人生旅的途上Sentimental@Journey

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七種春秋

2021-09-25 | essay

 

 春の七草といえば、「セリ・ナズナ、ゴギョウ・ハコベラ、ホトケノザ、スズナ・スズシロ、これぞ七草」といい、1月7日に七草粥を食して1年の無病息災などを祈り、また正月料理で疲れた胃を休めるものとして、その風習はいまもつづいている。しかし、これに対して秋にも七草があることは意外と忘れられている。また秋の七草の存在を知っていても、七草の名をすべていえるかといえば、その数はさらに少ないのではないか。

 秋の七草は、万葉集におさめられている山上憶良の次の二首に始まるという。

 秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花

 萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花 

 憶良は最初の歌で「秋の野に咲いている草花を指折り数えると7種ある」とし、次の歌で「それは萩の花、尾花、葛の花、撫子の花、女郎花、また藤袴、朝貌の花である」と詠んでいる。ここで「朝貌の花」とはなにか。これについては諸説あるが、いまでは桔梗を定説とする。

 

 これにも覚え方が工夫されており、「ハギ・キキョウ、クズ・フジバカマ、オミナエシ、オバナ・ナデシコ、これぞ七草」という。春の七草が七草粥にして無病息災を祈る、これに対して秋の七草はその美しさを鑑賞して楽しむものといえよう。7種まとめてなにかの祭祀などに使用されるというものではない。このように秋の七草の特徴は、見て楽しむだけではなく、古来、薬用など実用的な草花として珍重されたものが選ばれているともいう。葛根をつかった葛根湯は有名。




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