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蔵馬ウケネタ、日常のことなど思った事を綴る。

夢を現実にすること、前に進むこと人に力を与えること

2023年03月30日 21時21分52秒 | フィギュアスケート
ちょっと同人誌関係ではないブログなのですが、少しだけ読んでいただけたら幸いです。

時々フィギュアスケート日記を書いていたので、
カテゴリはフィギュアスケートです。
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浅田真央さん、MAO RINKおめでとうございます。
本当に、聖地が立川(立飛)になりそうです。

浅田真央さんが15歳のころからずっと見てきて、
「夢はリンクを作ること」と言ったときから、「本当にそうなればいいな」と思ってきました。



真央さんが現役のころ色々な理不尽なことに、見ながら苛ついたり
「真央さんはどんな気持ちだろう」とか思い
真央さんがフィギュアスケートが嫌いになったら……とか思った頃もありました。

でも逃げずに負けずに滑ってくれて……
引退をしてもアイスショーをしてくれる。メディアにも出てくれる。

家庭画報などにも出てくれて、色々な姿を見せてくれている。
そのことが凄く力をくれています。

そしてBEYONDに行って立川立飛に行きました。

ららぽーともある場所で、色々な人が行きかう場所。
広い土地にMAO RINKが出来る。

アカデミーもでき、ショップもあると聞きました。

そして背中を押したのは浅田真央さんを指導したラファエルアルトゥニアンコーチ。
本当にありがとうございます……。

ラファが浅田真央さんを指導したころ、「忘れるな、お前はマオアサダだ」と言ってくれた話を
見たときに
「このコーチについてよかったな」と思いました。
(上から目線のようですが、本当にラファエルについてよかったな……と思いました)

真央さんがどんなに素晴らしいスケートをしていたかをきっと
観てくれていたんだろうなと思いました。

今は4Aを跳んだイリアマリニン選手を指導して、
ネイサンチェン選手を育てた人です。

真央さんのリンクが出来るということは通年で利用できることになるかもしれない。

医療施設なども周りに出来るかもしれない。

フィギュアスケートは怪我の多い競技なので、選手をサポートする施設が出来ればと思います。

真央さんの夢であったリンクが出来る。
そのことが、とても楽しみです。

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真央さんの滑りはとても繊細でそして力強く、見ていてとても力をもらえます。


久しぶりに……;おめでとうございます。本当にうれしい

2023年03月25日 22時54分17秒 | フィギュアスケート
お久しぶりです。
最近WEB 拍手が多くてとてもうれしいです、サイトの更新が遅くて大変申し訳ないです。
何かを書こうと思うのですが、これだ!という話が浮かばないまま来てしまっていて、
もうそろそろ何か浮かびそうな気もしているので……頑張ろうと思っています。

コメントお返事です;
SEI様
ありがとうございます。まだ少し距離がある二人の会話、また考えて見ようかなと思っています。
飛影のほうが、主人としてしっかりした自覚があるイメージなので、
ぎこちない二人もいいなあと……。

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ここからはすごく久しぶりに、
フィギュアスケートのことについての日記です。



ちょっとデリケートな話も多いのであまりブログでは書かないようにしていたのですが、
今回は余りにも興奮したので
私の心の勢いのままに書いてみたいと思います、

女子についても、色々思うことがあるし、かおちゃんおめでとうございますと言うことも書きたいのですが、
今回は宇野昌磨選手について。

実は、今日、
浅田真央さんのアイスショーに行って居ました。

浅田真央さんのアイスショー BEYONDは本当に素晴らしくて、今までやってきたプログラムを
生まれ変わらせてそしてもっと新しい素晴らしいものにするという、そして一つ一つに演目が
ミュージカルの様でした。
全日本トップの人ばかり取り上げられるニュースばかりですが、今回のショーは一人一人に焦点があって、
皆が主役で素晴らしかったです。そして、シーズンごとのプログラムをやるアイスショーではない形で、
新しい内容で、とても新鮮で素晴らしかったです。



そんな感動の中帰っている途中、
宇野昌磨選手の世界選手権で連覇のニュースを見ました。

もう、もう。本当に涙が出ました、興奮で飛びあがりそうになりました。

SPの前、転倒をした宇野昌磨選手の、足の心配ばかりして、仕事中もその心配してばかりでした。

大丈夫と言っても本当に大丈夫か心配になる。
4回転ジャンプでのけがは、SP前で起きるなんて思わなかったのでひやひやして堪らなかったです。
こういうこともあったので……。
****

