新得 のんびり宿 スロウ inn 楓(ふぅ~)

北海道十勝の自然の恵みをダッチオーブン料理でおもてなしするのんびり宿「スロウ inn 楓(ふう~)」のHP兼ブログです。

袴で卒業

2007年03月23日 | メッセージ
4月から新しい生活のスタートに合わせて始めたブログですが、教員生活最後の日にちなんだ内容を投稿させてください。実は、北海道新聞の生活面に掲載されている「いずみ」と言う読者の欄に投稿したのですが、没になった原稿です。両親、両母に感謝をこめて・・・

「袴」

北海道に憧れて故郷神奈川県から函館の地に第一歩をふんだのが19才の時。それから4年間、恩師と友人に囲まれて生涯忘れられない楽しい日々を送った。そして教師になる私へ両親からプレゼントされた「ピンクの着物と袴」を母に着付けてもらって卒業した。

新採用で帯広の小学校へ。かわいい2年生を受け持った。子どもと一緒になって遊び、どじをふんでは大笑いをした1校目。2校目は炭坑の閉山の時期と重なり、私自身の人生も揺れた歌志内。3校目は漁師町大津。僻地複式校ならではの地域と学校の連帯感と共においしい魚介類に舌鼓をうち、たくさんの素敵な出逢いがあった。

そして現在新得にいる。この町を終の住処と決めてやってきた。アットホームで学年の枠を超えた様々な行事やスケートの盛んな学校だ。まさか40才過ぎた道外出身の私が、氷の上を滑っているとは想像できないことだった。「流しそうめん」も流行らせた。

振り返ると19年。出会ったすべての子どもたちと保護者の皆様、町の方々、教師仲間、友人、家族、そして大好きな「北海道の大自然」に育てられ、今の自分がいることに改めて気づく。迷惑をかけるばかりで、どれだけ恩返しすることができただろうか・・・

このたび私たちは次の夢に向かって退職することに決めた。最後の年もかわいい2年生を担任している。いつもは卒業生を出す時だけに着ていた袴を、4年ぶりに着ようと思う。気恥ずかしいピンク色だが、教師人生最後の晴れ姿だ。今度は義母に着付けてもらって・・・

<おまけ>こんなに袴に思いを寄せていたにもかかわらず、クリーニングに出していることに気づいたのが前日(当日)の夜中の12時過ぎ朝6時にクリーニング屋さんを起こして母に着付けをしてもらったという、最後まで私らしいドジ振りを発揮!それでも無事終わって・・・ふぅ~