大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

しづめばこ 8月12日 P528

2018-08-12 19:10:43 | C,しづめばこ



 しづめばこ 8月12日 P528  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



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日々の出来事 8月12日 御巣鷹

2018-08-12 10:30:27 | A,日々の出来事_







  日々の出来事 8月12日 御巣鷹







 今日は、日航機墜落事故のあった日です。
1985年8月12日、日本航空123便(羽田空港発~伊丹空港行)のボーイング747機は、離陸後12分後、高度7170mで異常が発生しました。
機体の垂直尾翼が突然の衝撃音とともに崩壊し、油圧操縦システムが損傷、操縦不能に陥ったのです。
 飛行機は、ダッチロールを繰り返しながら迷走を続け、午後18時56分02秒にレーダーから姿を消しました。
そして、群馬県多野郡上野村の御巣鷹の尾根で墜落しているのが発見されます。
この時の犠牲者520人の中には、阪神球団社長や坂本九が含まれていました。
 この事故から、ちょうど20年後の2005年8月12日、慰霊祭で日本航空の新町敏行社長が、二度と事故を起こさないと挨拶した直後、JALウェイズのDC-10型機が空港を離陸後エンジンから出火、高熱を帯びた金属片が福岡市東区社領2丁目から3丁目辺りまで降り注ぐと言う皮肉な事故も発生しました。

 なお、坂本九は、“上を向いて歩こう(Sukiyaki Song)”でアメリカのヒットチャート誌ビルボードで全米1位を獲得した唯一人の日本人です。
そして、このヒット曲のおかげで日本が世界に誇る調味料“醤油”がアメリカで売れ始めました。


      上を向いて歩こう(Sukiyaki Song) 坂本九

       上を向いて 歩こう   (´・ω・`)♪
       涙が こぼれないように
       思い出す 春の日 
       一人ぽっちの夜

       上を向いて歩こう    (´・ω・`)♪♪
       にじんだ 星をかぞえて
       思い出す 夏の日
       一人ぽっちの夜 

       幸せは 雲の上に ♪
       幸せは 空の上に ♪

       上を向いて 歩こう   (´・ω・`)♪♪♪
       涙が こぼれないように
       泣きながら 歩く
       一人ぽっちの夜 ♪

       ( 口笛・・・・)

       思い出す秋の日 ♪
       一人ぽっちの夜 ♪

       悲しみは 星のかげに ♪
       悲しみは 月のかげに ♪

       上を向いて 歩こう   (´・ω・`)♪♪♪♪
       涙が こぼれないように
       泣きながら歩く ♪
       一人ぽっちの夜

       一人ぽっちの夜    (´・ω・`)♪







 坂本九













☆今日の壺々話










はじめての飛行機





 小5の修学旅行ではじめて飛行機に乗った。
飛行機ってもっと静かで、エンジン音などしないものだと思ってたのに、離陸時の音が物凄く結構揺れるものなんで“この飛行機落ちるんだ”て勝手に確信してた。
 しつこいくらいにスチュワーデスに、

「 この飛行機大丈夫ですか!!!
音、大きいですよね!!!」

って、パニくって話しかけて、

「 大丈夫ですよ〜。」

て、返されるんだが、

「 あぁ、これは死ぬのがわかってるからなんだ。
みんながパニックにならないためなんだ。」

て思いこんでた。

旅のしおりの最後のページに、

「 お父さん、お母さん、妹、犬、今までありがとう。
僕は今まで幸せものでした。
僕が死んだら僕のカードダスとスーファミは従兄弟にあげてください。
死ぬ前にWINKの新曲が聴きたかったよぉ。」

と遺言を書いた。
 しかも運悪く乱気流に入り、物凄い揺れで周りも結構なパニック。

「 あぁ、もうダメだ。
本当に落ちるんだ!」

て思い、叫び出したいのを必死に我慢して、口を両手で押さえて、

「 フーッ!!!!フーッ!!!!」

て荒い呼吸してたら、横の子がそれを見て大声で泣き出した。
 もう飛行機の中の同級生パニック状態。
そこで思いついたのが、漫画でアウターゾーンて怖い話があって、それに、

