日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 今年も香港に鳥インフルエンザ(H5N1型)の季節がやって参りました。

 香港にとって、これは一種の
宿命であります。何といっても後背地が「野味」(ゲテモノ料理)の伝統を誇る広東省。中国肺炎(SARS)をはじめ奇病連発の土地柄です。しかも同省当局の隠蔽体質に加えて、香港は中国本土の「植民地」といった政治的に弱い立場。

 そもそも水や食料の主要な供給源であるため縁を切る訳にはいきませんし、香港人の大半は広東省系です。ビジネスやショッピング、レジャー以外にも帰省や墓参などで人員往来が頻繁。あれやこれやで、香港は同省から伝播してくる様々な厄災から逃れることができません。

 今回の鳥フル騒動(に、これからなるかも)の発端は、これです。



 ●鳥インフル:中国広東省で疑い例の女性死亡(毎日jp 2008/02/25/20:26)
 http://mainichi.jp/select/world/asia/news/20080226k0000m030075000c.html

 【上海・大谷麻由美】中国広東省衛生庁は25日、鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した疑いのある同省汕尾市海豊県の女性(44)が同日午前に死亡したと発表した。女性は四川省からの出稼ぎ労働者。今月16日に発病する前、病気のニワトリと接触があった。

 中国でH5N1型の感染による死亡は20人目。今年に入って湖南省、広西チワン族自治区など中国南部で同型による感染死が続いている。




 記事にある通り、香港からみて広東省のその向こうにある湖南省(1月24日)や広西チワン族自治区(2月20日)で鳥フル感染死の報告が相次いでいました。香港内でも鳥フルに感染した野鳥などが発見されるなどして当局が警戒を強めていた矢先に、今度は隣の広東省、しかも香港から遠くない汕尾市でドカンです。ちなみにこの汕尾市といえば知る人ぞ知る、中国最強の武装農民戦闘集団(東洲地区)の名産地。

 香港にとってはもはや至近弾といえる目と鼻の先です。という訳で香港市民はこのニュースに衝撃を受けている……かといえば、さにあらず。もう毎年のことで慣れているのです(笑)。目下のところ中国肺炎当時のような切迫した事態でもありません。私の仕事仲間も、やはり香港人である配偶者の姉も「なんか嫌だなー」という気分を持ちつつも、特に動揺してはいませんでした。

 ただし香港市民の感想とは裏腹に、全般を俯瞰してみると準ガクブル状態ともいえる危うさ,脆さのようなものをみてとることができます。今回死亡した女性を取り巻く人々や地元に対する検査や隔離態勢などが、

「さあどうぞ蔓延して下さい拡散して下さい」

 と言わんばかりのザル同然であるうえ、香港当局も「宗主国」への遠慮なのか初動から立ち後れたばかりか講じた対策が大甘。それでいて香港市民にも要検査対象の病人がすでに出ているのです。

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 今回鳥フルで死亡した女性は養鶏場を営んでいた訳ではなく、夫が汕尾市海豊県でレンガ工場を経営しており、その裏の土地で自家用の鶏を飼っていました。工場の職員はいずれも女性(四川省出身)と血縁・地縁関係にある者ばかり約20名。ごく家族的な雰囲気の工場だったものと想像されます。

 そしてある日、家で飼っていた鶏のうち1羽が病死。いかに農村とはいえ鳥フルのことは知っていたようですが、いずれも農民出身であることから「もったいない」という気持ちが先に立ち、その病死鶏を料理してみんなで平らげてしまったそうです。

 女性にはほどなく肺炎のような症状が現れました(2月16日)。近くの診療所で医者に診てもらったものの病状が回復せず街の病院へ移ったところ、「ひょっとしてこれ鳥フル?」と医師が疑惑を抱いてより大きな病院に転院。入院し検査を受けて鳥フルに感染していると判明したのが24日で、その翌日に女性は死亡しました。

 広東省当局は中央の衛生部や「植民地」である香港・マカオなどに事態を通知する一方で、女性の家族や工場職員を隔離して感染しているかどうかの検査にかかり、現在結果待ちの段階。一方で自宅と工場を中心とする半径3km以内の家禽類を全て処分し、消毒などの措置が行われました。

 広東省からの通報に接した香港当局はそのニュースを公開するとともに、
感染地を中心とする半径13km以内からの家禽類及び関連食品などの輸入を21日間停止する措置をとりました。

 ところが。感染地で講じられた措置も香港側の対応も,実は穴だらけだったのです。

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 まずは感染地である汕尾市海豊県ですが、感染地の近所の農民によるとまず地元の役場から「消毒しろ」との指示があったためとりあえず手持ちの石灰をあちこちに散布。その後ようやく届いた鳥フル用消毒薬を渡されて、衛生部門の担当者ではなく自分たちの手で消毒作業を行ったそうです。省当局から担当者が現地入りしているそうですが、地元当局はグダグダのようです。

 その証拠に、隔離措置が徹底していません。……というより機能していません。
「病死した鶏をみんなで食べたら家内が肺炎になって……」という女性が発病する経緯は、香港紙『明報』の記者が現地入りして、当の女性の夫からとったコメントなのです。

 この記者の報道によると、封鎖されている筈の地域に何のチェックもないまますんなりと入ることができ、
「消毒は自分たちでやった」という封鎖地域内の農民から話を聞くことに成功。さらに何と隔離されている筈の夫ほか家族や工場職員たちへのインタビューもしっかりと行っているのです。「隔離」とは名ばかりで実態は「村から出るな」程度の縛りしかなく、「被隔離者」たちは退屈しのぎに村外に通じる唯一の道路まで散歩に出てきたりしていたとのこと。

 また、半径3km以内の家禽類は一切処分されたとはいえ、地元の市場では鶏などが普段通りに販売されて普通に買われており、売り上げも1割前後減少した程度で鳥フルの打撃は大きくないそうです。近所で死者が出たことはみんな知っているそうですが、現地は意外にものんびりとした雰囲気。

 とりあえず、隔離されている筈の人たちが村内を自由に行動できるうえ、香港紙の記者が封鎖地区へ自在に出入りできるというのは如何なものでしょうか。『明報』に一歩遅れて、『東方日報』や『太陽報』の記者も現地入りしています。

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 そして香港。マスコミは当局の初動の鈍さをまず叩いています。入院している女性が鳥フルに感染している疑いが強いという通知を広東省衛生庁から受け、それを発表するまでに5時間を要し、同じタイミングで通報に接したマカオより発表が3時間も遅れました。

 香港社会は変質しつつあるとはいえ「やったもん勝ち」的価値観がいまなお健在ですから何事もスピードにこだわります。メディアもスクープ記事を出すときには
「全球最快」(世界最速)などという大袈裟な見出しを躍らせたりしますから、「発表までに5時間」「マカオより3時間遅れ」というのはマスコミにとっては重大な問題なのです。もちろん、危機管理という点に照らしても香港当局の仕事ぶりはほめられたものではありません。

 そして、香港当局が続いて発表した対策がこれまた問題となりました。上述した通り
「感染地を中心とする半径13km以内からの家禽類及び関連食品などの輸入を21日間停止」というものです。香港に対する中国本土からの食品輸出は自由ではなく、品質管理の観点から指定業者のみに取引が許されているのですが、その指定業者が「半径13km以内」にはひとつもないのです。要するに対策を講じたといっても、何もしていないのと一緒。

 
「半径13km」というのも批判の対象となりました。国連の関連組織が定めたガイドラインでは感染地を中心に半径15km以内を管理下に置くべき規制地区と定めているのですが、「半径13km」では指定業者がいないうえ、このガイドラインの条件をも満たさない対応ということになります(ガイドラインに強制力はありませんけど)。これについて担当部門である食品衛生局の周一嶽・局長は、

 ●死亡した女性は潜伏期間中、感染地から離れていなかった。
 ●目下のところヒトからヒトへの伝染が確認されていない。
 ●養鶏業者ではなく、自家用として少数の鶏を飼っていたため、感染拡大の可能性が低い。

 と説明していますが、なぜ「半径13km」なのかという問いへの回答にはなっていませんし、「ヒトからヒト感染」については死亡した女性の近親者たちが感染しているかどうかすら検査結果が出ていない段階です。このフニャフニャした姿勢にマスコミや専門家たちから非難が集中しています。

 ――――

 しかし、最も叩かれているのはやはり
「何の規制にもなっていない輸入規制」です。

「万一を考えて広東省全域からの輸入を一時停止すべきだ」

 というのが専門家の主張であり、実際に一昨年までは、広東省で鳥フル感染者が出ると香港当局もその通りの措置をとってきました。

 ところが昨年はそれが
「感染地を中心とする半径24.5kmの範囲からの家禽類及び卵の21日間輸入停止」へと規制が緩み、今回は「13km」へと規制範囲も縮小。マスコミからは、

「政治的色彩の濃い措置ではないか」

 と疑問の声があがっています。そこは悲しいかな中華人民共和国の「植民地」。「広東省全域からの輸入停止」だと広東省当局から反発が出て、政治的に弱い立場である香港が窮することを恐れているのではないか、というものです。

 ……いや、政治的な力関係だけならともかく、水や電気をはじめ食料から経済(観光客及び対中投資)まで一切を握られている香港は、広東省の機嫌を損ねるとどういう報復をされるかわかりません。

 実際に、輸入した養殖魚から発ガン性物質マラカイトグリーンが検出されて広東省全域からの淡水魚輸入停止を香港当局が実施したのに対し、広東省当局が「香港への輸出禁止」という逆ギレに出たという前例があります。

 ●既視感?香港の「有毒淡水魚」規制に広東省が逆ギレ。・上(2006/11/29)
 ●既視感?香港の「有毒淡水魚」規制に広東省が逆ギレ。・下(2006/11/29)

 その一方で、香港市民から感染者が出る可能性が現在進行形です。……というのも、現時点で
原因不明の肺炎患者6名(男5名女1名・2歳~95歳)が当局によって確認されています。その全員が発病前の1週間以内に今回の感染地に立ち寄っているのです。この6名に対しては現在検査が行われており、診断結果待ちの状況です。

 ――――

 ……という訳で、感染地を抱える広東省も,広東省に身を委ねるしかない香港も、有効な鳥フル対策を実施していないというのが現状。

 今回の死亡例が散発安打で終わる可能性もありますが、実務において緊張感があまりに欠如しているため、広東省内の他の地域からも複数の火の手が上がれば香港は一気にレッドゾーン突入となってしまいます。中国に雪害をもたらした例年にない寒波も鳥フルの流行には追い風となりかねません。

 観光業界ではすでに「実害」が出始めているそうです。香港から広東省の汕頭・潮州方面への人気ツアーで、観光客が食事に出された家禽類の料理に手を出さず、

「怖くて食べられたもんじゃない。他のメニューに換えてくれ」

 とツアコンに要求。

「そんなこと無理です」

「じゃあカネ返せ」

「もっと無理」

 といった悶着が起きているとか。まあ現時点では大きな影響は出ていないようですけど。

 ともあれ香港には万単位の在留邦人がいますし、広東省に駐在したり省内を飛び回ったりしている日本人ビジネスマンも相当な数になるでしょう。その意味では日本も高見の見物という訳にはいきません。

 私の周囲の香港人たちはのんびり構えているようですが、現実にはガクガクブルブルの一歩手前かも知れない状況なのではないか、と愚考する次第です。何事も用心が肝腎ですから。……続報待ちです。


 ――――


 ●『明報』(2008/02/26)
 http://hk.news.yahoo.com/080225/12/2pfrj.html
 http://hk.news.yahoo.com/080225/12/2pfrk.html
 http://hk.news.yahoo.com/080225/12/2pfrl.html
 http://hk.news.yahoo.com/080225/12/2pfrm.html

 ●「中時電子報」(2008/02/26)
 http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130505+132008022601655,00.html

 ●「明報即時新聞」(2008/02/26/20:54)
 http://www.mpinews.com/htm/INews/20080226/gb22054c.htm

 ●『明報』(2008/02/27)
 http://hk.news.yahoo.com/080226/12/2pih6.html
 http://hk.news.yahoo.com/080226/12/2pih7.html

 ●『蘋果日報』(2008/02/27)
 http://www1.appledaily.atnext.com

 ●『星島日報』(2008/02/27)
 http://www.singtao.com/yesterday/loc/0227ao08.html

 ●『東方日報』(2008/02/27)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_a19cnt.html?pubdate=20080227

 ●『太陽報』(2008/02/27)
 http://the-sun.on.cc/channels/news/20080227/20080227025825_0000.html
 http://the-sun.on.cc/channels/news/20080227/20080227025524_0000.html

 ●『香港文匯報』(2008/02/27)
 http://paper.wenweipo.com/2008/02/27/CH0802270031.htm
 http://paper.wenweipo.com/2008/02/27/CH0802270032.htm




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「上」の続き)


 引き続いては当ブログにしばしば米国発の情報を提供して下さる「歩厘」さんによるレポートです。



 ■予想される米国での反応(歩厘) 2008-02-1601:37:06

 残念ながら、今、私はアメリカ在住ではないので、現地での反応を直接伺うことは出来ないのですが、現時点でググってみてもそれほど記事がヒットしないので、今のところ、反響はさして大きくないと思われます。今、アメリカでは、ノーザンイリノイ大学における発砲事件と、相変わらずのクリントンとオバマによる民主党大統領候補指名争いがヘッドラインを飾っているようです。ただ、この件に関しては、WSJ(ウォールストリートジャーナル)のみでなく、

 ●ニューヨークタイムズ
 http://www.nytimes.com/2008/02/15/washington/15fda.html?ref=us

 ●ロサンジェルスタイムズ
 http://www.latimes.com/business/la-fi-heparin15feb15,1,4709385.story

 ●シカゴトリビューン
 http://www.chicagotribune.com/features/lifestyle/health/chi-fri_bloodthinnerfeb15,1,7872870.story

 ……と他の主要紙も報じていますので、決して扱いが小さいわけではないと思います。

 ロサンジェルスタイムズは「この件は、昨年発生した中国産のペットフードやおもちゃに関するパニックに続いて、中国製品に関する国民の不安感を増すもの思われる」、シカゴトリビューンは「中国の工場に潜在する問題は、中国がアメリカに製品を供給する役割に、また別の観点を投げかけるだろう」と、いずれも中国製品に対する不信感が増すことを予想しています。

 ちなみに、ビジネスウィークに載ったAPの記事によると、14日のバクスターの株価は、2.2%ほど下がったようです。

 http://www.businessweek.com/ap/financialnews/D8UQ7M381.htm




 何とも至れり尽くせりの情報であります。このニュースがじわじわと広がっていくのが実感できます。「歩厘」さん、毎度のことながら本当にありがとうございます。

 また、某巨大掲示板の某スレで情報提供を御願いしたところ、打てば響くように詳報を届けてくれる方がいらっしゃいました。要点を適確にまとめた実に秀逸なレポートです。



 ■680 名前:名無的発言者 投稿日:2008/02/16(土) 13:41:52

 ◆「食品・薬品局が中国の工場を検査しないのは内規違反」(ニューヨークタイムズ 2008/02/15)
 http://www.nytimes.com/2008/02/15/washington/15fda.html?_r=1&adxnnl=1&ref=us&adxnnlx=
 1203134305-8EVdWZKzCNmZ5G/ve1NfLg&oref=slogin

