海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

12月10日の県民集会の様子

2011-12-11 04:16:28 | 米軍・自衛隊・基地問題








 12月10日午後4時から沖縄県庁前の県民広場で「田中発言糾弾!一川防衛大臣は辞任せよ!辺野古移設反対!環境影響評価書の提出の断念を求める県民集会」が開かれた。
 時折小雨が降る肌寒い1日だったが、主催者発表で350人の参加があった。新基地建設問題を考える辺野古有志の会、ティダの会のメンバーも名護から参加した。
 集会は主催社を代表して崎山嗣幸県民会議共同代表があいさつしたあと、県議会各派代表と国会議員のあいさつがあり、特別報告として韓国民主労働党の国会議員・権永吉(クォン・ヒョンギル)氏が連帯のあいさつを行った。また、平和市民連絡会、ヘリ基地反対協議会、高江住民の会の3団体が決意表明を行った。







 県民集会で採択された宣言文を以下に紹介したい。


                田中発言糾弾!一川防衛大臣は辞任せよ!
       辺野古移設反対!環境影響評価書の提出の断念を求める県民集会声明

 県民を震撼させた田中前沖縄防衛局長の発言と、その後の政府の対応に沖縄中が怒りに包まれている。
 
 田中発言は、県民を冒涜し、女性の尊厳を踏みにじる許しがたい暴言である。同時に、普天間基地の辺野古移設や、オスプレイ配備、高江ヘリパッド建設、与那国自衛隊基地建設などあらゆる基地の機能強化策を押し付ける政府・防衛相に対して、抵抗し抗議の声を上げ続ける県民への脅迫であり断じて許すことができない。ことの重大性と犯罪性に鑑みれば、政府は直ちに田中前局長を罷免し、防衛省・政府関係機関から追放すべきである。にもかかわらず、政府は「停職」という「一時的姿隠し策」で逃げ切りを図ろうとしている。県民の怒りが収まるはずがない。

 他方、11月28日の田中発言直後の30日、県政に仲井真知事を訪ねた中江防衛事務次官は、発言に陳謝する傍ら、その口で環境影響評価書の提出を明言し、県民の怒りに油を注いだ。また、一川防衛大臣は12月1日の参議院での答弁で、1995年の不幸な事件について「詳細は知らない」と大臣にあるまじき不見識を示した。さらに同大臣はその翌日の12
月2日県庁に仲井真知事を訪ねた際、陳謝の傍ら「お荷物を抱えてしまった」と場違いの発言を繰り返し、仲井真知事の怒りを買った。このように政府全体が、沖縄に押し付けている痛みに無神経で、その一方で、国策の押し付けだけは最優先で推し進める方針であることが明らかになった。私たちは、満身の怒りを込めて田中発言とその後の政府の対応に抗議する。そして中江防衛事務次官ならびに一川防衛大臣の辞任を要求するものである。

 田中発言の直接の要員となった、政府の県政に対する辺野古新基地建設環境影響評価書の提出に関し、沖縄県議会は11月20日、政府に評価書提出の断念を求める意見書を全会一致で採択した。同時に県選出の国会議員ほぼ全員で県議会決議を支持する共同声明を発表した。今や、普天間基地の辺野古移設に反対する県民世論は不動のものとして確立されており、県民の最重要課題として位置づけられている。政府はあまねく表明される県民世論を受け止めるべきである。そして今回の田中発言について、政府が誠心誠意の謝罪と反省を示し、沖縄との「関係修復」を望むというなら、当面、そして何より、環境影響評価書の県政提出を断念し「誠意」を示すべきである。









 ガンバロー三唱のあと、週末でにぎわう国際通りを牧志ウガン公園までデモ行進を行った。

 12月9日の臨時国会閉幕にあわせて、政府・防衛省は田中聡前沖縄防衛局長の停職処分を発表し、暴言問題の幕引きを図ろうとしている。環境影響評価書年内提出の方針はそのままにしておいて、まったくふざけた話だ。沖縄では連日、各団体による抗議集会や抗議行動が行われ、評価書の年内提出を強行しようとしている政府の動きに、怒りと警戒心が高まっている。県民集会では、政府・防衛省の動きがあったときには、即座に行動に取り組むことが確認された。このまま幕が引かれるはずもなく、沖縄では年末まで緊張が続く。




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