日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)









御家人(河井森太郎)

1967-2011



今生の つとめを果たし いまはただ ただ寄り添いたし 彼岸の君に





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 容態の悪化により、本日入院しました。

 ……この原稿は私が前もって用意しておいたものですが、今後暫く当ブログを管理してくれる知人が入院の時点でupしてくれる手筈になっています。つまり皆さんがこのエントリーを目にするときには、私はもう病院に入っているということです。

 そのとき私には意識があるのかすでに混濁しているのか、これを書いている時点では予測できません。もし辛うじて覚めているとすれば、恐らく多くの「先人」たちと同様、病室の天井や壁や、自分を取り囲んでいる医療機器を眺めている筈です。

 とはいえ、そこには一片の悲壮感もありません。十七歳のときに立てた志、「あるべき自分のカタチ」というものを、100点満点で70点ながら、ギリギリ及第点で私は何とか実現することができました。心を占めているものは、ある種の達成感のようなもの、そして「自分は、生き切った」という充実感であることは間違いありません。

 まあ、自己満足に過ぎないものでは、ありますが。

 自分は恵まれていた、という幸福感もあることでしょう。最晩年になって、私はこのブログの読者の皆さんとOFF会を通じて直に接することができました。皆さんの笑顔と硬軟取り混ぜての熱い語り合いは、私にとって宝物そのものです。自分は果報者だと実感することができました。

 むろん、OFF会に参加することのなかった読者の方も含めて、ここに心から御礼を申し上げる次第です。

 「日々是チナヲチ。」をずっと支えてきて下さり、本当にありがとうございました。

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 一応、「中国観察ブログ」を自称していますから、最後に中国について、いくつか。



 ●中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮。

 上海の摩天楼などの風景に騙されてはいけません。一党独裁という本質において中国は北朝鮮と等質であり、いざとなれば独裁を守るため、いかなる流血の事態を引き起こすことも辞さないでしょう。

 状況によっては、進出している外資企業の強制接収や、在中外国人に対する資産凍結や略奪などが、「官」によって行われても不思議ではありません。

 いざとなったら、何を仕出かすかわからない。……これは頭の隅に入れておくべきことだと思います。




 ●中国は、多民族国家である。

 「多民族」というとチベット人、ウイグル人、モンゴル人などを想起しがちです。確かに中国は56種類の民族によって成立しています。ただし、こうしたいわゆる少数民族が総人口に占める割合は僅か4%であり、残りの96%という圧倒的多数派を形成しているのは漢民族(チャイニーズ)です。

 私に言わせると、この漢民族こそが「多民族」なのです。北京人、上海人、福建人、四川人、広東人、河南人、東北人。……そのいずれもが国家として成立し得る規模を有しているため、感覚的には外国人同士といってもいいくらいの意識の違いがあります。

 中国が統一と分裂の歴史を繰り返してきた理由も、ここにあります。独裁政権は、実質的には武力に頼って統一を維持するほかありません。実際に中共政権も人民解放軍をあくまでも「党中央の指揮に絶対服従するもの」とし、国軍化を断固否定しているのはこのためです。

 「中国人」というものは、例えば国際的なスポーツの試合や外交問題のような限定的な状況でのみ、頭をもたげる特異な観念なのです。日常的には、あくまでも地縁・血縁最優先。例えば東京のコンビニや居酒屋の中国人アルバイトが、往々にして店ごとに「××人」と地方閥で固まっているのは、その好例といえるでしょう。

 もし中共政権による統治を保証している人民解放軍が地縁や利権その他の原因でバラけ始め、党中央軍事委員会を頂点とするピラミッド型命令系統の維持が困難になったときには、国際社会の思惑がどうあれ、中国には割拠に似た状況が現出することになるでしょう。




 ●必ず「中共語」でニュースを読むこと。

 以前にも何度か紹介したことがありますが、ここで念を入れておきます。一般に使われている中国語と、政府や党中央などから発せられる「中共語」は同じものではないということです。

 「日中友好」を中国語に訳すると「中日友好」。ただしこれが「中共語」になると意味が大きく異なってきます。凡例をいくつか挙げておきますので、ニュースで中国の公式声明に接するときは、これを以て解読してみて下さい。

 「対話」→「中共の言い分の押しつけ」「中共からの命令伝達」
 「協議」→「中共の言い分の押しつけ」「中共からの命令伝達」
 「協力」→「中共への奉仕」
 「平和」→「中共による制圧下での非戦時状態」
 「友好」→「中共に従順」
 「交流」→「中共の価値観の押しつけ&軽度の洗脳」



 しかしなから、と付け加えておきます。

 中国がどうなろうと、日本政府がしっかりしていれば何も心配することはありません。

 その日本政府を選ぶのは、私たち日本人です。

 ですから結局、日本人一人ひとりの、民度と品格が問われることになるのです。

 いちばん大切なのは、実はそのことではないかと私は考えています。

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 最後の最後に。一応「弱小・色物系ブログ」を自称していますから、臆面もなくお耳汚しを。

 16年前に作って録音した駄作です。本当はキータッチのパラメータを細かくいじるなどしてピアノに表情をつけたかったのですが、とりあえず録った直後から仕事が忙しくなったので、結局未完のまま恥を晒させて頂きます。諒とされたし。





 それでは皆さん、どうかどうか、御堅固に。

 6年半にも及ぶ長い間、駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございました。m(__)m

 後を、頼みます。

 ニッポンと日本人を、頼みます。





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 遺言めいたものがあるとすれば。……と言ってみるテスト。









