エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

黄昏の

2013年10月09日 | ポエム
秋の夕焼けは、人を恍惚とさせる。
見ていると、限りなく思索へと誘う。



   ああ、ジークフリート
   汝行けよ
   黄昏の彼方へ
   と

などと妙にロマンチックになってしまうほど、秋の夕焼けは美しい。
ワグナーの序夜と3日間のための舞台祝典劇「ニーベルングの指環」の第二日の「ジークフリート」は4時間の大作である。
第三日が「神々の黄昏」である。
この神々の黄昏は、4時間半である。




ジークフリート (Siegfried)は、ドイツの英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』の主人公であって、北欧神話のシグルズと同一起源の人物である。
王ジークムントと王妃ジークリントの息子でネーデルラントの王子とされる。

ワーグナー35歳の1848年から61歳の1874年にかけて作曲された。



15時間を要する長大な作品であるので、少なくとも4日間をかける。
通して演奏することはあまりないが、ドイツのバイロイト音楽祭や、ヨーロッパのAクラスのオペラ・ハウスでは赤字でも目玉としてよく上演されるのである。


4日間の内訳は以下の通りである。

序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold):2時間40分
第1日 『ワルキューレ』(Die Walküre):3時間50分
第2日 『ジークフリート』(Siegfried):4時間
第3日 『神々の黄昏』(Götterdämmerung):4時間30分

ぼくは疲れた時、良くワグナーを聴く。
車の中でも良く聴く。

特に、ワルキューレの騎行は良い。







「秋夕焼黄昏に染む天の幕」




ワグナーは、精神を鼓舞する何かを発散させている。
この楽劇だけでなく「タンホイザー」「さまよえるオランダ人」などのオペラでもそうである。
アリアの重厚さ、レシタティーボの堅牢さが好きである。



          荒 野人