“ 幸せの腕輪を手に入れたけど、その腕輪は幸せになれるのではなく、周りが不幸になる腕輪。
それをハメて飛行機に乗ると、飛行機が落ちて自分だけ助かることになり、主人公が機転をきかせて腕輪を飛行機に装着して全員助かる。”

って話を思い出した俺は、婆ちゃんから貰った旅のお守りを急いで腕置きにくくりつけて神に祈った。
当然無事に着陸して“神様ありがとう”と神に感謝した。
 帰りの飛行機は、旅の疲れで離陸前に寝てしまったので、そういうことはおきなかったんだけど、最後に感想やら書いた旅のしおりを先生に提出して、ホームルームでみんなの前で遺言を晒されるのはまた別の話。


















本当にあった飛行機の機内放送






1.“非常に年配の乗務員のいるヨーロッパのフライト”と機長が述べたあと、
 
「 みなさま、自動操縦の高度に達し、まもなく機内の照明を消しますが、これはお客様の快適さと、乗務員の見栄えの向上のためでございます。」


2. サウスウェスト航空での機長放送。
 
「 みなさま、喫煙できる場所は翼の上だけでございます。
そこで火をつけられれば喫煙可能でございます。 」


3.着陸時に乗務員が、
 
「 お手持ちの荷物は必ずお忘れのないよう確認してください。
 もしお忘れになる場合は、私たちが欲しがるようなものをお願いします。」


4. 「 恋人と別れるには50の方法(Ways)がありますが、機内から外に出るには4つの非常口(Ways)しかありません。」


5. メンフィスで雷を伴なう嵐の中を激しい着陸したあと、ノースウェスト航空の乗務員が放送した内容。
 
「 頭上の荷物棚のドアをお開けの際はお気をつけください。
 今の着陸で、すべての荷物が移動したことは間違いないと思われます。」


6. サウスウェスト航空より。
 
「 サウスウェスト航空245便、タンパ行きにご搭乗ありがとうございます。
シートベルト着用の際は金属の留め金部分をバックルに挿入し、ベルトを引っ張って固定させます。
他のシートベルトと同じ作りになっておりますので、この操作がわからない方は“保護者/介護者なし”では、公共の場に行かれないほうがよいと思われます。」


7. 「 急激な機内の気圧変動の際には、酸素マスクが天井から落ちてきます。
その際には叫ぶのをやめてマスクをつかみ、顔の上にかぶせてください。
小さなお子様のいらっしゃる方は、子供のマスクをつける前に自分のマスクを先に装着してください。
もし2人以上の子供のいらっしゃる方は、お気に入りをお選びください。」


8. 「 到着地の気温は10℃で、まだら雲(直訳:壊れた雲)になっていますが、到着までに修理してみようと思います。
本日はご搭乗ありがとうございます。
他人は、サウスウェスト航空ほど、お客様やお客様のお金を大切に思ってくれないことを、お忘れなきようご注意ください。」


9. 「 お座席のシートは浮き具となっており、緊急時の水上への着陸の際は、それを使って岸まで漕いでいくためのサービスの品となっております。」


10. 「 当機をお降りの際には手荷物をお忘れのないようご注意願います。
お忘れになった持ちものは公平に乗務員の間で分け与えられます。
特に子供や配偶者を置き忘れないように願います。」




















クエスチョン&アンサー






明日、生まれて初めて飛行機に乗るんだけど、何か気をつけることとかありますか?
この中には飛行機に乗ったことある人もいると思って・・・。
どうか教えてください。
まだ、死にたくありません。



・おやつは300円まで。

・もちろんパラシュートは買ってあるんだろ?

