主婦が作ったNPO e-Lunch(イーランチ)

NPO法人イーランチの理事とIT企業勤務、コーチングも実践中のよくばりワーキングマザー

幼稚園・保育園IT教育カンファレンス2015

2014-11-23 | e-Lunch(イーランチ)のNPO活動
銀杏並木が色づき始めた東京大学本郷キャンパス・福武ホールにて開催された「幼稚園・保育園IT教育カンファレンス2015」に参加させていただきました。



プログラムは、東京大学大学院情報学環 教授 山内祐平氏による基調講演からスタート。
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」これは、2011年、米デューク大学のキャシー・デビットソン氏が語った衝撃的な予測ですが、それを基に「21世紀型スキルと幼児教育」について。
山内先生は、21世紀型スキルを「転移可能な高度一般能力」と説かれましたが、情報産業に限らず、テクノロジーの進化のスピードや止めようもないグローバル化の流れを考えれば、うなずける解釈です。

・新しい価値の創造力
・物事の本質を見抜く力
・困難な課題の解釈力
・不確実な状況での意思決定力
・自律的に学び続ける力

と示された「思考の方法」は、子どもたちに育みたい力ではあるけれど、私たちも、日々仕事をしていく上で磨き続けたい力のように思いました。

他にも21世紀型スキルとしての「仕事の方法」では、言語力や他者との共生力などが重要になってくることや、もちろん仕事の道具としてITを使いこなすことなどが示され、「人生の土台を作る」「価値観や態度の醸造」「情意とセルフコントロール」を育むことが「幼児教育の役割」だと話されました。

他にも、今の幼児教育を考えるうえで、メモしきれないくらい示唆に富んだお話があり、今日のカンファレンスの軸が通ったような気がします。

そのうえで第1部のセッション。
「園での活用メリットとポイント~NHKの幼児向けTV番組~」を(株)NHKエデュケーショナル 坂上弘子氏、「家庭での利用が進む幼児向けデジタルコンテンツ~NTTドコモの取り組み~」を(株)NTTドコモ 伊能美和子氏、園向けIT教育プログラム「こどもモードKitS」の開発ビジョンを(株)スマートエデュケーション 池谷大吾氏 と、企業による取り組みの事例発表があり、「メディアと幼児~研究と取り組み」として愛知淑徳大学の佐藤朝美先生からまとめも含めてのお話となりました。



第2部では、幼稚園や保育園での幼児向けIT教育として、3園から実践事例の発表があり、
その後、園向けIT教育プログラムの評価と可能性のお話がありましたが、とかく、教育の評価は難しいものだなぁと、改めて感じました。
愛知淑徳大学の佐藤朝美先生は、評価項目を「チームワーク力」「想像力」「IT力」とされていましたが、そもそも項目を決めるところにも議論がありそうですし、幼児期は、ITを使ったから伸びたのか、子ども自身の成長であったのかの見極めも難しい。
プログラムを使ったグループと、まったく使わなかったグループとで比較できれば、有効性も出てきそうですが、そういった評価をすること自体にも配慮が求められそうです。
IT教育に限らず、今後も教育の成果評価については、議論や改良が重ねられそうです。

ただ言えるのは、何もしなければ何も発展しないし、わからない、ということ。
幼児にデジタル機器を使わせることにアレルギーを持つ層も根強くあるとは思うけれど、何も使わず、知らずに闇雲に反対するというのはナンセンスだと思っています。
今回、実践事例を発表された 鹿児島県 つるみね保育園の杉本先生、埼玉県 コビープリスクールよしかわの三鍋先生、東京都 聖愛幼稚園の野口先生は、とにかくチャレンジされています。そしてアナログとITを上手くブレンドして、子どもたちの学びにつなげていらっしゃいました。
今後は、園での幼児教育をどう家庭教育へ(保護者へ)つなげていくかという点もより重要になって来ると思いました。



カンファレンス後は、東大の構内にあるスカイツリーも一望できるイタリアンレストランで立食パーティーが開かれ、ここでも登壇された先生方が精力的に全国の園の先生方にお話されている様子が、印象的でした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