エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

秋の薔薇へ

2013年10月28日 | ポエム
薔薇自体は、夏の季語である。
冬の薔薇は「ふゆそうび」と称して、冒し難い寂寥感の中に佇む。

秋の薔薇は、しかしその枯れ具合がとても宜しい。
曰く言い難い風情があって、薔薇園を彩るのである。



シャコックである。
花びらの淡々とした、色彩のグラデーションが魅力的な薔薇である。







「秋の薔薇微かに触れる汀かな」







シルエットである。
この薔薇は光との調合が良ければ、その美しさが際立つ。
なんともエレガントな薔薇である。



王朝である。
高貴な色彩を持つ薔薇である。

ついこの間、中里 實さんの遺句集にあった薔薇である。
人によって、花は美しくなる。
花の上を過ぎ去った、時間という味の深さであろうか。

あるいは又、時間という人間の相克の重さであろうか。



チェリッシュ。
かつてこんな名前の、歌手がいた。
男女の二人であった。
清んだ声の女性とのカップルであった。



テキーラ。
強い酒である。
サボテンで作った酒である。

秋のバラもなかなか良い。
その風情が良いのである。



      荒 野人