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 なーにつまらないものです。








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 私にとって故郷・茨城県日立市を象徴する最大の存在のひとつが、日立製作所野球部。

「今年が最後だから、せめて」

 と、昨シーズンは時間の許す限り公式戦・オープン戦を問わず関東各地へ試合観戦に赴きましたが、その内容は私を満足させるものではありませんでした。

 社会人野球にとって最大の祭典である夏の都市対抗野球に北関東地区第一代表として出場したはいいものの、2ー4であえなく初戦敗退。

 相手が優勝候補の最右翼で実際に準優勝したJR九州とはいえ、明らかにベンチの采配ミスによる惜敗には不甲斐なさを感じたものです。……ていうか怒髪衝天。

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 とはいえ、バス約120台に加えJRに臨時列車2本を走らせて人津波状態を現出せしめた日立市民の「民族大移動」は今回も健在。

 内野席はもちろん、外野席までを日立カラーであるオレンジ色で染め抜きました。

 そして、日立大応援団の半世紀以上にわたる伝統芸、例の得点が入ると舞い踊る「日立ヨイ!ヨイ!ヨイ!」も、敗れたとはいえ2点は奪っていますから、東京ドームという晴れ舞台で2回観ることができました。

 至福のひとときであります。

 という訳で、半年近く前のものですが私の生涯最後となる「日立ヨイ!ヨイ!ヨイ!」を、どうぞ。









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 皆さん、新年明けましておめでとうございます。

 2011年が、皆さんにとって幸福に満ちた一年となることを祈念申し上げております。m(__)m

 今年もよろしく……と言いたいところですが、そこはちょっと自信がないので割愛。

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 かなり体力が落ちてきていまして、最近では近所を散策するだけで青息吐息。

 酒は飲まなくなりました。飲むだけで体力を使いますし、元々美味いと思って飲んでいた訳ではないので。

 でもタバコと珈琲は相変わらずです。こればかりは死ぬまでやめません。(´々`)y━・~~~

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 いまは、わが病状を観じて「来月までは無理ぽだな」と思いつつ、それでも2月に訪れる旧暦の新年(春節=旧正月)を楽しみにしています。

 午前零時とともに、香港や台湾の古馴染みどもに「あけおめ!」と電話やskypeで声をかけてやりたいので。

 ……あ、いまなお意気軒昂な風水のY老師や、大学を卒業して社会人一年生となったアオイちゃんにも。

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 ともあれ皆さん、Z旗ではありませんが「各員一層奮励努力」して、ニッポンと日本人を今年も盛り上げていきましょうぞ。





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 すっかり御無沙汰してしまい申し訳ありません。m(__)m

 私は病気の症状である多少の障害を抱えつつも、いまのところは普通の暮らしを続けています。

 入院するときはもうぶっ倒れて意識がありませんから、頼れる知人に予定稿をupしてもらう予定。

 死んだらお目汚しながら下手糞な辞世をupして当ブログも終焉です。

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 それにしても死に支度というのもなかなか忙しいもので、ここ数日になってようやく寧日を得た次第。

 幾度となく開いたOFF会でも読者の皆さんと楽しく過ごすことができましたし、こうして静かに終わりを迎えられもします。

 私は、果報者です。

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 ところで、どうでもいいことなんですけど、今夜は日本海側を中心に大雪との予報が昨日出ていました。

 金曜日は豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の大阪発が出る日です。

 となると、まずは敦賀あたりで強風と雪で徐行運転になって、あとは豪雪地帯を縫っていくからダイヤは乱れること必定。個室客にとっては予定より長い時間の列車旅行を楽しめるので羨ましいなあ、2時間以上遅れればたぶん特急料金も払い戻しになるし。

 ……と思っていたら、あにはからんや今日出発の「トワイライトエクスプレス」は運休になってしまったとのニュースが。

 1カ月前の10時押しでロイヤル(一人用A個室)をゲットした人とか、クリスマス記念にツアーに参加してスイート(二人用A個室)に乗る筈だった人たちには同情を禁じ得ません。

 これは恐らく、異教徒の祝祭に便乗しようとした不心得者への神罰。……と言いつつ、私も20時を過ぎて半額になるケーキを買ってきてしまったのですが。

 食ったら死にますかね?……まあ食わなくても死ぬ訳ですけどね(笑)。





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 皆さんと私にとって、最後の土曜日がやってきます。

 「笑笑」茅場町駅前店での定例突発OFFは、今回も実施します。

 ただし、OFF会はこれが最終回。お別れです。もう後がありません。

 一応お座敷を予約したのですが、先約があり19時半まではその近くの席で飲む、という形になります。

 私は17時半には「笑笑」へ入りますので、人が少ないうちに御家人を弄くってみたい方は、お早めにどうぞ。





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 またまた土曜日がやって参ります。

 土曜日といえば「笑笑」茅場町駅前店での定例突発OFF。今週も懲りずにやります。

 懲りるも何も、今週やって来週はもう最終回。皆さんとのお別れですから。

 先週は過去最多の12名が結集。サプライズゲストとして何と!「英霊来世」の山崎剛史さんが参加して下さいました。

 現時点において、いわゆる保守派としては、様々な政治組織や「チャンネル桜」などのメディアが存在していますが、正直、私が最も期待し可能性を感じているのが、この「英霊来世」なのです。