・管制とのやりとりは日本でも英語だからお前オワタナ。

・機内で放屁すると、気圧の影響で墜落するから屁はしたらだめだよ。

・飲み物は1回100円だからな。
お姉さんが飲み物配ってたら100円用意しとけよ。

・救命胴衣の使い方だけは、しっかり聞いておけ。

・チケットの半券無くすなよ。
降りる時持ってなかったらえらい目にあうぜ。

・遺書は書いとけよ。

・席に座ったら、客室乗務員が説明してくれるから、まっ先にライフジャケット着用。
基本的に拳銃は持込み禁止、まあ、これくらいじゃね?

・靴脱ぐから、きれいな靴下履いていけよ。

・万が一墜落しても決して眼をつぶるな!
激突の瞬間に、ジャンプするタイミングを間違えるからな。

・ベルトをしめたら 肘掛け付近のボタンでロックだ。

・客室乗務員を合コンに誘っても制服でこないからな。

・金属探知機のところでブザー鳴ったら、壁に手をついて、両足を50センチくらい離して立つようにな。

・座席を倒していいのは常連だけだからな。
初心者は、トイレも空港に着くまで我慢しろ。

・キョロキョロしない。

・チップ次第で、客室乗務員がお尻触らしてくれるぞ。

・搭乗のとき機長への挨拶忘れるなよ。

・クツはちゃんと脱げよ。

・座席前にあるビニール袋は酸素マスクだからな

・大体搭乗の4時間前には空港に行かないと席が埋まって立ち乗りになるぞ。
吊り革1本で離陸のGに耐えるのはかなりきついから気をつけれ。

・虫歯が在ると気圧の関係で破裂する可能性が在るので治療してから行くこと。

・ちゃんと靴は脱げよ、そろえて下駄箱に入れるんだ。

・1000円でスチュワーデスさんと並んだ記念写真が撮れるよ。
あと、別室でマッサージは、ファーストクラスが空いているときだけのサービス。
20分で5000円だったかな。
これはお勧め。

・あと離陸と着陸に成功したら「ブラボー!!」って拍手しながら言えよ。
最低限のマナーだからな。

・乗ったとき座席に案内されて、「初めてなんです」って言ったら「大丈夫ですよ」って手を握ってくれる。

・まさか銀歯にしてないよな?
9.11以降、テロ対策で金属探知器が強化されて、事前に歯科医からの診断書がないとゲート通してくれないぞ。

・最近は下足箱が無くなって、袋渡されるよ。
で、自分で保管だよ。
人の靴を履いて行く人が多くて苦情が多かったようだ。

・墜落する可能性が高いコンディションで離陸決行するときは、「シートベルトをお締めください」ってアナウンスが流れる。
だからこのアナウンス流れたときはマジでヤバイから即効で降りろ。
スチュワーデスの制止を振り切って降りろ。
まぁこのアナウンスが流れることは滅多にないから、そんなに心配しなくてもおk。