 ●食品・薬品局の広報官「バクスターの薬が工場の検査なしで認可・販売されたのは間違いだった」
 ●食品・薬品局には薬品の販売を許可する前に工場の検査をする決まりがあった
 ●民主党議員で調査委員会(?)委員長「問題発覚以降、食品・薬品局が中国の工場の情報開示をできてないのは非常に問題」
 ●この委員長曰く「工場を検査したのかどうか、他にどんな問題があったのか、ここから供給を受けた会社が他にあるのかどうか公表していない」
 ●バクスターがヘパリンを作るのに使った成分は、サイエンティフィック・プロテインという会社から購入。その成分はウィスコンシン州ウォナキーと
 ●サイエンティフィック・プロテイン社は「中国の工場で国内のヘパリン工場同様の検査と品質管理の手続きを踏んだ」と発表。でもそれいつ?
 ●バクスター「サ・プ社の中国工場はこの半年内に検査をバクスターが行った。ウィスコンシンの工場は去年検査を行った」自前の検査はやってた模様だが…
 ●バクスター「最近の検査で、サ・プ社からバクスターに送られたロットに微妙な化学的差異があった。これがどう影響したのかは分からない」
 ●食品・薬品局は国内の製薬工場を2年に1度検査しなければならない。でも外国の製薬工場は13年に1度検査したかどうか。1年に30箇所の検査をするのがせいぜいで、中国には認可を受けた工場が700ある。
 ●食品・薬品局の元弁護士「ヘパリンの件で、食品・薬品局は汚染された製品の輸入を防ぐ人員がいないことが分かる」

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 ■681名前:名無的発言者 投稿日:2008/02/16(土) 14:13:02

 ◆「中国 製薬業者を検査せず」(ニューヨークタイムズ 2008/02/16)
 http://www.nytimes.com/2008/02/16/us/16baxter.html?ref=world

 ChangzhouSPLという工場は製薬の免許を持っていないため、中国の薬品局(?)は検査をしていなかった、とのこと。

「上海の西、常州市にある工場は、アメリカと中国の保健当局が塞ごうとしている法の抜け道にある類に当てはまるようだ。化学会社が中国当局の許可無しに医薬品を輸出する抜け道である」

「工場の所有者である米サイエンティフィック・プロテイン社は、この工場が中国当局の認可を受けていないことを確認する声明を発表。ただし、成分の原料は認可を受けた工場から供給されたものとのこと」

 中国の国家食品・薬品なんとか局のShenChen「分かっている限りでは、これは製薬業者ではなく化学成分のメーカーだ」


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 ■689 名前:名無的発言者 投稿日:2008/02/17(日) 00:22:54

 アメリカのインターネット上の報道を見てると選挙戦一色で、この殺人薬品のニュースはあまり目立ってない印象…

 アメリカの食品医薬品局が中国の工場に検査に訪れるというニュースを、工場の親会社があるウィスコンシン州の新聞が伝えてる模様。

 ●食品医薬品局、中国の工場を検査へ
 http://www.jsonline.com/story/index.aspx?id=718808

 中国(外国)の工場を検査するのは異例とのこと。日本に輸出された毒餃子のことは何も書かれてないけど、中国産の毒入りの食い物、おもちゃ、歯磨き粉が注目されてる中、バレンタイン用の中国製キャンディに金属片が見つかって、メリーランド州で回収されたというニュースが触れられている。

 バクスターの広報「中国→サイエンティフィック・プロテイン→バクスターのどの段階に問題があったのかまだ分からない」

 食品医薬品局の検査がいつなのか書いてないけど、「検査に合わせ停止していた工場を来週また稼働させる」と書いてあるので来週以降現地入りするのかな。




 無名戦士の皆さんの助太刀、実に心強い限りです。常州といえば、「鬼子孫」さん御提供のウェブサイトにヘパリン輸出企業ランキングが出ていました。常州市の企業が2社ランクインしていた筈です。そのうち1社はランキング第2位。これは工場を特定できるぞ……とワクテカでリンク先に飛んでみました。

 ●中国医薬保険品進出口協会
 http://www.cccmhpie.org.cn/mid/news_SH_detail.aspx?ID=20079414362414

 ところが、メンテ中なのか別の理由によるものなのか、該当記事にアクセスできませんでした。

 じゃあダメ元で中国国内のサーチエンジンでも使ってみるか、と「肝素 常州」でサーチ。……したところ、何と中国国内でもこの事件が報じられているではありませんか。正に灯台下暗し。

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 ●「華爾街日報中文網絡版」(2008/02/15/14:25)
 http://www.chinese.wsj.com/gb/20080215/chw144152.asp

 ●「新聞晨報」(2007/02/17/10:09)
 http://finance.ifeng.com/news/industry/corporate/200802/0217_2237_402069.shtml

 ●「広東新聞網」(新民網 2008/02/18/18:39)
 http://www.gd.chinanews.com.cn/2008/2008-02-18/8/61814.shtml

 何とまあ、タイムリーに詳報しているではありませんか。死者4名・アレルギー反応350名という被害についても明記。御家人チェック甘過ぎ(笑)。

 これらの記事によると、米国の製薬会社が口をつぐんでいた問題の工場は
「常州凱普生物化学有限公司」とはっきり特定されてしまっています(笑)。FDA(米食品医薬品局)が査察を行う対象も、この工場。ただしFDAの査察に対し、中国当局(中国国家食品薬品監督管理局)は消極的ひいては冷淡な姿勢のようです。とはいえFDAは強腰の模様ゆえ今後の展開に要注目です。

 ちなみに「問題の工場」としてロックオンされた「常州凱普生物化学有限公司」も相当神経質になっているようで、地元紙の取材などについては「責任者が全員不在」などの理由で頑なに拒否しているとのこと。電話取材も担当者に取り次がないという徹底ぶりで、これはもう「怪しさ満点」としかいいようがないでしょう(笑)。

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 それにしても、と思わざるを得ません。日本の毒餃子事件に関しては中国当局の情報開示が不十分で、とうとうキレた国内メディアが共同電の消息筋情報を転載するという挙に出て、質検総局が慌てて記者会見でを開いて弁明に努めるというドタバタぶりでした。

 ところが米国の抗凝固薬問題については米国側の報道から間髪入れずに即ニュースにして中国全土に流しています。一体この差は何?米国では死者が出ているうえ、アレルギー発症者が350名、そしてその40%が重篤状態。……という理由によるものと思いたいところです。

 それともやっぱり、……考えたくないことではありますが、中国当局に多寡をくくられ、思う存分に舐められているのでしょうか。日本のマスコミも、日本政府も。




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 中国毒餃子に関する報道が次第に勢いを失いつつことが懸念される日本のマスコミですが、まだまだ頑張っているところもあります。『毎日新聞』は特に奮闘しています。頑張れ。もっと頑張れ。

 ちょっと長くなりますが同紙の記事を転載します。



 ●中国生産食品企業:緊急アンケ、強い危機意識を浮き彫り(毎日新聞東京朝刊 2008/02/17/21:48)
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080218k0000m020086000c.html

 毎日新聞社の主要食品メーカーへの緊急アンケートから、中国製冷凍ギョーザ中毒事件をきっかけにした消費者の不安の高まりに対する企業の強い危機意識が浮かび上がった。人件費が安く、原料調達でも有利な中国への生産依存を各社が強める中で、生産拠点の移転は容易ではなく、ほとんどの社が安全管理体制の強化などで信頼回復を図り、現状の生産体制を維持する構えだ。

 アンケートに回答した26社は、いずれも自社工場や委託生産、中国市場向け工場など、何らかの形で中国に生産拠点を持つ。多い会社では20拠点に上った。半数以上の企業が個別の回答で社名を掲載しないよう希望し、「この状況では、答えることだけでリスクになる」と回答そのものを拒否する企業もあるなど、各社が消費者の反応に敏感になっていることをうかがわせた。

 実際に、事件を機に6社の売り上げが低下しており、味の素冷凍食品は「深刻な影響がある」と回答した。

 このため、安全管理体制の強化が各企業にとって急務になっている。事件を機に「対策をとった」「とる方向で検討中」と回答した11社以外にも、「状況に応じて見直す」(江崎グリコ)、「体制の再チェック段階」(調味料メーカー)などの回答があり、これらを含めると半数以上が何らかの対策を取る必要性を感じている。

 一方で、中国からの生産拠点の移転について、「検討している」と答えたのは、カゴメなど2社のみ。「中国で製造しているから危険というわけではない。(4割を切る日本の)食料自給率を考えると不安を早く解消し、安定供給体制を確保することが最も重要」との意見もあった。

 ただ、「まだ原因が解明されていないので情報収集に努めている」(調味料メーカー)などと明言を避けた企業も5社あり、今後、移転を検討する企業が増える可能性もありそうだ。【秋本裕子、工藤昭久】

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 ●中国製ギョーザ中毒:食品企業アンケート 消費者不安に危機感 中国生産依存強く(毎日新聞東京朝刊 2008/02/18)
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080218ddm002040101000c.html

 毎日新聞の主要食品メーカーへの緊急アンケートから、中国製冷凍ギョーザ中毒事件をきっかけにした消費者の不安の高まりに対する企業の強い危機意識が浮かび上がった。人件費が安く、原料調達でも有利な中国への生産依存を各社が強める中で、生産拠点の移転は容易ではなく、ほとんどの社が安全管理体制の強化などで信頼回復を図り、現状の生産体制を維持する構えだ。

 アンケートに回答した26社は、いずれも自社工場や委託生産、中国市場向け工場など、何らかの形で中国に生産拠点を持つ。多い会社では20拠点に上った。半数以上の企業が個別の回答で社名を掲載しないよう希望し、「この状況では、答えることだけでリスクになる」と回答そのものを拒否する企業もあるなど、各社が消費者の反応に敏感になっていることをうかがわせた。実際に、事件を機に6社の売り上げが低下しており、味の素冷凍食品は「深刻な影響がある」と回答した。

 このため、安全管理体制の強化が各企業にとって急務になっている。事件を機に「対策をとった」「とる方向で検討中」と回答した11社以外にも、「状況に応じて見直す」(江崎グリコ)、「体制の再チェック段階」(調味料メーカー)などの回答があり、これらを含めると半数以上が何らかの対策を取る必要性を感じている。

 一方で、中国からの生産拠点の移転について、「検討している」と答えたのは、カゴメなど2社のみ。「中国で製造しているから危険というわけではない。(4割を切る日本の)食料自給率を考えると不安を早く解消し、安定供給体制を確保することが最も重要」との意見もあった。ただ、「まだ原因が解明されていないので情報収集に努めている」(調味料メーカー)などと明言を避けた企業も5社ある。【秋本裕子、工藤昭久】

◇アンケート回答企業(50音順。1社は社名掲載拒否)

 アサヒビール▽味の素冷凍食品▽江崎グリコ▽エスビー食品▽カゴメ▽加ト吉▽亀田製菓▽キッコーマン▽キユーピー▽協和発酵フーズ▽キリンビバレッジ▽キリンホールディングス▽サントリー▽東洋水産▽日清オイリオグループ▽日清食品▽日清製粉グループ本社▽日本食研▽日本水産▽日本ハム▽ハウス食品▽不二家▽ミツカングループ本社▽明治製菓▽明治乳業




 長文ではありますが、ポイントは最後の企業名一覧だったりして(笑)。記事の趣旨とは異なるかも知れませんが、消費者にとってこれほど有り難い情報はありませんから。

 しかも、毒餃子に続く新たな問題も浮上して参りました。

 ●中国で加工の冷凍サバから「ジクロルボス」…52品目を回収(YOMIURI ONLINE 2008/02/18/20:42)
 ●冷凍サバからジクロルボス デンマーク産、中国加工(asahi.com 2008/02/18/21:56)
 ●中国加工のサバから殺虫剤 香川の会社が自主回収(共同通信 2008/02/18/22:15)

 叩けばまだまだ色々と埃が出てくることでしょう(笑)。もちろん、叩く度胸が日本側にあれば、ですけど。

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 さて標題の件。いうまでもなく、

 ●速報:中国製の抗凝固薬、米国で死者4名・アレルギー反応350名!(2008/02/15)

 の続報です。米国での出来事とはいえ、「死者4名・アレルギー反応350名」です。まだ中国の工場に問題があった、という結論には達していないのですが、毒餃子の折も折だけにインパクト十分。喰いついてもよさそうなのに、なぜか日本のマスコミは至って静かです。

 しかしながら某巨大掲示板には関連スレッドが立ちました。ネットの力を過大評価してはなりませんが、マスコミが足並み揃えてスルー、というニュースもどんどんネットで拾い上げられていく。世論誘導が機能しにくくなりました。まことにいい時代になったものです。むろん、それを逆手にとる動きには注意する必要はありますけど。

 という訳で今回はネット上に流れている情報を含め、皆さんから寄せられたコメントで続報エントリーとさせて頂きます。横着者というお叱りはごもっとも。ただし当方も仕事をしながらですから中国情報を集めるだけで手一杯なのです。どうか御容赦のほどを。

 繰り返しになりますが、某巨大掲示板に関連スレッドが立ち上げられました。



 ●【米中】ヘパリン投与で4人死亡・・・中国製の薬品成分が原因?FDAが調査を開始[02/15]
 http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1203041013/l50

  ――――

 ■1 名前:壱軸冠蝶φ★ 投稿日:2008/02/15(金) 11:03:33

 ●ソース:ロサンゼルスタイムス(依頼スレ91さんの依頼で記者が英文記事を翻訳)
 http://www.latimes.com/business/la-fi-baxter14feb14,1,6817997.story?ctrack=1&cset=true

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は中国から輸入された血液の抗凝結薬が、激しいアレルギー反応を示し幾つかの死亡例と何百もの症例報告と直結している可能性があるとし調査を開始した。

 バクスターヘルスケア社のヘパリンは、いくつかの有効成分を中国で生産している。ただしFDAやメーカ側もそれが原因として発生したと判断するにはまだ早計だと話している。

 FDAによるとヘパリンを投与された何人かの患者は生命に危険が及ぶほどのショック症状を示し、呼吸困難や吐き気、嘔吐、多汗、急激な血圧の低下などといった症状が見られたとのこと。FDA職員は薬との直接な関係は不明としながらも、ヘパリン投与後に四人が死亡したと話した。