**怪我で棄権の勧めを断った宇野昌磨。
「僕の生き方です」と言い放ち、優勝。


「ショートができたのは驚きでした」

 と、あっさりと本人は振り返るが……終わったあとは、歩くのも困難な状態に陥った。
病院でMRIを撮るなど診察を受けると、「強く捻挫している」と医者から言われた。

「捻挫と聞いたので、無理しても1週間、長引いても選手生命にかかわることはないかな、と
出ることにしました」

これは過去の記事ですから今とは怪我への向き合い方も違うと思うのですが、
本人が言うよりも重症だったら…とか思ってしまいました。

だけど、宇野昌磨選手のコーチは世界選手権で連覇をしているステファンランビエールさんです。
彼についてから格段に滑りがよくなった宇野昌磨選手の、
生きざまを反映したような最近の滑り……。
出たいだろうと思ったけど、日本の枠もかかっているし、どこまでやるのかなとか思っていました。

でも、SP見たらそんな心配をしていたことも忘れるくらいの感じで……。
4-3は回避したのは
怪我が痛むからというよりも精神状態を反映しての判断。

ずっとサポートしてくれている出水さん(トレーナーのかた)など、しっかりと支えてくれる人もいるから
今できることを発揮できたのかもしれないなと思いました。

そして、フリーでの冷静な判断での滑り。
YAHOOに詳しく載っていました。
宇野昌磨が日本男子初の連覇!


✿後半は4回転トウループを降りると、続く4回転トウループからの連続ジャンプは1回転になるが、
最後のトリプルアクセルからの連続ジャンプは鮮やかに決めた。
終盤は情熱的な曲調に合わせたステップとスピンで観客を魅了し、
4回転ジャンプ5本をはじめとする難易度の高いプログラムを大きなミスなく滑り切った。

私も世界選手権を見に行ったことも全日本選手権を見に行ったこともあるのですが、
見ているほうにも伝わる緊張感……。その中で出来ることをやる……というのは、
飛べるジャンプをすべてやるということではなくて、不調もすべて飲み込んで、
今できることを出来るだけの力でやる
ことかもしれないなと思いました。

色々な大変なこともあったと思います。
でも優勝だけを目指しているわけではない(と言う風に見える)宇野昌磨選手を、
ずっと見ていたいと思います。

ジュニアのころ3A飛べなくて苦労していた選手が、今ここまで来ている……。
凄いことだと思います。

そして宇野昌磨選手のEXは、ずっとお世話になっている樋口美穂子さんの振付です。
優勝してのエキシビションでそれを見られるなんてすごいと思います……。

*********
宇野昌磨が「その全てを受け入れる」と決意した覚悟。恩師のために…2度目の五輪で渇望するもの


宇野昌磨を更なる高みへ誘う『ボレロ』。ランビエールとの絆で歩む“世界一”への道程


この記事が、とても素晴らしいと思います。
ステファンは「君は世界一になれるよ」と言ってくれました。
その言葉が2度も本当になった。


そして今日、BEYONDで浅田真央さんが「色々なことを乗り越えてくれる力になればいいなと思います」
と言う言葉がありました。
フィギュアスケートって、綺麗だな美しいなと言うだけではない、本当に人の生きざまを
見せてくれるものだと思いました。

あまりこのブログでフィギュアスケートのことを書くことは最近なかったのですが、
余りに昂ってしまったので久しぶりに書きたいと思いました。

今の画像がないので過去のものです。





番外編 🌸鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜 /ミルクを先に……

2023年03月18日 15時32分05秒 | イベント、同人誌関係
WEB拍手いただいて本当にありがたいです。コメント無くても、
押してくれる人がいるというのは
サイト見てくれるということなので本当にうれしいです!!



最近、おかあさんからもらった飛影イメージのブローチがお気に入りです。
お久しぶりです。

==========

あ、と言う声が出そうになり、それを……蔵馬は押し殺した。
紅茶のティーポットを傾ける長い黒髪と、窓から射す日の光だけが、その部屋に動いているものだった。
ティーポットから注がれる紅茶の音だけが、そこに響いている音だった。
小さなカップに注がれる紅茶のしずくが…蔵馬の袖に跳ねた。

