日々是サンゴ礁

普段の生活の中でサンゴ礁保全ができるような話題を綴ってみたいと思います

[IMPAC4] (9/4) 開会式

2017-09-04 21:04:01 | サンゴ礁を守るために、すぐにできること
〇開会宣言
IMPAC4には先住民・研究者など1000人以上の申込があった。将来に影響力のある活動を示す可能性のある会議だ。開催に際しては、チリ政府や多くの大きな組織の協力を得ている。


〇ビデオ視聴(ナショナルジオグラフィック作成)
サメの違法漁獲・海洋酸性化は既に30%増加、大型魚類は90%減少、など、今、海は我々の行動に依っている。
漁民の68%が海洋保護区で漁をしている。子供たちの未来のためにも持続可能にしなければならない。
今はまだ海洋の3%しか保護されていない。愛知ターゲット11の2020年に10%が達成できるかどうかは私たちの行動にかかっている。


〇チリ森林局長
科学者・専門家・政策決定者など、各大陸から参加いただいたことに感謝する。保護区の取り組みで重要な役割を担っていただいているIUCNなどの組織にも感謝する。科学コミュニティ・政策ポリシー・広報において海の重要性を主張していくことが、国内・国際的な観点でチリの海洋保護区にとって重要だと考えている。海はCO2の吸収源であり、気候変動緩和につながることから、海洋保護区には人の生活を支えること以上の重要性がある。
2015年に大統領令に海洋公園を設定した。漁民が行っているの持続可能な漁法は、海洋保護区の存在に依存している。400000km2に渡り、経済的にも重要だ。
先住民によるコンサルテーションも踏まえている。700000 km2 独自の生態系を持つ島嶼における歴史的な海洋保護区だ。
チリはカリブ海の国々と同じ問題を抱えている。そこで協働プログラムに参加し、海洋汚染、海洋ゴミへの対応を海洋保護区において進めている。最新の衛星技術を使って監視することで、違法漁業に対抗すしている。また、過剰漁業に対しても対処する枠組みを設定した。Public Private Initiativeを立ち上げた。
観光業への対応を数十年続けてきた。政策に基づき、企業・市民セクター等とも連携している。
最後にコキンボ州に感謝する。この地域はクジラや海生哺乳類を始めとして独特の生態系を持ち、持続可能な漁業や農業が行われている。大きな望遠鏡もある。
青い地球、青い海を維持していきましょう。


〇コキンボ地域の代表の方
参加いただいたことに感謝する。海の未来、すなわち動植物の保全・未来世代への影響などを考える上で、IMPAC4最も重要な会議だ。
海は47%の経済的許容量を支えている。チリは太陽光・風力発電などで持続可能な未来を支えている。コキンボ地域に唯一の特徴だ。小規模農家・小規模漁業と連携して持続可能な観光も進めている。
海洋保全は世界的な問題だ。政府は主要な研究機関において、人と生物の生存のために必要であるという観点で海の観測を行っている。
我々の取り組みは将来世代への遺産である。持続可能性が主な挑戦だ。かつて、地域は持続的だった。今、国や世界はどうだろうか?生物多様性と地球はケアしないといけない。
海洋保護区の重要性が科学コミュニティにより提言されている。海洋保護の状態が重要だ。持続可能な開発に向けて海洋保護区の受容性を高める必要がある。IMPAC4での議論において、全ての人に持続可能な開発に向けた海洋保護にコミットして欲しい。
チリは新しい海洋保護区の設定を決定した。海洋保護区の取り組みこそが生き残るための道だ。

〇チリ環境省長
海には20000種が住み、CO2の30%を吸収している30億人が海洋生物多様性に依存し、2.6億人の生計を支えている。しかし、今、海洋の40%以上が人間活動の影響を受けている。800万トン以上のプラスチックが多くの生物種が影響を受けている。海洋酸性化で30%のサンゴ礁が影響を受ける。人は20kg/人・年の魚介類を消費している。
その一方で、海洋保護区は2.07%に過ぎない。海洋保護区・海洋公園の生物量はその外に比べて約5倍であり、将来世代に対して重要だ。経済的にもUS$490-920の効果がある。
チリには800万km2の海洋保護区がある。その状態は必ずしも良くなく、30の海洋保護区の150万km2が課題を抱えている。明日、新しく制定した海洋保護区が何を守ろうとしているのかを発表する。ナショナルジオグラフィックと一緒に取り組んでいる。
地球は一つだ。気候変動に協働して対処する必要がある。海洋ゴミのプラスチックの問題もそうだ。IMPAC4で一緒に地球を変えたい。政府・企業・市民、子供たちのために。全ての参加者のコミットメントに感謝する。


〇ダクラス・トンプキンス賞 パタゴニアの保全に貢献した方
・環境省長からの紹介。
 チリのCO2排出量の9倍を吸収する地域の保全。以前にインタビューをしたことがあり、とても感動した。
・紹介
・クリスティンさん
 チリ大統領や参加者に称賛を。海洋保護においては、陸上と海をつなぐことが重要だ。当初は陸上の保護のみを進めていて、海とは切り離されていた。今やチリの海岸線の〇〇kmを保護している。それにより、さまざまな海生哺乳類・海鳥が保護されている。我々は陸上の生き物だが、海が起源の生き物だ。海洋保護区の設立は遅すぎたが制定により保護が進む。地球上のシステムは多くが相互に影響しあっている。海の保護はまだ不十分だ。
 トンプキンス財団は、より高い目標に向かい、皆様と一緒に向かっていきたい。青い海が無ければ、地球も無い(維持できない)。