 中国国家食品医薬品局へ問い合わせても回答は得られなかった。

 近年中国は輸出で食品材料と同様、調剤成分の分野も活発化し主要な輸出業者となった。中国の貿易統計を引用したドラッグビジネスニュースによれば、ヘパリンとその成分に関する中国の輸出は2007年の前半だけで、前年同期間より13.7%増加し計5780万ドルに達したと
報じている。

 公表では広州だけでも49の会社がヘパリンとその成分を輸出しているとのこと。バクスター社は月曜日にヘパリンの複数回投与用瓶の製造を停止したと発表した。

 ヘパリンは注射薬で、ブタの腸から作られる。心臓のバイパス手術やその他の外科手術において危険な血液の凝固を防ぐために用いられる。バクスター社によると、全米で使われるヘパリンの半分は同社が製造しているとの事。

 バクスター社のスポークスウーマン、エリン・ガーディナーによると製造元は30年以上ヘパリンを製造しており、バクスターに対しても20年以上供給を続けてきたと話している。また中国でのプラントはこの数年稼動を続けてきていたとの事。

 バクスター社は去年米国内の製造元施設と、中国のプラントを検査し双方で良好な成績を出したと言っている。政府職員の話によれば、FDAは中国国内のプラントについては検査をしていないと話した。




 さあお待ちかねの中国「毒」フラグが米国でも立ちました。


「下」に続く)




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 毒餃子がちょっと香ばしくなりつつある気配を示しているのですが、思うところがあって今日はスルー。寝かせます。

 その代わり、といっては何ですが同じ冷凍食品の話題を。ただし毒入りではありませんし、日本の話でもありません。とはいえタイトルの通り、日本人がたくさん住んでいる上海市を舞台としたニュースです。



 ●スーパー販売員が客と口論、包丁で切りつけ大ケガ―上海市(Record China 2008/02/15/17:45)
 http://www.recordchina.co.jp/group/g15598.html

 2008年2月12日、新民晩報によれば、上海市でスーパーの販売員が返品に訪れた男性と口論になり、包丁で客を切りつけケガを負わせるという事件が起きた。

 男性は購入したジューサーを返品しようと、旧正月前に返品のため一度訪れていたが、レシートを忘れていたため返品できず、店員から休み明けにまたレシートを持参してきてほしいと言われた。11日夜、再び返品のため訪れたとき、その店員がおらず、他の店員たちはボールで遊んでいた。男性が返品を頼もうとして、店員の一人を店長室へ連れて行こうとしたところ、別の店員との間で口論となり、店員が突然包丁を持ち出し、男性は背中を切りつけられた。

 男性は出血がひどく、病院へ搬送された。診断の結果、背中に長さ10cm、深さ3cmの傷を負っていたが、幸い命に関わることはなかった。現在、警察が事情聴取を行っている。スーパーの責任者は男性の見舞いに病院を訪れ、賠償を申し出ている。

 スーパー側の説明によれば、容疑者はジューサー生産工場から派遣されてきており、事件が起こる前まではまじめに働いており、特に異常は見られなかった。(翻訳・編集/岡田)




 ……ち、違っ!

 でも「他の店員たちはボールで遊んでいた」「店員が突然包丁を持ち出し、男性は背中を切りつけられた」ってのはすごいですね。営業時間中にお客そっちのけでボールで遊んでいたのなら中国の良き伝統がいまなお健在であることに安心感を覚えるのですが。

 まあ、客がいるのに構わず、ライバル店の弁当を店員たちがでレジで試食してあれこれ意見するするコンビニがあるくらいですから、ボールで遊んでいても不思議ではないかも知れません。むしろボール遊びができる空間のあるゆとりに感心します(バレーボールのトス回しとかだったりして)。

 閑話休題。

 ――――

 上海市のスーパーなどで販売されている冷凍食品について、温度管理が極めてずさんで合格率は20%にも満たない、というレポートがこのほど発表されました。

 「上海スーパー食品安全研究レポート」というもので、上海連鎖経営協会(スーパーやコンビニチェーンの業界団体?)と上海商学院流通経済学院が共同で作成した報告書です。

 これによると、上海市のスーパーで販売されている食品の取り扱いなどについて細かく項目分けして調査したところ、総合基準における合格率は81%に達し、特に仕入れ、保管、店員による取り扱い、問題食品の処置などについては合格率が91%に達しました。

 ……と記事は賞讃調なのですが、逆にいえば
総合評価で約2割、仕入れ・保管・店員の質・トラブル対応などで約1割が不合格ということにもなります。摩天楼が建ち並び中国の経済発展のシンボル的な存在である上海市でこの成績、ということに喜ぶべきなのか「あちゃー」と言うべきなのか。

 仮にこの成績を良好と評価するにしても、です。同レポートによると製造・品質検査・安全管理・販売の4つの段階での合格率は総合評価(百点満点で81点)を下回っており、スーパーで売られている食品の安全を確保する上でのアキレス腱になっているそうです。具体的な合格率は記事に出てきません。

 製造・品質検査・安全管理・販売の現場に問題があるのならダメダメだと思うのですが。……ハッ!だから「トラブル対応」には手慣れていて点数もいいのかも。とりあえず総合評価に照らせば、スーバーの5店に1店で売られている食品には危険な香りが漂う、とでもしておきましょうか。

 ――――

 ところが実は「8割がアブナい」ものがあるそうで。……いや「8割以上」ですね。それがタイトル通り冷凍食品です。

 同レポートによれば、
冷凍・冷蔵食品は輸送段階での温度管理が極めてずさんで、基準に達している業者は全体の20%にも満たないとのこと。簡単にいえば冷凍・冷蔵食品の大半は常温で各店舗へと運ばれてくるということです。ええ、もちろん冬でも、夏でも。

 上海市の某大手スーパー食品加工配送センター筋によると、一部の業者は冷凍・冷蔵食品の輸送に専用トラック(冷凍車とか)を使用していないとのこと。専用トラックを使っていても、冷凍・冷蔵機能を作動させていない業者が一部にいるようです。それなら密閉空間であることが災いして逆に普通のトラックより「室温」が高くなるではありませんか。

 夏などはどうなっているのでしょう。
冷凍食品は輸送段階でいったん自然解凍されたものが店舗で再び冷凍されることが多く、店舗によってはさらに店内で自然解凍~再冷凍された上で売り場に陳列される製品もあるそうです。ですから評価点は20点未満。

 上海にしてこのレベルです。冷凍・冷蔵食品については毒入りかどうかという以前の問題。手を出さない方が身のため、といえるでしょう。

 ●『大公報』電子版(2008/02/16/11:06)
 http://www.takungpao.com/news/08/02/16/ZM-864638.htm

 ……ええ、一応香港の親中紙が出した記事であることを付け加えておきます。ソースは台湾・中央通信ですが恐らく上海の地元紙あたりの記事を転載・配信したものかと思われます。




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 またまた中国製です。今度は薬品です。米国で死者まで出ています。米国発のニュースであるうえ私にとっては畑違いの縁遠い分野の話題ゆえ、今回は引用が多くなることを諒として頂ければ幸いです。

 ちなみに、今回のニュースは前回のエントリーで「通りすがり」さんがタレ込んで下さった情報が基になっています。



 ●Unknown (通りすがり) 2008-02-14 23:34:57

 米国において、中国工場で製造された医薬品で薬害が発生した模様です。死亡4名、被害者?350名ほど出てるようです。




 「通りすがり」さん、多謝であります。m(__)m

 このコメントを受けて私は「ソース希望」とか「kwsk」とレスしようとしたのですが、とりあえず自分で調べてみました。ぐぐってみたところ、



 ●ウォールストリート・ジャーナル紙ヘッドライン【14日付】(ロイター 2008/02/14/18:15)
 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK812413720080214

 米食品医薬品局(FDA)の検査を受けたことのない中国の工場で、米バクスター・インターナショナルの抗凝固薬の有効成分が製造されていたことが明らかに。同薬については死者4人を含むアレルギー反応が多数報告される。




 という報道を拾いました。詳細はこちら(英文)。

 ●China Plant Played Role In Drug Tied to 4 Deaths(THE WALL STREET JOURNAL 2008/02/14)
 http://online.wsj.com/article/SB120293808086766253.html

 また、ブログ「医師の一分」さんのところに『WSJ』紙とは別口の情報が出ています。



 ●バクスター製ヘパリン製剤で重篤な副作用/米国医療事情 中国製原料(医師の一分 2008/02/14/23:20)
 http://kurie.at.webry.info/200802/article_25.html

 FDA(米国食品医薬局)による検査のされていない中国の工場で製造された原料によるヘパリンで350人に被害が生じ、少なくとも4人が死亡した。早期に中国の工場を検査するという。ヘパリンは豚の腸から作られる。バクスターはヘパリンの米国使用量の半分を製造しており、製造中止で供給不足に陥る可能性がある。
(中略)

 昨年末ミズーリ病院で透析を受けている子供が激しいアレルギー反応にみまわれ、公衆衛生当局はヘパリン供給品についての問題に気づき、調査で数百の同様なケースが見つかった。バクスターは最初製品のいくらかを回収したが、問題は持続した。
(後略)



 「事件」として問題が本格化したタイミングは日本の毒餃子事件とほぼ同じであるようです。



 ◆Baxter社 ヘパリン抗凝固薬の9ロットを緊急自主回収

 2008年1月25日、Baxter International社は、アレルギー様の有害事象報告の増加を受けて、血液透析や心侵襲性治療に主に使用される1000 ユニット/mL 10mLと30mLマルチドーズバイアルのヘパリン抗凝固薬の9ロットを緊急に自主回収していると発表しました。

 ●「Bio Today」(2008/01/26)
 http://www.biotoday.com/view.cfm?n=24670

 ――――

 ◆バクスター社 重篤なアレルギー反応によりマルチドーズバイアルのヘパリンの製造を一時中止

 2008年2月11日、Baxter Healthcare Corporationは、死者4人を含む重篤なアレルギー反応や血圧低下の報告を受けて抗凝固薬・ヘパリンのマルチドーズバイアルの製造を一時中止したと発表しました。

 ●「Bio Today」(2008/02/12)
 http://www.biotoday.com/view.cfm?n=24997

 ――――

 ◆バクスター社のヘパリンが製造されている中国の工場をFDAは一度も査察していなかった

 Reuters によると、死者4人を含む重篤なアレルギー反応や血圧低下の報告を受けて抗凝固薬・ヘパリンのマルチドーズバイアルの製造一時中止をBaxter社が発表した翌日、Baxter(バクスター)社のヘパリンが製造されている中国の工場を一度も査察していなかったとアメリカFDAが告白しました。

 ●「Bio Today」(2008/02/14)
 http://www.biotoday.com/view.cfm?n=25046




 日本のような騒ぎになっていたようではありませんが、死者まで出ているので米国内ではそれなりに報道されてたのでしょうか。現時点においては日本のマスコミで詳報しているところはない模様です。

 この件、実は香港紙の方が速く、今日付(2月15日)の紙面で親中紙『香港文匯報』をはじめ複数紙が報じています。白状しますと私も「通りすがり」さんのコメントに続いてこの香港メディアの報道を受けて腰を上げた次第。

 ●『明報』(2008/02/15)
 http://www.mingpaonews.com/20080215/caa4.htm

 ●『東方日報』(2008/02/15)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_b14cnt.html?pubdate=20080215

 ●『香港文匯報』(2008/02/15)
 http://paper.wenweipo.com/2008/02/15/CH0802150019.htm

 ――――

 簡単にまとめてみます。私には関連知識が皆無なものですからトンチンカンな部分があれば御指摘下さい。m(__)m

 米国の製薬会社バクスター・インターナショナルが製造・販売している抗凝固薬・ヘパリンのマルチドーズバイアルを服用した患者にアレルギー反応が出たことを受け、当局が調べたところ多数の被害が出ているという実態が判明しました。このため同社は販売した製品を緊急回収したうえ、製造中止を決定。

 現時点までで死者4名が出ているほか、約350名にアレルギー反応が出ていると報告されています。

 ここで中国の出番。問題となった製品のヘパリンが中国の工場で生産されていたことが明らかになり、調べたところ米食品医薬品局(FDA)の検査を一度も受けたことのない工場であることがわかったのです。

 このためFDAは急きょ調査に乗り出すことを決定、また中国に対し調査に協力するよう求めることにしました。FDA報道官が13日,明らかにしたところによると、「人為的なミス」と「情報技術システムにおける欠陥」などの原因により、FDAはこの工場に対して通常の認可前検査が実施できないでいるとのこと。

 ただし同報道官はまた、一連の被害の原因がヘパリンにあるかどうかはまだ断定できないともコメントしています。

 なお、バクスター・インターナショナル社のヘパリンは米国市場において約半分のシェアを占めているため、被害の拡大や製造中止による影響を懸念する声も出ているようです。



 ヘパリン (heparin) は抗凝固薬の一つであり、血栓塞栓症や播種性血管内凝固症候群 (DIC) の治療、人工透析、体外循環での凝固防止などに用いられる。ヘパリンの原料は牛や豚の腸粘膜から採取されるが、牛海綿状脳症 (BSE) 発生後の現在は健康な豚から採取されたものがほとんどである。

 ●「Wikipedia~ヘパリン」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%91%E3%83%AA%E3%83%B3




 情報量が十分でありませんし英文記事であるうえ、私には縁遠い業界の話なので苦労しております。問題の抗凝固薬が日本で使用されているのかどうかも不明です。御存知の方がコメント欄にて補強して下さることを願うばかりです。m(__)m

 取り急ぎ速報まで。




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 いきなり何コレ?な写真なんですけど、香港の最大手紙『蘋果日報』(2008/01/09)によるとこれは長江だそうです。ええ、あの長江の武漢市(湖北省)あたり。武漢といえば競馬の話をしたいのですがそれはまた別の機会ということにして、こんな状態なんで水位は観測史上最低記録を更新。水運にも大きな影響が出ているとのこと。ていうか船、浮かんでいないし。

 ――――

 長江といえば、私は上海に留学していた1989年の秋に内陸部をひと周りして、最後に重慶から三峡下りで上海まで4日間の船旅をしたことがあります。2人1部屋のコンパートメントが最高級で、乗る以上は絶対それだ、と最初から決めていました。

 ところが当時は職場の紹介状のようなものがなくては入手できない席で、たとえ外国人が専用旅行社で散々粘ってもなかなか取れないプラチナチケット(だった筈)。しかも私は私費留学生だったので料金は中国人の4倍(記憶モード)。嚢中が常に乏しかった私は冗談じゃないと思って闇屋に洋モクを握らせて頑張ってもらいました。

 その重慶には雲南省の昆明から夜行列車(硬臥=B寝台)で入ったのですが、途中で食べた激辛駅弁で夜通しゲイリー&ゲイリー。すっかり衰弱して重慶の駅から町中へと這い出したら水餃子の店があったので「これで救われた」と思って注文したところ、店員さんは碗に水餃子を高々と盛り上げてくれたのですが、最後に真っ赤なタレをだらーっと垂らしました。