「大丈夫か」
低い声がした。
そっと蔵馬の手に重なるその手が、ポットを抑えた。
白い、蔵馬の小さな手のひらを庇うように重なった手が、冷たかった。
……主人の手は、いつも冷たい。蔵馬の少し高い体温と真逆だった。
「申し訳…ありませ」
「火傷……」
していないか、と言う声が蔵馬にかぶさった。
窓からの太陽が、僅かに斜めに刺した。陽の光が当たると、蔵馬の髪が、ほんのわずかに、茶色みのある
色に見えた。春の始まりの時期……。暖かい陽の光が、午後の庭園を照らしていた。
「していません」
「見せろ」
訊いたくせに、主人は蔵馬の袖を捲った。
「大丈夫そうだな」
いって、主人……飛影は、紅茶を一口飲んだ。
「少し……濃いな」
言って、隣にあったミルクの入れ物を手に取った。
「すみませ……お口に合わず」
蔵馬が、焦った声で頭を下げた。
冷や汗が伝う身体を感じたのか、飛影は別に、ともう一口紅茶を飲んだ。
「でも、混ぜれば大丈夫だ、別に気にしなくていい。それより」
ふっと、飛影は蔵馬を見つめた。
「飲んで、忘れろ、庭園の花もそろそろ見ごろだ」
スッと、飛影は立ちあがった。立ちあがると、細き引き締まった身体が浮びあがるようだ。
飛影は蔵馬より少し歳が上だった。
まだ、15にも満たない蔵馬は時折飛影のために紅茶を入れている。
すっと立ちあがった飛影の手が戸棚に伸び、小さなカップを手に取った。
「あの……」
蔵馬の声が、戸惑いを帯びていた。
取り出したカップにミルクを先に入れたのは飛影だった。その上から、ティーポットを傾け、カップを差し出した。
「……好きだろ」
以前給仕係に聞いたことを、飛影は口にした。
ミルクティーを、蔵馬が好きだと以前に聞いていたのだ。
「……ありがとう……ございます」
視線が合い、蔵馬は小さくお辞儀をして椅子を引いた。座れば、二人の視線が自然かち合う。
蔵馬は、少し視線を逸らした。


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SEIさん @azudra と作った本 鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜 の番外編を書いてみました。

飛影のほうが蔵馬より年上設定好きなので、以前blog内小説で書いたものも、
飛影先輩に恋をする蔵馬ちゃん……とかそういうのばかりです。

蔵馬が女の子のバージョンだったら、飛影はもっと強い声を出して
水差しで蔵馬の手に水をかけて…とかそういう感じになりそうです。

あとは、「紅茶くらい自分でやる!!」とかいいそう。
薬までぬってあげそう。
(ちょっと紅茶がかかったくらいで大したことはないんだけどね。この話では)

本当は、飛影がミルクティーを入れてあげる場面を書きたいだけだったのだけど
それじゃあ短いかなと思って書き足したら、
本文に似た場面になってしまった。
でも、
蔵馬がまだ未熟な頃こんなことがあってもいいかなと思います。

ミルクを先に入れたら紅茶の色がカップに残りにくいとは、
チムチムチェリー というマンガに載っていた話で、それを真似てみました。
実際家でもやっています。
本当にカップが汚れにくい!!!



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※このブログは、サイトPink&Cherryのコンテンツの一部です。

サイトトップはここです➡Pink&Cherry

更新した小説➡はつ恋は羽衣のように(リンクから直接跳べます) です。悲恋ものです。
でも続きで救いのある話にするか迷っています。

pixiv版➡更新した小説➡はつ恋は羽衣のように(リンクから直接跳べます)です。悲恋ものです。



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2022冬~2023年 1月までに出した本を、 通販しております。
その通販のお知らせを、サイトトップに載せておきます。

サイトトップ➡Pink &Cherry




直接通販サイトに行きたい方はこちら➡
フロマージュ様



🌹R18 鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜  飛蔵
蔵馬の片思い小説です。

ある屋敷の主人、飛影。世話係蔵馬の話。飛影に恋をして、
その気持ちに耐え切れず主人の部屋に忍び込む。
言葉に出来ず、近くにいればいるほど想いが募る。優しくされればされるほど苦しくなる。

そんな蔵馬に目をつけ、手に入れようと手を伸ばす男がいた……。
(鴉)

SEIさまの綺麗な絵が表紙です!!


