ここのところ、青少年のネットがらみの悲しい事件が相次いで報道されている。
4月半ばの19才少女の行方不明事件。
出会い系サイトで知り合った男の車に乗ってしまい、その後行方が知れない。
覚せい剤を打たれたかもしれないという情報の後は、続報も途切れている。
3月下旬からは、洗剤を使い硫化水素を発生させる自殺が相次いでいる。
これもインターネットの掲示板などで、情報を入手しているという事で、やはりネット利用が問題視されている。
そして4月23日には、プロフでの誹謗中傷が元で、初対面の中学生を17歳の少年が金属バットで殴打するという事件が起きてしまった。
プロフについては、昨年度のネット安全講演でも話題にして、その危険性を中高校生に伝えてきたし、保護者にはその存在を紹介し、子どものネット利用に関心をもってほしいと警告をしてきただけに残念な事件だ。
法規制も検討されている。
青少年の携帯電話からのネット利用については、フィルタリングの規制レベルが議論され、なかなか足並みが揃わない状況だ。
ただ、携帯電話にフィルタリングを義務付けしても、締め出された子どもたちは今度はパソコンに群がるだろうし、いわゆる有害サイトがこの世からすべてなくならない限り、法律で完璧に規制するのは難しいだろう。
ところで、こうして事件ばかりを追っていると、インターネットがまるで悪いもののように思われがちだけれど、それと比べ物にならないくらいの光の部分を持っていることを忘れてはいけない。
上手に利用すれば、こんなに便利で楽しくて有効なツールはないと思う。
一度ネットを使い始めた私たちは、ネットのない生活は考えられないと思う人がほとんどのはずである。
つまり結局最後は、光と影を使い分ける人間力を磨いていくしかないのではないかと思う。
玉石混淆のインターネットを、影の部分があるのも承知で、強い価値観や倫理観をもって使いこなす大人に育てるために、私たち大人は子どもたちのネット利用に関わり、見守り、一緒に学んでいく必要があるのだと思う。
ただ、ネットの進化と子どもたちの好奇心のスピードは待ったなしだ。
今、その教育を誰がやるとか、どこの部署の責任だとかを議論している時間はないと思う。
社会全体で、誰もが声に出して、青少年の健全なネット利用を促進していかなければ、ほんの小さな隙間から子どもたちは簡単に道を踏み外す。
4年間継続してきた2市2町のネット安全事業の委託事業が打ち切られたタイミングで事件が続出したのは皮肉だ。
「この事業は我々がやるべきことではない。」と言った議員は、相次ぐ事件の報道をどんな気持ちで見ているのだろう。そしてどんな対策が必要だと思っているのか聞いてみたい。
e-Lunchは2008年もネット安全事業を積極的に継続しています。
小学生、中学生、高校生、保護者向け、それぞれの講演、講座を実施いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
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