 イチゴ味?何で?と思いつつとりあえずそれを絡めて餃子を口に入れたのが運の尽き。唐辛子なんでしょうけど激辛なんて表現ではとても足りないようなビリビリ感がグルグルしているお腹に突き刺さりました。アイヤーってなもんです(成都で食べた元祖・麻婆豆腐よりキツかったアルよ)。

 この身体でドミトリーは無理と思ったのですがホテルの普通の部屋だと高い。という訳で外国人が泊まってはいけない招待所で受付のお爺さんに洋モクを渡したら泊めてもらうことができました。ドミトリー並の料金なのにツインでトイレ&シャワー付き。もちろんテレビもついていて正に地獄に仏。

 当時は天安門事件で四散した全国各地の学生活動家など落ち武者狩りが盛んで、警官が一日に何度も抜き打ちの宿改めをするのが普通でしたけど、この招待所ではなぜかそれがありませんでした。

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 で、その部屋で静養したりちょっと市内観光したり旅行中に親しくなった重慶人と再会を祝したりしつつ四日に一度出る上海行きの船を待ち、幸運にも奔走してくれた闇屋からプラチナチケットを中国人料金でゲット。

 このGJ!な闇屋、私が特に厚遇した訳でもないのに変になついてくる律儀な奴で、出港日に乗船しようとしたら私を待っていて、手荷物を私の部屋まで運び入れてくれました。最後に私の肩をポンと叩いて「達者でな」と笑って、そのあと船員に発見され何だお前はなぜここにいるんだ、と追い立てられるようにして下船していきました。元気かなーあいつ。

 二人部屋の相方は60歳前後とおぼしき北京の大学教授。私と同じくらいの歳の息子(大学生)がいるということで親しくなり、その旅行の主題であった「『ここだけの話』を仕入れる」ことに随分貢献してくれました。

 天安門事件で広場から最後に撤収した学生グループの中に息子がいたとのことでそのときの様子を克明に語ってくれたり、反右派闘争や文化大革命でひどい目に遭ったとか、そりゃもう盛り沢山。そういう際どい話を交わしつつ、いまはダムになってしまった三峡をはじめ、白帝城跡や古戦場・赤壁を船上から眺めたものです。

 ……と余談に流れてしまいましたが、上海までの船旅ですから私も老教授とともにこの武漢を通過……したのではなく、大都市ですからもちろん寄港します。船客は1時間くらい港の周辺を歩くことができるので、私は缶詰を買ったり本屋をのぞいたりしました。

 長江はこのあたりですでに相当な川幅があり、さらに下ると対岸が見えない水平線状態。河口近くになるともう海同然で、崇明島という中洲(でも確か中国第三の島)があるのですがそれを目にすることもできず、ただひたすらに水平線です。後日そこへ行ってみたら、岸辺の波止場(呉淞)からその中洲まで船で2時間かかりました。

 そんな具合ですからこの光景、私にはちょっと信じることができません。何だか右の方に長江を徒歩で横断せんとする人民の姿が映っています。あるいは川幅があるから川床の中心あたりはちゃんと水が流れていて、その辺は船が通れるのかもしれず、その船に用事がある人たちなのでしょうか。都市部は軒並み水不足というような報道がありましたが、この写真をみてさもありなんと納得した次第です。その不足している水自体も相当汚染されているようですが。

 ――――

 その水汚染について。つい最近も広東省で断水騒ぎがありました。同省開平市の赤坎鎮を流れる川に生活用水の取水施設があったのですが、そのすぐそばにある工場が突如ドス黒い廃水を直接川に排出し始めたからさあ大変。当局はすぐ取水を停止するとともに工場側に廃水排出をやめさせるよう指導したものの、排水口を塞ぐのに手間取ったうえ、汚れた川はすぐ元通りにはなりません。結局1月7日朝から11日まで合計5日間断水する破目になり、被害を受けた取水施設は赤坎鎮をはじめ近隣3カ鎮の生活用水をまかなっていたので、5万人の生活に影響が出ました。

 ●「新華網」(2008/01/12/10:30)
 http://news.xinhuanet.com/local/2008-01/12/content_7409587.htm

 良かったですねー報道されて、とつい余計なツッコミを入れたくなります。一事が万事ではありませんが、報道された事件の背後には未だ外部にバレていない汚水垂れ流しが100件も1000件も隠れている筈です。田舎にある中小規模の製紙工場なんかで同じようなケースが進行しているのではないでしょうか。

 例えば地元当局の党幹部あたりが工場と癒着していて、地元メディアに圧力を加えておけば報道されないから外部には漏れません。当局としても工場からの税収で潤っているので放置当然です。報道されず放置されているので事件は「ないこと」扱い。事件が起きていないので断水措置がとられることもありません。

 憤った民衆が当局に押しかければ武警さんが待ち伏せしていてフルボッコ。ここで鎮圧に失敗するようでは地元のボスは務まりません。「鎮圧失敗」とは官民衝突の現場写真や映像が流出すること。

 流出してしまえば外部の大手メディアが動いてしまうので上級部門も乗り出してきてボスも年貢の収めどき、ということになりますが、本当のボスならここで粘り腰を発揮して下っ端の担当者を容赦なく処罰する一方、自分は現場に出向いて報道陣の前で応急措置の陣頭指揮。……をするポーズをとって逆に自分の株を上げるところでしょう。

 ――――

 そういう悪代官がいるのかどうかはわかりませんが、山西省西北部の農村地区・山陰県で悲惨な事態が進行しつつあります。農民たちの生活用水に高濃度のヒ素が含まれており、中毒者が後を絶たないというのです。

 ●「新華網」(2008/01/08/11:16)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-01/08/content_7384019.htm

 この地区は昔から井戸水のヒ素含有量が高いことで知られていました。その中でも特に深刻な状況にあった大営村は、衛生部門の統計によると1999年時点でのヒ素中毒患者の割合が実に総人口の48%強。要するに村民の二人に一人はヒ素中毒患者ということになります。

 当局も手をこまねいていた訳ではなく、2002年には山陰県に水道を敷くプロジェクトをスタート(総工費1600万元余)。翌年10月に全工事がめでたく完了しました。……ところが意外なことに、農民たちは水道が敷かれたにもかかわらず、ヒ素が混入している井戸水を使い続けているというのです。

 なぜか、といえば話は簡単。それまで井戸水で暮らしてきた農民たちからすれば、料金をとられる水道水はもったいない、水を使うのにカネを払う馬鹿がいるか、という観念が強く、毒と知りつつも井戸水を使うことをやめないのです。むろん、観念だけでなく貧困も理由のひとつです。ただでさえ貧乏なのに、水を使うたびにカネをとられていたらやっていけない、というものです。

 ……実は貧乏なだけでなく、水道料も割高でした。1トン当たり1.2元という計画だったのですが、記者が取材してみると2.1~2.5元というのが実情。倍取りをしている訳です。この水準は県城(山陰県政府のある都市)の水道料金より高いばかりか、山西省の省都・太原市をも上回る値段。

 ちなみに水道料金については都市部には国の補助が出ますが、目下のところ農村は対象外とのこと。ところが補助金を受けられない農村部こそ住宅密集地ではなく、耕地や森林の広がる風景の中にポツンポツンと農家が点在している訳ですから水道工事のコストも高い。地元当局には農村部ゆえに国の補助金が出ないため、結局コスト分を水道料金に転嫁せざるを得ない、という事情になるようです。

 ――――

 農民が井戸水を使い続けている理由は他にもあります。割高な水道料金をとられるだけでなく、各村落まで引かれた水道管から、自宅まで水道を引く設備一式を自己負担しなければならないからです。

 なにせ貧困地区ですから地元当局の財源も潤沢ではありません。このため水道敷設プロジェクトを実施してはみたものの、予算の関係で給水管を各村落に1本ずつ引くのが精一杯。あとは各世帯が費用自己負担で業者にその水道管から自宅まで水道水を引いてもらうことになります。代々井戸水を使ってきた農民にしてみれば、これもまた余計な出費です。

 さらに、メーターを村ごとに共有しているというのも問題のひとつ。現状では村まで引かれている水道管のところにメーターがあり、その先で各世帯が水道を引き込んで使用することになります。つまり村全体の水道使用量を世帯数で割り勘するのです。

 世帯ごとの使用量などそう変わらないので本来なら問題にはならないのですが、どこかの家が業者に設置してもらった給水設備に欠陥があって、……例えば給水管に穴が空いていて常時垂れ流し状態となるとメーターは回りっぱなしです。

 複数の世帯でそういう事態になると、村全体の水道使用量はハネ上がり、割り勘しても負担し切れなくなります。高い,払えない、だから井戸水に戻る。……というケースと、料金未払いのため村までの給水を止められてしまい、やむなく村全体で井戸水生活が復活するケースとがあるようです。

 もちろん、水道料が計画より倍高い訳ですから料金徴収の過程で誰かが着服している可能性があります。業者の手抜き工事も問題とすべきかも知れません。残念ながら取材班はそれ以上踏み込むことができずに終わったようですが、農民たちが井戸水生活に戻り、ヒ素含有量の高い生活用水で暮らし、中毒患者を出し続けていることは事実です。

 しかもこういう状況、実は山陰県に限ったことではなく、山西省南部の臨汾市、運城市の農村部などでも似たような事態が進行しているとのこと。深刻です。

 ――――

 水の次は空気。第一次全国汚染源調査活動弁公室の朱建平・副主任が1月7日明らかにしたところによると、現在、中国国内では空気が国の定めた安全基準に達していない都市が全体の三分の一に及んでいるそうです。工場や自動車、オートバイなどの排気による汚染が原因だとか。常にスモッグに包まれているような状態なのでしょうか。

 ●「新華網」(2008/01/07/17:04)
 http://news.xinhuanet.com/fortune/2008-01/07/content_7379985.htm

 そういえば1月8日に上海がものすごい濃霧に覆われたそうですね。空港や高速道路も封鎖されたほどで、最も深刻な時点での可視距離はわずか20m。純粋な自然現象なのか大気汚染によるものかはわかりませんが、これでは名将・木村昌福少将をもってしてもキスカ島の友軍5200名を救出することはできないでしょう。

 ●「中時電子報」(2008/01/08)
 http://news.chinatimes.com/2007Cti/2007Cti-News/2007Cti-News-Content/0,4521,130505+132008010801960,00.html

 ……あっそういえば上に出てきた朱建平副主任は水の話もしていました。全国の地表水のうち、生活用水として使用できるのは全体の半分にも満たないということ。残りは汚染されているのでしょう。

 水が汚染されていればそれは土壌にも波及します。灌漑施設を通って耕地をも毒するということです。この土壌汚染について1月8日、国家環境保護局の周生賢・局長が具体的な数字は挙げていないものの、「事態は非常に深刻だ」と語っています。

 ●「環球網」(2008/01/08/19:03)
 http://china.huanqiu.com/politics/2008-01/44576.html

 土壌汚染が進んでいれば、そこで栽培される作物も当然影響を受ける訳で。有毒物質が根から入るために表面をいくら神経質に洗っても意味がない、という始末の悪いことになります。しかも中国の農民は農薬漬けがなぜか大好き。収穫した作物を不必要なまでに毒々しい原色にお化粧させるのもお好みのようで。

 ――――

 水も空気も食べ物も素敵なまでに毒素満載。こうなると誰でも考えるのがこれでやるのか北京五輪?ということ。『読売新聞』電子版が記事にしています。



 ●北京五輪、大気も食品も不安…20か国が直前合宿に日本へ(YOMIURI ONLINE 2008/01/13/09:38)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080113it02.htm

 今年は20年ぶりに夏季五輪がアジアで開催されるオリンピックイヤー。8月8日に開幕する北京五輪の直前合宿地として、日本を希望する国が相次いでいる。

 悪評高い中国の大気汚染や食の安全性への不安から、「滞在費が少々高くついても、最終調整は世界陸上などで実績のある日本で」という戦略だ。すでに20か国が名乗りを上げ、うち8か国は受け入れ先も決定した。

 夏ごろには、世界のトップアスリートが日本に集結しそうだ。

 日本オリンピック委員会(JOC)などによると、日本での合宿が内定しているのは米国、英国、ドイツ、フランス、アイルランド、スウェーデン、フィンランド、オランダの欧米勢。陸上や水泳、カヌーなどの選手が五輪直前の7~8月に日本入りする。

 選手村に入村すると練習場所の確保が難しいため、過去の五輪でも気象条件や時差を考え、開催都市の近くで合宿する国は多かった。

 今回は開催都市の北京特有の事情もある。昨年11月に香川県に直前合宿を打診してきたボートのフィンランド代表のコーチは「北京に長く滞在するリスクは避けたい」と漏らした。翌月にはフィンランドのカヌーチームからも同様の打診があり、県の担当者は、「屋外競技の選手は、大気の状態に神経質になっている」と受け止めた。英国の水泳チームのマネジャーも、大阪市の担当者に、「中国では大気汚染や食事に不安がある」と話したという。(中略)

  本番が近づけば、日本で合宿する国はもっと増えそうだ。



 香港紙『明報』がこのニュースを目ざとく拾い上げて記事にしています。

 ●五輪特需を狙う 日本が欧米選手の合宿誘致(明報 2008/01/14)
 http://hk.news.yahoo.com/080113/12/2mxvy.html

 いや特需を狙っている訳でも強引に誘致している訳でもなく、向こうから慕って集まってくるという話なんですけど。……香港紙はすぐこういう商魂たくましげなエゲツナイ見出しにするから嫌ですね。

 ただ記事本文では北京の大気汚染や食の安全の問題をちゃんと指摘しています。

「五輪誘致で北京に敗れた大阪市が誘致目的で建設したプールが北京五輪に備える最良の合宿地となっている」

 とのことです。

 水と空気と食べ物と。……あともうひとつ、何か忘れてはいませんか?