・離着陸時、足を浮かしてれば素人扱いされないよ

・離陸する時に両手をあげると勇気がある奴だと思われるよ。

・オプション料金で自宅まで運んでもらえる。

・暑かったら窓あけなよ。

・日付変更線の上を通ったら、自分の時計が遅れてないか確かめるんだ。

・空港使用料はドルで払う必要があるから気をつけろ。
それから自動改札はSuica対応してないからな。

・経線と緯度の線が見えるから見ときなよ、あと赤道は本当に赤いぞ。

・預けた荷物は降りたあと受け取ることになる。
ベルトコンベアがゴンゴン回ってるからそれに乗れば連れてってくれるよ。

・金属探知ゲート通ったら、ファッションチェックあるからダサイ格好していくなよ。

・飛行機のトイレは気圧差でケツが引っ張られるので、痔になりやすいから注意。
2分以内なら問題なし。

・離陸前に緊急時にとる姿勢とか放送されるから実際に練習しとけよ、初めてなら特に。
隣の人と一緒に練習して間違ってないかチェックしてもらえよ。

・ヘッドホンは空気で信号を伝達する特殊なやつだけど、くわえて思いっきり息を吹き込むと、付近の座席の人が一斉に飛び上がって驚く。

・あと近距離だと機内食は無いぞ、飴玉しか出ない。
しかしその時、「甘くないやつをお願いします」と言えば、スチュワーデスのポッケから意外なプレゼントを渡される。

・機内食は機長の「いただきます」の号令の後だからな。
フライングすると没収だから要注意。

・この旅が終わったら彼女と結婚するんだとか言わない

・着陸時、前方床に両足踏ん張ってブレーキ補助すんの忘れんなよ
一応乗客全員の力が必要だからな

・無事離陸したらスタンディングオベーション。
これは通なら誰もがやる。

・降りる時に感想文を渡さなきゃいけないから、紙と鉛筆は忘れるな。

・安いチケット買うと補助椅子か立ち席になるから注意しろ。

・まだ日本の時にもチップは渡せよ。

・海外に新婚旅行した時の話。
機内で入国手続きの書類?みたいなの書いたんだけど、性別を表すSEXの欄に
・male ・femaleって書いてあった。

「 はは~ん、ここは伝染病対策で、Hの回数を書かないといけないんだな。」

と直感的に感じた俺は、・male ・femaleをなぜか、まれ・フィナーレと読んでしまった。

「 新婚だから、フィナーレって事はないし、稀っていう程少ない訳でもないしな。」

と迷った俺は、とりあえずmaleに○をして提出した。
ちらっと横にいる嫁のを見たら、femaleに○がしてあって、凄いショックだったのを憶えてる。
勘違いだったとはいえ、今でも嫁にその事を言われると、すっげーへこむ。
最近はmaleどころか、完全にfemaleです。



















“飛行機と俺”




 バイトを頑張ってお金を貯めて、ついに念願のハワイ旅行が実現する事になった。
1週間7万円という手頃なお値段。
 そして旅行当日。
俺はやや緊張した顔で機内に乗り込む。
初めてみるスチュワーデスはとても綺麗で、いい匂いがした。
 俺の飛行機は高校生の修学旅行生のほとんど貸し切りで、俺以外はほとんどが高校生。
とてもうるさかったが、ここは我慢だ。
 やがて夜になり、騒々しかった隣りの女子高生も、ウトウトと眠っている。
初めて触る女子高生は、とても暖かかった。
そして、事態は起きた。

「 アテンションプリーズ。
お客様の中で、お医者様はいらっしゃいますか?」

 ドラマのような緊急事態発生!
だが、あいにく、俺は医者ではない。
俺は気になり、近くにいたスチュワーデスに質問する。

「 どうしました?
どなたかご病気ですか?」
「 ええ。
実は機長が先ほど19リットル程度の血を吐いて、寝込んだままなのです。」

“ なんということだ。
19リットルとは....。
16リットルの間違いではないのか?
19リッターは多すぎる。”

 機内にパニックが走る。
なんせ俺以外は学生しかいないのだ。
授業さえ可能なこの機内で、一体誰が病人を治せるというのか?
その時、女性の声がどこからか聞こえた。

「 私は学校の保健室の者です。
私でよければ。」

“ 助かった!!
これでハワイに行ける。”

俺は隣の女子高生の手を握りしめ、指で、手のひらに“へ・い・わ”と書いてあげた。
だが、パニックはこれからだった。
 またも警報が鳴り響く。
再び機内は騒然とする。
スチュワーデスが言った。

「 先ほどの話はキャンセルです。
事態はAレベルに悪化しました。
繰り返します。
事態はAレベルに...。」

“ Aレベル?どういうことだ?”

俺は気になって仕方がない。
座席のスチュワーデス呼び出しボタンを押す。

「 どうされました?」
「 ええ。
あの、先ほどのAレベルとは、どういう意味ですか?」
「 ああ、あれは緊急事態の最高レベルという意味です。」
「 というと、死亡率が最も高い事態という事でしょうか?」
「 その通りです。」
「 具体的には、どういう事でしょうか?」
「 はい。
かいつまんで説明しますが、機長が永眠されたということです。」

