海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

折れざる葦

2014-04-29 11:36:19 | 米軍・自衛隊・基地問題

 去年の4・28は東京にいて、政府主催の「主権回復の日」記念式典に反対する集会、デモ行進に参加した。今年は辺野古新基地建設に向けての思惑から、政府は式典を取りやめた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140208/plc14020813150006-n1.htm

 安倍政権がいう「主権回復」とは、サンフランシスコ講和条約によって日本国家が主権を回復したというだけでなく、憲法の三大原則の一つである国民主権を否定して、国民から国家に主権を「回復」=剥奪しようというものだろう。国のやることには黙って従え。そういう居丈高な政府の姿勢は、沖縄の米軍・自衛隊基地の強化において顕著になる。

 辺野古の海を埋め立てる工事に漁港を使用するため、政府・沖縄防衛局が名護市に強硬な姿勢を示している。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-224479-storytopic-53.html

 ゴールデンウィークで市の業務が遅れるのは想定済み、と言うより十分な対応ができないことを狙って、一方的に事務処理を進めようとしている。稲嶺進市長や名護市民、沖縄県民がどれだけ反対しようと、問答無用で工事を強行しようという姿勢が露わだ。沖縄、名護の自治権など眼中にない

 物言わぬ民は滅びる、というのは普天間爆音訴訟団団長の島田善次牧師がよく口にする言葉だ。自らの主権が踏みにじられ、生命、財産、生活権が脅かされることに怒り、かつてウチナンチューはこのように抵抗したこともある。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-171804-storytopic-189.html

 忘れてはならない沖縄の歴史である。アメをしゃぶらされて牙を抜かれ、上を見上げて尾を振るしか能がなくなったらおしまいであり、ムチを打たれて下を向き、膝をついてお願いしても救いはない。時代によって手法は変わっても、圧政に抵抗し続けた先人に学びたい。金網の向こうに星条旗と日の丸がひるがえる風景を当たり前のように眺めてはならない。

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« すでに虚しい2019年2月... | トップ | 天皇夫妻来沖と辺野古新基地... »
最新の画像もっと見る

米軍・自衛隊・基地問題」カテゴリの最新記事