 ●「北京五輪、最大の課題は中国人観客のマナー」ってお前が言うな!(2007/08/09)

 変ですね。本当は上海リニアの話をするつもりだったのに……。




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 きょう12月27日は福田首相が北京に飛来する(黄砂かいっ)中国当局にとって重要な一日となります。日本にとっては重大な一日にならぬよう私は願うばかり。

 ……なのですが、北京市民はともかく広東省&香港住民にとってのフフン♪訪中は
「だから何?」といったところでしょう。それどころではないのです。

 フクダ飛来を一蹴してしまうニュースが飛び出しました。
広東省内の大型ダム20数カ所でアオコの発生が確認されたのです。アオコといえば今年5月に太湖で大量発生し、湖水を緑色に塗り替えた、アレです。むろん有害。湖水がやられて水源を断たれた江蘇省が応急策として断水措置を実施したことにより、同省・無錫市でプチパニックが発生したのを御記憶の方も多いかと思います。

 今朝の香港紙は親中紙を別とすれば軒並みこのニュースを報じています。そりゃそうでしょう生活に直接関わる問題なんですから。

 電子版をみた限りでは、福田首相の訪中なんて複数の記事を並べて比較的大きく扱っているのは親中紙の『香港文匯報』と『大公報』のみ。香港人にとっての「普通の新聞」である『蘋果日報』はじめ他紙は、

「訪中する福田首相に中国は新幹線技術導入のお土産を用意か」

 てな程度(そんなお土産は有難迷惑)でサラリと流しています。それどころではないからです。

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「広東省内の大型ダム20数カ所でアオコ発生」

 というショッキングな事実は12月25日、深センで開かれた「節水型社会建設・試験活動経験交流会」の席上、広東省水利庁の李粤安・副水利庁長によって明らかにされました。

 香港各紙の元ネタである社会派で人気の高い広東省の新聞『南方都市報』(2007/12/26)によると、李氏はこの報告をぶちまけて省を挙げて急ぎ対策を講じる必要があると指摘した上で、

「いざ本格的な大量発生となれば、繁殖のスビードと被害規模は太湖のケースをはるかに上回るだろう。江蘇省に比べれば、広東省は気温が高い上に日差しも強く、アオコの繁殖により適しているからだ」

 と危機感を煽りに煽った模様。ただし「大型ダム20数カ所」の固有名詞を出すことは避けたそうです。そこまで煽るか(笑)。

 ●何とダム20数カ所にアオコ発生(南方都市報 2007/12/26)
 http://www.nddaily.com/A/html/2007-12/26/content_351362.htm

 アオコ発生が確認されたダムの名前が伏せられたのはそこから生活用水を得ている地域で無用の恐慌が起きるのを防ぐためでしょうが、秘密にされればそれを暴きたくなるのが人情。特にパパラッチ属性の強い香港メディアは大人しくしていられないでしょう。

 たぶん今日あたりから広東省内に記者やテレビクルーを送り込んでダム特定のスクープ争いを展開することになると思われます。いや、昨日の午後から動いているかも知れません。ていうか動いているに違いありません。……ええ、これは一応同業者のようなものである私の確信です(笑)。

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 香港紙『明報』(2007/12/27)は『南方都市報』の記事を柱にしつつ、

「アオコが発生したことは、そのダムがすでに汚染されていることを意味する。これから春に向けて気温も高くなっていくから、アオコの爆発的な繁殖をいよいよ警戒しなければならない。対策が後手に回った際の結果は想像するに堪えない」

 という専門家のコメントを紹介してメリハリをつけています。香港人にとっては香港の生活用水源が大丈夫かどうかが喫緊事となりますが、香港水務署の報道官は水源地のある深セン市側に問い合わせたとして、

「目下のところ深センのダムではアオコ発生が確認されていない」

 と発表。香港人はひとまず安心といったところでしょう。とはいえ上記専門家によれば、

「アオコ発生=お前はすでに死んでいる」

 状態なのですから、気の早い向きはミネラルウォーターを買いに走ったりするかも知れませんし、思惑で売り惜しみに出るスーパーなどが出てくる可能性もあります。売り手としては神様仏様アオコ様南無八幡大菩薩祈大願成就といったところでしょう。……こうした要因も、香港メディアをアオコ確認に奔走させるパワーの源となります。

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 アオコが発生するとどうなるの?という素朴な疑問にも『明報』は回答してくれています。まず魚類が死滅するそうです。もちろん生活用水には適しません。飲用すれば肝臓ガンを誘発しやすいとのこと。

 さあ大変だ。ということで記者を現地に走らせる一方で、広東省内にあるダムのおさらいを『明報』は行っています。それによると、現時点での総計は
大型ダム22カ所、中型ダム291カ所そして小型ダム6000カ所余り。……ってことは、

「20数カ所の大型ダムで」

 という話なのですから、大型ダム全てがやられている可能性が強いのではないでしょうか。シャレになりません。香港及び広東省在住の皆さんは万一に備えて……って煽っちゃいけませんが、関連情報には御留意の程を。

 ●『明報』(2007/12/27)
 http://hk.news.yahoo.com/071226/12/2lxgs.html
 http://hk.news.yahoo.com/071226/12/2lxgt.html
 http://hk.news.yahoo.com/071226/12/2lxgu.html
 http://hk.news.yahoo.com/071226/12/2lxgv.html




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 言わなくてもいいのに、わざわざ念を押されるとかえって不安になるニュースがあります。

 ●農業部蔬菜品質監視センター、北京五輪の食の安全をサポート(新華網 2007/08/02/21:32)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-08/02/content_6467126.htm

 わざわざ「サポートする」ことを全国ニュースにするほど現地の状況はひどいのかい、と思ってしまうではありませんか。実に味わい深い読後感を残す記事です(笑)。

 ちなみにこの「品質監視」を自称する部門、「蔬菜」とありますが対象は野菜だけではなく、肉類や水産品まで食の素材全般を監視対象としているようです。

 あくまでも「自称」しているだけですし、監視しているとしても、党中央から「合格にせい」と言われたら腐臭を放つ豚肉や農薬漬けの野菜でも合格させてしまうこと請け合い。一党独裁制とはそういうものです。

 北京五輪と聞くと、「本当にやるのかなあ」という感想が私には浮かびます。別に何の確証もないんですけど、来年のいまごろ、北京でオリンピックが開催されるということにリアリティを感じられないからです。



 ●米のスピルバーグ監督、北京五輪の芸術顧問辞退を示唆(読売新聞 2007/07/28/00:54)
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070727i115.htm

 【ワシントン=大塚隆一】米映画監督スティーブン・スピルバーグ氏のスポークスマンは、中国がスーダンのダルフール紛争に対する姿勢を変えない限り、同氏は来年の北京五輪の芸術顧問を辞退するかもしれないと語った。

 米ABCテレビ(電子版)が26日報じた。

 米国では、中国がスーダン政府による虐殺を黙認しているなどとの批判が強まっている。同氏のスポークスマンは「数週間のうちに決断する。我々の主要な関心は虐殺をやめさせることにある」と語った。




 下りちゃえ下りちゃえ。芸術顧問ってどんな仕事だか知りませんけど、開会式の演出を担当する張芸謀がプレッシャーで煮詰まりかけているそうですから、スピルバーグが下りたら円形脱毛症ぐらいにはなるかも。

 悩んだ末にまたミニスカチャイナドレスのお姉さんたちを登場させて北朝鮮ばりのマスゲーム。手にした白黒のパネルを一斉にかざしたら巨大な江沢民の顔が出現する、なんて趣向だったら嫌だなー。

 ……胡錦涛?ああ胡錦涛は顔が濃くないからダメ。ていうか開会式は全世界にテレビ中継されるでしょう?胡錦涛の顔が浮かび上がったらテレビを観ている子供たちが引きつけを起こしそうだし。

 温家宝が作り笑顔を開くのをgifアニメ風に表現するのもいいかと。ただこれだと視聴者に癲癇を起こす人が出るかも。

 ともあれどうせ国威発揚の政治的イベントなんだから、むしろ開き直ってそれに撤しちゃった方が醜悪ながらも潔いのではないかと。

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 その北京五輪。もし開催されたのなら、史上稀にみるひどいオリンピックになることについては太鼓判が押せます。

 まずは観客の民度の低さ。2004年夏のサッカーアジアカップでみせた反日ブーイングを御記憶の方も多いかと思いますが、その後も改善された気配はなし。北京市は毎月11日を「市民が自発的に行列する日」と定めているほどです。要するにマトモに行列すらできない連中。都市住民、しかも首都にしてこれですから。

 観客の民度が低いのは政府の民度が低いから。当然のように中国選手を勝たせるための官製ブーイングやえこひいき裁定、ドーピング疑惑でのライバル蹴落としなどが行われても不思議ではありません。

 ただそれ以前の問題として、選手村の食の安全確保すら不安が払拭できないままです。払拭できないから前掲記事のようなニュースがわざわざ流される訳で。

 食の安全だけでなく、大気汚染の深刻さも折り紙付きです。競泳のプールに張られる水の質も心配。そもそも北京はアスリートたちを招いて競技を開催する環境にはないでしょう。



 ●北京五輪で世界新はムリ!? JOCが報告(サンケイスポーツ/iza 2007/07/29/11:52)
 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/71847/

 日本オリンピック委員会(JOC)が28日、都内に各競技団体の強化担当者を集めた会議で、五輪開幕まであと約1年に迫った北京での大気汚染や食の安全への懸念が相次いで報告された。

 JOC情報医科学委員会の和久貴洋委員は、深刻な大気汚染で競技に影響が出て、「五輪では世界記録樹立は不可能」とする英国の専門家の予測を紹介。英国と豪州は五輪直前まで現地入りしないことを挙げ、中国の大気汚染対策も「功を奏するかわからない」と悲観的な見通しを示した。

 北京の事情に詳しい専大の大矢根淳教授(災害社会学)は「2時間の競技なら日本から行って帰ってきた方がいい」と助言した。中国が国際的な批判を受けている食品の安全性について、専門家からは「勝つためには(選手村の外で)飲食しない方がいい」との意見が出た。




 何やらすごいことになりそうですねこれは。最後に登場する北京の事情に詳しい専門家の守備範囲が「災害社会学」というのも悪い冗談のように思えます(笑)。

 とりあえず、選手団に持たせるために「正露丸」ならぬ「征支丸」を製造すること。それから、

「勝つためには(選手村の外で)飲食しない方がいい」

 と言うなら中国選手と同じものだけ食べること。……むしろそれよりも、選手村の外に日本選手団専用の和洋とりまぜたレストラン(食材は水に至るまで全て日本から取り寄せる)の開設が急務でないかと。できればその一角に日本のコンビニも持ち込んでしまえばモアベター。

 ところが日本選手専用食堂を開設してみたら、輸入食材が税関で因縁つけられて北京に届かなかったり、自称「自発的反日デモ」(笑)で暴徒化した糞どもに建物が破壊されたりして。一党独裁制とはそういうものです。嫌だなー。




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 あまり気の進まない話題なんですけど……。

 あれは広東料理の範疇に入るのかどうか、ともあれ広東独特の料理として、

「野味」

 なるものがあります。ゲテモノ料理というべきなのかどうか、主として「精がつく」「病気に効く」などと民間では広く信じられています。

 何を食べるのかといえば、犬とか蛇とか猿とか、それに中国肺炎(SARS)の原因ではないかとされているハクビシン(果子狸)とか。中国には何と嬰児食い(あるいは胎児食い)もありますけど、あれは広東独特のものかどうかはわかりません。

 その広東人が大半を占める香港では、犬を食べるのは御法度。蛇はモーマンタイです。香港人の実家はたいてい広東省にありますから、帰省するような気分で大陸に入って、香港では口にすることのできない「野味」を楽しむ人も多いようです。

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 ずいぶん前に書いたことがありますけど、私がかつて香港で漢方医をしていた時代(笑)、その漢方薬を売る店をオープンするに当たり、その一帯を仕切るヤクザの人と会食しました。当方は社長夫妻と、店長と、副店長の私。

 相手は当人だけでしたが、これが黄秋生(アンソニー・ウォン)そっくりで、それだけでも威圧感十分なのに、さらに隻腕。片腕が肩から先はないのです。香港はクーラーをギンギンに効かせます。その風で腕がない方のポロシャツの袖がひらひら揺れていたのを今でも覚えています。

 そのときは鍋料理だったのですが、「狸子」の肉が使われていました。辞書をひもとくとタヌキだったりヤマネコだったりハクビシンだったりしますけど、結局何だったのかは未だにわかりません。

 広州に仕事で行ったとき、夜に街をブラブラしていたら犬市に出くわしました。もちろん食用です。いずれもまだ可愛い子犬で、写真を撮らせろと言ったら「犬の目に毒だ」とNG。何百匹という規模で売られていましたから、犬鍋は相当需要がある様子でした。

 「中国人は飛行機と机以外、四つ足のものは何でも食べる」といわれますけど、厳密には中国人ではなく広東人というべきで、東北部や北京、上海あたりだと「ああいう連中(広東人)と一緒にされるのは迷惑だ」という気分があるようです。

 あれは中国肺炎が猖獗を極めていたころだと思いますが、中国のある掲示板をのぞいたところ、広東人と確か東北部の人間が喧嘩していました。

「お前ら広東人がゲテモノ食いするから奇病が蔓延するんだ」

 という東北人に対し、

「お前らは広東省が稼いだカネのおこぼれで暮らしているくせに勝手なことを言うな。もう広東省からカネを回してやらないぞ」

 などとやり合っていて面白かったです。

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 さて本題。ディズニーからハローキティーから何からパクりまくって営業していた遊園地が北京郊外だかにあって日本のテレビでも報道されていましたが、ミッキーかどうかは別として本物のマウス、野ネズミが湖南省の洞庭湖で大量発生して現地では頭を抱えています。

 ということになると大方の予想を裏切ることなく、予定調和的な事態が発生します。「野味」のネズミ料理に供給されるというものです。ネズミも食べるんですねえ。とりあえず深センの卸売市場で売られているのが確認されました。

 これをすっぱ抜いたのは「硫黄ショウガ」のスクープをものにした地元紙『晶報』。なかなか足まめな記者を揃えているようです。

 同紙の報道を引用した香港各紙によると、野ネズミが販売されていたのは東門湖貝市場。湖南省で大発生した野ネズミを食べることは禁止されているので、こっそりと売られています。バイヤーを装った記者が野ネズミは売っているかと尋ねると、業者は小声で「ある」との返事。違法行為なんだからあまり大きな声で話してくれるな、とのことです。

 食用に供されるのは生きた野ネズミに限られており、湖南省から輸送してくる途中で死ぬ野ネズミも結構いるため、需要に追いつかない状態とのこと。……ということは、野ネズミ捕獲係と輸送係、といった組織が成立していることになります。むろん闇組織。ちなみに価格は1kgで100元と、価格高騰が問題になっている豚肉よりも高価です。

 この野ネズミを売る業者によると、深センではかなりのレストランが野ネズミを仕入れに日参してくるそうです。ただ違法行為ですからブツは店内に置かず、バイヤーと価格と分量について商談成立後、別の場所で荷渡しが行われるとのこと。

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 記者は広州にも出向いて取材してみると、こちらは監督が強化されていて扱いたくても扱えない商材になっているそうです(発覚すれば販売免許取消)。深センはこの点、当局による管理はまだまだ甘いのでしょうか。市場でこっそり売られているくらいですから、闇市場が機能している可能性もあるでしょう。