 何よりもまず、センスの良さは抜群でしょう。そしてメッセージ性の強い音楽と巧みで印象的な映像表現。ある意味スマートでポップなのです。しかし主張は硬派。「英霊来世」のPVをYouTubeに乗っければ、愚にもつかない政治団体によるデモ1回分(あるいはそれ以上)の訴求効果があると私は考えています。

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 そして今週の土曜、つまり明日11月13日ですが、上述した通り突発OFFは定例開催。……とはいえこれは夜のお話。昼間にもちょっとしたイベントめいたものをすることになりました。

 piyoさんの肝煎りで、13時から靖国神社の遊就館茶室において、海軍珈琲を飲みつつ評論家の西村幸祐さんと私が公開密議を行う運びとなったのです。どんな話題になるかはわかりませんが、有志の御参加大歓迎であります。

 私からみれば「優しくて頼れる、正義感にあふれたアニキ」の西村さんに、皆さんが色々質問してしまうのもアリではないかと(ですよねpiyoさん?)。

 ちなみに「英霊来世」の山崎さんからも「靖国OFFに参加します」とのメールを頂いております。

 山崎さんからはフリーチベットをテーマとする新曲のβ版まで頂戴しまして、これがまた素晴らしい歌詞と映像!フリチベを掲げているという点で、これまでの楽曲と比べれば、かなり間口の広い作品になるのではないかと期待しています。

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 ……とまあ、そういう訳で。今週は夜の部だけでなく昼の部もありますので(しかも相当濃密な時間になりそう)、お時間に余裕のある方は是非是非。

 遊就館茶室でお会いしましょう。















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 だって動けるうちに出かけないと損でしょう?

 ……とか言っていたのですが、やはり身体は後半ロスタイム。しかも主審が時計を気にし始めている様子で、予定していた「乗り鉄旅その2」はあえなくキャンセルさせられてしまいました。orz

 麓人さん、御殿場へ行くのも無理ぽです。どうか私の分まで富士山を山麓まで眺めて下さい。m(__)m

 毎週土曜に「笑笑」茅場町駅前店で開催している定例突発OFFも、6日、13日とやって、20日が最終回になりそうな気配。

 とはいえ「心電図ピー状態」へのマジックがすでに点灯しているので、まあこんなもんでしょう。

 ときに「はなの舞」菊川店や「笑笑」や「魚民」小川町駅前店などで独酌して、残り時間を楽しんでいます。

 いやいや、毎日飲んではいませんよ。>>N医師。

 ともあれ、私にはもう「サカつく」をやり込む時間はなさそうです。……という以前にプレステ2は「Sニータイマー」が作動した模様(怒)。何やら動きません。

 でもプレステが辛うじて健在なので、「空母戦記」にでも数日ハマってみるとしますか。





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 死にかけたオサーンの欲は、とどまるところを知りません。だって動けるうちに出かけないと損でしょう?てな訳で「末期旅」から帰ってきたと思ったら、今度は「乗り鉄旅」第一弾として、寝台特急「あけぼの」で青森まで往復してきました。

 てか、いまその復路でこれを書いています。寝台特急に乗車したときの常として、どこか緊張しているせいか02:15に目を覚ましてしまいました。覚めたら揺れていないのでトイレに立ってみたら乗降扱いをしていない長岡駅で、02:42にようやく動き出しました。機関車の交換でもしていたのでしょうか?

「上野発の夜行列車降りたときから♪」

 という「津軽海峡冬景色」のモデルはこの「あけぼの」ではないと思うのですが、いまや上野ー青森間を結んでいる寝台車はこれしかないので、そういうつもりで上野発に乗り込みました。とはいえ私の世代だと甲斐バンドの「安奈」の方が馴染みます。

「二人で泣いた夜を覚えているかい? 分かち合った夢も 虹のように消えたけど♪」

 車両改造に消極的なJR東日本でも札幌行のまだ明色である「北斗星」に比べ、さらに古臭くまた青森止まりの「あけぼの」に乗って、うっかりiTuneで上の一節を聴いてしまうと、もういけません。

 歳月を重ね各地を転々として、辛い思い出ばかりを流れの悪いニーハオトイレの糞のように積み上げてしまったオサーンとしては、「ごめんな」と言うしかない過去の数々を思い出してどうしてもウルウルしてしまいます。

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 しかしまだ冬でないせいか朝に着いた青森は明るく、何やらベイブリッジのようものがあり、駅舎も改造中でなかなか活気がありました。目抜き通りの新町通りも死にかけたシャッター商店街に堕すことなく元気です。

 青森に朝着いて、ホテルで一泊して、翌日の夕方に帰路の「あけぼの」に乗り込むという強行軍ですけど、何せ「あけぼの」に乗るというのが主題なのでそれでいいのです。

 その一泊の宿は駅前の「東横イン青森駅正面口」にとりました。最上階の部屋に入ると、14階という展望も手伝ってか、自称11.88平米という部屋にしてはゆったりとしていて快適そのもの。

 ベイブリッジや青森港が見渡せるばかりか、青森を抱く形で伸びた下北半島と津軽半島を遥かに拝むことまでできます。今までに泊まった「東横イン」では最高ランクといっていいでしょう。

