日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 えーと、「保釣運動」という極めて男性的な活動(笑)が中国にあります。香港にも台湾にもあります。それぞれの代表が一堂に集まって福建省・アモイ市で会議を開催したこともあります。

 むろん政治活動に属するもので、スポーツなどではありません。でもひょっとすると、参加者たちにとってはある種の被虐感を期待した「プレイ」なのかも知れません(笑)。

 「保釣」とは中国語でして、「保衛釣魚台」の略です。「釣魚台」とは尖閣諸島のことで、要するに尖閣防衛運動。当ブログでもときに取り上げていますね。有名なのは中国における反日サイトの総本山のひとつである「中国民間保釣連合会」。

 その会長は反日活動家の代表格・童増です。対日民間戦時賠償訴訟を十年以上支援している苦労人ながら「空気が読めない」「口が軽い」という致命的な欠点があり、それが一種の愛嬌になっています。糞青(自称愛国者の反日信者)が崇拝する珍獣(プロ化した糞青)ですから、さすがに頭のネジが数本飛んでいるのです。

 当ブログでもときに……と書いてふと気付きました。実は当ブログがスタートしてから保釣分子が船を出して日本の領海に入り、魚釣島に上陸を試みるといった活動は1度も行われていません。最近台湾の保釣分子が漁船を出したものの、台湾当局の妨害などもあり(GJ!)日本の領海前で大人しく引き返しています。

 いや、台湾は船を出せただけマシです。中国の保釣分子は出港準備にとりかかると、毎回なぜか屈強なる武装警察のお兄さん方がわらわらと湧いて出てメンバー全員をがっちりと拘束。抗う手合いは電気警棒でビリビリ。

 保釣分子はその都度「不当逮捕だ」なんてネットで騒いでいますけど、そうやってバーチャルな空間で吠えていた方が連中の身のためでしょう。

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 つまり中国本土からはこの2年以上、保釣分子による船出は行われていません。正確には当局が圧力をかけて有無をいわさずに押さえ込んでしまうのです。

 政治的な流れを反映しているから、といっていいでしょう。「中国民間保釣連合会」のような民間を名乗る組織が領土問題という政治的な活動を展開できるのも、強力な政治的保護者がいるからです。以前のように船を出せなくなったのは、その後盾が凋落傾向にあることを感じさせます。

 まあ船を出しても日本の海上保安庁が手ぐすねをひいて待ち構えていますからね。あのボロ漁船を左右からはさみ込む神業ともいえる操鑑技術は旧帝国海軍の第二水雷戦隊を彷佛とさせます。そうなるともう身動きがとれなくなって保釣分子はすごすごと退散(海保の皆さんいつも本当にありがとうございます)。

 思い知ったかザマーミロ、てなもんですが、中国側にしてみればいつもいつも公開処刑されている訳で、その映像などを「中国民間保釣連合会」が公開すると糞青が切歯扼腕します。ええ、それ以上のことは何もしませんし、できません。デモひとつマトモに打てないことは、昨春の反日騒動で実証されています。

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 当局が船を出させないもうひとつの理由として、軍部の士気にかかわるということがあるでしょう。公開処刑されるたびに、

「海軍は何をしているんだ!」

 という非難の書き込みが大手掲示板に相次ぎます。実際には日本が海上保安庁で対応しているように、中国も海軍が扱う仕事ではないのですが、やはり士気には響くでしょう。

 だから今度船を出すなら巡視船の護衛つきか、あるいは本当に軍を出動させて奪回作戦を行うか、ともかく魚釣島に上陸して中国側が実効支配する状況まで持っていかないと面子にかかわるでしょう。

 でもこの21世紀に、しかも五輪開催を控えている中共政権にそんなことできませんし、外貨依存率や海外市場への依存度が極めて高い経済構造ですから、経済制裁でもされたらたちまち失血死。米国も尖閣諸島を「日米安保の担当する区域内」としています。だから押さえ込むしかないのだと思います。

 ところが残る香港の保釣分子が動きました。本当は8月15日に出港予定だったのが中国当局の妨害(たぶん)で延期を余儀なくされたボロ漁船「保釣二号」が昨日(10月22日)、香港から尖閣諸島を目指して出港したのです。

 延期の経緯についてはこちら。

 ●どうしていま尖閣?(2006/06/13)
 ●速報:基地外香港人の尖閣上陸計画が中止に?(2006/08/08)
 ●続報・尖閣問題。(2006/08/10)

 同船には中国本土からの参加者も多数加わる予定だったのですが、中国当局が出境を阻んだことで大幅減。ともあれ現地まで3日間の行程だそうです。

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 さてこの香港の連中「香港保釣行動委員会」ですが、「基地外」を冠したように、純粋な保釣分子ではありません。

 靖国で騒ぎ、軍票で騒ぎ、慰安婦で騒ぎ、民間戦時賠償で騒ぎ、さらには天安門事件(1989年)の名誉回復を叫び、普通選挙制の導入など民主化でも暴れるといった騒ぎ屋集団です。最近はラジオの地下放送局を稼働させた咎で有力メンバーが警察に連行されたりしています。

