教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

「オタク男=恋愛弱者」論に反論する

2009-05-17 00:02:25 | オタネタ全般
http://tomo-a.blog.so-net.ne.jp/2006-08-10
↑このblogによると、本田透の “萌える男” (※1)という著作のなかで以下のような文があるらしい。

> 自由恋愛とは,『恋愛資本主義』の中で,恋愛できるものとできないものの二極化を生産し,拡大し続ける弱肉強食,差別の構造である。

ちなみにわたしは読んでもいないし手元にもない。
したがって、当blog記事は木を見て森を見ず的な記事になるかもしれないが、ご了承いただきたい。

かりに自由恋愛というものを勝者と敗者の2種類にわけることができるとしよう。
わたしはどちらかというと、まごう事なき敗者に分類されるであろう。
勝者はわれわれ敗者にむかって
「性的弱者はコミュニケーションを磨け」
と語るであろう。
さきに紹介したblogの一部で引用している文献のように。

そこでこの解釈について、いわゆる性的敗者のわたしの立場から反論してみようではないかと思う。
中身が中身だけに、少々アレのことにまで踏み込まざるを得ないのがアレなのだが(笑)。
それから、現物の女より絵に描いた女のほうがマシだというわたしの持論もとりあえずここでは棚に上げることにする。

まず、性的勝者と性的敗者の定義からはじめよう。
わたしが男なので男視点による解説とする。以下もおなじ。

(1)
性的勝者とは女の子とデートできる者である。
性的勝者とは女の子とエッチできる者である。

これは正しいか?

正しくない。
なぜなら、カネで解決できるからである。
したがって定義は以下のようにするのがより真理に近い。

(2)
性的勝者とは女の子とタダでデートできる者である。
性的勝者とは女の子とタダでエッチできる者である。

経済学っぽく分析するとこうなる。
女の子は自分の時間や体を提供することになる。
したがって提供したもの以上のインセンティブがないと取引はなりたたない。
性的勝者はツラの良さやファッションセンスやトークの巧さなどを提供し、女の子の時間や体を調達する。
性的勝者は女の子の時間や体を調達するための労働力を惜しまない。
ツラの良さはビミョーだが、ファッションセンスやトークの巧さなどは熟練技能である。
自由競争社会においては競争力を持つ。

逆の論理もなりたつ。
性的弱者はツラの良さやトークの巧さなどに競争力を持たない。
性的弱者は女の子の時間や体を調達する労働力を惜しむ。
ファッションセンスやトークの巧さなど熟練技能を持たない。
したがっていちばん手っとり早いのは、カネを提供し、女の子の時間や体を調達する方法である。

以上の分析をもとに、(2)の分析をさらに汎用化させる。

(3)
性的勝者とは女の子の求めるもの(ツラの良さやトークの巧さなど)を提供できる能力を有し、女の子を調達する労働力も提供する者である。

つまるところ性的弱者は、性的勝者の持つファッションセンスやトークの巧さなどの熟練技能労働をカネに換算した分だけの資金力、またはカネに換算できる別の熟練技能があれば釣り合うことになる。

たとえて言うならこうだ。
バイトして稼いだ金をカッコいい服を買ったりデート資金にしたりし、女の子をとっかえひっかえして遊びほうけるイケメン大学生。こういうのを性的勝者という。
大学生のときはバイトもせずにデートもせずにひたすら勉強して司法試験に受かり、女の子は札束でほっぺをペチペチして調達する弁護士。こういうのを性的弱者という。

さて、どちらが良いかはビミョーだ。
人間とは個体差がある。
なりたいようにはなかなかなれない。

だから、欠点を克服してあらゆる意味で人並みな人物になるより、自らの得意な分野に集中して投資すべきである。
たとえば、人類が筋力を発達させるよりも大脳を発達させ、いまのような栄華を極めたように。かりに途中で筋力も大脳もバランスよく発達させた集団があるとすると、途中で大脳の発達の勝るクロマニオン人に駆逐されるハメになっていただろう。それと同じことだ。

わたしの例で書いてみようか。
わたしは大学時代に趣味関係に没頭しまくり、そのスキルをもってして今の会社に入り、今でもいくぶんかの評価をもらっている。
しかしタダで女の子を調達できたことはない。

それと正反対のことも十分ありうる。
あるひとは大学時代に女の子と遊びまくり、スキルはないものの何とか会社には入ったが、今では評価がイマイチである。
しかしタダで女の子を調達できるし、いま結婚して子供もいる。

どちらが良いかはビミョーだと言った理由を理解していただけただろうか。
もちろん両方あればマシなのは言うまでもないが。

さて、歳をとるとこれも事情がビミョーに変わってくる。
性的勝者と性的弱者の関係は、結婚できるかできないかの違いになる。

(4)
歳とった性的勝者は結婚するかしないかの選択権を持つ。

性的弱者は結婚するかしないかの選択権はあまりない。
男は相手のツラだけ見てればいいが、女は相手のツラとサイフを見ている。
したがって正確には、それに相当するだけの資金力などがあり、なおかつ相手を探すための労働力を提供できれば釣り合うということになる。