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 さて、一泊するので夕食をどうするかという話になります。いまの私の場合、安っぽい居酒屋というのが定番。ホテルの近くに「魚民」がありましたが、ここは往々にしてアドリブが利かないのでスルー。手書きのオリジナルメニューが売りの新町通りにある「はなの舞」青森駅前店へ入りました。

 入ってみたらここが大当たり。さすがに日本海と太平洋の魚が集まる青森です。むろんこちらも海鮮三昧で、オリジナルメニューの刺身も揚げ物も美味いこと美味いこと。しかも安い!さらに「タラ鍋」というのがあり、これで締めたらもう幸福な気分に包まれ十二分に満足してホテルに帰館しました。

 なかでもブリの刺身とタラ鍋は絶品だったので、翌日は17:00の開店と同時に飛び込んで両者を大急ぎでしかし心ゆくまで味わい、鍋は雑炊にしてもらいました。

 しかしながら「乗り鉄旅」ですから時間がありません。滞在40分で帰館して、すでにまとめてある荷物をピックアップして青森駅へ急ぎ、入線間もない「あけぼの」に乗り込むという慌ただしさ。

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 「あけぼの」は往復ともに「シングルDX」というA個室を確保しました。

 とはいえ前述したように、JR西日本に比べヤル気なさげなJR東日本の手による改造ですから、A個室といってもその最高峰たる「ロイヤル」(「トワイライトエクスプレス」と「北斗星」のみ)に比べれば狭いしベッドも窮屈だし洗面台は黄ばんでいるしもちろんウェルカムドリンクのようなものはありません。

 こういう中途半端な豪華さはいただけません。しかもよく揺れるし。これなら「サンライズ出雲」のB個室「シングル」の方が寝台に特化されているうえ新しい車両なのでずっと居心地がいいと思いました。

 ちなみに、同じ「ロイヤル」でも「トワイライトエクスプレス」と「北斗星」は雲泥の差です。サービスの質も含め、後者はとてもお勧めできません。

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 しかし、「あけぼの」の「シングルDX」にも「サンライズ出雲」のシングルより優れた点がひとつだけあります。電源です。

 私は常に「東横イン」だの「ホテルルートイン」だの「ホテルα-1」といった安宿ばかり泊まります。このクラスだと部屋にはIH方式の湯沸かしサーバーしかなく、コーヒー党の私としては飲む度に湯を沸かさなければならないので面倒です。しかも保温機能がありません。

 ですから常にメタリックな電気ポットを持ち歩いているのですが、「サンライズ出雲」の「シングル」だとコンセントはあるものの、これをつなぐと瞬時にブレーカーが下りてしまいます。

 で、「あけぼの」のA個室や如何に?と試してみたところ普通に使えたので狂喜しました(良い子のみなさんは真似してはいけません)。

 こうなると居心地がよくなります。「香味焙煎」という私にしては贅沢なインスタントコーヒーを飲みつつ、喫煙しつつ、「末代機」(マクブクプロ)からYMOや戸川純を流しつつ、腹が減ったら夜食にカップラーメン。いま現在のように未明に起きてしまってもモーマンタイなのです。

 いま03:50なのですが、終点の上野までもう眠る気にはなりません。そんな訳でこういうどうでもいいエントリーを書いている訳で。

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 ところで話は変わりますが、毎週土曜に「笑笑」茅場町駅前店で開いている定例化した突発OFF、明日30日(土)は何やら雨模様のようですが、何よりも機会を惜しむ私は例によって独酌致します。

 最近は少しずつ体調が悪化しているのが自覚できるので、正直、これもあと何回開けるかわかりません。ただ現在の私は皆勤賞の「ざる」さんをはじめ読者の皆さんと歓談するのが現在の最大の楽しみ。最近は中国の話題以外で盛り上がることも多いのですが、それもまた楽しからずやであります。

 来るところまで来てしまった私は、御存知のようにもうマトモにブログを書けません。ですからせめて皆さんと顔を合わせることだけでも、という気持ちもあります。書けなくても、まだ口は動きますから(笑)。

 とはいえ、いつ病院に入れられるかわかりませんから、そこは突発OFFらしく、いきなり最終回になるかも知れません。御容赦されたし。

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 午前4時を過ぎました。これから夜食を食いつつDVD観賞です。上野まであと3時間弱。「Uボートディレクターズ・カット」あたりが間尺に合いそうですね。

 それでは。





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 先日の「笑笑」茅場町駅前店における突発OFFで私が話題にしたパラオの話、その元ネタの動画がありましたので置いておきます。





 やせ我慢かも知れません。悪い日本人もたくさんいたと思います。しかし、

「俺は日本人だから恥ずかしい真似はできない」

 という矜持があったればこそ、そしてその矜持を大半の日本人が持っていたからこそ、現地の人々の信頼と尊敬を集め得たのではないかと、私は思うのです。

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 中国在住の方はYouTubeが観られないでしょうから、ニコニコ動画版を。

 コメントがうざったければ、再生中に画面下部の一番右側のアイコンをクリックすればコメントは消えます。





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 上田から長野新幹線で東京に戻ったのは10月20日のことです。

 中央線で新宿に出て、時間があったのでサザンテラスにあるオサーンブランドのEB旗艦店をのぞいたら、辞めたと思っていた親しい店員さんが復活していて、喜んでちょっと買い物してから小田急線の特急電車に乗り込みました。

 御殿場で下車して「ホテルルートイン御殿場駅南」にチェックインすると、霊峰富士がバーンと目の前にあって、上田から抱え込んでいた不愉快な気分がスーっと浄化されました。