 なぜ騒ぐのか。それもなぜマスコミのいる前でないと騒がないのか。……選挙運動だからです(笑)。実際にこうした騒ぎ屋の代表格である「長毛」こと梁国雄が前回の立法局議員選挙で上位当選を果たしています。その「長毛」が議員になった後も有権者の期待に応えて騒ぎに騒いでいることは以前紹介したことがありましたね。

 ●香港は燃えているか?・上(2005/10/25)

 そして、今年船を出すことにこだわるのは十周年だから。10年前の1996年に船を出した際は、日本の領海に入ったところで海保の巡視船に包囲されて進めなくなったため、よせばいいのに船長以下が止めるなか、総指揮官が「あとは泳ぐ」と言って命綱をつけて青い海へとジャボン。……と飛び込んだはいいものの、高波にビビッて引き上げてもらおうとしたら命綱が首に絡まってキューッと哀れ御昇天。さすがは命綱だ、なんて言ってみたりして(笑)。

 ――――

 この1996年当時というのは英国統治の末期も末期。あの天安門事件を平然とやってのけた中共政権への返還を翌年に控え、不安感や閉塞感が香港社会に充満していました。

 そんなときに起きた保釣運動(選挙運動)に対して、香港を挙げての支援が行われたのです。不安や閉塞感を香港政庁にも中共政権にも睨まれる心配のない「保釣」で紛らわせたかったのだと思いますが、反日デモなどもあって当時現地在住だった私は非常に嫌な思いをしました。

 華字紙は海保を「海軍」、巡視船や巡視艇を「軍艦」と虚報を飛ばしましたし、運動に批判的だったり冷静な視点からこの騒ぎを捉えようとしたコラムニストたちは叩かれ、非難され、編集部によってコラムを潰されるという言論封殺まで行われました。幸い私はACG系(ゲーム・アニメ・コミック)ですから無事でしたけど。

 ●香港で経験した「保釣運動」の馬鹿さ加減。(2004/08/04)

 上の方に張ったリンクでもわかる通り、2006年の香港市民は保釣運動には実に冷ややかで、資金カンパも目標額に届かないていたらく。船出する方も主要メンバーがケガで欠けたりしてノリはいまひとつ。頼みの「長毛」は船に弱いとのことで尖閣諸島により近い台湾から乗船するという情けなさです。

 上海閥あたりの反撃?と勘ぐれないこともありません。せっかく盛り上げた日中友好ムードがこの挙でブチ壊しになるかも知れないからです。少なくともプラスには働かないでしょうし、中共政権にしてみれば日本側に借りをつくることになります。

 ただ、もし上海閥~海外の華僑というラインで動いたのなら、資金が満足に集まらなかったという情けないことにはならないでしょう。これで胡錦涛の足を引っ張るなんて作戦にはちょっとみえません。

 ――――

 ともあれ流した汗にアリがたかるという噂?の劉建超・外交部報道官が尖閣諸島の領有権を主張しつつ、

「中国側の『保釣』人員の行為に日本側が冷静に対処し、中国側の船舶や人員に危害を及ぼさないよう強く要求する」

 なんていう及び腰の声明を発表しています。強く要求する前に自分で始末したらどうなんだデブ。

 ●「新華網」(2006/10/22/17:56)
 http://news.xinhuanet.com/world/2006-10/22/content_5235185.htm

 まあ水曜日(10月25日)がヤマ場になるそうですからひとまずワクテカということで。前にも書きましたけど、私はわざと上陸させて、陸に上がったところを逮捕、というのがいいのではないかと。前回みたいに強制送還なんてヤワなことをせず、逮捕・送検・起訴・裁判・有罪判決と日本の司法のプログラムをこなさせれば、中国側の敗北感はいよいよ強まるのではないかと(笑)。

 それにしても不思議です。そもそも日中間には領土問題など存在していないのに、なぜ騒ぐのか。不思議です。基地外香港人の空気の読めなさ加減は毎度のことなんですけどねえ。

「今回は水上バイクという秘密兵器が」

 とか報じられていますけど、明らかに外海を舐めてますね。でも、保釣分子や騒ぎ屋はやっぱりそのくらいでないといけません(笑)。

 http://hk.news.yahoo.com/061017/12/1utn4.html
 http://hk.news.yahoo.com/061022/60/1v1ma.html
 http://hk.news.yahoo.com/061022/12/1v1m9.html
 http://hk.news.yahoo.com/061022/12/1v1ru.html
 http://hk.news.yahoo.com/061022/60/1v24q.html
 『蘋果日報』(2006/10/18、2006/10/22)




コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
30年前の話… (アドレス)
2006-10-24 01:26:17
全然関係ないですが昔の話…

地方の港に来た外国船のセカンド・オフィサーはセイロン人

その助手みたいなのが香港人のアンチャン

大陸事情を聞くと…

彼の両親は地主で香港に逃げてきたとか

彼のガール・フレンドの写真を見るとトンボ・メガネの女の子

まあ、広東人でしょうね…

今、セイロンはスリランカになり、香港は中共の統治下になった

地主の子孫だと言ったあのアンチャンは今どうしてるかなあと…

 
 