 深セン市動物防疫監督署の責任者は、

「野ネズミは色々な病原菌や寄生虫を抱えているから食用などはもってのほかだ」

 と警鐘を鳴らしています。現地在住の皆さんは「珍味珍味」と中国人に勧められてもそれに乗らない方が身のためのようです。

 ●『蘋果日報』(2007/07/23)
 http://www1.appledaily.atnext.com/

 ●『明報』(2007/07/23)
 http://www.mingpaonews.com/20070723/cca1h.htm

 ●『明報』電子版(2007/07/23/09:11)
 http://www.mpinews.com/htm/INews/20070723/ca10911w.htm

 ●『香港文匯報』(2007/07/23)
 http://paper.wenweipo.com/2007/07/23/CH0707230029.htm

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 それから猫ですね。野ネズミの大量発生というニュースを耳にして、果たしていまどきの猫はネズミを食うだろうか……などとぼんやり考えていたのですが、その猫もまた「野味」として犬や野ネズミ同様、食用に供されているようです。これは今朝の香港紙『東方日報』(2007/07/25)が特集しています。

 いや、「野味」のメニューに猫料理があることは私も知っていました。大学時代、郭沫若という中国の作家の息子でピアニストの先生と一献汲んだときに教えてもらったのですが、「龍虎闘」という一品があるそうで。龍は蛇で虎は猫、要するに蛇と猫の肉を使った料理です(この『東方日報』の記事にも同じことが書かれています)。

 猫料理は喘息に効くといわれていて食事療法として珍重されているそうです。香港人もそのくらいのことは当然知っている筈ですが、その調理の仕方が残忍だということが『東方日報』の主題かと思われます。元ネタは広州市の地元紙『新快報』の取材。記者が猫料理の老舗で調理される過程を全て目にしたとのことです。

 それによると、猫料理店の多くは猫を入れている小屋から好みの一匹を選ばせ、コックがそれを厨房に運んで調理するそうです。コックは慣れたもので、まず大型の鉄製ハサミで猫の手足を切り落とすと、今度は長さ50cmほどの鉄製の棍棒で猫の頭を殴打。猫はギャーギャー鳴きわめくそうですが、コックは構わずに殴打、殴打、殴打。

 コックに言わせると、ここで殺してしまっては駄目で、もはや気息奄々の猫を石川五右衛門よろしく沸騰したお湯の入った大鍋に放り込んで煮上げることになります。煮ているときは棍棒で煮立った大鍋の中をかき回しつつ、猫の頭と身体を再び殴打、殴打、殴打。「こうすると肉の食感がよくなる」のだそうです。

 だいたい5分ばかり煮てから絶命している猫を取り出して毛抜きをし、あとは肉を一口サイズに切っていくのみ。猫料理は喘息だけでなく滋養強壮にも験があるとのことで、広東人には珍重されているようです。

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 このニュースが流れるなり、ネット上では「動物虐待ではないか」「また奇病を生むことになるのでは」といった非難の声が相次いでいるようですが、広東人にとってはどこ吹く風でしょう。そもそも最近は北京や上海などでも「野味」レストランが増えており、広東人に限られた嗜好ではなくなりつつあります。

 やはり広州市の地元紙である『羊城晩報』によると、猫の市場といえば広州市西郊を走る増槎路の両側に並ぶ家禽類卸売市場が最も有名で、当局による監督の緩む夜間にこっそりと取引が行われているとのこと。「こっそり」といっても1日平均で1万匹を超える猫が売買されているそうです。

 これらの猫は湖南省や湖北省から主に出荷されるとのことで、民家で飼われている猫を2~3元で買い取り、広州に輸送すると最高で1kg当たり40元もの値でレストランなどに販売する、というのですからボロ儲けです。

 特に湖南省は野ネズミが大量発生しているため、民家ではその対策に複数の猫を飼っている場合が多く、有力な供給源となっている模様。これまた「猫捕獲班」と「猫輸送班」などといった組織的な役割分担が行われているようです。

 言わずもがなではありますが、専門家によると野ネズミ同様、猫にも病原菌や寄生虫を抱えている場合が多く、調理師はこの点で相当危険な作業を行っていることになるそうです。また、しっかり火の通っていない猫肉を口にすれば様々な寄生虫を体内に取り込むこととなるため、これまた「食べてはいけないもの」に分類される料理とのこと。

 料理として出てくると何の肉かわからないことも多いですから、安全を考えるなら「野味」にはハマらないのが得策、ということになります。

 ●『東方日報』(2007/07/25)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c01cnt.html
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c02cnt.html
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c03cnt.html
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c04cnt.html

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 かくいう私も「話の種に」と広州で犬鍋に蛇炒飯と蛇スープ、また上海で鳩のフライ、重慶でウサギ肉の煮込みなどを口にしておりますので大きな顔はできません。……と書くと、

「いや私はもっと色々食べている」

 といった経験談がコメント欄に並びそうな悪寒。皆さんどうか正直に白状して下さい。




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 テレビでも新聞でも、マスコミは旬の話題に傾きがちです。ニュース番組の時間や紙面といった制約がある中で、二者択一を迫られればホットなニュースを選択するのは当然といえば当然。

 日本であれば「16歳の犯罪」とか「幼児虐待」とかがそれですね。親による幼児虐待なんてたぶんいつでも起きているのでしょうけど、それが旬の話題となれば集中的に報じられ、ふだんなら顧みられることのない事件が大々的に報じられます。

 旬であろうとなかろうと報道してほしいのは日本における中国人の犯罪。これも一時期集中的に報じられましたが、私の調べた限りでは国籍別在日外国人犯罪件数では18年連続第1位というDHCもビックリの実績に裏打ちされているのですから、常に警戒を呼びかけることは日本人の利益になるでしょう。いわく「中国人を見かけたら110番」。別に警察に通報する必要はありません。接触する上で警戒心を忘れないでいようという意味です。

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 さて最近の中国マスコミの旬の話題といえば、どうやら有毒食品とか贋物とか製造環境の劣悪さなどのようです。まずは贋物からいきましょう。いまごろはちょうど上半期の各種統計が発表される時期なのですが、今年上半期、広東省ではニセモノ商品を製造したとして摘発されたケースが2600件を超えました。正確には2664件、総額1765万元だそうです。

 1日平均14.6件。広東省限定で、摘発されたものだけでこの数字です。花瓶とか水墨画の贋物ならまだマシなのですけど、食品とか薬品とかが主流なので損失は金銭だけにとどまりません。きわめて深刻な問題です。

 ●「新華網」(2007/07/18/15:06)
 http://news.xinhuanet.com/local/2007-07/18/content_6394463.htm

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 ちょっと衝撃的だったのは茶葉です。お茶なら誰でも口にする貴会があるでしょう。ところが広州市が無作為にサンプルを抽出したところ、何と4割が安全基準に照らして不合格。

 この調査、広州市内の卸売市場12カ所とショッピングセンター9カ所、そして個人経営の茶葉販売店2カ所を対象に行われたのですが、合格率は67.3%。他に26種類の茶葉から基準値を超える残留農薬が検出され、他に32種類が鉛や殺虫剤などの安全基準値を超える有毒物質を含有していることが判明。

 別に怪しげな店で販売されているのではなく、「百佳」(パークン)など香港系スーバーなどに並んでいるものです。当局は問題商品の回収を急いでいる模様ですが、根絶できるかといえば難しいでしょう。

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 こうした問題茶葉を喫すると、頭痛や吐き気、また気分が悪くなったり中毒症状が出ることもあるそうです。大気汚染の深刻な北京でフルマラソンをこなしてから広州に移動して毒茶をガブ飲みして人糞プカプカで大腸菌をはじめ雑菌天国の珠海で遠泳、これぞ中国の特色あるトライアスロンとなることでしょう。

 ●『香港文匯報』(2007/07/20)
 http://paper.wenweipo.com/2007/07/20/CH0707200044.htm

 ●『明報』(2007/07/20)
 http://www.mingpaonews.com/20070720/cab2.htm

 ●『東方日報』(2007/07/20)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c06cnt.html

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 北京も大気汚染だけではなくなってきたようです。ああ順序からいえば長春の話から入るべきでした。例の太湖などで大発生して断水などのパニックを引き起こした毒々しい緑色の藻、あれが長春市民のうち10万人以上の生活用水の水源である同市内のダムで大量発生。当局はとりあえず断水措置をとったようです。

 太湖に発生した藻について研究している専門家の話として香港紙『明報』が伝えたところによると、この藻には毒性があり、まずそこに棲息する魚類やエビなどを「汚染」する一方、水道水の水質にも影響が出るとのこと。

 もちろんそこの魚やエビを食べていると体内に有毒物質が少しずつ蓄積されることになります。人間には少しずつ効いてきます。幼児期から飲んでいると20年くらいで症状が出て、肝臓の異状や発育不良、奇形児となる可能性もあるとのこと。

 ●『明報』(2007/07/19)
 http://www.mingpaonews.com/20070719/cca1.htm

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 で、その恐るべき藻が北京市郊外の河川である�河にもとうとう出現したそうです。現場は酒仙橋付近で、1000m近くが藻の縄張りと化し、河川が緑色に染まっているのはもちろん、強烈な臭気を発しているとのこと。あーなるほど胡錦涛が提唱していた「緑色GDP」ってこのことだったのかーと納得(笑)。いまでは川辺で夕涼みをしていた老人たちの姿も消え、付近のレストランは閑古鳥が鳴いている有様だそうです。

 ●『明報』(2007/07/20)
 http://www.mingpaonews.com/20070720/ccd1.htm

 いやーオリンピックに向けてムードが高まりつつあるのを実感できますね(笑)。

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 ところで話題はガラリと変わりますが、先日お伝えした山西省のレンガ工場で誘拐した子供を働かせていた事件の処分内容、やはり「大甘判決」という印象を外部に与えたようで、全国紙『検察日報』は、

「この処分内容はちょっと軽すぎるのではないか?」

 など、事件の始末のつけ方に正面から疑義を呈しています。党中央が処分内容に「手ぬるい」との意思表示を行ったものかと思われます。あるいはアンチ胡錦涛諸派が、胡錦涛直系の「団派」に属する于幼軍・山西省長の経歴になるべく傷がつかないよう配慮した胡錦涛への不満表明ともとれます。『検察日報』のバックボーンがわからないので断を下しかねますが、山西省の処分発表を受けてすぐ出た記事ですから政治臭がプンプンします。留意しておく必要があるかも知れません。

 ●山西省レンガ工場事件の処理、公衆の期待からかけ離れた内容(新華網 2007/07/18/08:51)
 http://news.xinhuanet.com/lianzheng/2007-07/18/content_6391934.htm




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 もう皆さん御存知でしょうが、例の「肉入り段ボールまん」は北京の地元テレビ局サイドによるヤラセとの当局発表がありました。同局は視聴者に向け公式に謝罪したとのこと。

 ●「段ボール肉まん」はヤラセと判明、テレビ局が謝罪(新華網 2007/07/18/21:11)
 http://news.xinhuanet.com/local/2007-07/18/content_6395548.htm

 私はこの一件が飛び出してからちょっと斜に構えて眺めつつ香港紙あたりの関連記事を漁っていたのですが、『産經新聞』の中国総局記者・福島香織さんのブログ「北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)」の関連エントリーに思わず膝を打ちました(福島さん、抜群の行動力に取材力、そしてパワフルかつコテコテな筆致に瞠目するばかりです。御活躍、蔭ながら応援しています)。

 ●段ボール肉まんやらせ事件フォロー(2007/07/20/01:49)
 http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/237202/

 私が「そう!それそれ」と思ったのは、このエントリーにの後半に出てくる「
■福島の仮説(妄想)」です。



■これらの疑問と、納得できる部分を整理して、ひとつ仮説を立ててみよう。これはブログですから。記事じゃありませんから、けっこう思い切ったこといいますよ。
眉につばつけておよみください

■福島の仮説(妄想)
 北京に段ボール肉まんは存在した。北京市工商当局にもタレコミがあった。アルバイトスタッフ(胡月)は、CCTV時代のコネを通じて、その情報をキャッチ、自信まんまんで北京テレビに売り込んだ。

(中略)

●あとは北京テレビで、適当な人事異動して、それでもさわぎがおさまらなかったら、このネタを北京勢力切り崩し、劉淇・北京市党委書記への圧力に使っちゃうぜ(By胡錦濤)

とこんな展開でどうだ?




 いやー素晴らしい(畠山桃内調)。最近は天津市がちょっとキナ臭いのですが、私は福島さんの「妄想」と同じように「邪推」して、あーこれは「北京閥」退治の一環かなあー、と下衆の勘繰りをしつつ材料を漁っていたのです。

 ●時代は「北京閥」退治だそうで。(2007/05/10)

 もちろん福島さんのような中身たっぷりの内容ではなく、胡錦涛政権による「北京閥潰し」と「マスコミ掌握」という図式だけあって、あとちょっと補強材があれば面白い話に仕立てられるのでコソーリ活動(香港・台湾の新聞で文章発表)にでも使うぞー、ウィリー悪いけど毒林檎で出しゃばっちゃうよー。……などと狙っていたのです。

 福島さんはさすがプロだけに「妄想」ひとつとっても隅々まで目が行き届いています。しかも読んでいて面白い。さすがです。素人の私などとてもとても(再び畠山桃内調)。でもプロの記者の人もそういう「妄想」をするんだなあ、と思って嬉しかったです。職業病というか仕事柄の娯楽、てな感じでしょうか、福島さん?