 富士山は、やっぱり良いです。

 しかしながら、日没とともに雲が張り出してきて山頂部が定かでなくなってしまいました。

 ――――

 私は予定通り、御殿場駅前で見つけた「はなの舞」御殿場駅前店へと足を運び、例によってMy焼酎マグで「黒霧島」のボトルを空にして帰りました。

 ここの店長の松田充由さんは明朗快活かつ楽しい人で、まだ客の少ない時間帯だったので話相手になってくれました。私が「はなの舞」のメニューを見ずに注文できるので、ちょっと盛り上がったということもあります。

 「はなの舞」の良いところは、店長と料理長のこだわりによる、手書きのオリジナルメニューがあることです。私が過去に訪れたいくつもの「はなの舞」の中で、それが最も充実していたのが先日OFF会を開いた「はなの舞」菊川店でした。この日の御殿場駅前店は生憎それが前日で終わってしまって手書きメニューはなかったのですが、代わりに「明日からはこれでいきますよ」と全店共通の秋冬メニューを見せてもらいました。

 ちょうど親会社たるチムニー創業何周年だかのキャンペーンをやっていて、鍋をつつけたのは意外な収穫でした。

 ところが。楽しく飲んで20時すぎに帰館したあと、私にとって「御殿場といえば、この人」である「麓人」さんからのコメントがブログに届きました。


 ●Unknown (麓人) 2010-10-20 23:22:34

 御家人さん、こんばんは。

 以前、御殿場駅前でフリチベTを着た人を捜してしまいそう・・・と書いた者です。

 1年後、「着た人」には残念ながらお会いできなかったものの、フリチベ缶バッジに見事遭遇してしまいました!なんだか感無量でした。

 明日、お忘れ物忘れずに取りにいらして下さいね。

 お店の若いお兄さんが御家人さんの体調をとても気遣ってましたよ。

 ぜひ今度また、お天気の良い日にあっぱれな富士山を見に来て下さいね!



 そうなのです。私はジャケットをハンガーにかけたまま、そのことを忘れて帰途に就いてしまったようで。……てことを麓人さんが御存知ということは、「はなの舞」でニアミスをした、ということになります。惜しいことに突発OFFの機会を逸してしまいました。

 そこで翌日も「もしかしたら麓人さんに会えるかも」と期待して「はなの舞」に出かけました。店に入ったら店長の松田さんが私の顔を見て「良かった良かった」と、ちょっと大袈裟なくらいに喜んでくれました。もちろん忘れ物の一件です。

 何でも私がジャケットを忘れて帰ったあと、御殿場のホテルひとつひとつに電話して私の消息を尋ねてくれたそうです。

「丸刈りで黒いメガネをかけていて口ひげがあって……東京から来た人ですが、そんな人、泊まっていませんか?」

 という口上で、これではホテル側も「ちょっとわかりません」と答えるしかなかったようです。

(カードで決済したのだから、その名前で当たればいいのに)

 と思いつつ、松田店長の親切に感謝しました。東京の居酒屋では、一見客にそこまでしてくれるところなど、まずありません。

 ――――

 ジャケットを受け取ったら、ポケットに麓人さんからの温かいメッセージが書かれた紙が入っていました。

 私は平素、居酒屋といえば開店直後に飛び込んで、混んで来る前に飲むだけ飲んで退散します。この日も早々の入店だったのですが、突発OFF開催を期待して、珍しく4時間も粘りました。……が、残念ながら麓人さんとは遭遇できず。

 しかしこの日も松田店長と話をすることができました。何でもこの「はなの舞」御殿場駅前店というのは、純益だと「はなの舞」の全国トップなのだとか。してみるとこの松田さん、単に明朗快活なお兄さんというだけでなく、凄腕店長という一面も持ち合わせているのでしょう。

 ともあれ楽しく帰館することができました。松田さん、麓人さん、本当にありがとうございました。m(__)m

 ……で、肝心の富士山はチェックインの翌朝から雲に隠れて山頂部が見えずじまい。結局山麓を眺める二日間になってしまいました。

 これは「御殿場にまた来い」という天意でしょうか。天意ならばその分の余命は与えられている筈です。麓人さん、もし次の機会があったときは、松田店長の「はなの舞」で突発OFFを是非。そのときは「あっぱれな富士山」も堪能することができるでしょう。

 ……てな訳で、本命の富士山には振られてしまいましたが、温かさに触れる二日間となりました。麓人さん、頂いたメモは、御殿場での思い出として大切に東京に持ち帰らせて頂きますね。m(__)m





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 情けない話なんですけど、実際に起きてしまったことなので、ありのままに。

 忌まわしい「上田東急イン」を後にした私は、大きなトランクを片手にエスカレーターで「温泉口」から上田駅に入りました。新幹線の切符を買うべき「みどりの窓口」は反対側の「お城口」の1階にあります。

 「お城口」への出口は上りのエスカレーターしかなかったので、脇にあるエレベータを使いました。私が乗り込むと、それに続いてバックパックを背負った20代後半~30代前半とおぼしき男性が続いて入ってきて、私の背後、つまりエレベータの奥に立ちました。

 大人2人が並んで立てる程度の狭いエレベータで、大荷物を持った私がドア際に立って動かないのでそうしたのでしょう。私に言わせると、両手が空いている男性に比べ、大きなトランクを片手に持っている私が先に降りるのが自然ですし、マナーでもあります。

