人生旅的途上Sentimental@Journey

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悪妻物語

2022-08-21 | essay

 世の男たちに向かって「とにもかくにも結婚せよ」と実に無責任なことをいった人がいる。かのソクラテスである。古代ギリシャの哲学者は、このあとで「もし君がよい妻とめぐり逢えるならば、君は非常に幸福になるだろう。もし君が悪妻をもつならば、君は哲学者になるだろう」とつけ加えているのである。

 ソクラテスが悪妻をもったがゆえに哲学者たりえたことは、歴史上あまりにも有名な逸話とされる。

 ある時、ソクラテスの妻は激しくまくしたて、彼が動じないので頭から水を浴びせた。しかし、ソクラテスは平然と「雷のあとに雨はつきものだ」といったという。

 また、ソクラテスが語ったとされる言葉にこのようなものがある。「セミは幸せだ。なぜなら物をいわない妻がいるから」。

 ほかにも、「そんなにひどい妻なら別れたらいいじゃないか」といわれ、「この人とうまくやっていけるようなら、ほかの誰とでもうまくやっていけるだろうからね」と答えている。

 作家の佐藤愛子さんが『ソクラテスの妻』という小説を発表、後に「ソクラテスのような男と結婚すれば、女はみんな悪妻になってしまう」との旨を述べている。彼女自身も、元夫に頭から水を浴びせたエピソードは有名。


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