🌹月に溶ける花の恋歌 R18

飛影に会いたくて魔界に足を踏み入れる蔵馬。しかし足を踏み入れた街に取り込まれ、
男に襲われてしまう。飛影に見つかり抱きつく蔵馬。飛影を呼び助けを求めていた。

この話はR18が3回入ります。





はつ恋は羽衣のように…… 飛蔵小説更新しました

2023年03月13日 22時22分28秒 | イベント、同人誌関係
お久しぶりです。梅の花が綺麗ですね、さくらもいいけど梅の花も綺麗です。
帰り道で見える公園の梅が綺麗で、このくらいのはっきりした、赤とピンクの狭間の色が好きだなあと思います。

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久しぶりにサイト更新をしました。

WEB拍手いつもありがとうございます。拍手があるだけで、「サイトを見てくれている人がいる!」
と思うととてもうれしいです。サイトはやっぱり自由にできる場所で、htmlファイルを
いじるのも、とても好きなのです。

だからスマホサイトも更新しようと思うけど、サイトを先に更新したいなと思っています。

今回、飛蔵小説ですR18ではないのですが……。

寒さから暖かさが訪れるころ、飛影と蔵馬の恋も色々な局面があってもおかしくないなと思いました。

というのと、飛影と離れている間蔵馬はとても心配症でいてもいいかなと。
で、
蔵馬にとって飛影は、人生の最後の熱い恋なのではないかなと思い、そこから生まれた話です。

決して明るい話ではないのですが、
この続きを書くとしたら救いのある話にするか、蔵馬が自暴自棄になってしまうのもいいし…と、
迷っています。このまま完結してもいい気がするのですけどね。

つまり、まったく明るくない話です!
だけどそのなかでもう少しこの話を練って、続けてもいい気がしています。

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それから、個人的な出来事なのですが、母に、飛影イメージのアクセサリーをつくってもらいました!!
黒や青で、派手すぎなくて孤高な感じでと言う注文を付けたのですが、イメージぴったりなものを作って
もらえました!!(*'∀'*)ゝ
もし、サークル活動とかできたらつけていきたいな、と思うのですが、今のところ復帰するイベントが

ちょうどいいものが無いため暫くできないかもしれません……。





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🌹R18 鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜  飛蔵
蔵馬の片思い小説です。

ある屋敷の主人、飛影。世話係蔵馬の話。飛影に恋をして、
その気持ちに耐え切れず主人の部屋に忍び込む。
言葉に出来ず、近くにいればいるほど想いが募る。優しくされればされるほど苦しくなる。

そんな蔵馬に目をつけ、手に入れようと手を伸ばす男がいた……。
(鴉)

SEIさまの綺麗な絵が表紙です!!


🌹月に溶ける花の恋歌 R18

飛影に会いたくて魔界に足を踏み入れる蔵馬。しかし足を踏み入れた街に取り込まれ、
男に襲われてしまう。飛影に見つかり抱きつく蔵馬。飛影を呼び助けを求めていた。

この話はR18が3回入ります。





桜にはまだ早き恋 blog内小説 

2023年03月02日 22時49分31秒 | イベント、同人誌関係
お久しぶりです。皆様お元気ですか。暖かいとか言われても夕方「寒いじゃん!」とぶつぶつ言いながら
帰っています。
毎年「冬の存在意義とは!!なんだーー!!」と文句を言いながら過ごしています。

という、いくつになっても変えられない主張でした。

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最近、文章が浮かばないというか、新しいあらすじが浮かばなくて立ち止まったりして
しまっていて
更新が遅くって申し訳ないです。

ちょっとした話は浮かぶんですけどね――――。
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ですが、何も書かないのもよくない、余計に書けなくなるなと言う感じで、
そろそろ蔵馬の(非公式)誕生日なのでちょっとだけ書いてみました。

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ため息をついて、ゆっくりと蔵馬は歩いていた。もう、街灯の時計を見ても22時を過ぎていた。
「――ふ、うっ……」
重い息を吐けば、冷たくなった手をこすり合わせた。
冬も終わりに近づき、なのに暖かさは夕刻を過ぎればどこかへ消えていた。

白い手のひらも、寒さにさらされ続ければ、乾いた感触ばかりが伝わってくる。
立ち止まり空を見上げれば、遠い月が見えた。

重い足を動かし始め、コートの上から、つい笑っていた。
…疲れていても、人間なんだな……

昼から何も食べていない。
今欲しているのは……睡眠と、空腹を満たすものだった。

こんな一人の夜にも、明るい場所があるのは一つ……。


「よお、いらっしゃい。今日も遅いねえ」
明るい声で蔵馬を迎えたのは、幽助だった。暖簾をくぐり、屋台を見渡すと、端に一人だけ、お客がいた。
「幽ちゃん、これね」
支払いを終えるところの様で、お札を渡しその客が立ちあがっていた。

