Zooey's Diary

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「ティファニーで朝食を」映画と小説

2017年03月03日 | 映画


2~3日前、BSで放映していた「ティファニーで朝食を」を久しぶりに観ました。
若い頃に随分、感動して観たものです。
今回何十年ぶりに観て、ついでに小説と比較してみました。
結構な違いがあります。

映画冒頭の、五番街のティファニーのショーウィンドウを見ながら
早朝ホリーがパンを齧るシーンは、小説にはありません。
ティファニーで10ドルで買えるものを探し、スナックのオマケの指輪に
イニシャルを彫って貰うシーンもない。
小説家志望の青年ポールには年上の金持ちマダムのパトロンもいないし、
なんといっても決定的に違うのは、そのラストです。

マンハッタンの街なかでホリーが突然、可愛がっていた猫を投げ捨てるのは同じ。
映画ではその後、雨の中をずぶ濡れになりながら必死に探し回って猫を見つけ、
そしてホリーとポールは固く抱き合って結ばれるのですが
小説では、ホリーはそのまま旅立ってしまう。
原作の中の彼女は、愛よりも自由を選んだのですね。



まあどちらしても、娼婦のような生き方をしながらも
掴みどころのない、自由な妖精のような女性ホリーの魅力が
この作品の魅力であることには変わりないのですが。
彼らのアパートの上階に住んでいるユニオシ氏はどちらにも出て来ますが
映画では、眼鏡に出っ歯に短足の日本人としてステレオタイプ化されている。
今こんなものを作ったら、差別表現として大問題になるだろうなあ。

やはり映画の方が、よりドラマチックに分かりやすく作られているとは思いますが
あのオードリーの美貌とヘンリー・マンシーニの切ない音楽は堪えられない。
一方、村上春樹訳の小説の装丁も洒落ている。
ティファニー・ブルーの表紙に、猫の顔と足跡のイラストが付いているのです。
タイトルの原題はどちらも「Breakfast at Tiffany's」。
コメント (10)
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