 私がその男性の立場でも同じように奥に立ったでしょうし、大荷物を抱えていてもお年寄りが乗ってくればドア際を譲り、降りるときは「開」のボタンを押し続けてお年寄りに先に降りてもらいます。

 ところが、その男性はそうしませんでした。「開」のボタンを押さなかったばかりか、私の横の狭い空間に割り込んで先に降りようとしたのです。

(何だこいつ)

 と思った私は、トランクで割り込もうとする男性を阻みつつ、当然ながらドア際なので先に降りました。……すると、

「何すんだよ」

 と、その男性が文句を言ってきたのです。度し難い野郎だなと思いつつ、

「ドアの前に立っている俺が先に降りるのが当然だろ?それにこっちは大荷物抱えてるんだ。お前手ぶらだろ?何割り込んでんだよ。マナーも知らないのか?情けねーオトナだな」

 と言い捨てて歩き出そうとしたとき、

「何だと!」

 とその男性が言うなり、私の背中を両手で小突いてきたのです。不意を衝かれて私はよろめきました。

 ――――

「おい、何すんだよ!」

 と私が態勢を立て直して振り向くと、その男性はいきなり両手で私の胸倉をつかんできました。そのときの勢いで、ジャケットの胸につけていたフリチベカンバッジがピーンと音を立てて外れ、床に転がってカラカラと乾いた音を響かせました。

(あっ、やりやがったな!)

 瞬時に戦闘モードです。私は腕っぷしが弱いので、普段はなるべく喧嘩にならないようにしているのですが、降りかかる火の粉は払わなければなりません。

「喧嘩はな、気合と呼吸と覚悟なんだよ」

 と高校のとき同じクラスの奴に教えてもらったことがあります。気合とは闘志のことでしょう。呼吸はタイミング。そして覚悟というのは、この一戦で命を落としても構わないと思い切ることです。

 この場合、いきなり背中から小突かれたので呼吸も何もあったものではありません。しかしフリチベカンバッジが外れたことで私の闘志は一気にレッドゾーン。余命幾許もない身ですから命なんざ鼻っから捨ててかかっています。

「何すんだこの野郎」

 と言いざま、私が両手で相手の胸を突き返すと、男性の両手が私のジャケットから簡単に離れました。今度は逆によろめいた相手の胸倉をこっちが掴んで、高校のとき体育で教わった柔道で唯一覚えている払い腰モドキで相手を硬い床に投げ飛ばしました。

「痛てっ」

 そりゃ痛かったことでしょう。男性のバックパックが背中から外れて、中から何冊も難しそうな本が飛び出してきました。

 ――――

(大学院生かな。それとも若手研究者かな)

 と私は思いました。それでも立ち上がった男性に、今度は健ちゃん(谷垣健治君)直伝の蹴りを入れてやりました。見事に胸にヒットして相手は吹っ飛んだのですが、すぐ後ろに壁があったのでそれにぶつかって男性はよろめきました。しかしそれも一瞬のことで、再び私に突進してきました。

 敵ながら天晴なファイトです。しかし口舌の徒というか青瓢箪というか、格闘戦が苦手な私より弱いのでは話になりません。私は向かってきた相手の腕を掴むと、再び床へと投げ飛ばしました。

 男性はそれでも立ち上がろうとします。面倒臭くなってきたので、私は立ち上がる時間を与えずに相手の腰の辺りで馬乗りになりました。

 このときは、私の全体重を乗っけて相手の腹部に飛び乗ることもできました。でも内臓破裂とかになると面倒なので相手を組み伏せることにしたのです。中国人相手なら手を抜いたりはしませんけどね。

(こういう馬鹿な日本人が増殖しているのか。それでこいつらが親になる。日本人の民度は下がるばかりだな)

 と、組み伏せつつ悲しい気持ちになりました。

 PRIDEのような格闘家同士のマッチなら、馬乗りになった以上ここでガンガン相手の顔面を殴るところですが、流血は嫌なのと、素手ですから殴れば私の拳も傷つきます。傷つかないような殴り方も知らないのでそれはしませんでした。

 右手で相手の頭を床に押さえつけつつ、左手で喉輪です。相手が中国人なら頭を掴んで何度も床に叩き付けていたことでしょう。喉だって本気で締めていたところです。

 それでも男性は息が苦しくなったらしく、

「死ぬ~殺される~」

 と情けない悲鳴を上げました。そうか苦しいかと思い、左手を喉から相手の両瞼へと移して指で目玉の奥を圧迫しました。これも中国人相手なら容赦なく左右の眼球をくり抜いていたところです。その予行演習のつもりでちょっとやってみました。

 ――――

「どうだ?止めるか?止めるなら放してやる。もういいだろ?もう終わりにしよう。な?」

 と私は言いました。いや、そろそろ新幹線の時間が気になってきたもので(笑)。……ところが相手はなおも抵抗を試みるので組み敷いたままにしていたら、警官が数名駆けつけてきました。誰かが110番通報したそうです。

 取りあえず駅前の交番で事情聴取をするというので、面倒なことになったと思いました。いやだって新幹線に乗り遅れたら大変ですから。こういうときの私は不遜です。

「あのー、交番に行ってもいいんですけど、私は10時35分の新幹線で東京に戻らなきゃいけないんです。それまでに終わらせてもらわないと困るんです。乗り遅れたら切符代弁償してくれますか?乗り遅れないようにすると約束して下さい」