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 まあこの「肉入り段ボールまん」については日本でも報じられて反響が大きかったので、例えばテレビとかではその事件は捏造だったと中国当局が発表した、とアフターケアしつつ、

「捏造だったという当局発表が捏造かも」

 とかコメンテーターに言わせて、

「でも中国にはまだ危険食品が色々ありますからね」

 とフォローして過去のケースをズラリと並べてみてほしいところです。当ブログ左サイドの「CATEGORY」にある「疫病・有毒食物etc」を遠慮なくお使い下さい。なかなか粒ぞろいの良ネタを用意してありますので(笑)。

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 さて今回の本題はタイトルの通りです。有毒かどうかは判然としないのですが、「硫酸ライチ」のようにしなびた古いショウガを新鮮にみせるべく「お化粧」を施す、という時点で消費者を騙していますから一応拾っておきます。

 ●深センに硫黄ショウガ出現(明報 2007/07/19)
 http://www.mingpaonews.com/20070719/caa2.htm

 と、香港紙の報道ですが元ネタは深セン市の地元紙『晶報』。要するに国内メディアによるスクープ記事です。

 この報道によると、中国の家庭にとっては必須の調味料といえるショウガに細工を施して儲けている悪徳商人がいるそうです。何でも鮮度が落ちて色あせて表面にシワの入ったショウガに「毒硫黄水」を噴きつけることであら不思議、色つやのよい見た目だけ新鮮そのもののショウガに生まれ変わるとのこと。

 舞台は龍崗区・龍崗街道の利民農貿批発市場(卸売市場)で、ここで売られているショウガのうち1日平均2~3トンが問題の硫黄ショウガ。近在の坪地、坪山、愛聯、葵湧などから出荷され、売れ行きも上々だそうです。

 記者が隠密取材を敢行したのか市場関係者から得た情報かはわかりませんが、これら硫黄ショウガは毎日正午ごろに小型トラックで運ばれて来ます。いくつものビニール袋に詰められたショウガは、この時点では普通のショウガ。ただし表面が色あせ、何本もシワが走っているみるからに鮮度の悪そうなものばかりです。

 で、業者が袋詰めのショウガを次々と取り出しては一カ所にまとめます。高さ1mほどの小山になるそうです。これをまとめて大きなビニール袋に詰め終えると刺激的な硫黄のにおいが鼻をつきます。「お化粧」がスタートした訳です。

 ――――

 この「薫製」作業を終えると、色あせてしなびていたショウガの表面が新鮮そのものといった色に一変。ただこの時点ではまだシワは以前のままです。

 ところが夕方になってワゴンやオートバイでショウガを買い取りに来ると、これら業者は慣れたものでそこに置いてある噴霧器を手にし、赤いバケツに入っている液体を詰めると、自分が買い取ってビニール袋に詰められているショウガに向けてシュッ、シュッ、シュッ。

 ……するとマジックの如く、ショウガがいよいよ新鮮そうな色となり、シワもちょっと触れるだけで消えてしまうのです。

「これは硫黄といくらかの化学物質を調合した薬液なんだ。ショウガに噴きつけると鮮度も保てるし見た目もずっとよくなる」

 とは業者の弁。

 深セン市無公害農產品質量監督檢驗站、つまり品質監督機関によると、これら硫黄ショウガ1kg当たりの硫黄含有量は62.7mg。ただし業界内に安全基準といったモノサシがないため、有毒なのかどうかは断定できないそうです。



 硫黄は黒色火薬の原料であり、合成繊維、医薬品や農薬、また抜染剤などの重要な原料であり、さまざまな分野で硫化物や各種の化合物が構成されている。農家における干し柿、干しイチジクなどの漂白剤には、硫黄を燃やして得る二酸化硫黄が用いられる(燻蒸して行われる)。


 ●硫黄 - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E9%BB%84




 ……とありますが、硫黄含有量とともに「化粧液」を構成している何種類かの化学物質が何なのか不明なため危険度は不明。ただし鮮度を偽っていることは事実ですし、新聞では「有毒食物」扱いで、スーパー関係者や市場筋の話として、

「管理が厳しい深セン市の一線内や香港に流通するのは稀で、多くは二線地区や東莞などに出回っている」

 とされています。マトモな商品としてみられてはいないようです。

 「硫酸ライチ」に比べるとインパクトはかなり遜色があるものの、これはこれで気になるニュース。『明報』の記者による詳報を期待したいところです。




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 前回の続報のようなものです。政府関連部門が中国全土に警報を発した問題豚肉、

「市場において未許可の処理施設からの出荷肉、未検疫の肉、病死した豚の肉、重量をごまかすため水などを注入した肉を厳しく監視し、悪質な違反者の営業許可を取り消すよう指示」

 といった内容でしたけど、実は流通している豚肉の多くが問題ではないか、という記事が出てきました。検疫も通過しているし病豚肉でもないし水増し肉でもない。でも飼料に薬物を使っているので豚肉はみんな危ないよ、という内容です。

 前回のコメント欄で情報が寄せられた「段ボール入り肉まん」の件は日本でも報じられています。



 ●「偽肉まん」は、豚肉と段ボールの割合が4対6 中国(asahi.com2007/07/12/23:44)
 http://www.asahi.com/international/update/0712/TKY200707120452.html

 (前略)
どろどろに溶かした段ボールの固まりをひき肉に練り込んでいる隠し撮り映像が、11日、北京テレビのニュースで流された。豚肉と段ボールは4対6の割合。香料を足して10分ほど蒸すと「偽肉まん」ができあがる。放送後、インターネットの掲示板には「何を信じて食べればいいのか」などの書き込みが殺到した。

 水道水が飲用に適さない北京では、大型ボトル入りの飲料水を家庭や会社で飲んでいるが、地元紙・京華時報によると、北京市内で売られている大手4社の飲料水が年間約1億本であるのに対し、実際に流通している4社の銘柄入り大型ボトルは約2億本あった。
(後略)



 ……すごいですよね。常軌を逸しています。逸しているんですけど、硫酸ライチまで紹介した当ブログとしては半ば感覚が麻痺していまして「あーそーなの」という程度の感想しか湧きません。

 ●硫酸ライチ出現!マットレスが一滴でジョワッ。(2007/06/22)

 金儲け優先でモラルがすっぽりと欠落しています。信用という言葉なんかどこにもありません。
「どうせ他人が食べるんだから」てな感じで何でもありです。新華社電を物色していると、

「現時点で何十カ国が中国を完全な市場経済の国家と認めた」

 なんて記事がよく出てきますけど、あの市場というのは「イチバ」であって「シジョウ」ではないように思います。これは上海留学当時の体験ですが、授業である構文を用いた「造句」(例文作り)の順番が私に回ってきたとき、

「市場の成熟に伴って……」

 云々とやったら担任が「それはおかしい」と言い出して詳しく説明するまで納得してくれなかったことがあります。私は「シジョウ」という意味で「市場」を使ったのですが、教師は「イチバ」、つまり当時普及し始めていた自由市場を連想し、

「イチバが成熟するとはどういうことか。意味が全く通らない」

 と喰ってかかられたのです。

 香港にも似たところがありますけど、「信用」や「サービス」というのは基本的にリピーターや店の評判を期待してのものです。

 ところが中国では「市場」がイチバで要するにバザールなので、いま目の前にいる客からいくらボッたぐることができるか、ということが重要になります。「信用が生む店の評判」とか「リピーター」なんてまるで期待していないのだと思います。

 そもそも目の前にいるこの客がまた来てくれるという保証はどこにもないじゃないか、という長期戦略の欠如した理屈に落ち着くからでしょう。これに「どうせ食べるのは他人だから」という考え方が加わると、空恐ろしい事態がわらわらと出現する訳です。

 ――――

 さて「問題豚肉」の一件、これは反政府系タレ込みサイト「博訊網」にタレ込まれた記事ですからホンモノなのかどうかはわかりません。信じるかどうかはあなたシダーイ。ただ内容がかなり具体的なので見過ごすことができませんでした。

 ●なにまだ豚肉を食べてる?気をつけろ!豚肉を食べるのは緩慢なる自殺も同然!(博訊網 2007/07/12)
 http://www.peacehall.com/news/gb/china/2007/07/200707121856.shtml

 養豚業者の独白といったものですが、実はちゃんと検疫を通過している豚も、成長を早めたり色つやを良くするために薬物入り飼料を食べさせていて、そういう豚肉を食べ続けると自分の体内にその薬物が蓄積されるなどして非常に危険、というものです。

 「養豚業者の常識」として相当広範に行われているもので、養豚業者自身は薬物を使わない正規の飼料で育てたマトモな豚を自らの食用にしているとのこと。まさに「どうせ食べるのは他人だから」の世界です。

 この業者によると、体重5kg前後の子豚が100~150kgの出荷できる状態に育つまで,普通は約1年を要するそうです。ところがこの「薬物入り飼料」を使うとあら不思議。その半分であるわずか半年ほどでそこまで育ってしまうとのこと。

 マトモな豚肉として流通しているものの多くはこの薬物使用による「速成術」で育てられ、出荷されたものだというのです。

 ――――

 この業者によると、豚というものは大小に関わらす1日平均で1~1.5kgの飼料を食べるそうです。この飼料自体は問題がないのですが、例えば飼料50kgに5kg程度の「添加剤」を混入させるのだそうです。

 その効果はてきめん、子豚も毎日500g前後のスピードで成長していくとのこと。この時点では豚も元気で、柵の中を走り回ったりしているそうです。第一段階ということになります。

 ところが、「添加剤」入り飼料で育てられて子豚の体重が25kg以上になると、食事の後で大量の水を飲むようになってくるそうです。この段階だと成長も速まって1日当たり500g~1.5kgのペースで体重が増えていきます。そしてこの時点まで育つと、豚は食事の時間に叩き起こされる以外は、24時間居眠りし続けるようになるとのこと。これが第二段階。

 続く第三段階は豚が50kgまで育ったころの話となります。それまでの「添加剤」入り飼料に、土地を肥やすために農地で使わていれる化学肥料の尿素が新たに添加されるそうです。分量は薬物入り飼料50kgにつき1~2kg。これは毛並みや肌の色つやを良くするために行うのだとか。

 で、こうして「添加剤」入り飼料で育てられた豚は、100~150kgにまで成長したところで出荷するのが肝心とのこと。そうしないとそれまでに摂取した薬物の影響でもう豚が起き上がれなくなり、売り物にならなくなるからです。

 さて問題の「添加剤」の中身はというと、大量のホルモン剤、睡眠薬といった薬物で、業者いわく
「養豚業者なら誰でも知っていること」なのだそうです。そして上述したように、自分たちの食用にする豚には添加剤を加えず、従来の方法で育てていくとのこと。

 ――――

 ちなみに次のような対比になるとか。

(1)「添加剤」入り飼料で育てられた豚
 ●出荷・販売目的。
 ●毎日1~1.5kgの「添加剤」入り飼料を食べる。
 ●ある段階に達すると、飼料を食べたあと大量の水を飲み、あとは一日中眠り続ける。
 ●5~6カ月で体重が100~150kgに。

(2)「添加剤」を使わない従来の飼料で育てられた豚
 ●出荷・販売はせず、自分たちの食用目的。
 ●「添加剤」の入っていない天然飼料で育てる。所要量は毎日3.5~4kg。
 ●常に元気に走り回る。
 ●約1年でようやく体重が100kgに。

 「添加剤」を使うと2分の1の短期間で豚を出荷できる体重に育て上げることができるということです。ちなみにこの「添加剤」は1kg当たり2.6元。国による豚の買い付け価格は1kg当たり8元ですから、コストを差し引いても毎月数百元の純益があがるというオイシイやり方なのです。逆に時間が倍かかる天然飼料で育てると赤字になってしまうとのこと。

 「添加剤」はコスト節減のためになるべく安いものが使用されているそうです。いうまでもなく安かろう悪かろうで、廉価になるほど「添加剤」として質の悪いものになります。業者はむろん安い添加剤に走りますから、それで育てられればいよいよ「問題豚肉」ということになります。食べ続けると女の子の初潮が早まったり、老人が病気にかかりやすくなるそうです。

 なお、毛並みや肌の色つやを良くするためにヒ素も飼料に混入されているようです。睡眠薬なども入っていますから、豚肉を食べて眠くなる人も出る模様です。

 ――――

 こうした一切を承知している養豚業者は前述したように自家用分(自分たちで食べる分)の豚は天然飼料だけで育てます。豚肉の販売業者の間でも公然の秘密となっているため、豚肉を食べるのは避けているようです。

 結局、新鮮そうに見せるための「硫酸ライチ」や養殖の淡水魚やウナギに使われる発ガン性物質マラカイトグリーン、また冬場の出荷時期に合わせて農薬などでトマトや青菜を完熟させる手口と基本的には同じということになります。

 まあタレ込みサイトに寄せられた情報ですから、信じるかどうかはあなた次第。ただ「硫酸ライチ」とか「農薬漬け野菜」とか「重金属野菜」とか「段ボール入り肉まん」といった実例を聞かされると、このくらいのことはやっていても不思議じゃないだろうな、という気にさせられます。

 差し当たっての防衛策は「豚肉を食べないこと」といったところでしょうか。

 という言葉で前回は締めましたが、

「中国産豚肉を食べてはいけない」

 に改めることにします。




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 今年の中国は久しぶりに物価上昇が問題視されることになりそうです。

 というかすでに問題視されています。3月の全人代(全国人民代表大会=立法機関)で政府が示した消費者物価指数(CPI)上昇率についての目標値は「前年同期比3%以内」となっていたのですが、今年に入ってからの数字は、

 1月:2.2%
 2月:2.7%
 3月:3.3%
 4月:3.0%
 5月:3.4%

 と、ついに警戒線(3%)を突破。

 ●消費者物価指数、3カ月連続で警戒ライン突破。(2007/06/13)
 ●罰金20万円は中国大使館が払った、にFECで100元。(2007/06/23)
 ●警戒警報:深セン・東莞で病豚肉続々出現、屋台は特に注意。(2007/06/27)

 1~5月でみると上昇率は2.9%なので6月の結果次第で上半期の状況が明らかになりますが、物価を押し上げている主因の食品類の高騰が改善された形跡はさほどみられず、むしろ卵とともに物価上昇の牽引役となっている豚肉などは各地で史上最高値を更新中。



 ●豚肉価格の上昇止まらず、北京と広州で過去最高(サーチナ 2007/07/04/13:37)
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0704&f=business_0704_008.shtml

 中国各地で豚肉の値上がりが続いている。3日までに北京市では卸売価格が1kg当たり17.5元、広東省広州市では卸売り価格が16.08元、小売価格が11元でいずれも過去最高。上海市は平均的な小売価格が26元と高止まりしており、下落の気配はないという。

 京華時報によると、北京市の豚肉の卸売価格は5月に1kg当たり17.0元に値上がりして以降、17.0元前後で推移していた。6月末に雨が続き入荷が滞ったことから7月になり再び値上がりし、17.5元になった。市場関係者によると、生産量そのものが伸び悩んでいるため、天候が回復しても大きな値下がりは望めないという。

 広州市では、6月末に1kg当たり14.08元だった卸売価格がわずか3日間で14.2%上昇し、16.08元になった。今後3-4カ月内に価格が下落することはないとみられている。
(後略)

【※注】この記事には誤りがありますので補足します。広州市の卸売価格は1kg当たり16.8元、小売価格は同22.0元です。dongzeさん御指摘ありがとうございます。楽してサーチナに走った私が馬鹿でした。m(__)m

 ●「新華網」(2007/07/03/08:33)
 http://news.xinhuanet.com/local/2007-07/03/content_6319824.htm



 こうした情勢を受け、証券筋では6月のCPI上昇率は前年同期比4%を超えるのではないかというアナリストの観測がもっぱらとのこと。A級戦犯はやはり豚肉のようです。

 ●「金融界」(2007/07/11/22:02)
 http://info.jrj.com.cn/news/2007-07-11/000002415940.html

 ●「新華網」(2007/07/10/08:44)
 http://news.xinhuanet.com/fortune/2007-07/10/content_6352013.htm

 経済政策の大元締めである国家発展改革委員会も、

「通年で3%を超える見込み」

 と、早くも白旗を上げてしまっています。とすれば関心は上昇率がどこまで伸びるかという点に向くことになりそうです。

 ●「新華網」(2007/07/09/07:07)
 http://news.xinhuanet.com/fortune/2007-07/09/content_6346632.htm

