エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

黄色い秋

2013年10月08日 | ポエム
黄色い秋は匂う秋。
そう言って良かろう。



視覚でも嗅覚でも、そして虫たちの声が和すと聴覚でも楽しめるのが秋である。
いやいや更には、味覚の秋でもあるのだから、全身で楽しめるのが秋という季節である。
ますます感性を研ぎ澄まさなければ、勿体ない。



小判の色は、山吹である。



彼女は、八重咲きの山吹。
街中の山吹は、一重から咲き始め今は八重咲きである。



黄花コスモスは、長い間楽しませてくれる。
秋の気配が漂う最初の頃から、ずっと咲き続けてくれている。



この花は、秋桜が終わっても咲き続けてくれる。



だがそうだとしても、やはり極めつけは「木犀」である。







「自転車の視野の限りの金木犀」








昨日、金木犀の樹蔭で長い時間立っていた。
身体が、染まりそうなくらい香りが立っていた。

中国の桂林。
中国語で桂は「木犀」の意味である。
きっと、桂林の街は今頃、木犀の香りに包まれているに違いない。

咲き初める頃が、一番香りを発する。
でも、もう少しの間木犀が楽しめる。

淡く、甘い青春の香りである。



        荒 野人