、せいぜい尖閣の近くでドラムソロ32小節です。ドンタカうるさいことはうるさいのですが、結局は例によって海保が網を張っているところへ予定調和的に「保釣二号」などが入ってきてお約束の公開処刑。
それでも一応艦隊が動いたのですから政府や海軍への苦情も減るのでしょうか。自分たちの突撃に合わせて演習が行われることで、
「海軍が支持してくれている」
「演習という形で護衛してくれている。日本への圧力にもなるし」
と保釣分子が誤解することが懸念材料ですけど、中国政府は形だけ動いてみせましたし、日本側は例によって「保釣二号」を粛々と公開処刑をする、中国外交部がそれに対し抗議声明を出す、という形で幕引きとなるのてしょうか。まさか演習は実は艦隊司令部の独断専行で……なんてことはないと思いますし。
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最新情報として今朝の香港紙(2006/10/27)の報道ですが、『明報』によると台湾沖にいた「保釣二号」は日本時間の昨夜21時半に尖閣諸島に向けて進発。尖閣諸島付近への到着は明日(10月28日)の早朝になる見通しとのことです。
ただし記者を乗船させている『蘋果日報』によれば、「保釣二号」は昨夜(26日)22時ごろ発進して現場到着は今日に早朝、となっています。とすればいまごろ海保の面目躍如たる情景が展開されているのでしょうか。
気になったので香港保釣行動委員会のサイトに飛んでみると、やはり現場到着は今日のようです。以下の時間は日本時間。
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●02:30
「保釣二号」の乗員全員が不測の事態に備えライフジャケット着用。
●05:10
左右両舷に日本の艦艇を発見、ぐんぐん間合いを詰めつつ、サーチライトで海面のあちこちを照射している。
●05:20
魚釣島から53カイリ地点。速度9.4ノットで航行。左右両舷に日本の艦艇が並行して進んでいる。
●05:45
魚釣島から50カイリ地点。両舷の日本の軍艦(とされている)がサーチライトで「保釣二号」の各部を照射。うち1隻に「PL52」と書かれているのが見える。
●07:00
魚釣島から40カイリ地点。夜が明け始めた。日本の軍艦が新たな行動に移る気配はない。
●07:10
「保釣二号」付近の日本の軍艦が4隻に増える。乗員は朝食をとる。
●07:25
「保釣二号」付近の日本の軍艦が7隻に増える。現在魚釣島から33.5カイリ地点。
http://www.diaoyuislands.org/1022.html
……と、すでに海保の警戒網にかかった模様です。NHKの7時のニュースでは「9時ごろに現場到着の見込み」となっていました。
何だか『坂の上の雲』に描かれている日本海海戦の初動期のようでワクワクしてきましたが、私は寝ないといけないので実況はここまで。
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私のブログでも紹介させて頂きました。
トラックバック致しましたがご了承下さい。
それにしても、映像では該当船の進路に先回りし、おもかじ切って進路を阻止するって操船も見事でした。あれじゃあ、停船せざるを得ないw
次回は200キロ先、その次は100キロ先・・・なんて・・・。
そういえばガス田周辺にも中国海軍が遊弋したりしてましたよね。
韓国の竹島周辺海域調査での騒動もそうだったんですが、こういうのって回を重ねる度にエスカレートしていくと思うんです。
コソボ紛争の時、米軍が中国大使館に「誤爆」しましたよね。アレと同じように中国海軍から日本船舶にやられても「誤爆でした」で済まされそうな。
東シナ海を中国の内海として日・台・米に圧力を強めるためにも、この誤爆は非常に良い警告になると思うんです。
自国民が死んでも深刻な外交・経済問題に発展することの無かった先日の北方領土銃撃&拿捕事件も考慮すると意外と「これくらいやってもいいかも」なんて勘違いされる可能性が・・・。
ああ やだやだ。
御家人さん、御無沙汰しています。
以前にお話していた『中国告発マンガ』ですが、現在鋭意制作中です!
http://akebono.iza.ne.jp/blog/day/20061012/
企画にあたっては、ずいぶんとアドバイスをいただきましたから、本が出来上がったらぜひ一冊、献本させていただきたいと思います。
郵送でも結構ですが、どうやってお渡ししたらいいか、考えておいていただけませんか。
今回の本では、御家人さんにも喜んでいただけるような『国境周辺』、『アブナイ人民解放軍』の話もタップリ内容に含まれています。
ご期待ください!!
ところでこのシナ人の尖閣接近の報道、一般のTVニュースでやってました? 少なくとも当方がみたNHKの夜7時とテレ朝の古館のとこでも一切ふれてなかったような気がするのですが。いったいどうなっとるのか。
それから唐西古風さんの反中マンガ、おもしろそうですね。嫌韓流とちがって画も上手ですし。出版されたら購入します。ネット等でもっと宣伝しまくってください。
折角ご連絡を頂きながらご無沙汰してしまいまして申し訳ありません。
ブログの方は拝見しています。「創作集団」ってカッコいいですね。内容が期待できそうなので完成を楽しみにしています。
こういう創作物を制作しつつ同時進行形でブログで情報発信していくというやり方は非常に興味深いです。ギャラリーの反応をみつつ必要なら内容を微調整したり追加したり、またマーケティングにも役立ちますからね。
コメントをする人にしてみれば作品に対する期待感や一体感も出るでしょう。面白い試みだと思います。
私はあいにく何もお手伝いできませんでしたが、もし1冊頂けるのなら是非頂戴したいです(笑)。後刻メールにて御連絡いたします。
本当に期待していますから是非頑張って良いものに仕上げて下さい!
おかげさまで発売日も決まりました。
しかし奇襲作戦の日ですので、今のところまだつまびらかにできません。
実は私も靖国神社の近くに住んでおりますので、もし御家人さんのご都合がよろしければ、九段辺りでお会いしてお渡しできると良いですね。
ぜひ境内の茶屋ででも、いっぱい奢らせてください♪
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