では結婚するとどうなるか。

結婚するということは、妻を購入することである。
基本的には妻がいると住宅ローンと子供が付いてくると考えたほうが良い。
したがって結婚するということは、自分の持てるほとんど全財産と全労働力をもって妻を購入することになる。

先の(3)以下の定義を思い出してほしい。
性的勝者の場合は性的勝者になるための特別な訓練を重ねているため、性的勝者の持つ熟練技能を有する。
性的弱者の場合は性的勝者の訓練の分だけ他のことに費やしており、それ以外の熟練技能を有する。

したがって確率的には性的弱者のほうが性的勝者とは別の何かを有する率が高いと思われる。
それが趣味のスキルであったり国家資格だったり外国語能力だったりするかもしれないが、それは置いておく。

そうすると、性的弱者は自分の持てるほとんど全財産と全労働力をもって妻を購入することに躊躇する。
値段が高すぎるからだ。
逆に性的勝者の場合はそういった意味で言えば持たざる者であるため、全財産と全労働力をもって妻を購入したとしても大した金額ではないかもしれない。

ちなみに性的弱者であるわたしから世間をみるとこう見える。


たとえば不動産屋さんかファイナンシャルプランナーの人を連れてくるといい。
死ぬまでにどれくらいカネがかかるかがわかる。
はっきり言って妻+子供+住宅ローンの3重シバリがあるとすると計算上カツカツだ。
ところが!
1つもシバリがなかったとすると、今のペースの生活を維持していたとしても老後は余裕だ。
だから妻というものの購入金額は高すぎる。


株や債権ならば簡単に換金できる。
しかし妻は換金できないどころか損切りでの処分もできない。
たとえば田舎のスーパーにでも行ってみるといい。
店をうろついているオバチャンのようなヤツが将来自分の家にいるとしたら、あなたはどう思うだろうか?
マジでカンベンしてほしいと思うのが妥当な印象ではなかろうか。
そういう意味では妻の価値が0以上である期間は有限である。
その有限の時間をすぎた後は、自らの全財産と全労働力を提供しつづけなければならない単なる負債でしかない。
金利分しか返済できないような首が絞まった住宅ローンと同じタコ足の資産だ。


わたしの考えかたではこうだ。
自らの全財産と全労働力を提供しつづけることになっても手に入れたいほどの妻を確保できるのでなければ結婚すべきではない。
ふつうの人のようにフルローン近くで新築の住宅ローンを組むと絶対に元が取れない投資になるので、妻にせがまれて住宅を買わざるを得なくなる状況に陥る要因はあらかじめ回避すべきである。
子供は趣味の範囲での出費を想定した余剰資金でまかなうべきであり、お金に余裕がないうちは手をつけないほうが良い。

したがって、わざわざ妻を買ってきて人生設計に窮するようなアホなことはするべきではないとわたしは判断した。
(この議論は恐らく女の視点では別の結論が出るだろう。なぜなら、女の場合は結婚相手に自分を養わせることになるため、むしろ結婚したほうが良いという結論が出る可能性が高いと思われる。)

さて、(5)の定義を思い出してほしい。
これまでの考察のように、もはや結婚は選択権を持つかどうかの差ではなくなった。
新たに定義しなおしてみよう。

(6)
最終的に性的勝者は誤って結婚してしまう可能性が増す。

さてどうだろう。
性的勝者の価値を発揮しやすいのはせいぜいハタチ過ぎまでだ。

若いときは自分の稼ぎがほとんど無いから性的勝者と性的弱者の差分に相当するカネを提供するのは困難であり、若いときは相対的に性的勝者であることの価値は高い。
しかし20代後半くらいになってくると、自分の稼ぎも出てくるうえに能力差に応じて稼ぎの度合いも変わってきだす。
性的弱者であっても別の能力をもってして高い労働対価を得ることができるのならば、性的勝者と性的弱者の差分に相当するカネを提供して女の子の提供を受けることができるようになってくるからだ。

性的勝者であるほうが良いのは間違いない。
しかし、他の能力を磨くの惜しんでまで性的勝者を目指すべきではないと、わたしはそう考える。

まとめよう。
つまり何が言いたいかというと、「オタク男=恋愛弱者」論に対し、われわれは言葉どおりに哀れむべき状況にはないと言いたいのだ。

世のなかには相手もいないのに結婚したいという男もいるらしい。(たぶん女の場合は人生のスポンサー募集という意味合いもあるからちょいと違うかな。)
わたしには理解できないが、結婚生活そのものに特別なインセンティブを感じるのだろう。
そういう人たちはわたしの到達した結論を見て、損得勘定に走りすぎているとでも言って一笑に帰すかもしれない。
そういう人たちはどう考えどう行動するか、それはそれで知りたいとも思う。



【※1 萌える男】
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