〇WWF総裁
チリはESGゴールに対して多大な貢献をしてきた。
5人の女性について話す。世界は変わっている。
持続可能な開発。自然資本。
1. 価値 健康な海の価値。コミュニティと世界的経済に影響する。
2. 連携 沿岸コミュニティ
3. 野望 全てがうまく管理された10%の保護区
啓発 ここに集まった皆さんは海の価値を知っているが、世界の多くの方は知らない。
海は美人。海のGDPはインドに匹敵。人々の生命は海の恵み無しに成り立たない。
しかし、今や生息地の破壊・90%の魚類が過剰漁獲にさらされているなど、危機にある。
海は酸素・食料・楽しみを与えてくれるが、人間はプラスチック・酸性化を与えている。気候変動はサンゴ礁が2050年に無くなると予測されるほどの影響を与えている。過剰利用だ。
今こそがそれを変える時だ。時流は変わった。海洋政策は閣僚級会合で議論されるようになった。ここには2人の大臣がいらっしゃっている。
地域管理ネットワークは発展途上国の保全の参考となっている。
パリ協定への対応は国家生物多様性行動計画と持続可能な開発に重要だ。
海洋保全についてはチリは多くの事例を提供している。海洋保護区の設定、持続可能な漁業など。科学者はそれらが未来を持続可能にすることを証明している。
魅惑的な海洋保護区の実践がなされているが、十分ではない。最近、ガラパゴス海域から3000匹ものサメが違法漁獲された。
10%の保護区では足りない。最終的には30%が必要だ。そして、そのためにネットワーク化が必要だ。脆弱な人々に注目して欲しい。我々は方法・知見を持っている。


〇IUCN保護区
IUCN総裁から、「参加できなくて本当に残念」との言付かっている。
IUCNはこの重要なイベントを支援できて光栄だ。チリの素晴らしいコミットメントを聞いてとても素晴らしく思う。商業漁獲・海洋汚染はチリが取り組むべき課題だ。プラスチック、化学物質投棄などが生態系に悪影響を与えている。
2010年に日本で20の野心的な目標が設定された。愛知ターゲット11には海洋保護区を10%にすると設定された。現在の海洋保護区は6.3%。2014年から1%向上した。これこそが各国がチリを参考にすべき理由だ。チリでの取り組みは英国の支援で実施されたことを紹介したい。
国立公園の制定により、より野心的な取り組みができる。IUCNはノウハウを提供できる。各国は国立公園を設定することで海洋保全に貢献できる。海洋保護区はその重要な第一歩だ。チリは新しい保護区を制定し、効果的に管理している。
さらに開かれた海(ABNJ)についても取り組みが必要。ハワイではとても野心的な目標を掲げた。愛知目標を超えた取り組みが必要だ。IUCN WCCでの決議を達成するために投資が必要だ。地域住民が高い目標を掲げ、世界に飛び込むように関わるべきだ。貧困の撲滅に向けて、新しい技術による能力開発を提供できる。それらは健康と生活に貢献する我々は海の健康を保証しなければならない。共に取り組みましょう。


〇FAO
全ての参加者、閣僚の皆さまに感謝する。この重要な会議について拍手を。
今や海の資源をそのまま使い続けることはできない。それがFAOのメッセージだ。
多くの人が食料・生計海洋に依存している。しかし汚染・過剰利用・違法漁業・気候変動などが影響している。貧弱な管理による違法漁業で漁業資源が減少している。我々はその状況が持続的でないことを知っているからこそ、ここに集った。海洋生物多様性は人の食料・生活・伝統・宗教に影響する。愛知ターゲットは最低限のゴールだ。SDG14は沿岸コミュニティに保全以上の影響を持つ。
FAOはIUU漁業に焦点を当てている。持続可能な漁業、地域コミュニティでのガバナンス、などをFAOは支援している。資金だけでなく管理者が重要だ。市民ネットワーク・公ネットワーク。ラテンアメリカでのネットワークなどの取り組みも重要だ。漁業コミュニティは持続可能な漁業によりESGに貢献している。経済的コミットメントを求めたい。


〇ピュー財団
チリ大統領の海洋保護区制定を称賛する。自分の子供や孫も称賛するだろう。数年前にクルーズでこれまでで最も美しい体験をした。ダイビング中にクジラを観た。そしてクジラも自分達を観察していた。クジラの写真を撮り、クジラとFace to Faceで向き合ったのは素晴らしい体験だった。
多くの人にとって、海の体験は素晴らしいもの。友達・全ての人に島を訪れて欲しいと思っている。
(舞台に20数名が登壇し、歌を披露)


〇ガテマラ漁民ネットワーク
チリがガテマラの漁民を支援してくれた。自分は漁民の女性であることを誇りに思っている。
ガテマラはとても美しい国だ。20数%が海岸線で、そこに漁民がいる。子供たちにとって漁業は未来がある職業だ。しかし、色々な危機にさらされているのも事実だ。そこで、子供や孫が海の美味しい恵みを得られ続けることを願って取り組みを進めている。
海洋資源の管理は我々市民が担っている。ガテマラでの成功・失敗は自分達の取り組み次第だ。全ての科学者に協働と技術的知見の提供、そして気候変動や海洋汚染など自分達が手を出しにくい課題に対する取り組みを期待したい。


〇パフォーマンス


〇レセプション