 ――――

 庶民にとって痛いのは物価上昇の主軸が食品関連品目ということ。文字通り台所を直撃という形で……といつもの表現を使わざるを得ません。広東省の『南方日報』によると、このために毎月の生活費が1人当たり平均で40元も高くなっているそうです。世帯あたりでなく1人当たりですから家計に相当響いていることでしょう。もちろん外食産業なども打撃を受けている模様。

 ●「新華網」(2007/07/11/12:59)
 http://news.xinhuanet.com/fortune/2007-07/11/content_6359208.htm

 ちなみに、こうした物価騒ぎのドサクサに……かどうかは知りませんが、昨年(2006年)のGDP成長率が11.1%に改めてこっそりと上方修正されています。

 ●「新華網」(2007/07/11/17:58)
 http://news.xinhuanet.com/fortune/2007-07/11/content_6360774.htm

 で、今回のお題となる訳ですが、豚肉が高騰となれば闇ルートが活況を呈することになります。これに対し政府関連部門が警戒警報を発令。



 ●値上がり続く豚肉価格、政府が悪徳商法阻止を指示(サーチナ 2007/07/05/20:32)
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0705&f=business_0705_018.shtml

 5日付北京晨報によると、国家発展・改革委員会(発改委)の調べて2007年6月に全国36都市で豚肉(骨なしもも肉)の価格が前月比12.3%上昇して平均で1kg当たり19.56元だったことが分かった。5月の上昇率は10.5%で、値上がりは6月になり更に加速した。
(中略)

 商務部、公安部、衛生部、工商総局、国家薬品食品監督管理局は豚肉価格の値上がりを受け、各地の関連部門に品質安全管理の緊急通知を行った。市場において未許可の処理施設からの出荷肉、未検疫の肉、病死した豚の肉、重量をごまかすため水などを注入した肉を厳しく監視し、悪質な違反者の営業許可を取り消すよう指示した。




 恩師によると「水増し豚肉」などは以前からごく普通にあったとのことですが、未許可とか未検疫とか病豚肉は怖いですね。いつものことながらお役所仕事ですから、中央の関連各部門が警報を発したということは、全国的に現実は二歩も三歩も先を行っている訳で。

 実際に上記エントリーの中で深セン市には問題豚肉が相当出回っているということを紹介しています。そして、深センとなるとお隣の香港にも累が及ぶであろうことは確実。過去にも発ガン性物質マラカイトグリーンを使用した養殖魚やウナギ、残留農薬の基準値を大幅に上回る野菜などがあります。

 例えば農薬漬けのインゲンマメを使った料理を食べてその場でビリビリと中毒症状を呈してぶっ倒れる、なんてことが深センと香港で同時期に発生したりしています。

 税関は仕事しているのか(怒)、という話になりそうですが、こういう問題野菜や毒魚は往々にして密輸ルートで香港市場に流入してきます。そこは地続きですからお易い御用。中国本土の強盗団が一撃離脱戦法をとる際に利用している後海湾経由の海上ルートの場合もあるでしょう。

 ――――

 という訳で中国全土に発せられたこの問題豚肉警戒警報は香港でも要注意ということになります。香港当局はすでに動いていまして、正規ルートで本土から輸入される豚肉の量を連日チェック。

 価格高騰を受けて供給量が減少しており、きのう(7月11日)はわずか3650頭しか入ってこなかったそうです。ちなみに7月10日は3981頭、7月9日は4167頭ですから減少傾向ということになります。当然のことながら香港でも豚肉価格高騰の影響が出てくるかも知れません。

 このほか税関も深セン側と共同でちゃんと仕事をしているようで、昨日だけで香港入境者が不法に所持していた豚肉42.4kgなどを押収したそうです。……てことは密輸ルートの往来はきっともっと活発化していることでしょう。

 ●『明報』(2007/07/12)
 http://www.mingpaonews.com/20070712/gob1.htm

 差し当たっての防衛策は
「豚肉を食べないこと」といったところでしょうか。現地在住の皆さん、お気をつけ下さい。




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 もう現地では旧聞かも知れませんが、これから出張や旅行で立ち寄る方もいるでしょうから、一応警戒警報を発令しておきます。

 中国で物価上昇が目立ってきたことは当ブログにて再三ふれていますね。その主因が食品価格の高騰であり、食品価格の中でも特に卵と豚肉の急騰が著しいことも。

 こうなるとそれに便乗して悪さをする連中がわらわらと湧いてきます。……で、豚肉については、闇ルートで処理された病死した豚の肉が深セン市・東莞市の市場や屋台に出回り始めており、当局が調査に乗り出しました。

 ――――

 以下は香港紙『蘋果日報』(2007/06/27)が報じたところによるものですが、東莞市と深セン市ではさきごろ病死豚肉が大量に発見され、このうち東莞市の7鎮では8000kgを超える病豚肉を押収。ひどい悪臭を放ち、ハエが群れのようにたかっていたそうです。そうした問題の豚肉が市場や屋台などに出回っているとのこと。

 病豚肉については広州で今月初め、1日平均約500頭分が広州市の市場に出回ったことが明らかにされています。その舞台が深セン・東莞に移ったということです。

 広州の地元紙『広州日報』によると、東莞市常平鎮で6月24日、悪臭を放つ340kgの豚肉を当局が押収。色合いからみて明らかに病豚肉で、もちろん検疫などは受けていない闇商品。付近の工場の社員食堂に出荷されるところだったそうです。

 やはり広東省の『信息時報』によると、東莞市当局は謝崗鎮曹楽村の工業地区でも数十袋に詰まった豚肉を押収。これも検査の結果、病豚肉と判明しました。このほか塘廈鎮の市場でも違法経営の肉屋21店を発見し、その際には10万元相当の病豚肉を押収。平均すると1店当たり200kg以上もの病豚肉を販売していたことになります。

 東莞市では少し前にも清渓鎮で2300kgの問題豚肉が発見されたばかり。豚肉の価格上昇に加え、水害などによる供給量の減少がこうした病豚肉の跋扈を招いている、と市当局筋はみています。

 ――――

 深セン市の状況も深刻なようです。「深セン新聞網」は宝安区宝石公路そばのライチの林に囲まれた空き地に、7~8カ所の急造された簡素な養豚場が隠れており、これが不法経営のものだったと報道。

 記者が業者を装って内部に立ち入ると、豚の入った柵の中には病死したとおぼしき豚もいたそうです。経営者の妻は「ここで商売を始めて2年になる。豚肉は深セン市内に出している。検疫なんて全然受けたことがない」とのこと。

 東莞で500名が働く工場を経営している香港人は『蘋果日報』の取材に対し、

「外食するときは名の通った店で食事をするように気をつけないと」

 と語っています。現在進行形の問題のようです。

 香港の親中紙『大公報』(2007/06/27)もこの問題を報じています。これは東莞市の話になりますが、豚肉の供給量が少ないため、現在市内の数多くの小売店や屋台は闇ルートの流通に依存しているそうです。

 検疫を通らないため闇ルートは正に「病み」ルート。病頓肉が混入している可能性が高く、それらが市場や工場の食堂、またミンチなどに加工されて肉団子などを売る屋台へと供給されています。

 http://www.takungpao.com/news/07/06/27/ZM-757028.htm

 ――――

 豚肉の高騰は秋まで続く見通しですから、病豚肉の流入も当局の網をかいくぐって当分止むことはないでしょう。「五香粉」さんをはじめ現地在住の皆さん、また出張や旅行で深セン市・東莞市を訪れる方々はくれぐれも御注意下さい(そのうち香港にも飛び火しそうな悪寒)。




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 今週は仕事のシフト変更などがありなかなか更新できず申し訳ありません。実は私の中で革命的な出来事が進行しつつあります。火曜日(6月19日)から、完全夜型生活から「朝起きて夜寝る」という人間的な生活リズムへの転換を断行。要するに改邪帰正といいますか、御家人「真人間化」へのリハビリがスタートしました。

 朝起きると夜型では出来なかったことが色々できるようになって楽しいです。ただ香港などの仕事仲間とのすり合わせで手間を喰いました。あいつら夜しか仕事しねーし(お前もだろ月曜までは >> 自分)。突発的事態ならともかく、普段は双方がわずかに重なっている「起きている時間」を連絡タイムにしようとあれこれあれこれ。

 私の場合、日本側は問題がありません。11時ごろに出社して新聞読みながらお茶して、あー12時だメシ食いに行こう、てなノリで午後から「それじゃ働くか」というリズムで動いているところばかりですから。

 考えてみると、どうも李登輝さんの訪日で取材めいたことをしたのが良い刺激となったようで、背中を押してもらったといったところ。李登輝さん本当にありがとうございました。すぐそばに立ったときに感じたホクホク感、いまでもありありと覚えています。m(__)m

 浮世離れして提灯記事に囲まれて舞い上がっている糞クリエイターどもへの「なんちゃって取材」とは正に天と地の差。取材者として吸収できるものが段違いです。というか比較するのも李登輝さんに失礼。

 写真撮らせろって言ったら手鏡出してグラサンの位置と髪型直してるんじゃねーよ地図の某。テメーの知名度なんか香港じゃ糞以下。不肖御家人と違って表紙にテメーの名前出したって雑誌の売れ行きが伸びたりしないんだから取材してもらえることに涙流して感謝しろボケ。……いや、私としたことがつい取り乱してしまいまして(笑)。

 ――――

 まあそんな訳で今週はブログもコソーリ活動にもなかなか手が付けられないまま金曜日になってしまいました。で、今回は土日向けのネタなんですけど鮮度が肝心ということで。そう、正に鮮度が肝心。

 ということで、標題の通りです。

 ●重金属野菜
 ●貴州省の総人口の半分がフッ素中毒
 ●養殖の魚やウナギに発ガン性物質のマラカイトグリーン使用
 ●トマトや青菜の農薬漬け

 ……それに水質汚染や大気汚染や土壌汚染。七色の河とか太湖のアオコ?大発生で衛星写真でもグリーンに輝く湖が確認できた……など、もう何が起きても驚かないぞ状態の中国なんですけど、さすがに奥が深いです。今度は硫酸ライチでビックリさせられてしまいました。

 類型としては農薬漬けとかマラカイトグリーンと同じで、鮮度を保ったり出荷時期に合わせて完熟させたりする手段のひとつのようです。ただ今回の硫酸ライチは見た目だけ。

 現地紙では「美容液」と表現されていますが、その名の通り、ただ見栄えを良くするために使われているところがいよいよ悪質です。しかも硫酸!正確にいえばアルコール硫酸ということになりますけど、劇毒?だけに効果は生半可なものではありません。

 ――――

 事件が起きたのは吉林省の省都・長春市。恩師は今でも「新京」とつい口にしてから言い直しています(笑)。それはともかく、数日前の出来事です。地元の若い女性、Aさんが市場で皮の赤々とした見るからに新鮮そうなライチ1kgを購入。そうです、もうライチが美味しい季節なんですねえ。

 ライチは広東省や広西チワン族自治区、福建省、海南省など南方の果物ですけど、東北部である長春まで流通しているようです。で、このAさん、帰宅して晩御飯のあとデザートにと、ベッドに腰を下ろしてテレビを観ながら賞味しようとしました。ライチの皮を剥く前から何やらみずみずしい。

 というより海の家のビールのように水の中に浸けられていたものを取り出したばかりというか、表面に液体を噴きつけられたかのような湿り具合。Aさんが怪しいと思ったかどうかは知りませんが、袋から漏れたその「水」が彼女のスラックスにポトリと一滴落ちたかと思うやジョワッという焼けるような音とともにスラックスに小破孔。

 その「水」はさらにベッドにもポトリと垂れるなり、今度はマットレスがジョワッ。これも小さな穴があいたのです。

「お母さん見て見てこのライチ変!」

 と慌てて母親を呼んだAさん。母親は試しにこの「水」をぬいぐるみの小熊に一滴落としてみたところ効果てきめん、小熊の顔に米粒大の破孔がジョワッ(他の物で試してもいいだろうに……クマさん可哀想)。

 おおおお、と二人で驚くそばからアイヤーアイヤーと母親がお腹を手で押さえました。胃に鈍痛。母親は硫酸ライチをすでに何個か食べてしまっていたのです。

 ――――

 幸い大事には至りませんでしたが、怒りの収まらぬ母親はライチ売りのもとへ足を運び猛抗議。その勢いに恐れをなした店主が皮の表面が黄緑色のライチの袋を母親に手渡し、もうこの店でライチは買わないと憤激する母親に、

「大丈夫。このライチは絶対大丈夫だから」

 と一言。

「ちょっとそれ、どういうこと?」

 と母親が問い詰めたところ、店主はアルコール硫酸をライチの表面に噴きつけていたことを白状。Aさんの買った赤色も鮮やかなライチも実は黄緑色だったのですが、このアルコール硫酸のひと噴きで早変わり。まさに「美容液」なのです。その効果のほどを御覧あれ。

 ●比較写真。右側がアルコール硫酸によるお化粧前、左側がお化粧後。
 http://hotnews.tianjindaily.com.cn/images/2007-06/21/xin_0406042109110411756511.jpg

 まるで違うでしょう?実は南方で産出されるライチを東北部まで運んで販売するには時間がかかるため、鮮度が落ちて皮の色も変わってしまいます。上記画像だと右側が自然な状態です。それをアルコール硫酸でお化粧するとのこと。

 ――――

 この話を耳にした『東亜経貿新聞』の記者が長春の果物卸売市場を回ってみたところ、実に売られているライチの半分が「美容液」すなわちアルコール硫酸でお化粧したものと判明。市場関係筋によると、産地から長春までは6~10日を要するため、この方法が密かにしかし広範に行われているそうです。

 市場で売られているライチは「お化粧後」の方が値段が安いうえ見た目も新鮮そうなのですが、実際には味が落ちていて、食感が悪くて種も大きく、しかもアルコール硫酸モノ。ちなみに「お化粧前」が500gで3.5元、「お化粧後」の硫酸ライチは1.6元。安かろう悪かろうを地で行く話ですね。

 記者はさらにライチの産地として有名な広西チワン族自治区・欽州市の担当部門にも電話取材。

「こっちは無農薬でいいものを作ろうとあれこれ苦心しているのに、仲買がとんでもないことをしている。評判に傷がつけば輸出にも響く」

 と憤慨していたそうです。

 ――――

 硫酸ライチを数個食べてしまったAさんの母親は、どうして皮を剥くときに気がつかなかったのか、という点に疑問が残りますが(笑)、使用量次第では消化器系統を傷めたりするので要注意。東北部在住の方のみならず、華北一帯でも同じようなことが行われている可能性があります。御注意あれ。

 ●「新浪網」(2007/06/21/14:35)
 http://finance.sina.com.cn/consume/puguangtai/20070621/14353712574.shtml




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