絶句......。
そんなことが起きるとは。
もうどうすればいいのか分からない。
しかし、機内は乾燥している。
俺はスチュワーデスに言った。

「 お茶を頂けますか?」
「 ホットorコールド?」
「 ホット、プリーズ。」

運ばれてきたお茶を飲み、すこし落ち着く。
 そして、再び、機内アナウンス。

「 お客様の中で、飛行機の運転をされたことがある方はいらっしゃいますか?
できれば軍用機ではなく、民間機の経験者でお願いします。」

俺はそれを聞いてガックリする。
高校生は飛行機の免許をとれるわけないからだ。
当然、俺もそんな操縦経験はない。
そしてすぐに機内アナウンスが響く。

「 お客様の中で、車の運転免許、もしくは自動二輪の免許をお持ちの方、いらっしゃいませんか?」

 ここでも俺は首を横に振る。
この高校生はみんな真面目そうで、免許なんてもっていないだろう。
俺も持っていない。
スチュワーデスも、規約で免許は取れないことになっているから期待はできないのだ。
 そして、最後の願いをかけたようなアナウンスが鳴る。

「 ではお客様のなかで、資格を持っている方はいらっしゃいますか?
種類は問いませんので、挙手をお願いします。」

俺は、まっすぐに手を挙げた。
ワードとエクセルの修了検定をとったばかりなのだ。
そして、もう一人、手が挙がる。
スチュワーデスが言った。

「 今、手を挙げてくれた方は前に来てくれますか?」

俺と、もう一人の真面目そうな男子高校生が、前に呼ばれる。
みんなに見られているので少し、緊張だ。
スチュワーデスは言った。

「 では、自己紹介と、持っている資格をマイクでみなさんに聞こえるように発表してください。」

ワーという歓声。
なんとか、俺も、男子高校生も自己紹介を終えた。
スチュワーデスは続けた。

「 は~い。
いいですか、みなさん。
これから、この二人のどちらかに運転してもらうわけですが、どちらに運転してもらいたいか、みなさんの拍手の数で決めたいと思います。
いいですか~?
それではいきます。」

高校生たちは返事する。

「 は~い!!」

スチュワーデスは言った。

「 英語検定4級の、この高校生に運転して欲しい人~?」

“ パチパチ。”

まばらな拍手が鳴る。
男子高校生は、顔を赤らめてうつむく。
 スチュワーデスは続けた。

「 では、ワードとエクセルの、この男性に運転して欲しい人~?」

“ パチパチパチパチ!!”

轟音のような拍手。
高校生一同が叫んでいる。

「 エクセル!エクセル!」
「 駿台!駿台!」

俺を祝福する声と、期待する声。
 そして、俺はスチュワーデスにうながされ、ついにコックピットへと足を踏み入れる。
スチュワーデスが説明した。

「 では、操縦の説明をします。
飛行機のコックピットは、ウインドウズとほとんど同じです。」

なるほど。
たしかに、マウスがないだけで、似ている。
噂で聞いたことがあったが、本当とは。
驚きだ。
 スチュワーデスは続けた。

「 その棒が操縦桿です。
前に倒したら前に進み、横に倒したら横に行き、後ろで減速です。
Aボタンでレーダー、Bボタンで加速、Cボタンでスチュワーデスがコーヒーを持ってきます。」
「 なるほど。
では、このYボタンは何ですか?」
「 やめて下さい。
女性にそんなことを聞くなんて!
デリカシーが足りませんよ。」

スチュワーデスは顔を紅潮させる。
恐らく、このボタンはそういう事なのだろう。

「 では、発進します!」

 俺は、足下のペダルを踏み込み、ハワイへと急いだ。
運転して3時間。
Cボタンを押し、8杯目のコーヒーを飲む。
運転にも飽きてくる。
 スチュワーデスがやって来た。