 
長毛 (非典型日本人)
2006-10-24 01:35:37
長毛はトップ当選ではなかったと思います。ある選挙区で、最下位に滑り込んだと記憶しています。



前回、延安に行っていらっしゃらないとの由、意外でした。



私は10年前の真冬に行きました。バスだったのですが、途中で雪に降られ、十時間以上かかり、おまけに寒さで風邪をひくなど、散々でした。食べ物は西安と比べて激マズ。朝夕には街頭放送で東方紅が流され、ヤオトンの毛沢東旧居では、昔毛沢東に会ったという爺さんが管理していました。



確かにひどいところでしたが、一つ印象に残ったのは、乞食がいなかったことでした。
 
 
 
今頃は・・・ (katze)
2006-10-24 03:07:37
みんな、船酔いで大変なんでしょうね。

上陸しなくても、領海に入った時点で密入国にはなるのだと思いますから、その時点で検挙して、日本の司法手続きできっちり前科1犯にしてやって欲しいですね。

そして、協力した連中も全員幇助犯ないし教唆犯ということで指名手配を打つ。対日批判をしながら、日本で商売だけはしたいとかいうふざけた連中もいますからね。

経済封鎖が一番利くわけですから。

 
 
 
Unknown (御家人)
2006-10-24 04:25:15
>>アドレスさん

>彼の両親は地主で香港に逃げてきたとか

 こういう人とか国民党系の高官や金持ちが新中国成立に伴って脱出してきた第一波なんでしょうね。そのあと……つまり脱出組の大半は大躍進とか三年困難で食えなくて広東省の農村から香港に逃げて来た人たち(岳父含む)。

 インテリ率の低さ、それに「明日の保証はない」心理からくる「とりあえずぼったくれ」「やったもん勝ち」的行動原理(リピーターに期待するな)が良くも悪くも香港人の蛮性であり、香港社会の活力源でした。……ええ、もう過去形です。予備校がもてはやされる時代になっちゃいましたからね。





>>非典型日本人さん

 失礼しました。調べてみたらトップ当選ではありませんでした。ただ最下位でもなくて、新界東地区で自由党主席だった田北俊に次ぐ得票数でした。第2位での当選です。本文を訂正しておきます。それにしても長毛が船には極度に弱いという愛嬌があるとは知りませんでした(笑)。



>延安に行っていらっしゃらないとの由、意外でした。

 いやそれを言ったら私は北京にも長城にも行っていませんし、黄河を実見してもいません……て威張ることではないですね。でも上海を拠点にしていましたから崇明島には行ったことがあります。長江の河口近くにある中洲なんですけど島としての大きさは中国有数だった筈です。中洲といっても長江の岸から見えないんです。船で2時間、商店街は16時閉店。いまは多少は開発されたのでしょうけど。

 延安は本当に行ってみたかったんですけど、西安に着いてすぐ成都行きの切符を確保しておいたのが仇となりました。中共の面々が逃避行の果てにたどり着いた場所ですから僻地なんでしょうね。「革命聖地」の美名とは裏腹に開発から取り残されている憤懣のようなものが私に話してくれた大学教授にはあったのだと思います。1989年のあのときすでに「東西問題」(沿海vs内陸)が問題視されていました。結局その東西間格差は当時よりどんどん拡大していってしまうのですが……。ヤオトンは西安の郊外で見ました。



>>katzeさん

>みんな、船酔いで大変なんでしょうね。

 そうですきっと今頃はあっちこっちで麻婆豆腐(笑)。前回上陸されたときは沖縄県警が逮捕したのに送検させないで政府が強制送還しちゃったんですよね。現場の警察官の人や海保の人は悔しかっただろうと思います。

 「上陸は断固阻止」っていうのは官房長官談話が出ているようです。中国語でいう「厳陣以待」ってやつですね。

 ttp://hk.news.yahoo.com/061023/3/1v4br.html(明報電子版)

 それから魚釣島にレーダーサイトを設置するという話も。本当でしょうか?仕事しながら記事漁りをしているので逆に日本のニュースに目が届きません。orz

 ttp://hk.news.yahoo.com/061023/60/1v46k.html(星島日報電子版)

 
 
 
Unknown (Unknown)
2006-10-24 16:05:26
つまんねー.....ママンが心配してるってよ。('A`)

つーか裏から手を回してとめちゃったのね。



http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1024&f=politics_1024_001.shtml
 
 
 
島へ魚釣り (いとのこ)
2006-10-24 16:58:51
久し振りに誰か日本側から行く人は居ないのかなー。

東京都知事と島根県知事あたりでもどうでしょう。

北海道知事と沖縄県知事は……知らん。

            夜は灯台の灯りで一杯、とか。

 
 
 
自分達の基準で妄想したのかと(苦笑 (きんぎんすなご)
2006-10-25 20:33:26
>魚釣島にレーダーサイトを設置するという話も。本当でしょうか?



これは聞いたことないです。その代わりと言ってはなんですがこんな記事が…



防衛庁、宮古島に電波監視施設…対中情報収集を強化

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061023i104.htm



今後、自衛隊沖縄方面の装備を増強する計画が目白押しとか…

 
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