「あいよ、毎度!」
幽助の声は、この暗い夜にもさわやかに蔵馬の耳に響いていく。
胸の前で手を重ねて、蔵馬はゆっくりと座った。
「いつものでお願い」
鞄を置き水を飲めば、すうっと、心地よい冷たさが喉に広がる。
ねぎを切る幽助を見つめて、蔵馬は力を抜いた。……夜のこの時間、蔵馬はたまにここへ来る。
マンションに帰っても一人……。
作る気にもなれず、自然に足が向くのはなぜかこの屋台だった。
夜風の冷たさと、出来上がるラーメンの熱さが混ざり合い、器を手に取ればほんのりとした温かさが伝わった。

「おいしい」
ゆっくりとれんげを動かしながら蔵馬が言った。
「お疲れだねえ、おやじさんの会社結構大変なの」
身を乗り出して、幽助が問いかければ、蔵馬は小さく頷いた。
「…取引が今、進みかけたところなんだ、色々調べて、相手の要望に応えたくて」
……母を、早く安心させたい。
とは蔵馬は口にしなかったけれど。

「お前も、倒れたりしないようにしろよ」
少しだけ混ざる、幽助の憂いた様な響きに蔵馬が顔を上げた。
「大丈夫……だいじょうぶだよ。いま忙しいだけだから」
「大丈夫じゃねえだろ」

屋台越しに、差し出されたものに、蔵馬が目を見開いた。

「幽助……」
「こんなことも忘れてんの」
小さな箱だった。
リボンのついた小さな箱を、幽助が後ろの棚から差し出していた。
「お前。誕生日だろ」
ほれ、と渡された箱に、蔵馬が目を丸くして、幽助と箱を何度も往復した。
「こんな大事な日に来るくらいだから、忘れてたんだろ」
開けて見ろ、と幽助が言った。

ぱさぱさと、箱を開ける音がした。
「あ……」
それは、最近の話題のものだった。
これは、……蔵馬は、知っている。外国から輸入されたという、最近人間界ではやっている紅茶だった。
甘い香りの品のある茶葉のセット……。
「疲れたときに、いいらしいぜ」
ニヤっと笑う幽助に、蔵馬がはにかむような笑いを返していた。
「ありが、と、幽助……」
そっと、伸ばされた手が、蔵馬の頭を撫でていた。
「それ食べたらちゃんと帰りなさい」
日付を超える前には……帰って寝なさい、と幽助が呟いた。
「顔色悪いぞ。紅茶、帰ってから飲んで寝ろ」
「幽助……」
じんわりと広がる暖かい響きに、蔵馬が箱を握りしめた。
「お迎えもきてることだしよ」

えっと、振り向いたのは蔵馬だった。
深い碧の瞳に映った、振り向いた先の人……。
「飛影……」

屋台の椅子のすぐ後ろに、その人はいた。

真っすぐに蔵馬を見つめ。漆黒の瞳が二人を映していた。
「飛影っ」
瞬間に浮かんだ蔵馬の色は、ごまかせなかった。
飛影を見つめる瞳に輝きが戻り、頬が赤くなっていた。
「かじかんでいる」
握った蔵馬の手を見つめ、飛影が口を開いた。

「あっ……」

はっと、蔵馬が声を出していた。
その身体が、抱えられていた。黒衣の中に、蔵馬はいた。
蔵馬は飛影の腕に抱かれていた。
「ご苦労だったな、幽助」

トンっと、飛影は足を地につけた。

「飛影っ……」
抱えられ、目におえない速さで走る飛影の中で蔵馬が声を出した。
「どうしっ……」
どうして突然。……暫く、討伐続きで来られないと言っていたのに。

飛影は、応えなかった。


空いている窓に足をかけ、入っていったのは見慣れた風景だった。
人間界の、蔵馬の部屋……。
いつも空いている窓に足をかけ、慣れた足つきで飛影は入り込んでいた。

「……明日になる前だ」

小さなベッドの上で蔵馬を抱きしめ、飛影は囁いていた。

「明日に…?」
あの、と言う蔵馬の唇を、飛影は塞いでいた。
「明日…覚えているだろうが」
明日は……桜にはまだ少し早い――…南野秀一の……。

「あした、お前の」

ゆっくりと、飛影は蔵馬を抱きしめていた。

。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo


飛影に、ハッピーバースデーと言わせるか悩んだのですが、このくらいでいいのかなと思いました。

誕生日小説というのを書いたのは初めてなのですが、
飛影はこのくらいの温度の言葉で蔵馬の誕生日を祝ってあげる、
その日(の前日から、ちゃんと傍にいる。で、当日お祝いの言葉を言う)に蔵馬のそばにいたいっていうのも
ありなんじゃないかなと思います。