「 運転ご苦労さまです。
あと20分でハワイに到着です。」

そして、その言葉通りに20分後、ハワイが目前に見えた。
 スチュワーデスが着陸方法を説明する。

「 これより降下です。
降下方法は、右手の近くのレバーをぐいと引っ張って下さい。」

なるほど。
簡単なものだ。
俺は、鼻歌まじりでレバーをひいた。
驚きだ。
なんと、レバーは、根本からスッポリとぬけてしまった。
高度2万メートルのドリフである。

「 あの~。
これは長さんが亡くなった事に対する追悼でしょうか?」

俺は、申し訳なさそうに、抜けたレバーをスチュワーデスに見せた。

「 .....!!
そんな馬鹿な!
何か、替えになる棒はありませんか?」
「 そんな事を急に言われても。
あ、そうだ。」

 俺は、飛行機の操縦がウィンドウズとほぼ同じという事を思い出した。
俺は、すごい速さでコックピットのキーボードをタイピングし、“着陸”と打ち込み、returnキーを押した。
ギーという大きな音。
軽い衝撃。
そして、滑走路を走る音。
助かった。
 俺は、晴れ晴れしい顔で飛行機のタラップを降りる。
その時、背後から声がしたので振り向いた。
そこには、コックピットで一緒に戦ったスチュワーデスが立っていた。
スチュワーデスが俺に言った。

「 もう、行くの?」
「 ああ。
早くコカコーラを飲みたくてよ。」
「 そう。
また、会えるかな?」

俺は、照りつける太陽に少しまぶしそうに目を細め、

「 メイビー。」

と、答え、一度も後ろを振り返る事なく、ハワイのビーチへと急いだ。








     ― 完 ―




















飛行機は怖い






香港から大阪に帰る時、ふと外を見たらエンジンから炎を噴き出しながら飛んでいた。
あわててすっちーに連絡したけど、もちろん知ってたみたい。
当然香港に引き返したんだけど、後にも先にもこれより怖い思いをしたことがない。


アンデス山脈上空で急降下、酸素マスクがおりてきた時。
「お母さん、こんな遠くまで骨拾いに来させることになっててゴメン」
とマジで思いました。


オーストラリアの空港にランディング、着地寸前に突如エンジン全開でゴーアラウンド。
ズドンンとタマげるぶっとい音でした。 滑走路に犬がいたからですと。


エールフランスのヨーロッパ内国際線
737っていう小さい飛行機で翼の後ろが良く見える窓側に座ってマターリしてたら、翼の後ろに4つぐらい飛び出てるのの一つが金属のガムテープみたいなので修復してあったんだよ。
あれ大丈夫なんかな?

さるエアラインの機長に聞いた話では、アルミテープで補修するのは昔は良くあった話だそうで・・・ 「これなら乗客にはわかるまい」ですと。


ラスベガスからグランドキャニオンへの復路。
顔を隠してうずくまる人が出るほど揺れていて、セスナ機から小さいながらもゴトッという音が発生。
その後操縦士は計器を色々調整するも回り続けている計器。
副操縦士(日本人)は、色々な資料を取り出して無線で頻繁に連絡。
さらにはハンカチで汗を拭くこと拭くこと。
その間に操縦士が天井のランプ(確かオレンジ色)を付け、同乗のガイドはその時点から終始無言。でも、揺れは収まっていた。
俺はあまりのあわただしさというか、異常さに「落ちるのかな」と感じ着陸するまで震えが止まらなかった。
予定時間より30分遅れで無事空港に着いたのだが、消防隊(レスキュー隊?)が待ち構えていて、拍手で帰還を見届けていた。
改めて、かなりやばかったのかな、と実感した事があります。
それ以来どんな旅行でもセスナには乗ってません。
ナスカの地上絵を上空から見てみたいが、セスナでの遊覧だと思うので見ようと決心がつかない。


ネパールの国内線に乗った時、空の上で窓の外をふと見ると手翼を留めている一本のネジが、風にたなびいていた。
飛んでいきそうで飛んでいかないネジ。
完璧ネジの役目は果たしていない。
着陸するまで、その一本のネジが気になってしょうがなかった。
降りるとき乗務員に、「主翼のネジが一本緩んでいる」と教えてあげたら、「No Problem!」と明るく言われた。