 と駄々をこねると、「約束はできないけど、なるべく早く終わらせるから」というので渋々交番へ行きました。

 事情聴取は交番の2階の部屋で別々に行われました。このときも階段しかないのでトランクを抱えた私は、

「ああ重い重い。バリアフリーがなってねーなー警察は」

 と毒を吐きつつ指定された部屋に入りました。すぐに警官が入ってきて身分を証明できるものはないかと聞かれたので、迷うことなく障害者手帳を取り出し警官の前にポーンと放り投げました。

「いやー久しぶりに運動したんで息が上がっちゃいましたよ」

「まだですか?こっちは時間がないんだから早くして下さいよ」

 ……と、私の一挙手一投足があくまでも太々しいのは、

(こいつら長野県の警察官だ)

 と気付いたからです。長野県警は2008年の長野で行われた聖火リレーで、日本人を排除することだけに専念し、中国人の横暴を野放しにしました。この交番に詰めている連中はその眷属です。憎悪さえ覚えました。

 ――――

 ともあれ取っ組み合いに至った理由をありのままに話して警官がそれを書きとめ、最後に「被害届は出しません」という誓約書のようなものを持ってきました。向こうが被害届を出さないということを確認した上でその書類に署名捺印。ここでも「警察への要望」という欄があったので、

「日本人が日本人たるべきマナーを守るよう指導に努めよ。厳命」

 と書くことを忘れませんでした(笑)。

 それでようやく部屋を出してもらえたのですが、時計を見ると10時半。これは急がねばと階段を下りて交番の外に出ようとしたとき、一番偉そうな席に座っていた警官が腕時計を眺めつつ、

「大丈夫?10時35分に間に合うかな?」

 とかすかに笑みを浮かべて聞いてきたので私の憎悪が爆発しました。

「何言ってんだ!あんたらの事務手続きが遅いからこうなったんだろ!効率悪すぎるんだよ糞公僕が」

 と言い捨てて上田駅へとダッシュ。改札に入ろうとしたところで新幹線がホームに滑り込んできました。こりゃいかんと思い、大きな重いトランクを片手に2段飛ばしで階段を駆け上がり、発車寸前のところで車内に飛び込みました。やれやれです。

 ……とまあ、そんなところで。売られた喧嘩を買ってみたら絡んできた相手が驚くほど弱かったんで拍子抜けしました。何だか私が一方的にやっつけているみたいですが、本当にそうだったのですから仕方ありません。

 でも何ていうか、何だかなあ。……というある種の名状し難い情けない気持ちを抱え込んでしまい、御殿場に着いて富士山を見るまでは気分が晴れませんでした。以上。





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 このホテルに泊まるのを前々から楽しみにしていました。六文銭は大好きなんですけど上田城とかは以前見学したことがあるので、今回は宿に籠って千曲川とその両側の重畳たる山並みを眺めようと。

 東急インというのは以前、別の場所で何度か使ったことがあり、いずれも高いクオリティで満足していましたし、千曲川を眺めるにも絶好の立地だったので迷うことなく「上田東急イン」に予約を入れました。

 ところがこれが大失敗。「上田東急イン」だけは例外でした。

 ――――

 立派な外観と落ち着いた雰囲気のロビー。さすがに「東急イン」だけのことはあるわいとチェックインして自室に入ると、なるほど並のビジネスホテルよりは部屋が広く、調度品もしっかりしていて窓の外には私が望んでいた通りの風景が広がっていました。満足。

 壁にはエアコン用の液晶パネルがついていて、温度や風量を自分で設定できるようです。古いビジネスホテルだとエアコンは「弱・中・強」の三択しかないのですが、さすがに「東急イン」は温度調節が自在な個別空調(と思っていたらこれが大間違い)。

 ともあれ一泊して2日目の朝に朝食バイキングへ行ってみたらサプライズでした。メニューは格下である筈の「ホテルルートイン」に比べて貧弱であること甚だしく、しかもどの料理も冷えていて何これ?と裏切られた気分になりました。むろん、過去に私が宿泊した他の「東急イン」の朝食に比べるべくもありません。

 ガッカリして、それでも食べて部屋に戻ったらいきなり下痢に見舞われました。

 ――――

 腹の具合が落ち着いてから、鉄道時刻表を持ってくるのを忘れたので書店に出かけました。

 上田駅は「お城口」と「温泉口」の2つがあって、繁華街は「お城口」。「上田東急イン」は何もない「温泉口」に建っているので、駅を抜けて「お城口」側に出てからちょっと歩いて書店にたどり着き、時刻表を購入してホテルに戻りました。

 さすが信州だけに空気はひんやりしていたのですが、それなりに歩いたので身体は暖まっています。閉め切られた自室に戻るとちょっと暑さを感じたので個別空調のパネルをいじったのですが、驚いたことに全く反応しません。

 そこでフロントに電話して作動方法を尋ねてみたらビックリです。

 ●「上田東急イン」の空調はホテル側が外気温との差を勘案して室内の温度を調節している。
 ●いまは外気温から考えて冷房も暖房も必要がないと判断して空調は止めている。

 という答が返ってきました。要するにエアコンを入れるか入れないか、また温度を何度に設定するかはホテルが勝手に判断して決めている、と。じゃあ壁の液晶パネルはお飾りじゃないか、と言うと、ホテルがエアコンを作動させているときに設定温度と同じ温度にパネルを操作すればちゃんと風が出ます、との返答です。

