エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

秋時雨の後

2013年10月07日 | ポエム
秋時雨の後である。
誠に・・・爽やかと言いたいのだけれど、台風の影響であろうかムシムシとする。
蒸し暑いのである。



しかも、これから一週間というもの残暑と思しき気配である。
加えて、台風24号が日本海を北上するらしい。
いやな天気である。



だがそれでも雲は遊弋する。
千切り絵のような雲である。
和紙を千切ると、輪郭が朧になって風情がより増す。

この雲は、穏やかな秋を演出するのである。



ほぼ自然の高さには、ススキ。
視線を落とせば、ドングリ。



これはコナラの実であって、とんがり帽子のようなドングリである。
けれど、こうした秋の気配も負けてしまう匂いが街中に漂い始めた。







「木犀の誰もが見やる塀の奥」







そう、金木犀である。
この匂いが無ければ、秋は始まらない。

誰もが、この匂いに青春を思い浮かべるに違いない。
かくいうぼくもそうである。



      荒 野人