この前ノースウェストのハワイ→関空の便に乗ったときのこと。
離陸直後、俺の座席近くの荷物入れが急に開いた。
中には重そうな荷物があったが、上昇中だったので座席を立って閉めるわけにもいかず、「落ちてきたら危ないなぁ」と思い、上方を注視していた。
そしたら俺の真上の天井が降ってきた。機内は騒然。
俺は必死の思いで肘でブロックしたが、もしも直前に荷物入れが開く事がなく上を注意して見ていなかったら確実に頭に当たっていただろう。
その後CAらしきおっさんが来て「頭に当たらなかったか?」と聞かれたので、「肘に当たった」と言ったら「ソーリー」の一言。
まぁ怪我が無くて良かった。

天井? 

そうです。
荷物が落ちてきたんじゃなくて、天井が抜けました。
直すのかな?と思ったら、そのままの状態で関空まで飛び続けました。
降りる時に天井裏を見たらなんか色々機材があるのが見えました。


沖縄行きの飛行機が静岡上空でニアミスしたとき。
目の前のスッチーは天井突き抜けてぶっとんだ。
前の席の人はコーヒー浴びてて、こちらにはおつまみが振ってきた。
即引き返して現ナマ配られておしまい。トホホ。

それって凄い体験だよね、いつごろの話?<現ナマ配られて>って
飛行機代の返還?

2001年だったかな。
わずか数十センチだったって、テレビでやっててあとからぞっとした。
私と母は5万ずつもらった(飛行機代)旅行はやめちゃった。
けど、その後半日待って振り替えの飛行機で乗ってく人も沢山いたよ。
旅行者じゃなくて、沖縄に行かなければいけない人もいるものね。

それ、地元なので当時結構話題になってました。
重軽傷50名以上だった記憶はあるんですが。
死者でてたんですね。

ちょっとでも痛いとかぶつけた人は全員病院行けって言うのだけど
いやだから全然大丈夫って帰ってきちゃった。
あんまり覚えていないのですが。

そのスチュワーデスの子は天井から下ろしてあげた時は怪我しながら働こうとしてたんだけど、入院してしばらくして亡くなったと聞きました。
落っこちてたら、地上の人たちも危なかったんだね。


マウイでのプロペラ機で、50人乗りぐらいの小さいタイプでした。
乗り込むとき、コックピットの様子が見えるのですが、計器もすごく古いタイプで、
アメリカのアニメみたいにバネがビョーンといくつか壊れていた。
通路とおれるかどうかの大きなオバサンスッチーが、救命胴着の説明で、シートの下に有ると説明、僕は、シート下を覗きこんだら、2列に一つしかない、6人に1個 周りを見るとプロレスラみたいな奴ばかりなので、救命胴着の自分の分は無いと覚悟した。


ロイヤルブルネイ航空でイスラム教のお経みたいのが流れ(「アッラーアクバル。。」とかいうの)みな神妙な顔してたんで怖かった。
でもそのお経で「・・・モッコリーノ・・」と聞こえる箇所があって、必死に笑いをこらえた。
笑ったら大変なことになると思って怖かった。


エバで台湾経由でプノンペンに行ったときに台湾から乗ったDC-9(MD-11じゃない)機体のところどころに継ぎ接ぎが(漫画の貧乏な奴の服なみ)良く飛ぶよなと思った。
プノンペンからシエムリ行きの中国製プロペラ機には腰が抜けた。
機体そこらじゅう穴が(穴から外が見えた)エンジンから異音、オイルが半端じゃなく流れてる。
ついでにトイレは荷物室になっていて使えず、機体後方にはスノコが引いてあって藁がありゃ農家の小屋状態。
飛んでる最中、前方の荷物室から金属が変形するような異音が。
とどめはコーラーとサンドイッチが出たが、サンドイッチにカビが、交換してもらったが、サンドイッチの具がカニカマのサラダ。
さすがに食えなかった、これが一番怖かった。


先月JFKから成田に行った時、便所コウロギみたいのが、前の座席から跳ねてきた。
死ぬかと思ったわよ。

















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8月11日(土)のつぶやき

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