 つまり「上田東急イン」は個別空調でないばかりか、旧型である「弱・中・強」の三択式エアコンよりも劣っているのです。だって客がいくら壁のパネルをいじっても、ホテル側が空調を止めていれば反応しません。たとえ空調が動いていても自分で強度を調節することもできません。呆れて物が言えないとはこのことです。

 ――――

 夕方、書店に行った際に発見した「魚民」で痛飲しました。焼酎のボトル1本を空けていろいろ食べれば当然ながら身体はホカホカです。「上田東急イン」に帰館して自室に戻ればそりゃ暑さを感じます。そこで例のパネルを操作してみたのですが反応しません。

 さすがにイラッとしてフロントに電話しました。

「あのー、外で飲んで帰ってきたんで暑いんですけどエアコンが言うことを聞きません。どうなってるんですか?」

 相手は「客室アシスタントチーフ」の「関善典」という男性です。

「あ、今は25度に設定されているんで、パネルでその温度に合わせてくれれば風が出ます」

「いや、こっちは暑いんですよ。25度じゃいよいよ汗かくことになるじゃありませんか」

 すると関善典のレスポンスがまことに見事でした。

「あ、それじゃ窓を開けて下さい。カギがかかっていますけど、お部屋に入れて頂ければこちらでカギを開けますから」

 ――――

 私はキレました。

「あんた、ホテルマンとしてのプライドはないのか?冷暖房完備をうたうホテルで暑けりゃ窓を開けろって言い草は何だ?結局、壁の操作パネルはお飾りって訳だな?」

「……申し訳ありません」

「謝られたって涼しくならないだろー春日!今からそっちに行くからあんたの名刺を出せ。それから支配人を呼んでおけ」

「あいにくいま支配人は不在でして」

「なら支配人の名刺を用意しとけ」

 と吐き捨てて電話を切り、私はすぐにフロントへ下りました。そして、

 ●上田東急イン 総支配人 長谷川周一(はせがわ しゅういち)
 ●上田東急イン 副総支配人 久保邦二(くぼ くにじ)
 ●上田東急イン 客室アシスタントチーフ 関善典(せき よしのり)

 ……と、「東急イン」を名乗るのもおこがましい木賃宿の担当者どもの名刺をゲットした次第。

 その夜は実に寝苦しかったです。だって操作パネルの温度を26度に上げてみたらエアコンの風が出てきたんですから。26度ですよ。

 翌朝起きてカーテンを開けてみたら、窓が真っ白に曇っていました。そりゃそうです。この日の最低気温は13度で、エアコンから出る風は26度なんですから。

 ――――

 忌まわしい朝食バイキングはもちろんスルー。支度を整えて1階へ下りて、チェックアウトの手続きをするときにこの日の分の食券をフロントのお姉さんに渡し、

「ここは珍しい東急インですね。朝食はルートインより貧弱だし、昨日食べて部屋に帰ったら下痢しましたし」

「申し訳ありません」

「今頃謝られても遅いんだよ春日!」

 隣に関善典がいたので二人まとめて説教してやりました。

「あんたら、昨日の夜のエアコンは26度だったぞ。知ってるか?気象庁は25度を夏日って呼ぶんだよ。上田では10月の夜を夏日に設定する習慣でもあるのか?」

「それにお前らの勝手な判断で空調止めたり温度決めたりしやがって。そんなことホテルの案内には何にも書いてなかったぞ。冷暖房完備じゃないじゃないか。どうだ、ホテルの案内に書いてあるか?チェックインするときに事前説明をしたか?」

 ――――

 私がまくし立てていると、横合いから「あのー」と言って貧相なオサーンが出てきました。名刺を受け取ると、副総支配人の久保邦二でした。

「今回は不愉快な思いをさせてしまいまして誠に申し訳ありません」

「謝る前に設備をちゃんとしろ春日!何が環境保護に努力してるだ。エコを唱えてこの季節に26度の暖房か?いい加減にしろ春日!」

 と私は怒髪衝天。その真っ最中にチェックアウトで下りてきた別の男性客が久保邦二に向かって、

「ちょっと昨日の夜の暖房、何だよあれ。暑くて寝られなかったじゃないか」

 と苦情を言いました。

「ほら見ろ。ムカついてるのは俺だけじゃねーんだよ。わかったか?」

 ――――

 チェックアウトの手続きが終わったのでそのまま外に出ようとすると、久保邦二が白い封筒を持って追いかけてきました。

「あの、これは不愉快な思いをさせてしまったせめてものお詫びです。どうか受け取って下さい」

 私は振り向かずに出口へ歩いて行きました。

「そんなもんで口封じする気か?いい加減にしろ」

「いや口封じとかそういうことではなく」

 と久保邦二が玄関を出てもついてきたので、私はようやく振り向きました。

「そんなもんいらねーんだよ。ついて来るな。引っ込め春日!」

 自分でも驚くほどの大声になっていました。久保邦二もそれでようやく諦めたようです。私はもう振り返ることもなく上田駅へと歩いて行きました。

 ――――

 という訳で、標題の通りです。とびっきりの思い出作りをしたい方には、是非「上田東急イン」に宿泊することをお勧めします。期待を裏切ってくれることは絶対にありませんから。

 ……で、駅に向かった私は思いがけずスポーツで一汗かくことになるのですが、そのお話はまた後日。





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