人生旅的途上Sentimental@Journey

Gonna make a Sentimental Journey,
To renew old memories.

あまざけ

2021-09-07 | essay

 落語、「姫がたり」である。

 「おう、甘酒屋」

 「へい」

 「あついかい?」

 「あつうござんす」

 「じゃあ日陰を通んな」

 あれ、江戸時代、甘酒屋って真夏に売り歩いていたのか。ためしに調べてみたら、甘酒は夏の季語となっている。歳時記には「暑い時に熱い甘酒を吹き吹き飲むのは、かえって暑さを忘れさせるので、夏に愛用される」などとある。

  あま酒の地獄も近し箱根山   

  酒十駄ゆりもて行きや夏木立

  酒を煮る家の女房にちょと惚れた  蕪村 

 しかし、わが家ではいまのいままで甘酒といえば冬の飲み物だった。糯米で粥を炊き、麹をまぜて甕にいれる。厚手の布で包んで行火のそばに置く。一晩温めればよい。酒と名がつくが、アルコール分はない。子どもでも飲める。生姜を加えて…。

  一夜酒となりの子まで来たりけり  一茶

 だが、歳時記や事典の類には「その昔は冬の飲みものだった」との記述もよく見かける。だとすれば、甘酒の旬は「冬から夏へ、そして冬へ」と移ったことになる。寒い冬に熱い甘酒で温まるのは感覚的に分かるが、いったい「甘酒と夏」の組みあわせは、どう誕生し、どう定着し、どう衰退していったのだろう。

  味噌つくる余り麹や一夜酒     子規

 さて、さきの落語にはつづきがあって、二人のやり取りを聞いていた男が、よせばいいのに真似をする。

 「おう、甘酒屋」

 「へい」

 「あついかい?」

 「へい、飲み加減で」

 「うう…、一杯くんねえ」

 見事にやり損ったりして。

 


最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
BlussyAbobeBoF fxjfc (tadalafil tablets)
2021-06-04 03:34:08
tadalafil daily use https://pulmoprestadalafil.com/ buy tadalafil us generic tadalafil united states
BlussyAbobeBoF kixeh (tadalis sx)
2021-06-04 04:52:53
generic tadalafil united states https://extratadalafill.com/ order tadalafil order tadalafil
BlussyAbobeBoF uelwr (generic tadalafil)
2021-06-04 08:38:49
tadalafil pills https://superactivetadalafil.com/ buy tadalafil tadalafil 60 mg for sale
BlussyAbobeBoF hloib (tadalafil daily use)
2021-06-04 08:38:50
generic tadalafil 40 mg https://tadalafilgenc.com/ buy tadalafil tadalafil online
BlussyAbobeBoF sjkyd (tadalafil daily use)
2021-06-07 03:38:20
tadalafil 60 mg for sale https://tadalafilgenc.com/ buy tadalafil us tadalafil 40 mg daily

コメントを投稿